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12 乙女ゲームのイベント?
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通ってもいない。初めてきた王都学園の学園祭でフラッシュモブを思わせる劇を見せられているような感覚にいた私はどうやら加害者件被害者らしい。
「嫉妬か……見苦しい……カインとアイリスは友人だと何度も言っているのに分からないのか……」
「? そうなんですか?」
「ふん! 今更白々しい! エリザベスのことは同情するがお前はそれ以上の事をした! 即刻この学園を去れ!!」
「それはご命令でしょうか?」
「そうだ!!」
「かしこまりました。では御前を失礼致します」
ちらっと、横にいたカイン様を見ると何故か先ほどとは違い、残念な者を見るような目になっていた。
(?? どういうこと? これが強制力? とりあえず殿下が逃がしてくれたからこのまま消えよう! 理不尽だらけの非難だけど逆らうのは得策じゃないし、逃がしてくれるのなら万々歳だ!)
私はそのまま裏門を目指して帰ることにした。最後まで反論せず我慢した護衛にお礼を言うと悔しそうに「この屈辱は報告いたします!! いくら王家とはいえ余りにも理不尽です!!」と代わりに怒ってくれた。
(だよねぇ。まるで私がこの学園に通ってる前提の話だったし、色々おかしいよね? こりゃ絶対何かあるわ!)
馬車で腕の怪我を軽く止血して屋敷に戻ると護衛が一目散にお父様がいる事務室に向かった。
「どうしました?! あまりにもお早いお帰りですね……って! お嬢様、その腕の傷はどうしたのですか!!」
「……うーん。色々ありすぎてどこから話せばいいのかしらねぇ? 一様証拠として傷は完全回復させなかったんだけど……」
(こりゃ、早めに婚約解消だな! 録音出来れば良かったんだけど何とかなるかなぁ……)
そんなことを軽く考えていたら、急に王家から呼び出しがかかった。しかも私直々らしい。
(えっ? いきなり死刑?!! どうしよう!!)
青ざめて陛下の御前に参ると、いきなり状態異常回復の魔法を使うように言われた。
「この者にかけてくれ」
「? はい」
何故か陛下の横にいたガタイのいいおじさんにかけろと言われたので、状態異常回復を行うとおじさんは先程よりみるみる青ざめて私と同じような顔色になっている。
「イバン……学園の記憶はあるか?」
「……はい。……私はなんて事を……」
(何? 何? 学園? 陛下! 説明プリーズ!!)
「やはり魅了か……」
「はい。しかもかなり強力な物です。それと憎悪を倍増する魔石が幾つか発見されたのですが回収する前にやられてしまいました。私の失態です」
「やはり一時学園は封鎖だな」
「はい。かなり危険です。我々騎士団の捜索部隊を派遣しないといけませんが、魅了魔法がやっかいです。失敗すれば敵に塩を送ることになりかねません」
「そうか……それほどか……」
私を無視して騎士団のおじさんと会話を進める陛下。前世日本人の私は空気を読んで居ないものに徹することは出来るけど、いつまでここにいればいいのだろう。
「原因はあの男爵令嬢ですが魅了の力が強すぎて並の人間では近寄れません。ここは魔王陛下に協力を求めなければ無理です」
「……はぁ。勇者は今何人いる?」
「帰ってきた者が1人おります」
「では回復はまだか?」
「はい」
そこで陛下は空気になっていた私の方を見た。
「聞いておったろう? これは国を脅かす一大事だ。アルファー伯爵令嬢、王命だ! 今すぐ勇者と共に魔王城に迎え!」
「えぇ?!!」
「そなたの力で魔素を回復しながら行けば何とかなるだろう」
陛下の急な王命に固まっていると、一緒に謁見へ来た父親が青ざめた表情でその命令を止めてくれた。
「お、おまちください!! 娘は伯爵令嬢です! いくら状態異常を治す魔法を持っているとしても何日もかかる魔王城になど行けません! しかも男2人の旅など!!」
「分かっておる! しかし現状、状態異常回復が使える者がここにいるイバン以外いないのだ。皆、あの強力な魅了にやられて使えぬ」
「ではイバン殿が勇者様と同行してもらえないのでしょうか? 娘には魅了にやられた状態異常回復を使える者を回復させればいいかと」
「そうしたいのだが、状態異常回復者は屈強な兵士に守られている。敵も馬鹿ではないらしい」
つまり騎士団のイバンは兵士を倒して状態異常回復を使える魔法使い仲間を救出する任務があるということだ。
「すまない伯爵。だがこちらも令嬢と勇者だけを送るつもりはない。教会から聖女を2人ほどつける予定だ。それと今回の事が終わればそれなりの事はさせてもらう」
「ぐっ……りょ、了承いたしました……」
お父様が苦虫を噛み潰したような顔をしている。究極の選択なのだろう。
(まぁ、普通の令嬢にこの命令は無理だろう。身の回りの世話をメイドに任せているのだからね。そんな令嬢がキャンプのような旅を魔素を払いながら魔王城に行くなんて死出の旅路だろう。
私は前世の記憶あるし、保険として平民として暮らせるように練習したから平気だけど……。それにしても陛下は運がいいな)
そうと決まればマジックバックに荷物をこれでもかと入れていく。教会から聖女さんが2人ほど来るらしいけどメイドではないし、出来るだけ迷惑をかけないよう頑張るだけだ。
「嫉妬か……見苦しい……カインとアイリスは友人だと何度も言っているのに分からないのか……」
「? そうなんですか?」
「ふん! 今更白々しい! エリザベスのことは同情するがお前はそれ以上の事をした! 即刻この学園を去れ!!」
「それはご命令でしょうか?」
「そうだ!!」
「かしこまりました。では御前を失礼致します」
ちらっと、横にいたカイン様を見ると何故か先ほどとは違い、残念な者を見るような目になっていた。
(?? どういうこと? これが強制力? とりあえず殿下が逃がしてくれたからこのまま消えよう! 理不尽だらけの非難だけど逆らうのは得策じゃないし、逃がしてくれるのなら万々歳だ!)
私はそのまま裏門を目指して帰ることにした。最後まで反論せず我慢した護衛にお礼を言うと悔しそうに「この屈辱は報告いたします!! いくら王家とはいえ余りにも理不尽です!!」と代わりに怒ってくれた。
(だよねぇ。まるで私がこの学園に通ってる前提の話だったし、色々おかしいよね? こりゃ絶対何かあるわ!)
馬車で腕の怪我を軽く止血して屋敷に戻ると護衛が一目散にお父様がいる事務室に向かった。
「どうしました?! あまりにもお早いお帰りですね……って! お嬢様、その腕の傷はどうしたのですか!!」
「……うーん。色々ありすぎてどこから話せばいいのかしらねぇ? 一様証拠として傷は完全回復させなかったんだけど……」
(こりゃ、早めに婚約解消だな! 録音出来れば良かったんだけど何とかなるかなぁ……)
そんなことを軽く考えていたら、急に王家から呼び出しがかかった。しかも私直々らしい。
(えっ? いきなり死刑?!! どうしよう!!)
青ざめて陛下の御前に参ると、いきなり状態異常回復の魔法を使うように言われた。
「この者にかけてくれ」
「? はい」
何故か陛下の横にいたガタイのいいおじさんにかけろと言われたので、状態異常回復を行うとおじさんは先程よりみるみる青ざめて私と同じような顔色になっている。
「イバン……学園の記憶はあるか?」
「……はい。……私はなんて事を……」
(何? 何? 学園? 陛下! 説明プリーズ!!)
「やはり魅了か……」
「はい。しかもかなり強力な物です。それと憎悪を倍増する魔石が幾つか発見されたのですが回収する前にやられてしまいました。私の失態です」
「やはり一時学園は封鎖だな」
「はい。かなり危険です。我々騎士団の捜索部隊を派遣しないといけませんが、魅了魔法がやっかいです。失敗すれば敵に塩を送ることになりかねません」
「そうか……それほどか……」
私を無視して騎士団のおじさんと会話を進める陛下。前世日本人の私は空気を読んで居ないものに徹することは出来るけど、いつまでここにいればいいのだろう。
「原因はあの男爵令嬢ですが魅了の力が強すぎて並の人間では近寄れません。ここは魔王陛下に協力を求めなければ無理です」
「……はぁ。勇者は今何人いる?」
「帰ってきた者が1人おります」
「では回復はまだか?」
「はい」
そこで陛下は空気になっていた私の方を見た。
「聞いておったろう? これは国を脅かす一大事だ。アルファー伯爵令嬢、王命だ! 今すぐ勇者と共に魔王城に迎え!」
「えぇ?!!」
「そなたの力で魔素を回復しながら行けば何とかなるだろう」
陛下の急な王命に固まっていると、一緒に謁見へ来た父親が青ざめた表情でその命令を止めてくれた。
「お、おまちください!! 娘は伯爵令嬢です! いくら状態異常を治す魔法を持っているとしても何日もかかる魔王城になど行けません! しかも男2人の旅など!!」
「分かっておる! しかし現状、状態異常回復が使える者がここにいるイバン以外いないのだ。皆、あの強力な魅了にやられて使えぬ」
「ではイバン殿が勇者様と同行してもらえないのでしょうか? 娘には魅了にやられた状態異常回復を使える者を回復させればいいかと」
「そうしたいのだが、状態異常回復者は屈強な兵士に守られている。敵も馬鹿ではないらしい」
つまり騎士団のイバンは兵士を倒して状態異常回復を使える魔法使い仲間を救出する任務があるということだ。
「すまない伯爵。だがこちらも令嬢と勇者だけを送るつもりはない。教会から聖女を2人ほどつける予定だ。それと今回の事が終わればそれなりの事はさせてもらう」
「ぐっ……りょ、了承いたしました……」
お父様が苦虫を噛み潰したような顔をしている。究極の選択なのだろう。
(まぁ、普通の令嬢にこの命令は無理だろう。身の回りの世話をメイドに任せているのだからね。そんな令嬢がキャンプのような旅を魔素を払いながら魔王城に行くなんて死出の旅路だろう。
私は前世の記憶あるし、保険として平民として暮らせるように練習したから平気だけど……。それにしても陛下は運がいいな)
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