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転生したら皇女様でした〜推しがピンチなので婚約破棄してから国に持って帰ります〜
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「殿下!!リリアーナ殿下にそのような事を言っては……!」
「いいんだよ!コイツは俺が何をしても口を出さないからな」
この国は今、長い旱魃により食糧難と財政難に陥っていた。
助けを求めようとも周囲の国々もギリギリの状態だった。
そこで大国のベルベット皇国に助けを求めた。
ベルベット皇国は常に血生臭い悪い噂が絶えない国だった為、迷った国王だったが、ある条件を飲む代わり食糧を提供すると言われた。
それがベルベット皇国、第二皇女であるリリアーナとこの国の王太子であるナシールとが婚約する事……つまりは次期王妃とする事だった。
そして交渉の日ーー
国の運命を握る大切な日にも関わらずに頭の弱いナシールはそんな条件を飲みたくないと駄々を捏ねた。
何故ならばチェリーを愛していたからだ。
一国よりも愛を取るというナシールに周囲は愕然として、王妃は泡を吹いて気絶した。
しかし扇子で口元を隠しながら成り行きを見守っていたリリアーナは、小さく頷くと「構いませんわ」と一言呟いた。
つまりはナシールが誰を愛していようと婚約関係でいられたら構わないとリリアーナは言いたかったのだ。
それならばとナシールも納得した。
ベルベット皇帝も「リリアーナがいいならばいい」と言っただけだった。
こうしてリリアーナが嫁ぐ代わりに、ベルベット皇帝から食糧の支援を受けることになったのだ。
首の皮一枚で繋がった国王は泣いて喜んだ。
目を覚ましたら王妃も同様だった。
リリアーナを前にナシールは「俺は絶対にお前を愛したりしないからな」と高らかに宣言した。
それにはレブーロン国王と王妃が両方とも揃って気絶した。
それでもリリアーナはニコリと口角を上げて「はい」と言っただけだった。
リリアーナが何故ナシールの言う事に従ったのか。
それには海よりも深いワケがある。
ベルベット皇帝の宝石、国の宝、美の女神……リリアーナは昔からそう呼ばれ、それはそれは大切に育てられた。
娘を溺愛するが故に何も咎めない両親。
傷一つ付けることは許されずに真綿のように大切にされる生活にうんざりとしていた。
感情の起伏がなく、特に喋る事もないリリアーナは、自分が置物のように無機質なものに感じて生きている事を実感出来ずにいたのだ。
そんなリリアーナに息を吹き込んだのが、ナシールとの出会いだった。
レブーロン王国でのパーティーに呼ばれて囲まれていた時のこと……いつものように美しい、素晴らしい、綺麗だというセリフを言われていた時だった。
悪ガキのナシールがやって来て一言。
「何だお前、気持ち悪いな」
と、言ったのだった。
それには周囲が凍り付いたのだが、リリアーナだけは違った。
頭の中で「気持ち悪い」という言葉が響いていた。
リリアーナは内心、ドキドキしていた。
「何故?」
気付いた時にはリリアーナの口から声が漏れていた。
問いかけずにはいられなかったのだ。
「どうして笑わないんだよ?」
「笑う?何故……?」
「ずっと同じ顔をしていて詰まらなくないのか?」
「……別に」
「ふーん、なんかお前人形みたいで不気味だな!」
ナシールに悪気は一切なかった。
ニカッと笑って、とどめの一言で「その扇子も趣味悪いな」と言ったのだった。
誰も何も喋れなかった。
この国は終わった……誰もがそう思っていた時だった。
「ぷっ……フフッ」
リリアーナが笑ったのだ。
二人で笑い合う姿を見て、皆時間が止まったかのように動けなかった。
「ほら、笑った方が可愛いぜ!」
そう言ってナシールは嵐のように去っていった。
「いいんだよ!コイツは俺が何をしても口を出さないからな」
この国は今、長い旱魃により食糧難と財政難に陥っていた。
助けを求めようとも周囲の国々もギリギリの状態だった。
そこで大国のベルベット皇国に助けを求めた。
ベルベット皇国は常に血生臭い悪い噂が絶えない国だった為、迷った国王だったが、ある条件を飲む代わり食糧を提供すると言われた。
それがベルベット皇国、第二皇女であるリリアーナとこの国の王太子であるナシールとが婚約する事……つまりは次期王妃とする事だった。
そして交渉の日ーー
国の運命を握る大切な日にも関わらずに頭の弱いナシールはそんな条件を飲みたくないと駄々を捏ねた。
何故ならばチェリーを愛していたからだ。
一国よりも愛を取るというナシールに周囲は愕然として、王妃は泡を吹いて気絶した。
しかし扇子で口元を隠しながら成り行きを見守っていたリリアーナは、小さく頷くと「構いませんわ」と一言呟いた。
つまりはナシールが誰を愛していようと婚約関係でいられたら構わないとリリアーナは言いたかったのだ。
それならばとナシールも納得した。
ベルベット皇帝も「リリアーナがいいならばいい」と言っただけだった。
こうしてリリアーナが嫁ぐ代わりに、ベルベット皇帝から食糧の支援を受けることになったのだ。
首の皮一枚で繋がった国王は泣いて喜んだ。
目を覚ましたら王妃も同様だった。
リリアーナを前にナシールは「俺は絶対にお前を愛したりしないからな」と高らかに宣言した。
それにはレブーロン国王と王妃が両方とも揃って気絶した。
それでもリリアーナはニコリと口角を上げて「はい」と言っただけだった。
リリアーナが何故ナシールの言う事に従ったのか。
それには海よりも深いワケがある。
ベルベット皇帝の宝石、国の宝、美の女神……リリアーナは昔からそう呼ばれ、それはそれは大切に育てられた。
娘を溺愛するが故に何も咎めない両親。
傷一つ付けることは許されずに真綿のように大切にされる生活にうんざりとしていた。
感情の起伏がなく、特に喋る事もないリリアーナは、自分が置物のように無機質なものに感じて生きている事を実感出来ずにいたのだ。
そんなリリアーナに息を吹き込んだのが、ナシールとの出会いだった。
レブーロン王国でのパーティーに呼ばれて囲まれていた時のこと……いつものように美しい、素晴らしい、綺麗だというセリフを言われていた時だった。
悪ガキのナシールがやって来て一言。
「何だお前、気持ち悪いな」
と、言ったのだった。
それには周囲が凍り付いたのだが、リリアーナだけは違った。
頭の中で「気持ち悪い」という言葉が響いていた。
リリアーナは内心、ドキドキしていた。
「何故?」
気付いた時にはリリアーナの口から声が漏れていた。
問いかけずにはいられなかったのだ。
「どうして笑わないんだよ?」
「笑う?何故……?」
「ずっと同じ顔をしていて詰まらなくないのか?」
「……別に」
「ふーん、なんかお前人形みたいで不気味だな!」
ナシールに悪気は一切なかった。
ニカッと笑って、とどめの一言で「その扇子も趣味悪いな」と言ったのだった。
誰も何も喋れなかった。
この国は終わった……誰もがそう思っていた時だった。
「ぷっ……フフッ」
リリアーナが笑ったのだ。
二人で笑い合う姿を見て、皆時間が止まったかのように動けなかった。
「ほら、笑った方が可愛いぜ!」
そう言ってナシールは嵐のように去っていった。
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