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4.最強対最強
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パタリと扉を閉める。
し、しかし、嫌な予感がして横っ飛びにダイブした。
直後――。
ドオオオオン!
派手な音と共に、お手製の大事な扉が吹き飛んだ。
「当たったらそのままあの世に旅立っていたぞ……」
遥か彼方まで飛んで行った扉を想い、額に手を当てる。べっとりと冷や汗が手に張り付き苦い顔になった……。
気のせいだと思ったが、やはりあの子か。
こんな無茶苦茶なことができるのなんて彼女くらいしかいない。いたら困るって。
「ばー」
かつて愛しの扉があった場所から顔を出し、可愛らしく舌を出す紫色の髪をふんわりと靡かせた少女。
やはり、プリシラで間違いない。
すかさず両の拳を胸の前で打ち合わせ、目を瞑る。
「発動せよ。『手加減』スキル」
ふう。これでまずは一安心だ。
立ち上がり、膝についた埃を払うフリをする。実は膝がガクガクしていてな。
当たれば必殺のご挨拶を喰らったんだから、そうなるのも分かってもらえると思う。
「何用だ?」
どうやってここを発見したとかそんな野暮なことは聞かない。
何故か? 彼女に常識なんて通用しないと考えているからだ。
これほどの力を持つ彼女なら、あっさりと俺を先回りして家の中でくつろぐことなんて容易いことだろうから。
「『また来るね』っていったじゃないー」
「そういや、そんなことを言っていたな……」
「ねー。ここで何をするのー?」
「ここは俺の家なんだ。だから、家に帰ってくつろぐ。そして、畑を耕す」
「おー。じゃあ、わたしも」
待て。
ちょっと待て。
俺の聖域を魔窟にでもするつもりか。ノンビリと畑を耕し、一人収穫の楽しみに口元をニヤつかせる予定なんだよ。
あからさまに嫌そうな顔をしているのだが、彼女は一向に気にした様子がない。
「ねね、畑って何するのー?」
「そうだな。まずは、雑草を抜いて土を……って」
プリシラは「んー」と声を出し両手を上にあげ伸びをする。すると、彼女の背中から蝙蝠の翼が生えてきた。
「おーし」
「ん?」
おおおい。空に飛びあがってしまったぞ。
プリシラは大地を見下ろし、両手を前方に突き出す。
すると、手のひらに超高密度の魔力が溜まっていき――。
「ちょ!」
「大丈夫だよー。雑草なんてー」
「何もしなくていいから! マジで、待て!」
「いくよー。開け地獄の門。アルティメット・フレア」
な、なんちゅう魔法を使おうとしてんだよ!
雑草や俺の家が蒸発するだけじゃあなく、クレーターができちまうぞ。
彼女の周囲に黒い結晶が浮き出て来て、手のひらに濃縮されていく。
こ、こうしちゃおれん。
脳内に問いかける。
アレを手加減する手段を。
これだ。
魔には聖を。
「遥かなる遠き夢よ。顕現せよ。我が聖域。セイクリッド・ウォール」
力ある言葉に応じ、神々しいまでの光のカーテンが周囲五十メートルほどの範囲に顕現する。
ちょうどその時、放たれる深淵なる闇。あの闇が弾けた時、圧縮された高密度の魔力がばら撒かれ、爆発とそれに伴う超高熱で……全てが塵に変わるだろう。
しかし、光のカーテンが闇を包み込み、光と闇が相殺し何事もなかったかのように消える。
「えー。せっかく頑張ったのにー」
「ハアハア……そんな頑張りはいらねえ!」
斜め上過ぎるだろ。
雑草は蒸発させるもんじゃねえ。引き抜くものだ。
きょとんと首を傾けないでくれ……でもあの表情から察するに彼女は本気で俺の手伝いをしようとしていたらしい。
魔族の草抜きはアレなのかも……いや、ないない。有り得ないだろ。
一人百面相をしていたら、後ろからプリシラとは違う凛とした女の子の声が。
「巨大な魔を感じ駆け付けてみたら……なんと聖者殿が魔を滅しようとしていたとは」
またお断りな人が来てしまったようだな。
もうどうとでもしてくれという気持ちで振り返ると、立っていたのは麗しき女騎士だった。
声を出すなりすぐに彼女は、背中に携えた大剣を引き抜き両目を瞑る。
「お、落ち着け」
聞いちゃいねえ。
女騎士の全身から白い煙のような光が沸き立ち始めた。
ぐ、ぐう。
動揺を抑えろ。俺。こんな時こそ冷静にいかねばならねえ。
まずは彼女のステータスをチェックし、対策を考える。
『名前:イルゼ・ガリアルド
種族:人間
レベル:百二十
状態:ヒャッハー』
な、何だよ。このでたらめなレベルは。
人間、本当に人間なのか。この人ぉおお。
彼女から神々しい聖なる力を感じる。彼女のターゲットは……プリシラだろうな。
一応、斜め上過ぎるとはいえ俺の手伝いをしてくれたんだ。
このままプリシラが討滅されてしまっては後味が悪すぎる。
かといって、このままプリシラへ「手加減」をかけたままだと女騎士さんを攻撃したら大怪我してしまう。
両の拳を胸の前で打ち合わせ、目を瞑る。
「発動せよ。『手加減』スキル」
改めて女騎士さんを観察したら、彼女が何をしようとしていたのかだいたい理解できた。
結論「とてもヤバい」である。
こうしちゃおれん。彼女の力を相殺するよう何とかせねば。
脳内に問いかけ、彼女への手加減を模索する。
プリシラに手加減を発動していた時とは正反対の魔法が浮かんできた。
その中にはさっきプリシラが使った「アルティメット・フレア」もある。
しっかし、破壊力が恐ろし過ぎて使うのを躊躇するな。
迷っている暇はない。あと一秒以内でどの魔法を使用するか決め、呪文を唱えねば間に合わなくなる。
目を瞑り、集中……普段の俺から比べると実に百倍以上の魔力を体内に巡らせ術を構築していく。
「オーバードライブマジック。全ての闇よ滅せ。ホーリースラッシュ」
極光が大剣から放たれ、一直線にプリシラへ向かって行く。
しかし、そうはさせじと俺の魔法が発動する。
「マキシマムマジック。トリプル・ダークスフィア」
マキシマムマジックはオーバードライブと同様に膨大な魔力を術に注ぎ込み、術が持つ本来の威力を数倍にまで跳ね上げる。
黒色の球体が稲光をバチバチと出しながら、女騎士の放った光へ喰い込む。
黒は光を削ったが、威力こそ削ぐもののまだ光は半分以上無事だ。
更にもう一つ、同じ黒色の球体が光へ飛び込み光を完全に遮る。
「もう一丁!」
右手を振るうと黒色の球体が手のひらから出現し、勢いを止めた光にぶち当たり完全に相殺した。
ふう……。
一撃必殺で極大魔法を当てるより、こっちの方が俺に向いているかもしれない。
もしかしたら光を消し切れないかもと不安になったけど、結果オーライだろ?
「な……。聖者殿……?」
女騎士の顔に悲壮感が漂い、俺を見る目が尊敬から侮蔑に変わり、最後には戸惑いになった。
「バルトロ―」
「え、わ、ちょっと」
宙に浮いたままのプリシラが俺の首に両手を絡ませてくる。
今の状態なら平気だろうけど、いきなり背後に回られると怖気が……。
そのまま彼女は俺の頬へ自分の頬をすりつけようと自分の頭を寄せてきた。
「おっと」
「もー。でもー、まさかバルトロが同族だったなんてー。うれしいー」
何をどう考えてそうなったのか、予想がつくのが嫌だけど……一緒にしないで欲しいな……。
し、しかし、嫌な予感がして横っ飛びにダイブした。
直後――。
ドオオオオン!
派手な音と共に、お手製の大事な扉が吹き飛んだ。
「当たったらそのままあの世に旅立っていたぞ……」
遥か彼方まで飛んで行った扉を想い、額に手を当てる。べっとりと冷や汗が手に張り付き苦い顔になった……。
気のせいだと思ったが、やはりあの子か。
こんな無茶苦茶なことができるのなんて彼女くらいしかいない。いたら困るって。
「ばー」
かつて愛しの扉があった場所から顔を出し、可愛らしく舌を出す紫色の髪をふんわりと靡かせた少女。
やはり、プリシラで間違いない。
すかさず両の拳を胸の前で打ち合わせ、目を瞑る。
「発動せよ。『手加減』スキル」
ふう。これでまずは一安心だ。
立ち上がり、膝についた埃を払うフリをする。実は膝がガクガクしていてな。
当たれば必殺のご挨拶を喰らったんだから、そうなるのも分かってもらえると思う。
「何用だ?」
どうやってここを発見したとかそんな野暮なことは聞かない。
何故か? 彼女に常識なんて通用しないと考えているからだ。
これほどの力を持つ彼女なら、あっさりと俺を先回りして家の中でくつろぐことなんて容易いことだろうから。
「『また来るね』っていったじゃないー」
「そういや、そんなことを言っていたな……」
「ねー。ここで何をするのー?」
「ここは俺の家なんだ。だから、家に帰ってくつろぐ。そして、畑を耕す」
「おー。じゃあ、わたしも」
待て。
ちょっと待て。
俺の聖域を魔窟にでもするつもりか。ノンビリと畑を耕し、一人収穫の楽しみに口元をニヤつかせる予定なんだよ。
あからさまに嫌そうな顔をしているのだが、彼女は一向に気にした様子がない。
「ねね、畑って何するのー?」
「そうだな。まずは、雑草を抜いて土を……って」
プリシラは「んー」と声を出し両手を上にあげ伸びをする。すると、彼女の背中から蝙蝠の翼が生えてきた。
「おーし」
「ん?」
おおおい。空に飛びあがってしまったぞ。
プリシラは大地を見下ろし、両手を前方に突き出す。
すると、手のひらに超高密度の魔力が溜まっていき――。
「ちょ!」
「大丈夫だよー。雑草なんてー」
「何もしなくていいから! マジで、待て!」
「いくよー。開け地獄の門。アルティメット・フレア」
な、なんちゅう魔法を使おうとしてんだよ!
雑草や俺の家が蒸発するだけじゃあなく、クレーターができちまうぞ。
彼女の周囲に黒い結晶が浮き出て来て、手のひらに濃縮されていく。
こ、こうしちゃおれん。
脳内に問いかける。
アレを手加減する手段を。
これだ。
魔には聖を。
「遥かなる遠き夢よ。顕現せよ。我が聖域。セイクリッド・ウォール」
力ある言葉に応じ、神々しいまでの光のカーテンが周囲五十メートルほどの範囲に顕現する。
ちょうどその時、放たれる深淵なる闇。あの闇が弾けた時、圧縮された高密度の魔力がばら撒かれ、爆発とそれに伴う超高熱で……全てが塵に変わるだろう。
しかし、光のカーテンが闇を包み込み、光と闇が相殺し何事もなかったかのように消える。
「えー。せっかく頑張ったのにー」
「ハアハア……そんな頑張りはいらねえ!」
斜め上過ぎるだろ。
雑草は蒸発させるもんじゃねえ。引き抜くものだ。
きょとんと首を傾けないでくれ……でもあの表情から察するに彼女は本気で俺の手伝いをしようとしていたらしい。
魔族の草抜きはアレなのかも……いや、ないない。有り得ないだろ。
一人百面相をしていたら、後ろからプリシラとは違う凛とした女の子の声が。
「巨大な魔を感じ駆け付けてみたら……なんと聖者殿が魔を滅しようとしていたとは」
またお断りな人が来てしまったようだな。
もうどうとでもしてくれという気持ちで振り返ると、立っていたのは麗しき女騎士だった。
声を出すなりすぐに彼女は、背中に携えた大剣を引き抜き両目を瞑る。
「お、落ち着け」
聞いちゃいねえ。
女騎士の全身から白い煙のような光が沸き立ち始めた。
ぐ、ぐう。
動揺を抑えろ。俺。こんな時こそ冷静にいかねばならねえ。
まずは彼女のステータスをチェックし、対策を考える。
『名前:イルゼ・ガリアルド
種族:人間
レベル:百二十
状態:ヒャッハー』
な、何だよ。このでたらめなレベルは。
人間、本当に人間なのか。この人ぉおお。
彼女から神々しい聖なる力を感じる。彼女のターゲットは……プリシラだろうな。
一応、斜め上過ぎるとはいえ俺の手伝いをしてくれたんだ。
このままプリシラが討滅されてしまっては後味が悪すぎる。
かといって、このままプリシラへ「手加減」をかけたままだと女騎士さんを攻撃したら大怪我してしまう。
両の拳を胸の前で打ち合わせ、目を瞑る。
「発動せよ。『手加減』スキル」
改めて女騎士さんを観察したら、彼女が何をしようとしていたのかだいたい理解できた。
結論「とてもヤバい」である。
こうしちゃおれん。彼女の力を相殺するよう何とかせねば。
脳内に問いかけ、彼女への手加減を模索する。
プリシラに手加減を発動していた時とは正反対の魔法が浮かんできた。
その中にはさっきプリシラが使った「アルティメット・フレア」もある。
しっかし、破壊力が恐ろし過ぎて使うのを躊躇するな。
迷っている暇はない。あと一秒以内でどの魔法を使用するか決め、呪文を唱えねば間に合わなくなる。
目を瞑り、集中……普段の俺から比べると実に百倍以上の魔力を体内に巡らせ術を構築していく。
「オーバードライブマジック。全ての闇よ滅せ。ホーリースラッシュ」
極光が大剣から放たれ、一直線にプリシラへ向かって行く。
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「マキシマムマジック。トリプル・ダークスフィア」
マキシマムマジックはオーバードライブと同様に膨大な魔力を術に注ぎ込み、術が持つ本来の威力を数倍にまで跳ね上げる。
黒色の球体が稲光をバチバチと出しながら、女騎士の放った光へ喰い込む。
黒は光を削ったが、威力こそ削ぐもののまだ光は半分以上無事だ。
更にもう一つ、同じ黒色の球体が光へ飛び込み光を完全に遮る。
「もう一丁!」
右手を振るうと黒色の球体が手のひらから出現し、勢いを止めた光にぶち当たり完全に相殺した。
ふう……。
一撃必殺で極大魔法を当てるより、こっちの方が俺に向いているかもしれない。
もしかしたら光を消し切れないかもと不安になったけど、結果オーライだろ?
「な……。聖者殿……?」
女騎士の顔に悲壮感が漂い、俺を見る目が尊敬から侮蔑に変わり、最後には戸惑いになった。
「バルトロ―」
「え、わ、ちょっと」
宙に浮いたままのプリシラが俺の首に両手を絡ませてくる。
今の状態なら平気だろうけど、いきなり背後に回られると怖気が……。
そのまま彼女は俺の頬へ自分の頬をすりつけようと自分の頭を寄せてきた。
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