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第55話 アニ、めちゃくちゃにされる
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「ふぅ…………」
やっとの思いで妹達から解放された僕は、お風呂に浸かっていた。
「あったか~い……」
思えばちゃんとしたお風呂に入るのは久しぶりだ。
最近は水浴びしか出来なかったし。
「………………」
そ、そういえば、さっきソフィアがやたらと僕のことを吸ってたけど……変なニオイとかしてないよね……?
急に不安になってきた……!
「おにーさまはいつもいい匂い……安心して……」
「……人の心を読むのはやめてくれないかな?」
「ふふふ、おにーさまは……考えていることが全部顔に出てしまうの」
「今の考えを顔に出せるとは思えないけど……?」
「そんなこと言われても……困る……」
そう言って、僕の左肩に寄りかかるソフィア。
「…………ごくらく」
心地よさそうな顔で目をつぶり、動かなくなった。
「まったく……ここにいたのねお兄ちゃん! いきなりいなくなったらびっくりするでしょ! 次はもう探してあげないんだからっ!」
メイベルはそう言って顔を赤くしながら、僕の右肩に寄りかかる。
「…………ところで、何で居るの?」
「お風呂に入りたかったからに決まってるでしょ!」とメイベル。
確かに、ここは混浴……というか貸し切りだから、一緒に入っても問題ないけど……。
「もしかしてメイベル……怒ってる?」
「ふん! 教えてあげない!」
多分、勝手に妹達の包囲網を抜け出したことを怒っているのだろう。
でも、さっきはみんな寝ちゃってたし……起こすのは悪いかなと思ったから、その隙にお風呂に入っておくことにしたわけで……。
つまり何が言いたいかというと、僕は悪くないということだ。
「…………そういえばエリーは?」
「ここにいるよ!」
突然、目の前のお湯が勢いよく盛り上がる。
そして、髪を濡らしたエリーが姿を現した。
「な、何してるの……?」
「おにーちゃんを驚かせようと思って隠れてたの! びっくりした?!」
「う、うん、色々な意味でびっくりしてるよ……」
一体いつから潜っていたのだろうか。
「えへへ、おにーちゃんと一緒にお風呂なんて久しぶりだなぁ……! 嬉しい!」
エリーはそう言って僕に抱きついてくる。
「ちょっと、わたしのお兄ちゃんを取らないでよ! 二人ともあっちに行きなさい!」
「メイベル……! あなたこそ……この歳でおにーさまと一緒にお風呂に入るのは恥ずかしいって言ってたのに……どういうつもり……?」
「きょ、今日くらいはいいでしょ! よく考えたらわたしまだ子供だし!」
「こんな時だけ子供ぶらないで……!」
それを皮切りに喧嘩を始めるソフィアとメイベル。
「ふ、二人とも仲良くしよーよ! おにーちゃんの前なんだよ?」
「エリー! あんたこそ、いきなり裸でお兄ちゃんに抱きつかなんてどういうつもりよ?! はしたないわっ!」
「……そうね、エリーが……一番許せない……!」
「あ、あれぇ……?」
助けを求めるように僕の方を見てくるエリー。
「……僕もそう思うよ。喧嘩は良くないけど、もうちょっと恥じらいを持って欲しいな。みんなお年ごろなんでしょ……? それに、家族だとはいえ、僕だって男なんだよ?」
「あれれぇ…………?」
「こっちに来なさいエリー! お風呂から上がって決着をつけるわよ!」
エリーは、困惑した表情をしながらメイベル達に連れていかれるのだった。
――ちょっと可哀想だけど、これからは僕も、みんなが自立できるように多少は厳しくしないといけない。
いつかみんなが、ヴァレイユ家のお屋敷に戻ることを決意してもちゃんとやっていけるように、最低限の常識は身につけてもらわないと困るのだ。
頼りにされるのは嬉しいけど、僕だっていつまでも一緒に居られるとは限らない。
僕なんか嫌われているくらいがちょうどいいのだ。
「うぅ…………っ!」
でも正直、本当に嫌われてしまったら立ち直れる気がしない。
出来ることなら極限までみんなのことを甘やかしたい……!
「……お兄ちゃんって……難しいよぉ……何も分かんないよぉ……っ!」
どうやらしばらく妹達と離れていたせいで、お兄ちゃんのやり方を忘れてしまったみたいだ。
ニアからは一方的に弄ばれるだけで、あんまりお兄ちゃんできてないし……。
……よく考えたら、そもそも僕自身今までデルフォス兄さんに頼ってばかりで、ちゃんとしたお兄ちゃんをやれていなかったのかもしれない。
(おにーさまは、おにーさまなのに、おにーさまを見る目がなさすぎるわ……! おにーさまにおにーさまを語る資格はない……! 反省して……!)
ソフィアから言われたあのよく分からない言葉は、きっとそんな僕を諌《いさ》めてくれていたのだ。多分。
「大丈夫ですよ。アニ様は立派にお兄ちゃんをやれています」
「うぅ……ありがとう……っ!」
オリヴィアは、優しく僕の背中をさすってくれる。
「…………って、え?」
「どうかしましたかアニ様?」
ふと隣を見ると、身体にタオルを巻いたオリヴィアが湯船に浸かっていた。
「私も……決めました。アニ様が頑張っているのに、いつまでもウジウジしていられません! これからはアニ様にとって立派なメイドさん兼お姉ちゃんになれるよう頑張ります! だから一緒に頑張りましょうね!」
そう言って立ち上がるオリヴィア。
それと同時にタオルが落ちて、僕の目の前に大人の女の人の裸が現れる。
「きゃっ」
小さく悲鳴を上げるオリヴィア。
「きゃあああああああああああああっ!」
僕は両手で顔を覆いながら大きな悲鳴を上げた。
やっとの思いで妹達から解放された僕は、お風呂に浸かっていた。
「あったか~い……」
思えばちゃんとしたお風呂に入るのは久しぶりだ。
最近は水浴びしか出来なかったし。
「………………」
そ、そういえば、さっきソフィアがやたらと僕のことを吸ってたけど……変なニオイとかしてないよね……?
急に不安になってきた……!
「おにーさまはいつもいい匂い……安心して……」
「……人の心を読むのはやめてくれないかな?」
「ふふふ、おにーさまは……考えていることが全部顔に出てしまうの」
「今の考えを顔に出せるとは思えないけど……?」
「そんなこと言われても……困る……」
そう言って、僕の左肩に寄りかかるソフィア。
「…………ごくらく」
心地よさそうな顔で目をつぶり、動かなくなった。
「まったく……ここにいたのねお兄ちゃん! いきなりいなくなったらびっくりするでしょ! 次はもう探してあげないんだからっ!」
メイベルはそう言って顔を赤くしながら、僕の右肩に寄りかかる。
「…………ところで、何で居るの?」
「お風呂に入りたかったからに決まってるでしょ!」とメイベル。
確かに、ここは混浴……というか貸し切りだから、一緒に入っても問題ないけど……。
「もしかしてメイベル……怒ってる?」
「ふん! 教えてあげない!」
多分、勝手に妹達の包囲網を抜け出したことを怒っているのだろう。
でも、さっきはみんな寝ちゃってたし……起こすのは悪いかなと思ったから、その隙にお風呂に入っておくことにしたわけで……。
つまり何が言いたいかというと、僕は悪くないということだ。
「…………そういえばエリーは?」
「ここにいるよ!」
突然、目の前のお湯が勢いよく盛り上がる。
そして、髪を濡らしたエリーが姿を現した。
「な、何してるの……?」
「おにーちゃんを驚かせようと思って隠れてたの! びっくりした?!」
「う、うん、色々な意味でびっくりしてるよ……」
一体いつから潜っていたのだろうか。
「えへへ、おにーちゃんと一緒にお風呂なんて久しぶりだなぁ……! 嬉しい!」
エリーはそう言って僕に抱きついてくる。
「ちょっと、わたしのお兄ちゃんを取らないでよ! 二人ともあっちに行きなさい!」
「メイベル……! あなたこそ……この歳でおにーさまと一緒にお風呂に入るのは恥ずかしいって言ってたのに……どういうつもり……?」
「きょ、今日くらいはいいでしょ! よく考えたらわたしまだ子供だし!」
「こんな時だけ子供ぶらないで……!」
それを皮切りに喧嘩を始めるソフィアとメイベル。
「ふ、二人とも仲良くしよーよ! おにーちゃんの前なんだよ?」
「エリー! あんたこそ、いきなり裸でお兄ちゃんに抱きつかなんてどういうつもりよ?! はしたないわっ!」
「……そうね、エリーが……一番許せない……!」
「あ、あれぇ……?」
助けを求めるように僕の方を見てくるエリー。
「……僕もそう思うよ。喧嘩は良くないけど、もうちょっと恥じらいを持って欲しいな。みんなお年ごろなんでしょ……? それに、家族だとはいえ、僕だって男なんだよ?」
「あれれぇ…………?」
「こっちに来なさいエリー! お風呂から上がって決着をつけるわよ!」
エリーは、困惑した表情をしながらメイベル達に連れていかれるのだった。
――ちょっと可哀想だけど、これからは僕も、みんなが自立できるように多少は厳しくしないといけない。
いつかみんなが、ヴァレイユ家のお屋敷に戻ることを決意してもちゃんとやっていけるように、最低限の常識は身につけてもらわないと困るのだ。
頼りにされるのは嬉しいけど、僕だっていつまでも一緒に居られるとは限らない。
僕なんか嫌われているくらいがちょうどいいのだ。
「うぅ…………っ!」
でも正直、本当に嫌われてしまったら立ち直れる気がしない。
出来ることなら極限までみんなのことを甘やかしたい……!
「……お兄ちゃんって……難しいよぉ……何も分かんないよぉ……っ!」
どうやらしばらく妹達と離れていたせいで、お兄ちゃんのやり方を忘れてしまったみたいだ。
ニアからは一方的に弄ばれるだけで、あんまりお兄ちゃんできてないし……。
……よく考えたら、そもそも僕自身今までデルフォス兄さんに頼ってばかりで、ちゃんとしたお兄ちゃんをやれていなかったのかもしれない。
(おにーさまは、おにーさまなのに、おにーさまを見る目がなさすぎるわ……! おにーさまにおにーさまを語る資格はない……! 反省して……!)
ソフィアから言われたあのよく分からない言葉は、きっとそんな僕を諌《いさ》めてくれていたのだ。多分。
「大丈夫ですよ。アニ様は立派にお兄ちゃんをやれています」
「うぅ……ありがとう……っ!」
オリヴィアは、優しく僕の背中をさすってくれる。
「…………って、え?」
「どうかしましたかアニ様?」
ふと隣を見ると、身体にタオルを巻いたオリヴィアが湯船に浸かっていた。
「私も……決めました。アニ様が頑張っているのに、いつまでもウジウジしていられません! これからはアニ様にとって立派なメイドさん兼お姉ちゃんになれるよう頑張ります! だから一緒に頑張りましょうね!」
そう言って立ち上がるオリヴィア。
それと同時にタオルが落ちて、僕の目の前に大人の女の人の裸が現れる。
「きゃっ」
小さく悲鳴を上げるオリヴィア。
「きゃあああああああああああああっ!」
僕は両手で顔を覆いながら大きな悲鳴を上げた。
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