共鳴のヴァルキュリア (全話再編集完)

成瀬瑛理

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第7章―消えゆく命の残り火―

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ジョンは梯子から身を乗り出すと無線機を片手にカーターに指示を出した。

「やっちまえカーター! シールドを作動させろっ!!」

 彼から指示を受けるとカーターは両腕に持っている柱を台の上に設置しようと行動に出た。装置台の前に佇むと一瞬さっきの苦労が蘇った。

この柱のおかげで自分の大切な仲間や、他の部隊の仲間達が大勢死んだと思うと、さまざま想いが駆け巡った。カーターは仲間達の無念の死を胸に抱くと唇を噛み締めて前を見た。

「やれ、カーター! お前が終わらせろっ!!」

『うぉおおおおおおおおおおおおおっつ!!』

 カーターは声を上げて叫ぶと電力源の柱を台の上にガシャンと設置した。その瞬間、柱は強い光を放った。

 一本の柱を台の上に設置すると続けざまにもう1つの柱を台の上に設置した。2本の柱が設置されたことにより、旧式のプロテクトシールドは長い眠りから蘇った。

 青白い光を放ちながら2本の柱は輝いていた。周りはその眩い輝きに目を奪われた。旧式のプロテクトシールドが起動準備に入るとジョンは直ぐに無線機を通してカーターに話しかけた。

「よし、よくやった坊主っ! これでシールドが起動出来るぞ! 俺の代わりにみんなに告げろ、シールドが起動状態に入ったってな! 闘ってる奴らにそう告げろっ!!」

 ジョンがそう告げると、カーターはそれを聞いてない様子だった。ただ呆然と光の柱を眺めた。やっとの思いでシールドを起動できるとおもうと何故か瞳から涙が溢れた。その輝きはあまりにも眩しくて、命の輝きさえも感じた。ジョンが再び声をかけるとカーターはハッと我に返った。


「おい聞いてるのか坊主! 返事をしろっ!!」

「すみません、聞いてませんでした…――!」

「あぁっ!?」

 ジョンはその言葉に思わずイラッときた。

「もう一度言うぞ! シールドはあと二分したら完全に起動する! 起動したら中に入れなくなるからコロニーの入り口付近で闘ってる奴ら全員に今から後退するように言え!」

「わっ、わかりました……!!」

 カーターは彼からそれを伝えられると、急いで仲間に連絡した。アレックスは彼から話を聞くと無線機を通して他の部隊の仲間達にも、同じく声をかけた。仲間は状況を理解すると向かってくる敵を撃ち落としながら徐々に後退して行った。

 その間シールドは更に強い輝きを増した。起動状態が90%に到達すると、ジョンも自分の機体に戻ろうと急いで梯子を登りながら上を目指した。

 敵はシールドが再起動されることに感づくと、今まで入り口付近を集中に攻めていた手をここで一気に変えてきた。攻撃の手口を変えると今度はシールドがある方へと攻めてきた。
 
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