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王城の裏手、第三演習場の脇にある生垣の茂み。
そこは、私のとっておきの「特等席」だ。
枝葉の隙間から、近衛騎士団の鍛錬風景が一望できる絶好のポジション。
私は息を殺し、ボンネットの上からさらに葉っぱを被って、完全に自然と一体化していた。
(……来たわ)
視界の先に、目当ての人物が現れる。
近衛騎士、ルーカス様だ。
午前の訓練を終えた彼は、汗で張り付いた修練着の襟元を寛げながら、ベンチに腰を下ろした。
(ああっ、尊い……! あの首筋を伝う汗! あれはただの水分ではありません、聖水です! 太陽の光を浴びて輝く鎖骨のライン、芸術点一万点!)
私は震える手でスケッチブックを開き、猛スピードでデッサンを開始した。
線が走る。
ルーカス様のアンニュイな表情、濡れた髪、そして少し気だるげな指先。
私のペン先は、まるで神に導かれるように滑らかに動く。
するとそこへ、もう一人の人物が駆け寄ってきた。
「ルーカス! お疲れ、いい動きだったね!」
キラキラオーラを撒き散らす金髪の美青年。
エリック殿下だ。
殿下は自身も剣を持っていたが、汗ひとつかいていない爽やかさである。
「殿下……。わざわざこのような場所まで」
「いいじゃないか。はい、水。冷えてるよ」
殿下が差し出した水筒を、ルーカス様が受け取る。
(キタキタキタァァァッ!!)
私は心の中で絶叫した。
(『差し入れイベント』発生! しかも、殿下が口をつけたかもしれない水筒を、ルーカス様が躊躇なく……飲んだ! 関節キス成立! ありがとうございます、本日のノルマ達成です!)
ゴクゴクと喉を鳴らして水を飲むルーカス様。
それを満足そうに見つめるエリック殿下。
「……美味いか?」
「ええ。生き返ります」
「そうか。なら良かった」
ただそれだけの会話。
だが、私の脳内翻訳機を通せばこうなる。
『僕の愛は美味しいかい?』
『ええ、あなたの愛で満たされました』
(はぁ……はぁ……ッ! もうダメ、尊すぎて酸素が足りない……!)
私は興奮のあまり過呼吸になりかけながら、その様子を克明にメモした。
『○月×日、晴れ。水筒の水渡し。視線の絡み合い約三秒。殿下の表情、慈愛に満ちている。ルーカス、まんざらでもない様子(重要)』
よし、これで新作のネタは確保できた。
あとはこの場を静かに立ち去るだけ……。
そう思った、その時だった。
ザッ……。
背後で、枯れ葉を踏む音がした。
(!)
しまった。
興奮して少し動いてしまったか?
いや、違う。
この音は、私の足音ではない。
もっと重く、冷たく、確かな質量を持った「他者」の足音だ。
背筋に冷たいものが走る。
野生の勘が警鐘を鳴らしている。
『逃げろ』と。
私は恐る恐る、スローモーションのように振り返った。
そこには。
「……何をしている?」
氷点下の視線があった。
見上げるほどの長身。
仕立ての良い漆黒の執務服。
銀縁眼鏡の奥で冷ややかに光る、アイスブルーの瞳。
「ひっ……!」
心臓が止まるかと思った。
そこに立っていたのは、衛兵でも庭師でもない。
この国で最も権力を持ち、最も恐れられている男。
宰相、キース・クリフォード公爵閣下だった。
「き、きき、キース……か、閣下……」
「ほう。私の名を知っているか」
キース閣下は無表情のまま、私の頭上――ボンネットに乗っかっていた葉っぱを指先で摘み上げた。
「こんな場所で、公爵令嬢ともあろう者が。……鼠のような真似をして、何が望みだ?」
バレてるーッ!!
変装の意味なし!
いや、よく考えれば私は昨日まで弟君の婚約者だったのだ。顔を見間違えるはずがない。
「あ、あの、これは……その……」
私は必死でスケッチブックを背中に隠した。
冷や汗が滝のように流れる。
このノートの中身を見られたら、私は社会的に死ぬ。
いや、不敬罪で物理的にも死ぬかもしれない。
「散歩……です。そう、お散歩! 天気が良いので、迷子になってしまいまして! オホホホ!」
「散歩? こんな泥だらけの茂みの中でか?」
「ええ、自然と触れ合いたくて! 大地を感じていたのです!」
苦しすぎる言い訳。
キース閣下の眉間の皺が深くなった。
「……アイビー・ローズブレイド。昨日、弟から婚約破棄を言い渡されたばかりのはずだが。まさか、未練がましくエリックを付け回していたのか?」
「めっっっそうもございません!!」
私は即座に、全力で否定した。
「未練など微塵も! これっぽっちも! 砂粒ほどもございません! むしろ殿下には、新たな愛の道を突き進んでいただきたいと心から願っております!」
あまりの勢いに、キース閣下がわずかに目を丸くした。
しかし、すぐにその鋭い視線は私の背中――隠しているスケッチブックへと向けられた。
「ならば、その背に隠しているものは何だ」
「こ、これは……わ、私の……日記です! 乙女の恥じらいが詰まったポエム帳です!」
「ほう。ポエム、か」
キース閣下が私との距離を詰める。
長い脚が一歩踏み出されるたびに、威圧感が増す。
壁際に追い詰められた小動物の気分だ。
「ならば見せても構わないだろう。元婚約者の不審な行動を監視するのは、王家の人間としての義務だ」
「いやぁぁぁ! これだけは! これだけはご勘弁を!」
私はスケッチブックを抱きしめてうずくまった。
この中には、エリック殿下とルーカス様のあんな姿やこんな姿(妄想)が描かれているのだ。
見られたら切腹するしかない。
「抵抗するな」
キース閣下の大きな手が、私の手首を掴んだ。
冷たい指先。
でも、掴む力は存外に優しくて、痛くはない。
「……離してください! これは私の命なんです!」
「たかが紙束が命だと? 大袈裟な女だ」
「大袈裟じゃありません! 推しの尊さを記録した、私の魂の結晶なんです!」
「推し……? 尊さ……?」
聞き慣れない単語に、閣下の動きが一瞬止まる。
その隙をついて逃げようとしたが、甘かった。
「――確保」
「きゃっ!?」
次の瞬間、私はキース閣下の腕の中に閉じ込められていた。
いわゆる「壁ドン」の体勢。
ただし、ロマンチックな雰囲気は皆無。
完全なる「捕獲」だ。
至近距離で見る閣下の顔は、恐ろしいほど整っていた。
長い睫毛、通った鼻筋、そして氷のような瞳。
(うっわ、顔がいい……! この人も、黙っていれば絶世の美形なのに……性格がサディスティックすぎるのよ……!)
「観念しろ。……中身を改めさせてもらう」
「あ……ああ……」
私の手から、スケッチブックが引き抜かれる。
終わった。
私の人生、ジ・エンド。
キース閣下は私の拘束を解くことなく、片手でパラリとノートを開いた。
一ページ目。
『エリック×ルーカス カップリング考察』というデカデカとしたタイトル。
二ページ目。
先ほど描いたばかりの、汗だくルーカス様と、ねっとりした視線のエリック殿下の絵。
時が止まった。
静寂が、裏庭を支配する。
私はギュッと目を閉じて、断罪の時を待った。
「……なんだ、これは」
低く、困惑を含んだ声が降ってくる。
「エリックが……『受け』……?」
「え?」
私は恐る恐る目を開けた。
キース閣下は、激怒しているわけでも、呆れているわけでもなかった。
眼鏡の奥の瞳を怪しく光らせ、真剣な眼差しで私のノートを凝視している。
「……ルーカスのこの表情、確かにあいつは時折こういう顔をする。よく観察しているな」
「は、はい……?」
「だが解せぬ。エリックの性格からして、主導権を握りたがるのは明白だ。なぜ彼が受けに回る?」
「そ、それはですね!」
私は思わず食いついてしまった。
命の危機も忘れて、作家としてのプライドが首をもたげる。
「殿下は確かにワガママですが、それは甘えの裏返しなのです! ルーカス様の包容力の前では、殿下の強がりなど可愛い子猫の威嚇も同然! ベッドの上では、その立場が逆転して泣かされる殿下……それこそが王道なのです!」
一気にまくし立ててしまった。
ハッと我に返り、口を手で覆う。
(やっちゃった……! 宰相閣下に何を熱弁しているの、私!)
処刑だ。
今度こそ処刑される。
そう覚悟した時だった。
「…………」
キース閣下が、口元に手を当てて……震えている?
怒りで震えているのか?
いや、違う。
「……くっ、くく……」
彼は、笑っていた。
あの氷の宰相が、肩を震わせて笑っているのだ。
「面白い。……実に面白い解釈だ、アイビー嬢」
眼鏡の奥の瞳が、初めて見る「興味」の色を帯びて、私を射抜いた。
「君のその歪んだ才能……私の仕事に役立つかもしれん」
「……は?」
キース閣下の口元に、妖艶な笑みが浮かぶ。
それは、悪魔との契約が成立した瞬間のような、背筋が凍るような笑みだった。
そこは、私のとっておきの「特等席」だ。
枝葉の隙間から、近衛騎士団の鍛錬風景が一望できる絶好のポジション。
私は息を殺し、ボンネットの上からさらに葉っぱを被って、完全に自然と一体化していた。
(……来たわ)
視界の先に、目当ての人物が現れる。
近衛騎士、ルーカス様だ。
午前の訓練を終えた彼は、汗で張り付いた修練着の襟元を寛げながら、ベンチに腰を下ろした。
(ああっ、尊い……! あの首筋を伝う汗! あれはただの水分ではありません、聖水です! 太陽の光を浴びて輝く鎖骨のライン、芸術点一万点!)
私は震える手でスケッチブックを開き、猛スピードでデッサンを開始した。
線が走る。
ルーカス様のアンニュイな表情、濡れた髪、そして少し気だるげな指先。
私のペン先は、まるで神に導かれるように滑らかに動く。
するとそこへ、もう一人の人物が駆け寄ってきた。
「ルーカス! お疲れ、いい動きだったね!」
キラキラオーラを撒き散らす金髪の美青年。
エリック殿下だ。
殿下は自身も剣を持っていたが、汗ひとつかいていない爽やかさである。
「殿下……。わざわざこのような場所まで」
「いいじゃないか。はい、水。冷えてるよ」
殿下が差し出した水筒を、ルーカス様が受け取る。
(キタキタキタァァァッ!!)
私は心の中で絶叫した。
(『差し入れイベント』発生! しかも、殿下が口をつけたかもしれない水筒を、ルーカス様が躊躇なく……飲んだ! 関節キス成立! ありがとうございます、本日のノルマ達成です!)
ゴクゴクと喉を鳴らして水を飲むルーカス様。
それを満足そうに見つめるエリック殿下。
「……美味いか?」
「ええ。生き返ります」
「そうか。なら良かった」
ただそれだけの会話。
だが、私の脳内翻訳機を通せばこうなる。
『僕の愛は美味しいかい?』
『ええ、あなたの愛で満たされました』
(はぁ……はぁ……ッ! もうダメ、尊すぎて酸素が足りない……!)
私は興奮のあまり過呼吸になりかけながら、その様子を克明にメモした。
『○月×日、晴れ。水筒の水渡し。視線の絡み合い約三秒。殿下の表情、慈愛に満ちている。ルーカス、まんざらでもない様子(重要)』
よし、これで新作のネタは確保できた。
あとはこの場を静かに立ち去るだけ……。
そう思った、その時だった。
ザッ……。
背後で、枯れ葉を踏む音がした。
(!)
しまった。
興奮して少し動いてしまったか?
いや、違う。
この音は、私の足音ではない。
もっと重く、冷たく、確かな質量を持った「他者」の足音だ。
背筋に冷たいものが走る。
野生の勘が警鐘を鳴らしている。
『逃げろ』と。
私は恐る恐る、スローモーションのように振り返った。
そこには。
「……何をしている?」
氷点下の視線があった。
見上げるほどの長身。
仕立ての良い漆黒の執務服。
銀縁眼鏡の奥で冷ややかに光る、アイスブルーの瞳。
「ひっ……!」
心臓が止まるかと思った。
そこに立っていたのは、衛兵でも庭師でもない。
この国で最も権力を持ち、最も恐れられている男。
宰相、キース・クリフォード公爵閣下だった。
「き、きき、キース……か、閣下……」
「ほう。私の名を知っているか」
キース閣下は無表情のまま、私の頭上――ボンネットに乗っかっていた葉っぱを指先で摘み上げた。
「こんな場所で、公爵令嬢ともあろう者が。……鼠のような真似をして、何が望みだ?」
バレてるーッ!!
変装の意味なし!
いや、よく考えれば私は昨日まで弟君の婚約者だったのだ。顔を見間違えるはずがない。
「あ、あの、これは……その……」
私は必死でスケッチブックを背中に隠した。
冷や汗が滝のように流れる。
このノートの中身を見られたら、私は社会的に死ぬ。
いや、不敬罪で物理的にも死ぬかもしれない。
「散歩……です。そう、お散歩! 天気が良いので、迷子になってしまいまして! オホホホ!」
「散歩? こんな泥だらけの茂みの中でか?」
「ええ、自然と触れ合いたくて! 大地を感じていたのです!」
苦しすぎる言い訳。
キース閣下の眉間の皺が深くなった。
「……アイビー・ローズブレイド。昨日、弟から婚約破棄を言い渡されたばかりのはずだが。まさか、未練がましくエリックを付け回していたのか?」
「めっっっそうもございません!!」
私は即座に、全力で否定した。
「未練など微塵も! これっぽっちも! 砂粒ほどもございません! むしろ殿下には、新たな愛の道を突き進んでいただきたいと心から願っております!」
あまりの勢いに、キース閣下がわずかに目を丸くした。
しかし、すぐにその鋭い視線は私の背中――隠しているスケッチブックへと向けられた。
「ならば、その背に隠しているものは何だ」
「こ、これは……わ、私の……日記です! 乙女の恥じらいが詰まったポエム帳です!」
「ほう。ポエム、か」
キース閣下が私との距離を詰める。
長い脚が一歩踏み出されるたびに、威圧感が増す。
壁際に追い詰められた小動物の気分だ。
「ならば見せても構わないだろう。元婚約者の不審な行動を監視するのは、王家の人間としての義務だ」
「いやぁぁぁ! これだけは! これだけはご勘弁を!」
私はスケッチブックを抱きしめてうずくまった。
この中には、エリック殿下とルーカス様のあんな姿やこんな姿(妄想)が描かれているのだ。
見られたら切腹するしかない。
「抵抗するな」
キース閣下の大きな手が、私の手首を掴んだ。
冷たい指先。
でも、掴む力は存外に優しくて、痛くはない。
「……離してください! これは私の命なんです!」
「たかが紙束が命だと? 大袈裟な女だ」
「大袈裟じゃありません! 推しの尊さを記録した、私の魂の結晶なんです!」
「推し……? 尊さ……?」
聞き慣れない単語に、閣下の動きが一瞬止まる。
その隙をついて逃げようとしたが、甘かった。
「――確保」
「きゃっ!?」
次の瞬間、私はキース閣下の腕の中に閉じ込められていた。
いわゆる「壁ドン」の体勢。
ただし、ロマンチックな雰囲気は皆無。
完全なる「捕獲」だ。
至近距離で見る閣下の顔は、恐ろしいほど整っていた。
長い睫毛、通った鼻筋、そして氷のような瞳。
(うっわ、顔がいい……! この人も、黙っていれば絶世の美形なのに……性格がサディスティックすぎるのよ……!)
「観念しろ。……中身を改めさせてもらう」
「あ……ああ……」
私の手から、スケッチブックが引き抜かれる。
終わった。
私の人生、ジ・エンド。
キース閣下は私の拘束を解くことなく、片手でパラリとノートを開いた。
一ページ目。
『エリック×ルーカス カップリング考察』というデカデカとしたタイトル。
二ページ目。
先ほど描いたばかりの、汗だくルーカス様と、ねっとりした視線のエリック殿下の絵。
時が止まった。
静寂が、裏庭を支配する。
私はギュッと目を閉じて、断罪の時を待った。
「……なんだ、これは」
低く、困惑を含んだ声が降ってくる。
「エリックが……『受け』……?」
「え?」
私は恐る恐る目を開けた。
キース閣下は、激怒しているわけでも、呆れているわけでもなかった。
眼鏡の奥の瞳を怪しく光らせ、真剣な眼差しで私のノートを凝視している。
「……ルーカスのこの表情、確かにあいつは時折こういう顔をする。よく観察しているな」
「は、はい……?」
「だが解せぬ。エリックの性格からして、主導権を握りたがるのは明白だ。なぜ彼が受けに回る?」
「そ、それはですね!」
私は思わず食いついてしまった。
命の危機も忘れて、作家としてのプライドが首をもたげる。
「殿下は確かにワガママですが、それは甘えの裏返しなのです! ルーカス様の包容力の前では、殿下の強がりなど可愛い子猫の威嚇も同然! ベッドの上では、その立場が逆転して泣かされる殿下……それこそが王道なのです!」
一気にまくし立ててしまった。
ハッと我に返り、口を手で覆う。
(やっちゃった……! 宰相閣下に何を熱弁しているの、私!)
処刑だ。
今度こそ処刑される。
そう覚悟した時だった。
「…………」
キース閣下が、口元に手を当てて……震えている?
怒りで震えているのか?
いや、違う。
「……くっ、くく……」
彼は、笑っていた。
あの氷の宰相が、肩を震わせて笑っているのだ。
「面白い。……実に面白い解釈だ、アイビー嬢」
眼鏡の奥の瞳が、初めて見る「興味」の色を帯びて、私を射抜いた。
「君のその歪んだ才能……私の仕事に役立つかもしれん」
「……は?」
キース閣下の口元に、妖艶な笑みが浮かぶ。
それは、悪魔との契約が成立した瞬間のような、背筋が凍るような笑みだった。
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