10 / 28
10
しおりを挟む
「……近すぎないか?」
「そんなことないよ、ルーカス。ほら、あーん」
「…………」
視察先の砦に到着した日の夜。
歓迎の夕食会(という名の地獄)が開催されていた。
私の目の前では、エリック殿下が甲斐甲斐しくルーカス様の皿に肉を切り分け、あろうことかフォークで差し出している。
ルーカス様は眉間の皺を深くし、助けを求めるように周囲を見渡しているが、誰も王太子には逆らえない。
結局、彼は諦めたように口を開き、殿下から肉を受け取った。
「美味しいかい?」
「……味がしません」
「ははは、照れ屋さんだなぁ!」
(尊い……ッ!)
私はナプキンで口元を隠しながら、机の下で足をバタつかせた。
第8話での私のアドバイス(『もっとルーカス様を頼って絆を見せつけろ』)が、劇薬のごとく効いている。
殿下は「頼る」を通り越して「甘える」モードに入り、ルーカス様は困惑しつつも主君を拒絶できずに受け入れている。
まさに、私が夢見た「ワンコ攻め×苦労人受け」の構図だ。
「……おい」
隣から低い声がした。
キース閣下だ。
彼は冷めたスープを啜りながら、ジト目で私を見ている。
「お前のアドバイスのせいで、エリックが幼児退行したぞ。どう責任を取るんだ」
「何を仰いますか。あれは幼児退行ではありません。『スパダリへの無防備な信頼』です。見てください、あのルーカス様の『仕方ない人だ』という諦観を含んだ瞳。あれこそが至高なのです」
「……お前の脳内変換機能は、一度修理に出した方がいい」
閣下は呆れ果てていたが、すぐに表情を引き締めた。
「まあいい。……それよりアイビー。話がある」
「はい? 新作のプロット相談ですか?」
「違う。……明日の夜のことだ」
閣下は懐から一通の封筒を取り出した。
金色の箔押しがされた、豪奢な招待状だ。
「この砦を管理している辺境伯が、我々のために舞踏会を催すそうだ。近隣の貴族たちも招いてな」
「へぇ、舞踏会ですか」
私は他人事のように頷いた。
「美味しい料理が出るといいですね。私は部屋で執筆していますけど」
「お前も出るんだ」
「はい?」
「私のパートナーとしてな」
閣下はさらりと言った。
私はスープを吹き出しそうになった。
「な、何を寝言を! 謹慎中の身ですよ? それに、元婚約者の兄とパートナーだなんて、スキャンダルの火種を撒き散らすようなものです!」
「火種で結構。……今回の夜会には、隣国と通じている『鼠』が紛れ込んでいる可能性がある」
閣下の瞳が、スッと細められた。
氷の宰相モードだ。
「私がパートナーを連れていれば、敵は油断する。『宰相は女にかまけている』とな。……その隙に、お前には会場内の不審人物を『観察』してほしい」
「つまり、隠れ蓑になれと?」
「人聞きが悪いな。共同作業だ」
閣下は口角を上げた。
「断る権利はないぞ。お前は私の部下(特別資料整理係)なのだからな」
「ぐぬぬ……」
私は唸った。
確かに業務命令なら仕方ない。
だが、夜会に出るということは、着飾らなければならないということだ。
「分かりました。出ます。出ますが……条件があります」
「なんだ」
「ドレスは自分で選びます。そして、会場では基本的に『壁』になります」
「壁?」
「ええ。主役はあくまで殿下たち。私は背景の一部、観葉植物、あるいは壁のシミとして存在し、皆様の物語を邪魔しないよう努めます」
私は力説した。
「目立ってしまっては、生の『萌え』を摂取できませんからね!」
「……勝手にしろ。ただし、私の隣に立つ以上、最低限の品位は保てよ」
「お任せください。私の隠密スキルをお見せしましょう」
◆
翌日の夕方。
私は砦の一室に用意された控室で、持参したドレスに着替えていた。
「お嬢様、本当にこれでよろしいのですか……?」
侍女のメアリーが、不安そうにドレスを広げる。
それは、私がこの日のために用意した『対・夜会用ステルスドレス』だ。
色は、会場の壁紙やカーテンによく使われる色味を研究し尽くした、絶妙な「くすんだベージュ」。
装飾は極限まで排除し、シルエットも体のラインを拾わない寸胴型。
「完璧よメアリー。これなら、壁際に立てば誰も私を認識できないわ」
「……ただの地味な服に見えますが」
「それがいいのよ! さあ、着せてちょうだい!」
私は意気揚々とそのドレスに袖を通した。
髪も地味にまとめ、メイクも薄く。
鏡の前に立った私は、どこからどう見ても「招待客の数合わせで呼ばれた没落貴族の娘」だった。
「よし。これなら閣下の隣にいても、誰も私のことなど見ないでしょう」
私は満足げに頷き、控室を出た。
廊下には、すでに正装に着替えたキース閣下が待っていた。
漆黒の燕尾服に、真紅のタイ。
銀縁眼鏡が知的に光り、その立ち姿だけで廊下の空気が引き締まって見える。
「お待たせしました、閣下」
私が声をかけると、閣下はゆっくりと振り返り――。
そして、固まった。
「…………」
無言だ。
氷の宰相が、完全にフリーズしている。
「いかがですか? この完璧な『モブ』っぷり」
私はスカートを摘んで、控えめなカーテシーをした。
キース閣下は眼鏡を外し、指でこめかみを揉み始めた。
「……アイビー」
「はい」
「お前は……本気で言っているのか?」
「もちろんです。これなら、誰の記憶にも残りません」
「……そうだな。記憶には残らんかもしれんが、私の精神衛生上よろしくない」
閣下は深く溜息をつくと、パチンと指を鳴らした。
「おい、誰か」
控えていた砦のメイドたちが現れる。
「この女を磨き上げろ。ドレスもだ。一番派手な……いや、私の瞳と同じ色のドレスを用意しろ」
「えっ!? ちょ、閣下!? 話が違います!」
「違わない。最低限の品位と言ったはずだ。……その芋虫のような恰好は、品位以前の問題だ」
「芋虫ですって!?」
「連れて行け」
「いやぁぁぁ! 私のステルス計画がぁぁぁ!」
私はズルズルと控室に引き戻された。
◆
一時間後。
私は、鮮やかなアイスブルーのドレスに身を包んでいた。
背中が大きく開いたデザインで、肌に自信がないと着こなせない代物だ。
髪もアップにされ、煌びやかな宝石が散りばめられている。
「……ふん。素材は悪くないのだから、磨けば光る」
満足げに頷くキース閣下。
私は鏡の中の自分を見て、絶望していた。
「……目立ちます。これでは絶対に目立ちます」
「構わん。私のパートナーだぞ、地味な方が不自然だ」
「でもぉ……」
「行くぞ。エリックたちはもう会場入りしている」
その言葉に、私はピクリと反応した。
「……殿下とルーカス様は?」
「とっくに行っている。……聞いた話では、エリックが『ルーカスとお揃いのチーフがいい』と駄々をこねていたらしいが」
「!!」
私はガバッと顔を上げた。
「行きます! 今すぐ行きます!」
「……現金な奴め」
閣下が差し出した腕に、私はしがみつくように手を回した。
「急ぎましょう閣下! お揃いのチーフ……それはつまり、魂の共有! その瞬間を見逃すわけにはいきません!」
「転ぶなよ」
こうして私たちは、夜会の会場へと向かった。
私の頭の中は、これから繰り広げられるであろう「萌えシチュエーション」への期待でいっぱいで、これから巻き込まれる陰謀のことなど、すっかり頭から抜け落ちていたのだった。
(待っていてください、私の推したち! 今、最高のアングルで観察しに行きますから!)
会場の扉が、重々しく開かれる――。
「そんなことないよ、ルーカス。ほら、あーん」
「…………」
視察先の砦に到着した日の夜。
歓迎の夕食会(という名の地獄)が開催されていた。
私の目の前では、エリック殿下が甲斐甲斐しくルーカス様の皿に肉を切り分け、あろうことかフォークで差し出している。
ルーカス様は眉間の皺を深くし、助けを求めるように周囲を見渡しているが、誰も王太子には逆らえない。
結局、彼は諦めたように口を開き、殿下から肉を受け取った。
「美味しいかい?」
「……味がしません」
「ははは、照れ屋さんだなぁ!」
(尊い……ッ!)
私はナプキンで口元を隠しながら、机の下で足をバタつかせた。
第8話での私のアドバイス(『もっとルーカス様を頼って絆を見せつけろ』)が、劇薬のごとく効いている。
殿下は「頼る」を通り越して「甘える」モードに入り、ルーカス様は困惑しつつも主君を拒絶できずに受け入れている。
まさに、私が夢見た「ワンコ攻め×苦労人受け」の構図だ。
「……おい」
隣から低い声がした。
キース閣下だ。
彼は冷めたスープを啜りながら、ジト目で私を見ている。
「お前のアドバイスのせいで、エリックが幼児退行したぞ。どう責任を取るんだ」
「何を仰いますか。あれは幼児退行ではありません。『スパダリへの無防備な信頼』です。見てください、あのルーカス様の『仕方ない人だ』という諦観を含んだ瞳。あれこそが至高なのです」
「……お前の脳内変換機能は、一度修理に出した方がいい」
閣下は呆れ果てていたが、すぐに表情を引き締めた。
「まあいい。……それよりアイビー。話がある」
「はい? 新作のプロット相談ですか?」
「違う。……明日の夜のことだ」
閣下は懐から一通の封筒を取り出した。
金色の箔押しがされた、豪奢な招待状だ。
「この砦を管理している辺境伯が、我々のために舞踏会を催すそうだ。近隣の貴族たちも招いてな」
「へぇ、舞踏会ですか」
私は他人事のように頷いた。
「美味しい料理が出るといいですね。私は部屋で執筆していますけど」
「お前も出るんだ」
「はい?」
「私のパートナーとしてな」
閣下はさらりと言った。
私はスープを吹き出しそうになった。
「な、何を寝言を! 謹慎中の身ですよ? それに、元婚約者の兄とパートナーだなんて、スキャンダルの火種を撒き散らすようなものです!」
「火種で結構。……今回の夜会には、隣国と通じている『鼠』が紛れ込んでいる可能性がある」
閣下の瞳が、スッと細められた。
氷の宰相モードだ。
「私がパートナーを連れていれば、敵は油断する。『宰相は女にかまけている』とな。……その隙に、お前には会場内の不審人物を『観察』してほしい」
「つまり、隠れ蓑になれと?」
「人聞きが悪いな。共同作業だ」
閣下は口角を上げた。
「断る権利はないぞ。お前は私の部下(特別資料整理係)なのだからな」
「ぐぬぬ……」
私は唸った。
確かに業務命令なら仕方ない。
だが、夜会に出るということは、着飾らなければならないということだ。
「分かりました。出ます。出ますが……条件があります」
「なんだ」
「ドレスは自分で選びます。そして、会場では基本的に『壁』になります」
「壁?」
「ええ。主役はあくまで殿下たち。私は背景の一部、観葉植物、あるいは壁のシミとして存在し、皆様の物語を邪魔しないよう努めます」
私は力説した。
「目立ってしまっては、生の『萌え』を摂取できませんからね!」
「……勝手にしろ。ただし、私の隣に立つ以上、最低限の品位は保てよ」
「お任せください。私の隠密スキルをお見せしましょう」
◆
翌日の夕方。
私は砦の一室に用意された控室で、持参したドレスに着替えていた。
「お嬢様、本当にこれでよろしいのですか……?」
侍女のメアリーが、不安そうにドレスを広げる。
それは、私がこの日のために用意した『対・夜会用ステルスドレス』だ。
色は、会場の壁紙やカーテンによく使われる色味を研究し尽くした、絶妙な「くすんだベージュ」。
装飾は極限まで排除し、シルエットも体のラインを拾わない寸胴型。
「完璧よメアリー。これなら、壁際に立てば誰も私を認識できないわ」
「……ただの地味な服に見えますが」
「それがいいのよ! さあ、着せてちょうだい!」
私は意気揚々とそのドレスに袖を通した。
髪も地味にまとめ、メイクも薄く。
鏡の前に立った私は、どこからどう見ても「招待客の数合わせで呼ばれた没落貴族の娘」だった。
「よし。これなら閣下の隣にいても、誰も私のことなど見ないでしょう」
私は満足げに頷き、控室を出た。
廊下には、すでに正装に着替えたキース閣下が待っていた。
漆黒の燕尾服に、真紅のタイ。
銀縁眼鏡が知的に光り、その立ち姿だけで廊下の空気が引き締まって見える。
「お待たせしました、閣下」
私が声をかけると、閣下はゆっくりと振り返り――。
そして、固まった。
「…………」
無言だ。
氷の宰相が、完全にフリーズしている。
「いかがですか? この完璧な『モブ』っぷり」
私はスカートを摘んで、控えめなカーテシーをした。
キース閣下は眼鏡を外し、指でこめかみを揉み始めた。
「……アイビー」
「はい」
「お前は……本気で言っているのか?」
「もちろんです。これなら、誰の記憶にも残りません」
「……そうだな。記憶には残らんかもしれんが、私の精神衛生上よろしくない」
閣下は深く溜息をつくと、パチンと指を鳴らした。
「おい、誰か」
控えていた砦のメイドたちが現れる。
「この女を磨き上げろ。ドレスもだ。一番派手な……いや、私の瞳と同じ色のドレスを用意しろ」
「えっ!? ちょ、閣下!? 話が違います!」
「違わない。最低限の品位と言ったはずだ。……その芋虫のような恰好は、品位以前の問題だ」
「芋虫ですって!?」
「連れて行け」
「いやぁぁぁ! 私のステルス計画がぁぁぁ!」
私はズルズルと控室に引き戻された。
◆
一時間後。
私は、鮮やかなアイスブルーのドレスに身を包んでいた。
背中が大きく開いたデザインで、肌に自信がないと着こなせない代物だ。
髪もアップにされ、煌びやかな宝石が散りばめられている。
「……ふん。素材は悪くないのだから、磨けば光る」
満足げに頷くキース閣下。
私は鏡の中の自分を見て、絶望していた。
「……目立ちます。これでは絶対に目立ちます」
「構わん。私のパートナーだぞ、地味な方が不自然だ」
「でもぉ……」
「行くぞ。エリックたちはもう会場入りしている」
その言葉に、私はピクリと反応した。
「……殿下とルーカス様は?」
「とっくに行っている。……聞いた話では、エリックが『ルーカスとお揃いのチーフがいい』と駄々をこねていたらしいが」
「!!」
私はガバッと顔を上げた。
「行きます! 今すぐ行きます!」
「……現金な奴め」
閣下が差し出した腕に、私はしがみつくように手を回した。
「急ぎましょう閣下! お揃いのチーフ……それはつまり、魂の共有! その瞬間を見逃すわけにはいきません!」
「転ぶなよ」
こうして私たちは、夜会の会場へと向かった。
私の頭の中は、これから繰り広げられるであろう「萌えシチュエーション」への期待でいっぱいで、これから巻き込まれる陰謀のことなど、すっかり頭から抜け落ちていたのだった。
(待っていてください、私の推したち! 今、最高のアングルで観察しに行きますから!)
会場の扉が、重々しく開かれる――。
61
あなたにおすすめの小説
幼馴染以上、婚約者未満の王子と侯爵令嬢の関係
紫月 由良
恋愛
第二王子エインの婚約者は、貴族には珍しい赤茶色の髪を持つ侯爵令嬢のディアドラ。だが彼女の冷たい瞳と無口な性格が気に入らず、エインは婚約者の義兄フィオンとともに彼女を疎んじていた。そんな中、ディアドラが学院内で留学してきた男子学生たちと親しくしているという噂が広まる。注意しに行ったエインは彼女の見知らぬ一面に心を乱された。しかし婚約者の異母兄妹たちの思惑が問題を引き起こして……。
顔と頭が良く性格が悪い男の失恋ストーリー。
※流血シーンがあります。(各話の前書きに注意書き+次話前書きにあらすじがあるので、飛ばし読み可能です)
悪役令嬢まさかの『家出』
にとこん。
恋愛
王国の侯爵令嬢ルゥナ=フェリシェは、些細なすれ違いから突発的に家出をする。本人にとっては軽いお散歩のつもりだったが、方向音痴の彼女はそのまま隣国の帝国に迷い込み、なぜか牢獄に収監される羽目に。しかし無自覚な怪力と天然ぶりで脱獄してしまい、道に迷うたびに騒動を巻き起こす。
一方、婚約破棄を告げようとした王子レオニスは、当日にルゥナが失踪したことで騒然。王宮も侯爵家も大混乱となり、レオニス自身が捜索に出るが、恐らく最後まで彼女とは一度も出会えない。
ルゥナは道に迷っただけなのに、なぜか人助けを繰り返し、帝国の各地で英雄視されていく。そして気づけば彼女を慕う男たちが集まり始め、逆ハーレムの中心に。だが本人は一切自覚がなく、むしろ全員の好意に対して煙たがっている。
帰るつもりもなく、目的もなく、ただ好奇心のままに彷徨う“無害で最強な天然令嬢”による、帝国大騒動ギャグ恋愛コメディ、ここに開幕!
婚約破棄寸前だった令嬢が殺されかけて眠り姫となり意識を取り戻したら世界が変わっていた話
ひよこ麺
恋愛
シルビア・ベアトリス侯爵令嬢は何もかも完璧なご令嬢だった。婚約者であるリベリオンとの関係を除いては。
リベリオンは公爵家の嫡男で完璧だけれどとても冷たい人だった。それでも彼の幼馴染みで病弱な男爵令嬢のリリアにはとても優しくしていた。
婚約者のシルビアには笑顔ひとつ向けてくれないのに。
どんなに尽くしても努力しても完璧な立ち振る舞いをしても振り返らないリベリオンに疲れてしまったシルビア。その日も舞踏会でエスコートだけしてリリアと居なくなってしまったリベリオンを見ているのが悲しくなりテラスでひとり夜風に当たっていたところ、いきなり何者かに後ろから押されて転落してしまう。
死は免れたが、テラスから転落した際に頭を強く打ったシルビアはそのまま意識を失い、昏睡状態となってしまう。それから3年の月日が流れ、目覚めたシルビアを取り巻く世界は変っていて……
※正常な人があまりいない話です。
この度、皆さんの予想通り婚約者候補から外れることになりました。ですが、すぐに結婚することになりました。
鶯埜 餡
恋愛
ある事件のせいでいろいろ言われながらも国王夫妻の働きかけで王太子の婚約者候補となったシャルロッテ。
しかし当の王太子ルドウィックはアリアナという男爵令嬢にべったり。噂好きな貴族たちはシャルロッテに婚約者候補から外れるのではないかと言っていたが
次代の希望 愛されなかった王太子妃の愛
Rj
恋愛
王子様と出会い結婚したグレイス侯爵令嬢はおとぎ話のように「幸せにくらしましたとさ」という結末を迎えられなかった。愛し合っていると思っていたアーサー王太子から結婚式の二日前に愛していないといわれ、表向きは仲睦まじい王太子夫妻だったがアーサーにはグレイス以外に愛する人がいた。次代の希望とよばれた王太子妃の物語。
全十二話。(全十一話で投稿したものに一話加えました。2/6変更)
頑張らない政略結婚
ひろか
恋愛
「これは政略結婚だ。私は君を愛することはないし、触れる気もない」
結婚式の直前、夫となるセルシオ様からの言葉です。
好きにしろと、君も愛人をつくれと。君も、もって言いましたわ。
ええ、好きにしますわ、私も愛する人を想い続けますわ!
五話完結、毎日更新
記憶を失くした悪役令嬢~私に婚約者なんておりましたでしょうか~
Blue
恋愛
マッツォレーラ侯爵の娘、エレオノーラ・マッツォレーラは、第一王子の婚約者。しかし、その婚約者を奪った男爵令嬢を助けようとして今正に、階段から二人まとめて落ちようとしていた。
走馬灯のように、第一王子との思い出を思い出す彼女は、強い衝撃と共に意識を失ったのだった。
冷遇妃マリアベルの監視報告書
Mag_Mel
ファンタジー
シルフィード王国に敗戦国ソラリから献上されたのは、"太陽の姫"と讃えられた妹ではなく、悪女と噂される姉、マリアベル。
第一王子の四番目の妃として迎えられた彼女は、王宮の片隅に追いやられ、嘲笑と陰湿な仕打ちに晒され続けていた。
そんな折、「王家の影」は第三王子セドリックよりマリアベルの監視業務を命じられる。年若い影が記す報告書には、ただ静かに耐え続け、死を待つかのように振舞うひとりの女の姿があった。
王位継承争いと策謀が渦巻く王宮で、冷遇妃の運命は思わぬ方向へと狂い始める――。
(小説家になろう様にも投稿しています)
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる