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「……あの、アイザック様」
「なんだい?」
「仕事に行ってください」
私は朝食のテーブルで、目の前の男に冷たく言い放った。
アイザック様は、優雅に紅茶を飲みながら、爽やかな笑顔(ただし目は座っている)で首を横に振った。
「断る。今日の私の任務は、君の監視だ」
「監視? ここは貴方の屋敷で、私は貴方の婚約者ですが。これ以上の監視が必要ですか?」
「必要だ。昨日のクラーク殿下の襲来を見て、危機感を覚えた」
彼はカップを置き、真剣な表情で私の手を取った。
「あの男は諦めていない。いつまた、君を攫いに来るかわからない。……だから、私が一日中君の半径1メートル以内に張り付き、物理的に排除する」
「……騎士団長の職務放棄ですか?」
「副団長に全権を委任してきた。『妻の警備という最重要任務に就く』と言ったら、泣いて喜んでくれたぞ」
「それは『やっとあの鬼上司がいなくなる』という嬉し泣きでは?」
私はため息をついた。
確かに、クラーク王太子のしつこさは異常だ。
だが、だからといって四六時中アイザック様に張り付かれていては、私の精神衛生(と心拍数)に悪い。
「安心しろ、ローゼン。君の仕事の邪魔はしない。ただ、君が呼吸をするのを眺めているだけだ」
「それが一番の邪魔です」
私が抗議しようとした時、執事のセバスチャンが恭しく入室してきた。
その手には、毒々しいほど鮮やかなピンク色の封筒が載った銀盆がある。
「旦那様、奥様。……またしても、王太子殿下よりお届け物です」
「……チッ」
アイザック様が、あからさまに舌打ちをした。
美しい顔が台無しである。
「燃やせ。灰も残さずにな」
「お待ちください、旦那様。今回は『親展』……つまり、ローゼン様ご本人以外が開けてはならないという魔術的な封蝋が施されております」
セバスチャンが困ったように眉を下げる。
「無理に燃やせば、封筒に込められた『愛の詩(ポエム)』が大音量で再生される仕組みかと」
「……新手のテロ行為ですね」
私は戦慄した。
あのナルシスト王子の自作ポエムが屋敷中に響き渡る?
それは精神的拷問に等しい。
「私が開けます。中身を確認し、速やかに廃棄するのが最も被害が少ないでしょう」
私は手袋をはめ、外科手術のような慎重さで封筒を手に取った。
ペーパーナイフで封を切る。
中から出てきたのは、羊皮紙にびっしりと書かれた手紙だった。
『愛しのローゼンへ。
君が強がっている姿が、昨夜も夢に出てきたよ。
僕たちは運命の赤い糸で結ばれている。
あの公爵はただの障害物だ。
思い出してごらん、僕たちが過ごしたあの日々を……』
「……吐き気がします」
私は一行目で読むのをやめた。
物理的な吐き気だ。朝食のオムレツが逆流しかけた。
「貸せ」
アイザック様が、私の手から手紙をひったくった。
「読みますか? SAN値が削れますよ」
「敵の思考を分析するのも戦略のうちだ」
彼は眉間に深い皺を刻みながら、手紙に目を通し始めた。
そして、読み進めるごとに、部屋の温度が下がっていった。
ピキッ……パキッ……。
テーブルの水差しが凍りつく。
窓ガラスに霜が降りる。
「……アイザック様? エアコンの設定温度が低すぎます」
「……ふざけるな」
低く、地を這うような声。
アイザック様の手の中で、手紙がバリバリと音を立てて凍結していく。
「『君の初めてのダンスの相手は僕だった』?
『君が初めて作った刺繍は僕への贈り物だった』?
『君の全てを知っているのは僕だけだ』だと……?」
彼の周りから、ドス黒いオーラが噴き出していた。
嫉妬。
それも、可愛らしい焼き餅ではない。
活火山が噴火する直前のような、ドロドロとした独占欲の塊だ。
「……過去の話です」
私は冷静に言った。
「ダンスは義務教育の一環ですし、刺繍は課題提出のために適当に作った雑巾です。何の感情もありません」
「わかっている。……わかっているが、腹が立つ」
アイザック様は、凍りついた手紙を握りつぶした。
粉雪となって消滅するクラーク様のポエム。
南無。
「ローゼン」
「はい」
「こっちへ来い」
命令形だった。
いつもなら「嫌です」と返すところだが、今の彼には逆らってはいけない本能的な恐怖――いや、何か別の圧力を感じた。
私が椅子から立ち上がると、アイザック様は私を強く引き寄せた。
そのまま、自分の膝の上に座らせる。
「ちょっ……アイザック様!?」
「動くな」
彼の腕が、私の腰に鉄の箍(たが)のように回される。
背後から抱きしめられる形だ。
彼の体温が、ドレス越しに伝わってくる。
冷気を使っているはずなのに、彼の体は熱かった。
「……過去は変えられない。それが悔しい」
耳元で、彼の声がした。
「俺が知らない時間を、あいつが知っているという事実。……たとえ君にとって黒歴史だとしても、君の『初めて』があいつに消費されていたという事実が、どうしようもなく不快だ」
「……非効率的な思考です。過去の埋没費用(サンクコスト)を嘆いても、利益は生まれません」
「ああ、非効率だ。自分でも馬鹿だと思う」
彼は私の首筋に顔を埋めた。
「だが、止められない。……嫉妬で狂いそうだ」
首筋に、熱い唇が触れた。
ビクリと体が震える。
「ローゼン。……上書きさせろ」
「う、上書き?」
「あいつとの記憶など、塵一つ残らないくらいに。……俺の色で塗り潰させろ」
彼は私の顎を指で上向かせ、逃げ場を封じた。
紫色の瞳が、至近距離で私を射抜く。
そこには、昏い欲望と、切実な愛情が渦巻いていた。
「君は俺のものだ。髪の毛一本、指先一つ、視線の一瞬でさえも……他の男には渡したくない」
「……独占欲が強すぎます。重いです」
「重い? ならば背負ってくれ。その重さごと、俺を受け入れろ」
反論する間もなかった。
唇が塞がれる。
夜会の時のような、見せつけのためのキスではない。
所有印を刻み込むような、深く、貪欲な口付け。
「んっ……ふ……っ!」
酸素が奪われる。
思考が溶ける。
抵抗しようとした手は、いつの間にか彼のジャケットを掴んでいた。
(……おかしい)
いつもなら、「息が苦しい」「時間が無駄だ」と冷静に判断できるはずなのに。
今の私は、心臓が早鐘を打ち、体温が急上昇している。
怖い。
この男の執着が怖い。
けれど、それ以上に――。
(……満たされている?)
誰にも必要とされず、ただ「便利な道具」として扱われてきた私。
そんな私が、ここまで強烈に「欲しい」と求められている。
その重さが、心地よいと感じてしまっている自分がいた。
長い、長いキスが終わった。
「はぁ……っ……」
私は肩で息をしながら、彼の胸に崩れ落ちた。
顔が熱い。鏡を見なくてもわかる。今の私は、絶対に「鉄壁の無表情」ではない。
アイザック様は、満足げに私の唇を親指で拭った。
「……いい顔だ」
彼は恍惚とした表情で囁いた。
「その、とろんとした目。紅潮した頬。……俺だけが作れる君の表情だ」
「……変態」
「最高の褒め言葉だ」
彼は私を抱きしめ直した。
「もう二度と、あいつの手紙など読ませない。これからは全て俺が検閲し、燃やす。……文句はないな?」
「……ありません。むしろ助かります」
「よろしい」
アイザック様は機嫌を直したようで、私の頭を撫でた。
「さて、嫉妬したら腹が減ったな。……ローゼン、口移しでチョコレートでも食べるか?」
「絶対にお断りします! 追加料金1億ゴールドでも嫌です!」
私は彼の膝から飛び降り、距離を取った。
これ以上近づくと、心臓が持たない。
不整脈だ。これは間違いなく不整脈の前兆だ。
「ふふっ。逃げても無駄だぞ。ここは俺の結界の中だからな」
アイザック様は楽しそうに笑い、紅茶を啜った。
「……セバスチャン。今日の日程を変更する」
控えていた執事に、彼は告げた。
「騎士団には行かない。今日は一日、妻と『記憶の上書き作業』に勤しむことにする」
「かしこまりました。……では、ランチはスタミナのつくものをご用意いたします」
セバスチャンがニヤリと笑う。
「……待ってください。私は図書室に避難します」
「図書室か。いい場所だ。本棚の陰で愛を囁くのも一興だな」
「来ないでください!」
私は逃げるように食堂を飛び出した。
背後から、楽しげな足音がついてくる気配を感じながら。
(……どうしよう)
廊下を早足で歩きながら、私は胸に手を当てた。
ドクンドクンと、まだ鼓動がうるさい。
「……不愉快だわ」
口ではそう言いながらも、口元が勝手に緩んでしまうのを、私はどうしても止めることができなかった。
あの冷たい瞳が、私への執着で熱く燃える瞬間。
それを思い出して、ゾクゾクとしてしまう自分は、もしかしたら彼以上の変態なのかもしれない。
そんな疑念を振り払うように、私は図書室へと駆け込んだ。
だが、この「独占欲」が、まさかあんな事件を引き起こす引き金になるとは、この時の私たちはまだ予想していなかった。
「なんだい?」
「仕事に行ってください」
私は朝食のテーブルで、目の前の男に冷たく言い放った。
アイザック様は、優雅に紅茶を飲みながら、爽やかな笑顔(ただし目は座っている)で首を横に振った。
「断る。今日の私の任務は、君の監視だ」
「監視? ここは貴方の屋敷で、私は貴方の婚約者ですが。これ以上の監視が必要ですか?」
「必要だ。昨日のクラーク殿下の襲来を見て、危機感を覚えた」
彼はカップを置き、真剣な表情で私の手を取った。
「あの男は諦めていない。いつまた、君を攫いに来るかわからない。……だから、私が一日中君の半径1メートル以内に張り付き、物理的に排除する」
「……騎士団長の職務放棄ですか?」
「副団長に全権を委任してきた。『妻の警備という最重要任務に就く』と言ったら、泣いて喜んでくれたぞ」
「それは『やっとあの鬼上司がいなくなる』という嬉し泣きでは?」
私はため息をついた。
確かに、クラーク王太子のしつこさは異常だ。
だが、だからといって四六時中アイザック様に張り付かれていては、私の精神衛生(と心拍数)に悪い。
「安心しろ、ローゼン。君の仕事の邪魔はしない。ただ、君が呼吸をするのを眺めているだけだ」
「それが一番の邪魔です」
私が抗議しようとした時、執事のセバスチャンが恭しく入室してきた。
その手には、毒々しいほど鮮やかなピンク色の封筒が載った銀盆がある。
「旦那様、奥様。……またしても、王太子殿下よりお届け物です」
「……チッ」
アイザック様が、あからさまに舌打ちをした。
美しい顔が台無しである。
「燃やせ。灰も残さずにな」
「お待ちください、旦那様。今回は『親展』……つまり、ローゼン様ご本人以外が開けてはならないという魔術的な封蝋が施されております」
セバスチャンが困ったように眉を下げる。
「無理に燃やせば、封筒に込められた『愛の詩(ポエム)』が大音量で再生される仕組みかと」
「……新手のテロ行為ですね」
私は戦慄した。
あのナルシスト王子の自作ポエムが屋敷中に響き渡る?
それは精神的拷問に等しい。
「私が開けます。中身を確認し、速やかに廃棄するのが最も被害が少ないでしょう」
私は手袋をはめ、外科手術のような慎重さで封筒を手に取った。
ペーパーナイフで封を切る。
中から出てきたのは、羊皮紙にびっしりと書かれた手紙だった。
『愛しのローゼンへ。
君が強がっている姿が、昨夜も夢に出てきたよ。
僕たちは運命の赤い糸で結ばれている。
あの公爵はただの障害物だ。
思い出してごらん、僕たちが過ごしたあの日々を……』
「……吐き気がします」
私は一行目で読むのをやめた。
物理的な吐き気だ。朝食のオムレツが逆流しかけた。
「貸せ」
アイザック様が、私の手から手紙をひったくった。
「読みますか? SAN値が削れますよ」
「敵の思考を分析するのも戦略のうちだ」
彼は眉間に深い皺を刻みながら、手紙に目を通し始めた。
そして、読み進めるごとに、部屋の温度が下がっていった。
ピキッ……パキッ……。
テーブルの水差しが凍りつく。
窓ガラスに霜が降りる。
「……アイザック様? エアコンの設定温度が低すぎます」
「……ふざけるな」
低く、地を這うような声。
アイザック様の手の中で、手紙がバリバリと音を立てて凍結していく。
「『君の初めてのダンスの相手は僕だった』?
『君が初めて作った刺繍は僕への贈り物だった』?
『君の全てを知っているのは僕だけだ』だと……?」
彼の周りから、ドス黒いオーラが噴き出していた。
嫉妬。
それも、可愛らしい焼き餅ではない。
活火山が噴火する直前のような、ドロドロとした独占欲の塊だ。
「……過去の話です」
私は冷静に言った。
「ダンスは義務教育の一環ですし、刺繍は課題提出のために適当に作った雑巾です。何の感情もありません」
「わかっている。……わかっているが、腹が立つ」
アイザック様は、凍りついた手紙を握りつぶした。
粉雪となって消滅するクラーク様のポエム。
南無。
「ローゼン」
「はい」
「こっちへ来い」
命令形だった。
いつもなら「嫌です」と返すところだが、今の彼には逆らってはいけない本能的な恐怖――いや、何か別の圧力を感じた。
私が椅子から立ち上がると、アイザック様は私を強く引き寄せた。
そのまま、自分の膝の上に座らせる。
「ちょっ……アイザック様!?」
「動くな」
彼の腕が、私の腰に鉄の箍(たが)のように回される。
背後から抱きしめられる形だ。
彼の体温が、ドレス越しに伝わってくる。
冷気を使っているはずなのに、彼の体は熱かった。
「……過去は変えられない。それが悔しい」
耳元で、彼の声がした。
「俺が知らない時間を、あいつが知っているという事実。……たとえ君にとって黒歴史だとしても、君の『初めて』があいつに消費されていたという事実が、どうしようもなく不快だ」
「……非効率的な思考です。過去の埋没費用(サンクコスト)を嘆いても、利益は生まれません」
「ああ、非効率だ。自分でも馬鹿だと思う」
彼は私の首筋に顔を埋めた。
「だが、止められない。……嫉妬で狂いそうだ」
首筋に、熱い唇が触れた。
ビクリと体が震える。
「ローゼン。……上書きさせろ」
「う、上書き?」
「あいつとの記憶など、塵一つ残らないくらいに。……俺の色で塗り潰させろ」
彼は私の顎を指で上向かせ、逃げ場を封じた。
紫色の瞳が、至近距離で私を射抜く。
そこには、昏い欲望と、切実な愛情が渦巻いていた。
「君は俺のものだ。髪の毛一本、指先一つ、視線の一瞬でさえも……他の男には渡したくない」
「……独占欲が強すぎます。重いです」
「重い? ならば背負ってくれ。その重さごと、俺を受け入れろ」
反論する間もなかった。
唇が塞がれる。
夜会の時のような、見せつけのためのキスではない。
所有印を刻み込むような、深く、貪欲な口付け。
「んっ……ふ……っ!」
酸素が奪われる。
思考が溶ける。
抵抗しようとした手は、いつの間にか彼のジャケットを掴んでいた。
(……おかしい)
いつもなら、「息が苦しい」「時間が無駄だ」と冷静に判断できるはずなのに。
今の私は、心臓が早鐘を打ち、体温が急上昇している。
怖い。
この男の執着が怖い。
けれど、それ以上に――。
(……満たされている?)
誰にも必要とされず、ただ「便利な道具」として扱われてきた私。
そんな私が、ここまで強烈に「欲しい」と求められている。
その重さが、心地よいと感じてしまっている自分がいた。
長い、長いキスが終わった。
「はぁ……っ……」
私は肩で息をしながら、彼の胸に崩れ落ちた。
顔が熱い。鏡を見なくてもわかる。今の私は、絶対に「鉄壁の無表情」ではない。
アイザック様は、満足げに私の唇を親指で拭った。
「……いい顔だ」
彼は恍惚とした表情で囁いた。
「その、とろんとした目。紅潮した頬。……俺だけが作れる君の表情だ」
「……変態」
「最高の褒め言葉だ」
彼は私を抱きしめ直した。
「もう二度と、あいつの手紙など読ませない。これからは全て俺が検閲し、燃やす。……文句はないな?」
「……ありません。むしろ助かります」
「よろしい」
アイザック様は機嫌を直したようで、私の頭を撫でた。
「さて、嫉妬したら腹が減ったな。……ローゼン、口移しでチョコレートでも食べるか?」
「絶対にお断りします! 追加料金1億ゴールドでも嫌です!」
私は彼の膝から飛び降り、距離を取った。
これ以上近づくと、心臓が持たない。
不整脈だ。これは間違いなく不整脈の前兆だ。
「ふふっ。逃げても無駄だぞ。ここは俺の結界の中だからな」
アイザック様は楽しそうに笑い、紅茶を啜った。
「……セバスチャン。今日の日程を変更する」
控えていた執事に、彼は告げた。
「騎士団には行かない。今日は一日、妻と『記憶の上書き作業』に勤しむことにする」
「かしこまりました。……では、ランチはスタミナのつくものをご用意いたします」
セバスチャンがニヤリと笑う。
「……待ってください。私は図書室に避難します」
「図書室か。いい場所だ。本棚の陰で愛を囁くのも一興だな」
「来ないでください!」
私は逃げるように食堂を飛び出した。
背後から、楽しげな足音がついてくる気配を感じながら。
(……どうしよう)
廊下を早足で歩きながら、私は胸に手を当てた。
ドクンドクンと、まだ鼓動がうるさい。
「……不愉快だわ」
口ではそう言いながらも、口元が勝手に緩んでしまうのを、私はどうしても止めることができなかった。
あの冷たい瞳が、私への執着で熱く燃える瞬間。
それを思い出して、ゾクゾクとしてしまう自分は、もしかしたら彼以上の変態なのかもしれない。
そんな疑念を振り払うように、私は図書室へと駆け込んだ。
だが、この「独占欲」が、まさかあんな事件を引き起こす引き金になるとは、この時の私たちはまだ予想していなかった。
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