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第7章―消えゆく命の残り火―
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「いいか、お前達。桐會から連絡が入ったら直ぐに私に取り次げ!」
「了解です!」
「あと連絡後に地下からある物がここに輸送して運ばれてくる。艦内にいる整備員達はそれが到着次第に外で待機せよと命じろ! それを回収次第に本艦は直ぐにここから離れる!」
「艦長了解しました! では、整備員達にはそう伝えます!」
オペレーターのジノは艦長の指示に従うと、直ぐに行動に出た。一通り指示を出すとグラギウスは一人考え込んだ。
「アーバス、結人君の他に隼人君や美岬君はどうするの? 彼らは君がここを出る時に一緒に同行しに行ったよね。結人君は戻らないとして、隼人君や美岬君は?」
雪矢がそう尋ねるとグラギウスは話した。
「ああ、大丈夫だ。彼らは上手くこの状況を乗り越えるだろう。神宮寺には敵を殲滅するようにと指示を出した。彼は期待のエースだ。戦況を見極める目はもっているさ。私が指示をしなくても、キリが良い所で時期に戻ってくるだろう。問題は東のほうだ。彼とは連絡がとれるかどうかだが――」
「ねぇ、美岬君がどうかしたの……?」
雪矢はその話しに疑問めいた表情で尋ねた。
「東は……いや、この際隠しても仕方ない。お前に1つ話しておく。東はアレ以外にも他の機体に乗ることが出来たんだ」
グラギウスのその話しに雪矢は突然、驚いた声をあげた。
「ばっ、ばか言わないでよ…――! 美岬君は『アレ』しか乗れないはずだよ!? パイロットの適合性テストでも結果は既に出ていただろ!? 彼は他の機体とは全て相性が合わない、そう言う特異体質だ! シンクロ率の低下、機体においての激しい拒絶反応! そんな彼が他の機体でRSを使用すれば身体的ダメージは大だ! だから、彼はアレしか乗れないんじゃないかっ!!」
そう言って彼を怒鳴り付けると、グラギウスはそうだと一言言い返した。その表情はどこか思い詰めていた。
「ああ、その通りだ。東はアレ以外に乗れない。そんな事、私でも分かっている。だが、彼は他の機体に乗る事が出来た。そして今、彼はその機体で無謀にも戦場に出ている。私としては彼が戦闘でRSを使用しないことを願うばかりだ…――」
グラギウスはそう言うと、暗い表情で深いため息をついた。
「美岬君が戦場に……!? そんなの無謀だよ、何が起こるかわからないのに、彼は正気か!? グラギウス、早く用事を済ませて回収しに行った方が良いよ!」
雪矢は彼の状況を知ると焦った様子で話した。その焦りは彼も同じだった。グラギウスは自分の焦る気持ちを拳で握って堪えた。
「了解です!」
「あと連絡後に地下からある物がここに輸送して運ばれてくる。艦内にいる整備員達はそれが到着次第に外で待機せよと命じろ! それを回収次第に本艦は直ぐにここから離れる!」
「艦長了解しました! では、整備員達にはそう伝えます!」
オペレーターのジノは艦長の指示に従うと、直ぐに行動に出た。一通り指示を出すとグラギウスは一人考え込んだ。
「アーバス、結人君の他に隼人君や美岬君はどうするの? 彼らは君がここを出る時に一緒に同行しに行ったよね。結人君は戻らないとして、隼人君や美岬君は?」
雪矢がそう尋ねるとグラギウスは話した。
「ああ、大丈夫だ。彼らは上手くこの状況を乗り越えるだろう。神宮寺には敵を殲滅するようにと指示を出した。彼は期待のエースだ。戦況を見極める目はもっているさ。私が指示をしなくても、キリが良い所で時期に戻ってくるだろう。問題は東のほうだ。彼とは連絡がとれるかどうかだが――」
「ねぇ、美岬君がどうかしたの……?」
雪矢はその話しに疑問めいた表情で尋ねた。
「東は……いや、この際隠しても仕方ない。お前に1つ話しておく。東はアレ以外にも他の機体に乗ることが出来たんだ」
グラギウスのその話しに雪矢は突然、驚いた声をあげた。
「ばっ、ばか言わないでよ…――! 美岬君は『アレ』しか乗れないはずだよ!? パイロットの適合性テストでも結果は既に出ていただろ!? 彼は他の機体とは全て相性が合わない、そう言う特異体質だ! シンクロ率の低下、機体においての激しい拒絶反応! そんな彼が他の機体でRSを使用すれば身体的ダメージは大だ! だから、彼はアレしか乗れないんじゃないかっ!!」
そう言って彼を怒鳴り付けると、グラギウスはそうだと一言言い返した。その表情はどこか思い詰めていた。
「ああ、その通りだ。東はアレ以外に乗れない。そんな事、私でも分かっている。だが、彼は他の機体に乗る事が出来た。そして今、彼はその機体で無謀にも戦場に出ている。私としては彼が戦闘でRSを使用しないことを願うばかりだ…――」
グラギウスはそう言うと、暗い表情で深いため息をついた。
「美岬君が戦場に……!? そんなの無謀だよ、何が起こるかわからないのに、彼は正気か!? グラギウス、早く用事を済ませて回収しに行った方が良いよ!」
雪矢は彼の状況を知ると焦った様子で話した。その焦りは彼も同じだった。グラギウスは自分の焦る気持ちを拳で握って堪えた。
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