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番外編 オリバーの苦悩
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「いってらっしゃい!」
「いってきます!」
愛する妻と娘に見送られ仕事へ行く。
「おはようございます! 局長!」
そう俺は今、ギルドの冒険者ではなく、国に雇われたこの地方局長になっている。
それは花の付き添いで城に行って待合室で待っていた時に皇太子自ら部屋に訪れていきなり笑顔で声をかけられた。
「君、メチャクチャ頭いいね。ギルドの冒険者辞めてうちで働かない? 大丈夫。王都来いとか無茶言わないから! まぁ、来てくれたらそれはそれで嬉しいけどね!」
鶴の一声ならぬ皇太子の一声で俺は急に官職となる。そして気が付けば局長まで出世していた。始めはほぼ平民の俺への当たりも強かったのに階級が上がるにつれ誰も何も言わなくなり、そして俺を差別してたそいつらはいつの間にか消えていた。なにこれメチャクチャ怖いんですけど!!
でもまさか貴族しかなれない官職になれるとは思わず今だに現実なのかと不安になる。憧れの騎士ではないが特に不満はない。自分の能力を思う存分生かせるのは嬉しいし、何より安定した給料が半端ない額なのだ。
(俺が厳しい依頼を1ヶ月続けた額より上なんだもんなぁ。そりゃ、就職するよ。ただ、身体がなまるのが今後の課題だな……)
なので仕事の後、身体を鍛えたいからと騎士の訓練所を貸して貰えないかと頼み込んだら2つ返事で了承してくれたので凄く助かった。
なので必然と遅くなる。今日も遅くなって帰宅したら廊下からマリーの声が聞こえる。
「絶対浮気だって! 冒険者なのにずっと遅いんだよ? 護衛で何日もいないのは分かるよ? でも毎日帰ってきてるのに早番もない!」
「……うん。怪しい……。前は嬉しそうに帰ってきたのに今は疲れる……。外に癒しを覚えた浮気男の特徴と一致する……」
「もう、浮気現場押さえて花と別れさせようか?」
「……でも子供可哀想……」
「大丈夫! ルーベンス先生を押し付ければいいよ! あの人ユリちゃんも大好きだから!」
「……そっか。そうだね……「まてーー!! 駄目に決まってるだろ!! 花は誰にも渡さない!!!」
冗談じゃない!! ルーベンスになんて誰がやるか!! 可愛い愛娘まで取られるなんて冗談じゃない!!
本当は皇太子に頼まれて転職したと伝えたいが、極秘で動くこともあるから当分は秘密だと言われているので話せない。
「はぁ。契約内容は例え家族でも話せないんだ! それが冒険者なのは分かるだろ?! 討伐だけが仕事じゃないんだ。護衛任務は基本他言無用がつくし、その他の依頼だってギルドから言われたら口を紡ぐ」
「本当に?」
「冒険者は信用第一も関わってくる。仕事内容をベラベラ喋るやつが高位冒険者にはいないだろ?」
「……確かに……」
「どんなに強くても問題あるやつはCランク止まりになる。それ以上のランクは信用や人間性も加味されるから難しいんだ」
「じゃ、浮気ではない?」
「当たり前だろ!! 俺は花を愛してるんだ! 花が別れたいと言っても断固拒否するしな!!」
双子に釘を刺してたら、「後ろ!」とマリーが示すので振り返ると花が真っ赤になったまま固まっていた。
「えっ?! は、花?!」
「わ、私も別れない!! でも、浮気は許さないから!! 1回でもしたら皇太子妃に頼んでお仕置きしてもらうからね!!」
(それでされたら俺、理不尽じゃない? でも……)
「そんな心配はないね!! 俺は花にぞっこんだもん!!」
「……じゃ、約束よ?」
「賭けても契約書を書いてもいいね! 自信あるから! それより花がする方が心配かな?」
「それはない!!! 浮気はしない!! 好きな人が他に出来たらちゃんと言う!!」
「いやいや、それも止めて? 俺泣くよ?」
そんなヘタレ発言に3人とも爆笑する。ひどい。
「冗談よ。するわけ無いでしょ! あなたは私たちの『陽だまり』なんだから……」
「陽だまり?」
「側にいれば暖かく包んでくれて、ホッとする安心と愛を惜しみ無くくれる優しい人なのよ? まるで「暖炉だね!!」
……暖炉……あっ、うん、そうだね。確かに暖かいし、ほっとするね。……ん? あれ? 陽だまりは何処へ行った?
マリーが「なるほど!」と納得しているが隣でメリーが「お風呂でもいいんじゃない?」なんて言う始末。もはや暖房器具の話になりそうで、いい話も脱線して終わりそうだ。
でもこっそり花が「浮気の心配はしてませんよ」と微笑んでくれたので信頼されてる事に感動する。
「いってきます!」
「いってらっしゃい!」
今日も皇太子からの命で仕事をする。いつか話せる日が早く来ることを願って、愛する妻と娘に手を振る。
「あっ、忘れ物!!」
「えっ?」
再び玄関に戻ると俺は娘にはおでこに。花には唇にキスをしてまた元気良く出掛けた。
顔を真っ赤にする花とおでこを拭う娘に苦笑いをして俺は幸せを噛みしめながら歩いてゆく。
「いってきます!」
愛する妻と娘に見送られ仕事へ行く。
「おはようございます! 局長!」
そう俺は今、ギルドの冒険者ではなく、国に雇われたこの地方局長になっている。
それは花の付き添いで城に行って待合室で待っていた時に皇太子自ら部屋に訪れていきなり笑顔で声をかけられた。
「君、メチャクチャ頭いいね。ギルドの冒険者辞めてうちで働かない? 大丈夫。王都来いとか無茶言わないから! まぁ、来てくれたらそれはそれで嬉しいけどね!」
鶴の一声ならぬ皇太子の一声で俺は急に官職となる。そして気が付けば局長まで出世していた。始めはほぼ平民の俺への当たりも強かったのに階級が上がるにつれ誰も何も言わなくなり、そして俺を差別してたそいつらはいつの間にか消えていた。なにこれメチャクチャ怖いんですけど!!
でもまさか貴族しかなれない官職になれるとは思わず今だに現実なのかと不安になる。憧れの騎士ではないが特に不満はない。自分の能力を思う存分生かせるのは嬉しいし、何より安定した給料が半端ない額なのだ。
(俺が厳しい依頼を1ヶ月続けた額より上なんだもんなぁ。そりゃ、就職するよ。ただ、身体がなまるのが今後の課題だな……)
なので仕事の後、身体を鍛えたいからと騎士の訓練所を貸して貰えないかと頼み込んだら2つ返事で了承してくれたので凄く助かった。
なので必然と遅くなる。今日も遅くなって帰宅したら廊下からマリーの声が聞こえる。
「絶対浮気だって! 冒険者なのにずっと遅いんだよ? 護衛で何日もいないのは分かるよ? でも毎日帰ってきてるのに早番もない!」
「……うん。怪しい……。前は嬉しそうに帰ってきたのに今は疲れる……。外に癒しを覚えた浮気男の特徴と一致する……」
「もう、浮気現場押さえて花と別れさせようか?」
「……でも子供可哀想……」
「大丈夫! ルーベンス先生を押し付ければいいよ! あの人ユリちゃんも大好きだから!」
「……そっか。そうだね……「まてーー!! 駄目に決まってるだろ!! 花は誰にも渡さない!!!」
冗談じゃない!! ルーベンスになんて誰がやるか!! 可愛い愛娘まで取られるなんて冗談じゃない!!
本当は皇太子に頼まれて転職したと伝えたいが、極秘で動くこともあるから当分は秘密だと言われているので話せない。
「はぁ。契約内容は例え家族でも話せないんだ! それが冒険者なのは分かるだろ?! 討伐だけが仕事じゃないんだ。護衛任務は基本他言無用がつくし、その他の依頼だってギルドから言われたら口を紡ぐ」
「本当に?」
「冒険者は信用第一も関わってくる。仕事内容をベラベラ喋るやつが高位冒険者にはいないだろ?」
「……確かに……」
「どんなに強くても問題あるやつはCランク止まりになる。それ以上のランクは信用や人間性も加味されるから難しいんだ」
「じゃ、浮気ではない?」
「当たり前だろ!! 俺は花を愛してるんだ! 花が別れたいと言っても断固拒否するしな!!」
双子に釘を刺してたら、「後ろ!」とマリーが示すので振り返ると花が真っ赤になったまま固まっていた。
「えっ?! は、花?!」
「わ、私も別れない!! でも、浮気は許さないから!! 1回でもしたら皇太子妃に頼んでお仕置きしてもらうからね!!」
(それでされたら俺、理不尽じゃない? でも……)
「そんな心配はないね!! 俺は花にぞっこんだもん!!」
「……じゃ、約束よ?」
「賭けても契約書を書いてもいいね! 自信あるから! それより花がする方が心配かな?」
「それはない!!! 浮気はしない!! 好きな人が他に出来たらちゃんと言う!!」
「いやいや、それも止めて? 俺泣くよ?」
そんなヘタレ発言に3人とも爆笑する。ひどい。
「冗談よ。するわけ無いでしょ! あなたは私たちの『陽だまり』なんだから……」
「陽だまり?」
「側にいれば暖かく包んでくれて、ホッとする安心と愛を惜しみ無くくれる優しい人なのよ? まるで「暖炉だね!!」
……暖炉……あっ、うん、そうだね。確かに暖かいし、ほっとするね。……ん? あれ? 陽だまりは何処へ行った?
マリーが「なるほど!」と納得しているが隣でメリーが「お風呂でもいいんじゃない?」なんて言う始末。もはや暖房器具の話になりそうで、いい話も脱線して終わりそうだ。
でもこっそり花が「浮気の心配はしてませんよ」と微笑んでくれたので信頼されてる事に感動する。
「いってきます!」
「いってらっしゃい!」
今日も皇太子からの命で仕事をする。いつか話せる日が早く来ることを願って、愛する妻と娘に手を振る。
「あっ、忘れ物!!」
「えっ?」
再び玄関に戻ると俺は娘にはおでこに。花には唇にキスをしてまた元気良く出掛けた。
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