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第二十二話:夜明けの誓い
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オルダスが、光の塵となって、消え去った後。
儀式の間に残されたのは、絶対的な静寂と、床に差し込む、清らかな月の光だけだった。
長かった、悪夢のような一日が、終わったのだ。
ジュリアンが手配していた、騎士団総長率いる近衛騎士団が、すぐに、宰相官邸を制圧した。
主を失ったオルダスの私兵団は、ほとんど抵抗することなく、武器を捨てたという。
帝都を覆っていた、巨大な悪意は、その力の源と共に、霧散したのだ。
私たちは、官邸の一室で、夜明けを待っていた。
ジュリアンは、私の隣に座り、ただ、黙って、私の手を握っていてくれた。
その温もりが、私が、本当に、生きて、ここにいるのだという、実感を与えてくれる。
私は、窓ガラスに映る、自分の姿を、ぼんやりと見つめた。
そこに映る、白銀の髪。
それは、私が、彼と共に、生きることを選んだ、消えない証。
そして、私たちが、互いの命を、分かち合っている、絆の証でもあった。
やがて、部屋の扉が、静かにノックされた。
入ってきたのは、若手官僚の、エリアスだった。
彼の顔には、疲労と、そして、興奮の色が、浮かんでいる。
「殿下。すべて、計画通りに」
エリアスの報告によれば、私たちが命懸けで手に入れた裏帳簿と、オルダスの反逆の証拠は、すでに、帝国のすべての有力貴族の元へ、届けられたという。
オルダス派の貴族たちは、蜘蛛の子を散らすように、逃げ出すか、あるいは、我先に、と、皇太子への忠誠を誓い始めているらしかった。
「皇帝陛下も、すべてを、お聞き届けに。そして」
エリアスは、そこで、一度、言葉を切った。
「宰相の長年の呪縛から、解き放たれた、とでも、申しましょうか。陛下は、自らの不明を、深く、お詫びになり、皇太子殿下へ、その座を、譲位される、と」
ジュリアンが、新しい、皇帝に。
彼が、ずっと、夢見てきた、帝国の改革が、今、まさに、始まろうとしていた。
「……一つ、よろしいでしょうか」
私は、エリアスに、尋ねた。
ずっと、心の奥に、引っかかっていた、一つの、問い。
「レオンハルトは……彼は、どうなりましたか」
その名前に、エリアスは、少しだけ、表情を曇らせた。
「……騎士レオンハルトは、あの倉庫で、身柄を拘束されました。ですが、彼は、一切、抵抗せず、自らの罪を、すべて、告白した、と。宰相に、利用されていたこと。そして、最後に、あなた方を、助けたことも」
その言葉に、私は、安堵と、そして、切なさが、入り混じった、息を吐いた。
彼が、生きていてくれた。
それだけで、今は、十分だった。
◇
その日の午後、私は、ジュリアンの特別な計らいで、一人、レオンハルトの元を、訪れていた。
彼が、入れられていたのは、冷たい牢獄ではなく、陽当たりの良い、静かな一室だった。
「……姫」
私の姿を見て、レオンハルトは、顔を、上げることができなかった。
彼は、ただ、床に、膝をつき、その肩を、震わせている。
「俺は……あなたに、剣を向けた。万死に、値します。どうか、俺を、あなたの手で……」
「顔を上げて、レオン」
私は、静かに、言った。
その声に、憎しみは、なかった。
「あなたを、許すことは、簡単には、できません。私の心にも、あなたに、裏切られた、深い傷が、残っています」
「……」
「でも、分かるのです。あなたの、その、あまりにも、真っ直ぐな忠誠心が、オルダスに、利用されたということも。あなたは、最後まで、私を、救おうとしてくれていた」
私は、彼の前に、しゃがみこんだ。
「だから、死んで、罪を償おうなどと、思わないで。生きてください。そして、あなたの、これからの人生で、あなたが犯した過ちの、意味を、見つけなさい。それが、あなたの、本当の、贖罪です」
私が、そう言うと、レオンハルトは、子供のように、声を上げて、泣きじゃくった。
それは、彼の、長かった、悪夢の、終わりを、告げる涙だったのかもしれない。
彼の、これからの道は、長く、そして、険しいだろう。
だが、きっと、彼は、もう一度、光の中を、歩いていける。
そう、信じたかった。
◇
部屋に戻ると、ジュリアンが、窓辺に立ち、私を待っていた。
「……話は、できたか」
「はい」
私たちは、しばらく、言葉もなく、窓の外に広がる、帝都の街並みを、眺めていた。
オルダスが去り、新しい時代を迎えようとしている、この国。
「セレスティナ」
やがて、ジュリアンが、私の名前を、呼んだ。
「お前は、これから、どうするつもりだ?シルフィードへ、戻るのか?」
彼の言葉に、私は、はっとした。
そうだ、私には、帰るべき、故郷がある。
荒れ果ててしまった、あの地を、復興させるという、女王としての、務めが。
ジュリアンは、私の、そんな、迷いを、見透かすように、私の手を取った。
「俺は、皇帝として、シルフィードの、完全な、主権の回復を、宣言する。そして、同盟国として、その復興を、帝国が、全面的に、支援することも、約束しよう」
「……ありがとうございます」
「だが」と、彼は続けた。
その紫色の瞳が、真剣な光を宿して、私を、見つめる。
「ガルディナ帝国にも、新しい、統治者が必要だ。そして、俺には、新しい、皇后が必要だ。強さと、知恵と、そして、優しい心を持った、たった一人の、女性が」
彼は、私の、指輪がはめられた、左手を、優しく、持ち上げた。
「セレスティナ・デ・シルフィード。俺と共に、この国を、そして、この世界を、治めてはくれないだろうか。俺の、たった一人の、皇后として」
それは、あまりにも、真っ直ぐな、プロポーズだった。
私は、左手の、指輪を、見つめる。
それは、もはや、復讐の道具でも、自己犠牲の証でもない。
二人の、命と、心を、繋ぐ、永遠の、誓いの証。
「……はい」
込み上げてくる、涙を、もう、こらえることは、できなかった。
それは、喜びと、安堵と、そして、愛しさに、満ちた、温かい涙。
「喜んで、あなたの、隣に」
ジュリアンは、私を、優しく、抱きしめた。
そして、私たちは、誓いの口づけを、交わす。
二つの祖国、そして、二人の未来。
契約の指輪が結んだ、その確かな絆を胸に、彼らの、本当の物語が、今、始まる。
儀式の間に残されたのは、絶対的な静寂と、床に差し込む、清らかな月の光だけだった。
長かった、悪夢のような一日が、終わったのだ。
ジュリアンが手配していた、騎士団総長率いる近衛騎士団が、すぐに、宰相官邸を制圧した。
主を失ったオルダスの私兵団は、ほとんど抵抗することなく、武器を捨てたという。
帝都を覆っていた、巨大な悪意は、その力の源と共に、霧散したのだ。
私たちは、官邸の一室で、夜明けを待っていた。
ジュリアンは、私の隣に座り、ただ、黙って、私の手を握っていてくれた。
その温もりが、私が、本当に、生きて、ここにいるのだという、実感を与えてくれる。
私は、窓ガラスに映る、自分の姿を、ぼんやりと見つめた。
そこに映る、白銀の髪。
それは、私が、彼と共に、生きることを選んだ、消えない証。
そして、私たちが、互いの命を、分かち合っている、絆の証でもあった。
やがて、部屋の扉が、静かにノックされた。
入ってきたのは、若手官僚の、エリアスだった。
彼の顔には、疲労と、そして、興奮の色が、浮かんでいる。
「殿下。すべて、計画通りに」
エリアスの報告によれば、私たちが命懸けで手に入れた裏帳簿と、オルダスの反逆の証拠は、すでに、帝国のすべての有力貴族の元へ、届けられたという。
オルダス派の貴族たちは、蜘蛛の子を散らすように、逃げ出すか、あるいは、我先に、と、皇太子への忠誠を誓い始めているらしかった。
「皇帝陛下も、すべてを、お聞き届けに。そして」
エリアスは、そこで、一度、言葉を切った。
「宰相の長年の呪縛から、解き放たれた、とでも、申しましょうか。陛下は、自らの不明を、深く、お詫びになり、皇太子殿下へ、その座を、譲位される、と」
ジュリアンが、新しい、皇帝に。
彼が、ずっと、夢見てきた、帝国の改革が、今、まさに、始まろうとしていた。
「……一つ、よろしいでしょうか」
私は、エリアスに、尋ねた。
ずっと、心の奥に、引っかかっていた、一つの、問い。
「レオンハルトは……彼は、どうなりましたか」
その名前に、エリアスは、少しだけ、表情を曇らせた。
「……騎士レオンハルトは、あの倉庫で、身柄を拘束されました。ですが、彼は、一切、抵抗せず、自らの罪を、すべて、告白した、と。宰相に、利用されていたこと。そして、最後に、あなた方を、助けたことも」
その言葉に、私は、安堵と、そして、切なさが、入り混じった、息を吐いた。
彼が、生きていてくれた。
それだけで、今は、十分だった。
◇
その日の午後、私は、ジュリアンの特別な計らいで、一人、レオンハルトの元を、訪れていた。
彼が、入れられていたのは、冷たい牢獄ではなく、陽当たりの良い、静かな一室だった。
「……姫」
私の姿を見て、レオンハルトは、顔を、上げることができなかった。
彼は、ただ、床に、膝をつき、その肩を、震わせている。
「俺は……あなたに、剣を向けた。万死に、値します。どうか、俺を、あなたの手で……」
「顔を上げて、レオン」
私は、静かに、言った。
その声に、憎しみは、なかった。
「あなたを、許すことは、簡単には、できません。私の心にも、あなたに、裏切られた、深い傷が、残っています」
「……」
「でも、分かるのです。あなたの、その、あまりにも、真っ直ぐな忠誠心が、オルダスに、利用されたということも。あなたは、最後まで、私を、救おうとしてくれていた」
私は、彼の前に、しゃがみこんだ。
「だから、死んで、罪を償おうなどと、思わないで。生きてください。そして、あなたの、これからの人生で、あなたが犯した過ちの、意味を、見つけなさい。それが、あなたの、本当の、贖罪です」
私が、そう言うと、レオンハルトは、子供のように、声を上げて、泣きじゃくった。
それは、彼の、長かった、悪夢の、終わりを、告げる涙だったのかもしれない。
彼の、これからの道は、長く、そして、険しいだろう。
だが、きっと、彼は、もう一度、光の中を、歩いていける。
そう、信じたかった。
◇
部屋に戻ると、ジュリアンが、窓辺に立ち、私を待っていた。
「……話は、できたか」
「はい」
私たちは、しばらく、言葉もなく、窓の外に広がる、帝都の街並みを、眺めていた。
オルダスが去り、新しい時代を迎えようとしている、この国。
「セレスティナ」
やがて、ジュリアンが、私の名前を、呼んだ。
「お前は、これから、どうするつもりだ?シルフィードへ、戻るのか?」
彼の言葉に、私は、はっとした。
そうだ、私には、帰るべき、故郷がある。
荒れ果ててしまった、あの地を、復興させるという、女王としての、務めが。
ジュリアンは、私の、そんな、迷いを、見透かすように、私の手を取った。
「俺は、皇帝として、シルフィードの、完全な、主権の回復を、宣言する。そして、同盟国として、その復興を、帝国が、全面的に、支援することも、約束しよう」
「……ありがとうございます」
「だが」と、彼は続けた。
その紫色の瞳が、真剣な光を宿して、私を、見つめる。
「ガルディナ帝国にも、新しい、統治者が必要だ。そして、俺には、新しい、皇后が必要だ。強さと、知恵と、そして、優しい心を持った、たった一人の、女性が」
彼は、私の、指輪がはめられた、左手を、優しく、持ち上げた。
「セレスティナ・デ・シルフィード。俺と共に、この国を、そして、この世界を、治めてはくれないだろうか。俺の、たった一人の、皇后として」
それは、あまりにも、真っ直ぐな、プロポーズだった。
私は、左手の、指輪を、見つめる。
それは、もはや、復讐の道具でも、自己犠牲の証でもない。
二人の、命と、心を、繋ぐ、永遠の、誓いの証。
「……はい」
込み上げてくる、涙を、もう、こらえることは、できなかった。
それは、喜びと、安堵と、そして、愛しさに、満ちた、温かい涙。
「喜んで、あなたの、隣に」
ジュリアンは、私を、優しく、抱きしめた。
そして、私たちは、誓いの口づけを、交わす。
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