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8章
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しおりを挟む案外簡単にピアスは見つかり、着け忘れないようにさっさと身に付ける。
ティナは準備があるからと早々に帰って行った。
あと問題なのはティナの耳飾りか…
ティナのドレスの色くらい聞いておくべきだったか…
ヒントと言えばこの貰った花か…
こうなったらこの花を複製、加工して作るか?
どうせならさっき作った変身姿の目の色のもこの花と同じに変えるか?
そこまではやりすぎか?
うーん…考え出したらキリがないな。
耳飾りはイヤーカフにして、金とこの花を使おう。
夜会までまだ時間はある、どうせなら首元も揃えたいよな。
これは急いで取り掛からないと、あまりにもギリギリなのは余裕がなさすぎる。
会場近くでバタつかないためにも少しくらい余裕を持って行かないとな。
今の俺の姿をククスが見たら案外ノリノリじゃないかと腹を抱えて笑いそうだな…
想像しただけで腹が立つ。
予定時間より1時間前に完成しケースに入れたあと、身支度を整えるためお風呂に入る。
思った以上の出来栄えに思わず鼻歌が出てしまう。
ティナがこれを着けると似合いそうだ。
それすら計算してこの花をアリサは選んだのかな?
いや、さすがに考えすぎか。
全ての準備が整い、ドレスアップしたティナを迎えにアリサが今日のために用意した城の一室に向かう。
ノックをし返事を受けてからドアを開けると椅子に座って退屈そうにしているティナと忙しなく動くアリサ、そしてアリサを手伝う侍女が2人。
ティナ1人に3人がかりか…
「お迎えにあがりましたよ、お姫様。」
「あら、遅い到着ね。」
「耳飾りはそこに置いておいてください。」
仰々しく左胸に右手を当て会釈するとティナは鏡越しに俺を見る。
そんな俺にアリサはアッサリと冷たい反応だ。
もっと反応してくれると思っていたから拍子抜けだ。
俺は出来上がったイヤーカフと首飾りを侍女に手渡す。
「まだかかりますか?」
「最後の仕上げ中です、邪魔しないでください!」
「だそうよ、ギル兄様。」
「…こちらで待たせてもらうよ。」
アリサが俺にあそこまで言うとは珍しい。
かなり真剣なのだろう。
少し早く来た俺も悪かった。
ソファーに腰掛けて待たせてもらおう。
俺がソファーに腰掛けると侍女の1人がすぐさま紅茶を淹れてくれる。
これはティナが今1番ハマっているお茶だな。
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