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4章
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しおりを挟むちなみにククスはお兄さん4人、お姉さん1人、弟1人妹1人お母さんのお腹の中にもう1人の9人兄妹の5男坊らしい。
大家族だな、しかし。
お父さんもお母さんも大変だろう。
ククスの家族談義に花を咲かせていたらいつの間にか時間がきていたらしく、寮長らしき人が呼びに来る。
俺たちはミケさん夫婦やツヴァイ、ククスのお父さんに別れを告げ、寮内に入る。
広々としたレクリエーションルームに大量の生徒の頭が並んでいる。
案外多いようだ。
寮は男女で棟が違い基本2人部屋らしく、特例で1人部屋もあるらしい。
同室相手は自由に決めてもいいし、お任せでもいいらしい。
入学初日で知り合いのいない人はお任せする人が多いようだ。
「質問いいですか?」
「どうぞ。」
ライルが手を上げて聞くと寮長は促してくれる。
「兄妹でも異性だと同室はダメですか?」
「別棟だから残念ながら無理だね。」
ライルはアリサと同室になる予定だったのだろう。
返事を聞いたアリサとライルは凄く残念そうだ。
そんな2人をよそにしばらくペア決めの時間が設けられる。
そして今、俺たちは大きな問題に直面している。
誰が誰と一緒にペアを組むか、だ。
アリサは女性なので別棟だから除外されるとして、なぜか俺はククスとライルの2人に腕を掴まれ引っ張られる。
「ギルは僕と同室がいいですよね?」
「いやいや、ギルはオレと同室がいいに決まってんだろ!」
「そんなことないです!
無神経で空気読めないククスより僕の方がいいに決まってます!」
「なっ、そ、そんなことないよな?
ギル?
オレだと気を使わなくていいから楽だよな?」
「えっと…
僕に振られても……」
困った。
どうするべきか…?
「揉めてるとこ悪いがギルフォードくん?
君には1人部屋で、って申請が出てるけど?」
「え?」
初耳ですけど?
またツヴァイの仕業だろうか?
「「ってことは……」」
ククスとライルは声を揃えて顔を見合わせる。
「決まりですね。
ククス、ライル仲良く同室で頑張ってくださいね。」
俺が笑顔で言うと2人は愕然とした表情で俺を見る。
2人とも案外息ぴったりだな。
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