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魅惑の聖女様
24 魅惑の聖女様
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◇◆◇◆◇◆◇◆
昨日のことを思い出しては、笑いが止まらないわ。
ああっ夢の時間だった!
くっついて欲しいとか考える前に、もうくっついてるとか何なの。
残念な気がしないでもないけど、最高!
だけど、今日の感じだとアシル様の気持ちの方が強いのかなー。まだ、ディオン君の好きが足りない気がする。
「愛し子ー、何してるの?」
「計画を立ててるのよ」
「ディオンと騎士とおでかけする?」
「そうね。それも計画するけど、もっと大事なことよ」
アシル様が当主になれない理由は、生涯未婚の当主がいないってことと、世継ぎの問題らしい。
だとすれば、私が手伝えるかもしれない。
聖女様には、それだけの価値があるってね。
まずは、エリオットを説得するでしょ。
それからロバート経由で宰相を味方につける。
そうね。誰か1例目になってくれる主人公達が必要だわ。
純愛の末、同性のパートナーと結婚する当主が。
いい人はいないかしら。いっそ次男あたりで探して、その次男を後継者に押し上げてしまおうかしら。
嫡男が微妙だったら、気兼ねなく落とせるしね。
ロバートに会うには……そうだ、王立図書館!
図書館イベントを上手く使って距離を縮めたらいいかも。
「もっと大事なことって何ー?」
「ウィリデ君の契約者を幸せにするのよ!
2人が結婚して、誰もが祝福できるようにね」
「ふーん。よく分からないけど、ウィリデはディオンが幸せになるなら、協力するー」
「ありがとう。
そういえば、メイガート隊長ってどんな人?」
エリオットの話では、魔塔のNo,2がメイガート隊長のお兄さんなのよね。
ゲームにそんな人、出てきてないはずなのに。
「だーれ、それ」
「知らないの? 桃ちゃんは知ってる?」
「ウィリデが知らないなら、知らないわ」
そっか。そうだよね。
基本的に2人が遊ぶ時は、ウィリデ君が桃ちゃんに会いに来るから、第一騎士団のことは知るわけないか。
「ディオン君にお薬くれた優しい人みたいだから、私もお礼したかったんだけどな」
「お薬?」
「ええ、そうよ」
「騎士がディオンにぬりぬりしてたやつ?」
ちょっと待って。アシル様がディオン君に、お薬を塗ったですと? 何、その淫靡な響きは。
健全な治療行為がイヤらしく聞こえるのは、私の心が腐っているから?
「ディオン、俺が塗ってやるよ」
「ありがとう、アシル」
「ココも赤く腫れてる」
「あっそこはっ、だめっ」
「ココもか」
「ああん、だめぇっ」
みたいな? みたいなっ?! 誰か、ペンタブ持って来て!
「うふ、うふふ、ぐふふっ」
「モモー、愛し子が変な声出してるー」
「そっとしておきなさい。よくあることだから」
「へえー。お薬くれた人なら知ってるって教えようと思ったのにぃー」
知ってるの? そんな素敵なラブアイテムを授けた人を!
………間違えた。ラブアイテムなのは妄想の中だけだったわ。
「その人がメイガート隊長だと思う。
ウィリデ君、教えてくれる?」
「うん、いいよー。
お薬の人はねぇ、騎士のライバルなのー」
「ライバル?」
隊長同士で色々あるのかしら。
「そうっ。古い誓いなんて意味ない、ディオンを自由にするんだー、って言ってた」
「どういうこと?」
「さあ。でもね、ディオンのことデートに誘ってたよー。
騎士がカンカンだったけどぉ」
嘘でしょ。ウィリデ君、今ものすごく重要なことを言わなかったかい?
まさかの三角関係? いや、まだそうとは決まってないわ。
「そそそそうなんだ。へえ、デート、メイガート隊長が。
へえ。会ってみたいな、早めに潰さなきゃダメかしら」
「お薬の人はね、髪がお花みたいで綺麗なの。
ちょっと精霊様っぽい雰囲気があって、あんまり強そうじゃない」
なるほどね。神秘的な美しさの持ち主かもしれないのね。
人型の精霊って、すこぶる顔がいいし。
なるほど、なるほど。潰すのはやめよう。
いいスパイスになるかも。んふふっ。
─────────
──────
───
「なあ、聖女様の話聞いたか?」
「ああ。養護院を建てたんだろ?」
「それだけじゃない。病の子供も助けたんだとよ」
「本当か?
やっぱり聖女様はすごいなぁ」
「全くだ。ありがたや、ありがたや」
「今度は視察に出るってよ」
「本当に大したお方だ。聖女様には頭が上がらんな」
「「「だな」」」
「これでエリオット殿下と結婚すれば、アーネル国は安泰だ」
「馬鹿っ、黙っとけ。
お貴族様に聞かれたらどうするんだ!」
「けどよー」
「やめとけ、やめとけ。エリオット殿下には、公女様がいるんだからよ」
「お嬢様、あの者達を黙らせて来ますか?」
「………いいえ。
けれど、平民にまで広まっているだなんて、困りましたわ」
「お嬢様………」
「ギルベルト様に連絡して。会いに行くわ」
「あっお待ちください。マリエールお嬢様!」
昨日のことを思い出しては、笑いが止まらないわ。
ああっ夢の時間だった!
くっついて欲しいとか考える前に、もうくっついてるとか何なの。
残念な気がしないでもないけど、最高!
だけど、今日の感じだとアシル様の気持ちの方が強いのかなー。まだ、ディオン君の好きが足りない気がする。
「愛し子ー、何してるの?」
「計画を立ててるのよ」
「ディオンと騎士とおでかけする?」
「そうね。それも計画するけど、もっと大事なことよ」
アシル様が当主になれない理由は、生涯未婚の当主がいないってことと、世継ぎの問題らしい。
だとすれば、私が手伝えるかもしれない。
聖女様には、それだけの価値があるってね。
まずは、エリオットを説得するでしょ。
それからロバート経由で宰相を味方につける。
そうね。誰か1例目になってくれる主人公達が必要だわ。
純愛の末、同性のパートナーと結婚する当主が。
いい人はいないかしら。いっそ次男あたりで探して、その次男を後継者に押し上げてしまおうかしら。
嫡男が微妙だったら、気兼ねなく落とせるしね。
ロバートに会うには……そうだ、王立図書館!
図書館イベントを上手く使って距離を縮めたらいいかも。
「もっと大事なことって何ー?」
「ウィリデ君の契約者を幸せにするのよ!
2人が結婚して、誰もが祝福できるようにね」
「ふーん。よく分からないけど、ウィリデはディオンが幸せになるなら、協力するー」
「ありがとう。
そういえば、メイガート隊長ってどんな人?」
エリオットの話では、魔塔のNo,2がメイガート隊長のお兄さんなのよね。
ゲームにそんな人、出てきてないはずなのに。
「だーれ、それ」
「知らないの? 桃ちゃんは知ってる?」
「ウィリデが知らないなら、知らないわ」
そっか。そうだよね。
基本的に2人が遊ぶ時は、ウィリデ君が桃ちゃんに会いに来るから、第一騎士団のことは知るわけないか。
「ディオン君にお薬くれた優しい人みたいだから、私もお礼したかったんだけどな」
「お薬?」
「ええ、そうよ」
「騎士がディオンにぬりぬりしてたやつ?」
ちょっと待って。アシル様がディオン君に、お薬を塗ったですと? 何、その淫靡な響きは。
健全な治療行為がイヤらしく聞こえるのは、私の心が腐っているから?
「ディオン、俺が塗ってやるよ」
「ありがとう、アシル」
「ココも赤く腫れてる」
「あっそこはっ、だめっ」
「ココもか」
「ああん、だめぇっ」
みたいな? みたいなっ?! 誰か、ペンタブ持って来て!
「うふ、うふふ、ぐふふっ」
「モモー、愛し子が変な声出してるー」
「そっとしておきなさい。よくあることだから」
「へえー。お薬くれた人なら知ってるって教えようと思ったのにぃー」
知ってるの? そんな素敵なラブアイテムを授けた人を!
………間違えた。ラブアイテムなのは妄想の中だけだったわ。
「その人がメイガート隊長だと思う。
ウィリデ君、教えてくれる?」
「うん、いいよー。
お薬の人はねぇ、騎士のライバルなのー」
「ライバル?」
隊長同士で色々あるのかしら。
「そうっ。古い誓いなんて意味ない、ディオンを自由にするんだー、って言ってた」
「どういうこと?」
「さあ。でもね、ディオンのことデートに誘ってたよー。
騎士がカンカンだったけどぉ」
嘘でしょ。ウィリデ君、今ものすごく重要なことを言わなかったかい?
まさかの三角関係? いや、まだそうとは決まってないわ。
「そそそそうなんだ。へえ、デート、メイガート隊長が。
へえ。会ってみたいな、早めに潰さなきゃダメかしら」
「お薬の人はね、髪がお花みたいで綺麗なの。
ちょっと精霊様っぽい雰囲気があって、あんまり強そうじゃない」
なるほどね。神秘的な美しさの持ち主かもしれないのね。
人型の精霊って、すこぶる顔がいいし。
なるほど、なるほど。潰すのはやめよう。
いいスパイスになるかも。んふふっ。
─────────
──────
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「なあ、聖女様の話聞いたか?」
「ああ。養護院を建てたんだろ?」
「それだけじゃない。病の子供も助けたんだとよ」
「本当か?
やっぱり聖女様はすごいなぁ」
「全くだ。ありがたや、ありがたや」
「今度は視察に出るってよ」
「本当に大したお方だ。聖女様には頭が上がらんな」
「「「だな」」」
「これでエリオット殿下と結婚すれば、アーネル国は安泰だ」
「馬鹿っ、黙っとけ。
お貴族様に聞かれたらどうするんだ!」
「けどよー」
「やめとけ、やめとけ。エリオット殿下には、公女様がいるんだからよ」
「お嬢様、あの者達を黙らせて来ますか?」
「………いいえ。
けれど、平民にまで広まっているだなんて、困りましたわ」
「お嬢様………」
「ギルベルト様に連絡して。会いに行くわ」
「あっお待ちください。マリエールお嬢様!」
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