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31 2の存在 ※花以外の視点
しおりを挟むまだ4つほどしかクリアしていないが、間違いなくこのゲームは予言書だった。
花と出会っていない世界線なら確実にこのゲームのような運命になっていただろう。
「操作方法は分かりました。なので残りのゲームを全てクリアして全貌を確かめましょう。これはある意味恐ろしいゲームです」
「バットエンドもあるって言ってたな。それも全て見ていた方がいいんじゃねぇ?」
「そうですね。むしろそちらの方が重要かもしれません」
「……これは王家が知ったら大変なことになりますね……」
そこへ目を覚ましたカメリアが爆弾発言を落とした。
「……皇太子妃殿下は知ってるみたいだったわよ?」
「えっ?!!」
「この前お茶に呼ばれた時その話をしたのよ。何でも前世の記憶があってこのゲームをプレイしたことがあったらしくてね。悪役令嬢になりたくないから頑張っていたらしいわ」
あまりにも衝撃的過ぎる話に全員思考が止まってしまったようだ。
「前世の記憶? そんなバカな……」
「そうね。でも妃殿下はこのゲームの内容を知っていたわ。題名も然ることながらへルマン様のことも知っていたの」
「えぇ?!! 俺、妃殿下と会ったことねぇよ?!」
「だから完全に嘘だとは言えないかと。前世の話が嘘でも王家に予言の書があるのかもしれないし、何かしら妃殿下には秘密があるのは確かだわ」
皆が不安に感じているなかカメリアが、ふとパッケージを見るとそこには『リメイク』の文字があり、2への伏線あり!と書かれていた。
(2?! これ続きものだったの? まずいわ!! ゲームの内容を見るにたぶん物語は終了しているから、2があるなら其方を先に見ないと!!)
焦るカメリアを他所に他の皆は1のゲームについて今後のことを語っていた。
(そうよ。考えてみればおかしなことが多すぎたわ。もし妃殿下が前世の記憶を持っていたのなら何故ミシェル殿下たちの事故を防がなかったの? 関係無いと薄情に見捨てるかしら?
いいえ、おかしいわ。生きるために行動していたと言うのならば、あの事故で王家に怨みを抱える原因になった王弟をそのままにするなんて妃殿下らしくない!!)
「……2を探さないと……」
見えない意図に操られているような不気味な感覚がしてカメリアはそっと明け方の空を仰いだ。
仮眠をした後カメリアは1人パソコン室に行き『王家の鈴蘭2』を探した。
「……幻の2? リメイクは白紙になった……」
『王家の鈴蘭』は内容的にそこそこ乙女ゲーム好きには人気があった。
2が出るとその界隈は喜びに沸いたぐらいには……。だが発売されるとバグやその内容がかなり酷いと人気は一気に低迷してしまい『2など始めからなかった』などと言われてしまう。
「……どうしましょう。これ以上は上手く調べられないわ」
「なら、そこからは私が引き継ごう」
「?! お、お兄様!!」
「確かに1があるなら2があることも考えるべきだったな」
カメリアはルーベンスに席を譲ると続編ゲームで花が登場しないことを願った。
(もし続編で花ちゃんが死んでしまうことなんてあったら私は耐えられないわ! でも書かれていたなら必ず死守してみせる!)
「あ、あの、お兄様……」
「!! カメリア!! 当たりだ!!」
「えっ?」
「2をゲームした人の要約がある。どうやら攻略対象者は全部で7人らしい。主人公は……ん? 女性としか分からないな……」
「私にも読ませて下さい」
どうやらルーベンスが見つけたのはゲームをした人の感想日記のようだった。
2の攻略対象者はルーベンス、アルベルト、カルロス、オリバー、へルマン、皇太子、隠しキャラとなっており最後のキャラ名は分からずじまいで終わる。
「ここに載ってる名前は皇太子以外はよく知る人物ばかりですね……」
「あぁ。気持ち悪いぐらい知り合いの名前ばかりというのは恐ろしいな」
「えぇ。しかもネットに載っている情報の少なさもおかしいですね」
「確かに1の情報はかなりあるのに2になると極端に少ないのも気になる」
(幻の作品だとしても低評価をかなりの人数がしてないと話題にもならないはず。SNSの時代に誰かが故意に消しているのかしら? でもそんなこと出来るの?)
「とりあえずこの日記をコピーしよう」
「え?!! コピー?!」
「知らないのか? コピーは便利だぞ!」
「そうではなくて、いつの間にコピー機を付けたのですか?」
「? 花様に頼んだんだよ。スキャナー付きでとてもいい!」
「スキャナーまで……」
ルーベンスはそれだけではなく花に色々ダウンロードもさせているようで自慢気にカメリアへ語った。
(はぁ。これじゃあ、ますますこの部屋に入り浸るわね。ソファーもなんだかこの部屋には不釣り合いなほど大きいし、きっとベッド代わりに使っているのね)
饒舌にパソコンのことやガジェットのことを楽しく語るルーベンスを横にカメリアは小さくため息を付いた。
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