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6章

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 その後、森の奥へ進もうとした俺を高等部の先輩が引き止め、先生との交渉で中腹より奥に入らないという条件で許可が出たのだと明かされこれ以上奥に入ることを諦め、この辺りで龍淵草を探すことにする。


「なぁー龍淵草ってさー見たことないオレにもすぐにわかるのかー?」

「うーん…たぶんわかると思いますよ?」

「疑問形かよー」

「きっとククスならわかります。
 そういう希望を込めて。」

「…そう言われちゃ頑張って探すしかないよなっ!」


 頑張って探し始めるククスにライルの顔がニヤけている。
 今ライルが考えていることが手に取るようにわかるぞ。
 「チョロい」っと思っているに違いない。

 1時間ちょっとかけて探したが結局見つからず、今日探し出すことは不可能だと判断し森にいる精霊たちにも手伝ってもらうことにした。


「残念だったなーアリサ…」

「仕方ない…見つからない可能性、高かったから…」

「アリサ…大丈夫です!
 必ず僕がアリサに龍淵草を見せてみせます!」


 落ち込むアリサを励ますように宣言する俺にアリサは笑顔を向けてくれる。
 そうだ、例えこの森に無かったとしても龍淵草が生えていそうな所は1箇所じゃない。
 どこにだって生殖している可能性はある。
 この世界中だって探してみせる。
 それに実は1箇所、心当たりがある。
 そこにアリサを連れて行くのもありだよな。


「ありがと。」


 アリサの顔に笑顔が戻った頃、ちょうど学園に着く。
 着いた途端俺はいきなり首根っこを掴まれ引きずられて行く。


「ぉっえ⁉︎
 ちょっまたですか⁉︎」


 朝にもこんなことあったよな⁉︎
 俺はジタバタと暴れるがビクともしない。
 この人、本当どんな馬鹿力だよ?
 暴れ続けるだけ無駄だと俺は早々に諦め大人しく引きずられて行く。
 ククスもライルもアリサも先輩たちも俺を哀れむような顔で見送っている。
 生暖かい目をありがとう。
 けど助けてほしかった。
 無理だけど…無理だろうけど制止の声くらいあげてもいいんじゃないだろうか?
 この薄情者たちめっ!

 俺の姿が見えなくなるまで生暖かい目で見送ってくれたみんなは俺が見えなくなると早々に解散したようだ。
 俺はいったいどこに連れて行かれるのだろう?
 不良教師に引きずられていく俺は注目の的だ。
 もう少し俺のことも考えてくれたっていいだろうに…
 俺だって逃げるわけじゃあるまいし…
 いや、ものすごく逃げたいけれども、けれども逃げたって問題を先延ばしにするだけだし…
 それにあの教師相手に逃げきれる気がしない。
 逃げるだけ無駄、ということだ。




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