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運命の番が兄弟だった以上、諦めなくてはいけないとかたくなに信じていた。
自分とのことは幼い時の過ちだったと忘れてもらうことが最善だと思っていたのだが、全部独りよがりだったってわけか。
何もかもが奪われるオメガの性もあり、俺は耐えることができたが、それをアルファである歩弓に強要するのは酷だったのかもしれない。
「兄様、僕はもう子供じゃない。貴方の思い通りにはなりません」
必死の形相で検査着をはだいて上に圧し掛かる歩弓に、統久は制止するように動かない体を必死に捩る。
「あゆ、み……ッは、っああ、っや、やめ……ッ」
こんなことをしている場合ではない。
もしこの体が自由に動くなら手錠を開錠して、この聞き分けのない弟を抱えて、こんな胸糞悪い建物から飛び出していくのに。
しかし痺れて動かない体は、簡単なことも何一つ自由を許さない。
「貴方が孕むまで、僕は何度も抱き続けた。だから、この体は段々僕に慣れてきた」
ぐいと脚を開かされて、発情期でもない体をまさぐられる。
ほんのりと香る太陽のような匂い。
あんなに咽るようで堪らなかった匂いは、すっかり薄れきってしまっている。
すっかり柔らかくなっている花弁へと、指がぬくぬくと侵入してくる。
「指までなら、貴方も快感を感じられる」
優しい手つきで肉襞を押しのけて、ゆるゆると動かされるとじっとりと奥が熱くなってくる。弱すぎる刺激は、爛れた身体の内部であっても、肌にじっとり汗が浮かぶくらい心地がよくて堪らない。
体液さえ内部に触れなければ、快感を感じ取れるようだ。
「ッ……ッふ……っあああ、あッ……あ、ゆみっ」
「こんな痕などなければ、貴方を……もっとキモチよくしてあげられるのに」
首筋に刻まれた噛み痕の上に、ガリッと噛み付いてその痕を消そうと何度も歯を立てる。
そこから入ってくる唾液に、引き攣られるような激痛が脳天に響いてくる。
「――ッうう、い、ッいた、ッくうう、ああ……ッいや……ッ」
襲ってくる激しい痛みに感覚が麻痺してしまっているのか、痛みにも感じてしまい始めている。
「拒否してるのは貴方の体ですか……こころ、ですか」
どちらも拒否していると告げても、きっと激昂するだけで、分かっては貰えない。
指を引き抜かれて、快感を与えられて煽られた胎内は雄が欲しいと訴えている。
彼を身体が求めているわけではないのに、心がじくじくと疼いている。
ならば、すべてを受け入れよう。
どうせこんなことになるのなら、最初から全部あげればよかったなどと栓のないことばかり考えてしまうけれど。
「あ、ゆみッ……ンンッふ……いい……気にせず……だけ……よ……。そしたら……にげるんだ……」
「でも、僕に抱かれるのは……苦しくて辛いんでしょう」
躊躇うように告げるが、裏腹に屹立した肉竿の先をゆっくりと埋没していく。
まるで粘膜の中に針鼠を押し込まれるような痛みを覚え、ひくひくと眉間を震わせて無理矢理唇で笑みを刻む。
「く――ッ、ううう、イッ、いたッ、けど……もっと、おまえをほしい、あぐ、っうう……おまえ、なら……いい……」
じゅうじゅうと焼き爛れるような激痛が下腹部を襲い、ちかちかと目の前が暗くなり意識が段々混濁する。
嗚咽と嘔吐感に神経が灼けてくる。ぐちゃぐちゃに奥まで貫かれ、痺れるような激痛が全身を襲う。
「ッ……ひ、ッああ、ッぐ……あぐっ、ぐああッああ」
仰け反るようにして、力の入らない身体は本能的に逃げを打ちたいと腰を捩って逃れようとする。
……胃の中のもの全てを吐き出したいくらいの嘔吐感に、眩暈がしてくる。
これは、ずっと逃げ続けた俺への罰だ。
「あゆみ……ひっ、ぐ……うう、あああ、き、きもち、いいから……っもっと、くれ、あああッああ、きも、ち、いいッ、から」
体中を毒が回るような痛みに苦悶する中で、抱き寄せることもできない最愛の人を感じ取りながら、彼は何度も願いを口にした。
……おねがいだから……にげて、くれ。
自分とのことは幼い時の過ちだったと忘れてもらうことが最善だと思っていたのだが、全部独りよがりだったってわけか。
何もかもが奪われるオメガの性もあり、俺は耐えることができたが、それをアルファである歩弓に強要するのは酷だったのかもしれない。
「兄様、僕はもう子供じゃない。貴方の思い通りにはなりません」
必死の形相で検査着をはだいて上に圧し掛かる歩弓に、統久は制止するように動かない体を必死に捩る。
「あゆ、み……ッは、っああ、っや、やめ……ッ」
こんなことをしている場合ではない。
もしこの体が自由に動くなら手錠を開錠して、この聞き分けのない弟を抱えて、こんな胸糞悪い建物から飛び出していくのに。
しかし痺れて動かない体は、簡単なことも何一つ自由を許さない。
「貴方が孕むまで、僕は何度も抱き続けた。だから、この体は段々僕に慣れてきた」
ぐいと脚を開かされて、発情期でもない体をまさぐられる。
ほんのりと香る太陽のような匂い。
あんなに咽るようで堪らなかった匂いは、すっかり薄れきってしまっている。
すっかり柔らかくなっている花弁へと、指がぬくぬくと侵入してくる。
「指までなら、貴方も快感を感じられる」
優しい手つきで肉襞を押しのけて、ゆるゆると動かされるとじっとりと奥が熱くなってくる。弱すぎる刺激は、爛れた身体の内部であっても、肌にじっとり汗が浮かぶくらい心地がよくて堪らない。
体液さえ内部に触れなければ、快感を感じ取れるようだ。
「ッ……ッふ……っあああ、あッ……あ、ゆみっ」
「こんな痕などなければ、貴方を……もっとキモチよくしてあげられるのに」
首筋に刻まれた噛み痕の上に、ガリッと噛み付いてその痕を消そうと何度も歯を立てる。
そこから入ってくる唾液に、引き攣られるような激痛が脳天に響いてくる。
「――ッうう、い、ッいた、ッくうう、ああ……ッいや……ッ」
襲ってくる激しい痛みに感覚が麻痺してしまっているのか、痛みにも感じてしまい始めている。
「拒否してるのは貴方の体ですか……こころ、ですか」
どちらも拒否していると告げても、きっと激昂するだけで、分かっては貰えない。
指を引き抜かれて、快感を与えられて煽られた胎内は雄が欲しいと訴えている。
彼を身体が求めているわけではないのに、心がじくじくと疼いている。
ならば、すべてを受け入れよう。
どうせこんなことになるのなら、最初から全部あげればよかったなどと栓のないことばかり考えてしまうけれど。
「あ、ゆみッ……ンンッふ……いい……気にせず……だけ……よ……。そしたら……にげるんだ……」
「でも、僕に抱かれるのは……苦しくて辛いんでしょう」
躊躇うように告げるが、裏腹に屹立した肉竿の先をゆっくりと埋没していく。
まるで粘膜の中に針鼠を押し込まれるような痛みを覚え、ひくひくと眉間を震わせて無理矢理唇で笑みを刻む。
「く――ッ、ううう、イッ、いたッ、けど……もっと、おまえをほしい、あぐ、っうう……おまえ、なら……いい……」
じゅうじゅうと焼き爛れるような激痛が下腹部を襲い、ちかちかと目の前が暗くなり意識が段々混濁する。
嗚咽と嘔吐感に神経が灼けてくる。ぐちゃぐちゃに奥まで貫かれ、痺れるような激痛が全身を襲う。
「ッ……ひ、ッああ、ッぐ……あぐっ、ぐああッああ」
仰け反るようにして、力の入らない身体は本能的に逃げを打ちたいと腰を捩って逃れようとする。
……胃の中のもの全てを吐き出したいくらいの嘔吐感に、眩暈がしてくる。
これは、ずっと逃げ続けた俺への罰だ。
「あゆみ……ひっ、ぐ……うう、あああ、き、きもち、いいから……っもっと、くれ、あああッああ、きも、ち、いいッ、から」
体中を毒が回るような痛みに苦悶する中で、抱き寄せることもできない最愛の人を感じ取りながら、彼は何度も願いを口にした。
……おねがいだから……にげて、くれ。
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