少女は隣の部屋で兄を想う

成瀬瑛理

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お兄ちゃんの下着

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兄はすりガラスの向こう側から、私に話しかけてきた。

 「梨乃。お風呂場に俺の靴下と下着あるだろ?」

 「お風呂場出る時に取り忘れたから、悪いけどソレ取ってくれないか?」

「カーテンの上の所に引っ掻けてある!」

私は兄にそう言われると、ハッとして我に返った。

そして、私はカーテンの上に引っ掻けられている。

兄の靴下と下着を渡そうとしたのだった。

「はい!」 

私は壁際で兄に話かけた。

「お兄ちゃん下着と靴下洗ったの?」

「ああ、たまには自分で洗おっかな~って思ったんだ」

「なんで?」

「…うんん。別に何でもないよ」

私はそう返事を返した。 
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