WORLD END―終焉の鐘の音―編集中

第5章―死と恐怖―

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「お前ならわかるよな…――！？　一緒のエリア担当だったし！　頼む、私が囚人を逃がしてないって証言してくれ！」

　オーチスがそう言うと、若い看守の男は顔を青ざめながらクロビスに話した。

「――クロビス様。本当の事を言ったら俺の命は助けて下さるのですか？」

　青年が顔を真っ青にしながらそう言うと、彼は頷いた。

「ああ。そうだ。本来はお前も奴と同じく尋問にかけている所だか、本当のことを言えば命だけは助けてやるから安心しろ」

　クロビスがそう言うと、若い看守の男は自分の唇を小刻みに震わせながら真実を話した。

「おっ、俺見たんです……！　オーチスさんが、牢屋の前で男と何かを話してる所を…――！」

若い看守の男が彼の前でそう言うと、クロビスは腕の肘を曲げて頬杖をついた。 

「……ふむ、実に興味深い話だ。続けろ」

　クロビスはあくまでも冷静だった。若い看守の話を黙って聞いたオーチスは怒りを露にしながら怒鳴り散らした。

「ふ、ふざけるな！　そんなのはハッタリだ！　こんなのはデマカセだ！」

　彼は怒りを露にしながら言い返した。しかし、若い看守の男は反論した。

「嘘なんかついてない、俺は本当に見たんだ！」

若い看守の男は強くその事を主張した。ケイバーはそんな若い看守の男に、呆れた感じで話た。

「お前な、看守と囚人が牢屋越しで話しをするのはよくあることだろ？　そんな事をぬかすためにワザワザここにきたのか？」

ケイバーは自分の頭を掻くと、くだらなさそうな表情であくびをした。

「ただ話をしてただけじゃないのかぁ？　こんなくだらねえ事を言う為にワザワザ来たのかよ！」

ケイバーはそう言うと、うしろから彼の頭をその場で片手で小突いた。すると、ギュータスも呆れながら馬鹿笑いをした。

「そんな事でいちいちチクられてたら、たまったもんじゃないぜ。話したい事があるって言うからクロビスに会わせてやったのによ、こいつ使えねぇな！」

　周りが収拾がつかなくなると、クロビスはケイバーとギュータスに不意に話した。

「おい、お前達。看守でありながら、牢屋にいる囚人と話しているのか……？」

「ああ、そうだぜ。何か問題か？」

「貴様ら誰が勝手に話していいと決めた！　お前達はタルタロスの中の規則を知らないのか！？　　規則には、囚人と看守とのむやみな会話は禁止と決まっているはずだぞ！？」

彼が険しい表情でそう言うと、２人は初めてその事を聞いて驚いた。

「そうだったのかクロビス？　俺たった今初めて聞いた……！」

ケイバーがそう言うと、ギュータスも隣で頷いて見せた。

「ああ、俺も知らなかった。お前はどうなんだよジャントゥーユ？」

　ギュータスが話かけるとジャントゥーユは爪が入った小ビンを黙ってじっと見ていて、全然話を聞いてる様子ではなかった。2人の無能ぶりに、クロビスはそこで怒りを露にして怒鳴った。

「この無能なしどもめ、お前らがこのタルタロスで看守になった時に、規則についての本を渡しただろ！？　まさか読んでいないのか！？」

クロビスがそう言うと2人はうる覚えで頷いた。

「ああ、そー言えば。なんかそんなことも書いてあったかもな、あとで読んどくよ？」

　ケイバーが平謝りでそう言うとクロビスはいきなり、持っていた警棒で彼を殴りつけた。

 「この無能無しがーっ！！　どいつもこいつも愚か者め、お前らは犬以下だ！　犬の方がよっぽど利口だ！」

 クロビスは怒鳴りながら激しく警棒で叩いた。 ケイバーは警棒で殴られると、思わず震えた声をだした。そして、改めて反省した態度を見せた。
 
 「すっ、すみません……！　あとでしっかりと読んどきます…――！」

　ケイバーはそう言うと、怒り狂う彼の前で深く反省した態度を見せた。クロビスはカッカすると警棒を床に投げつけていきなり不機嫌になった。そんな彼にギュータスは火に油を注ぐような言い方をした。

 「でもよう、クロビス。他の看守達だって囚人と話したりしてるぜ？」
 
 『なっ！　なんだと……！？』
 
　ギュータスのその言葉に、クロビスは再び怒りをこみ上げた。

 「大体お前だって、あの牢屋にいる『異端』の子供とよく話したりしてるだろ？」

 　彼がその事を口に出した途端に、クロビスは腰に装備していた鞭でいきなり叩いた。

 「ええい、黙れ黙れ黙れぇっ！！　この私に刃向かう気か！？　誰が貴様に目をかけてやったと思う！　お前がここで働けるのは一体誰のおかげだと思っているんだ！？　本来ならお前みたいなグズ共は牢屋にぶちこんでるやってる所だぞ！」

クロビスが怒りながら怒鳴り散らすとギュータスは跪いた。
 
 「フン、なんだそれは……？　この私に許しを乞いてるつもりか――？」

 「あぁ、そうだ！　頼む、許してくれ……！」

　 ギュータスがそう言うと、クロビスは鼻で笑った。そして、跪く彼に向かって上から見下した感じで話した。
 
「――そう言えばお前、私に雇われる時に忠誠を誓ったよな？　だったら今すぐここでご主人様に対してもう一度、忠誠心とやらを見せてもらおうじゃないか？」

 　クロビスがそう言うと、ギュータスは頷いて答えた。