55 / 228
本編
第40話 マヨイはソプラに到着する。
しおりを挟む
本話からマヨイ(宵)視点にも分かりやすいように小見出しを付けることにしました。本話以前の話も順次、小見出しを付けようと思います。
───────────────
⚫︎マヨイ
ソプラを目指す僕らはショートカットするためにアルテラ大森林へと入った。しかし、地図があっても木々が邪魔して方角を何度も修正する必要があり思うように進めていない。
「この調子なら余裕そうね」
「うん」
こともないらしい。これもオリオンさんが"ホーリーレイ"という聖術の攻撃魔術で倒してくれるおかげだろう。ここまで僕も藍香も一切手出ししていない。
「でもいいの?」
「手の内晒したくないのはアイたちの方」
「それはそうだけど……オリオンだって同じでしょ?」
「私はもうバレてるからいい」
昨日の夕方頃から北の草原で何度もボスと戦っていた"流星群"の人たちは戦闘風景を動画に撮られていたらしい。掲示板への掲載を拒否すれば印象が悪くなると考えたシブンギさんやレオさんの判断で許可することになったそうだ。
「このまま進むと敵と遭遇する。右に逸れて」
「おっけ」
「探索、すごく便利」
「おかげで狼の群れは回避できたのだし、私も探索もっと積極的に使おうかしら」
魔力弾で狼のボスを倒すことも考えたけど、北の草原で戦闘になればオリオンさん以外の"流星群"のメンバーにも見られてしまう。そうなれば契約してまで撮影機能の使用を禁止した意味がない。
そう考えた僕らは探索スキルを使って北の草原での戦闘を回避したのだ。また探索スキルの範囲は精神のステータスに比例するので、藍香よりも僕の方が広範囲を把握できている。というより既にソプラまで探索範囲に入っているので上手くいけば戦闘は最小限で済ませられそうだ。
「ソプラ方面から近づいてくるマーカーがあるな……プレイヤーかな?」
「避けれそう?」
「遠回りすれば」
それにしても鬱蒼とした木々のせいで方向転換するたびに地図を確認しなくてはならないのが面倒くさい。
「オリオン、どうする?」
「たぶん、邪魔しようとしてるプレイヤー。先制攻撃はできない、かと言って会話する時間はもったいない」
「なら遠回りするのが賢明ね」
「うん」
そうだよな、会わなければいいんだ。
向こう側は僕らにまっすぐ近づいているわけではないので、おそらく僕らには気が付いてない。遠回りして遭遇を回避するなら時間内に間に合うかギリギリになってしまう。
「2人ともストップ」
「っと、いきなりどうしたのよ」
「妙案?」
「まぁ……妙案かは分からないけどね。ソプラまでの道を開けるから真っ直ぐ行こうか。魔力弾(×200)」
形状変化を利用して薄い大きな円盤状に変化させた魔力弾を可能な限り地面スレスレになるようにソプラ方面に放つ。残念なことにプレイヤーが巻き込まれてしまったらしいが、僕は赤プレイヤーになっていない。というは、これも不幸な事故というやつだ。お悔やみ申し上げます。
「よし、見晴らし良くなった」
「すごい」
「真宵、木こりにでもなったら?」
スキルの並列発動は既にオリオンさんが見せてくれた。なので僕がやったとしても不自然じゃないんだろう。思わず使ってしまったけどツッコミがなくてホッとした。
「ついでだし、切り倒された木は拾っていくわよ」
「賛成。もったいない」
「余裕とは言っても目標より10分早く着けるかってところだけどね」
僕らは道中で伐採(?)した木々を拾いながらソプラへと急ぐ。ちなみにオリオンさんが受け取るのを拒否したため、彼女が拾った木材は僕と藍香で等分することになった。
独占が云々と言っていたが何かあったのだろうか。
…………………………………
……………………………
………………………
メニューの時計から計算して47分、僕らはソプラの街壁部にたどり着いた。目の前の門を潜れば契約は終了だ。
「ありがと」
「報酬も貰うのだし別にいいのよ」
「少し貰いすぎな気もするけどね」
「「シブンギが悪い」」
「そこでハモらなくても……」
それにしても街壁がところどころ破壊されている。
ワイバーンに襲われた際に破壊されたのか、それとも別の要因かは分からないけど不安になる外観だな。
「こんな時にソプラに来るなんて……ここに来た目的を聞いていいかな?」
「重体、治せる人探しるって聞いたから」
「私たちは彼女の護衛のようなものよ」
当初予測されてたボスとの戦闘は回避しちゃったから護衛らしいことは全くしてないけどね。
「お嬢ちゃん、聖術が使えるのかい!?」
「えっへん」
「入街料は10Rだ。重体の者は街の中心部にある組合にいる。急いでくれ」
「分かった。アイ、ショ……マヨイ、ありがとう」
「気にしないで」
「どういたしまして」
そのまま3人でソプラの組合へと向かう。
ワイバーンが暴れた跡だろう。破壊された住宅、元は舗装されていただろう舗装が剥がされた道、瓦礫を撤去するのを手伝っているプレイヤー、はっきり言って想像以上に酷い。
「─────」
「───────!」
組合に着くと中から聞こえてくる会話というには穏やかじゃなさそうな雰囲気の怒鳴り声が聞こえてきた。もう"流星群"との契約は終えたし帰っていいかな?
「アイ、マヨイ、着いてきて。お願い」
───────────────
お読みいただきありがとうございます。
除草の次は伐採です。
今回も赤になっていないのは前回と同じ理由ですね。
───────────────
⚫︎マヨイ
ソプラを目指す僕らはショートカットするためにアルテラ大森林へと入った。しかし、地図があっても木々が邪魔して方角を何度も修正する必要があり思うように進めていない。
「この調子なら余裕そうね」
「うん」
こともないらしい。これもオリオンさんが"ホーリーレイ"という聖術の攻撃魔術で倒してくれるおかげだろう。ここまで僕も藍香も一切手出ししていない。
「でもいいの?」
「手の内晒したくないのはアイたちの方」
「それはそうだけど……オリオンだって同じでしょ?」
「私はもうバレてるからいい」
昨日の夕方頃から北の草原で何度もボスと戦っていた"流星群"の人たちは戦闘風景を動画に撮られていたらしい。掲示板への掲載を拒否すれば印象が悪くなると考えたシブンギさんやレオさんの判断で許可することになったそうだ。
「このまま進むと敵と遭遇する。右に逸れて」
「おっけ」
「探索、すごく便利」
「おかげで狼の群れは回避できたのだし、私も探索もっと積極的に使おうかしら」
魔力弾で狼のボスを倒すことも考えたけど、北の草原で戦闘になればオリオンさん以外の"流星群"のメンバーにも見られてしまう。そうなれば契約してまで撮影機能の使用を禁止した意味がない。
そう考えた僕らは探索スキルを使って北の草原での戦闘を回避したのだ。また探索スキルの範囲は精神のステータスに比例するので、藍香よりも僕の方が広範囲を把握できている。というより既にソプラまで探索範囲に入っているので上手くいけば戦闘は最小限で済ませられそうだ。
「ソプラ方面から近づいてくるマーカーがあるな……プレイヤーかな?」
「避けれそう?」
「遠回りすれば」
それにしても鬱蒼とした木々のせいで方向転換するたびに地図を確認しなくてはならないのが面倒くさい。
「オリオン、どうする?」
「たぶん、邪魔しようとしてるプレイヤー。先制攻撃はできない、かと言って会話する時間はもったいない」
「なら遠回りするのが賢明ね」
「うん」
そうだよな、会わなければいいんだ。
向こう側は僕らにまっすぐ近づいているわけではないので、おそらく僕らには気が付いてない。遠回りして遭遇を回避するなら時間内に間に合うかギリギリになってしまう。
「2人ともストップ」
「っと、いきなりどうしたのよ」
「妙案?」
「まぁ……妙案かは分からないけどね。ソプラまでの道を開けるから真っ直ぐ行こうか。魔力弾(×200)」
形状変化を利用して薄い大きな円盤状に変化させた魔力弾を可能な限り地面スレスレになるようにソプラ方面に放つ。残念なことにプレイヤーが巻き込まれてしまったらしいが、僕は赤プレイヤーになっていない。というは、これも不幸な事故というやつだ。お悔やみ申し上げます。
「よし、見晴らし良くなった」
「すごい」
「真宵、木こりにでもなったら?」
スキルの並列発動は既にオリオンさんが見せてくれた。なので僕がやったとしても不自然じゃないんだろう。思わず使ってしまったけどツッコミがなくてホッとした。
「ついでだし、切り倒された木は拾っていくわよ」
「賛成。もったいない」
「余裕とは言っても目標より10分早く着けるかってところだけどね」
僕らは道中で伐採(?)した木々を拾いながらソプラへと急ぐ。ちなみにオリオンさんが受け取るのを拒否したため、彼女が拾った木材は僕と藍香で等分することになった。
独占が云々と言っていたが何かあったのだろうか。
…………………………………
……………………………
………………………
メニューの時計から計算して47分、僕らはソプラの街壁部にたどり着いた。目の前の門を潜れば契約は終了だ。
「ありがと」
「報酬も貰うのだし別にいいのよ」
「少し貰いすぎな気もするけどね」
「「シブンギが悪い」」
「そこでハモらなくても……」
それにしても街壁がところどころ破壊されている。
ワイバーンに襲われた際に破壊されたのか、それとも別の要因かは分からないけど不安になる外観だな。
「こんな時にソプラに来るなんて……ここに来た目的を聞いていいかな?」
「重体、治せる人探しるって聞いたから」
「私たちは彼女の護衛のようなものよ」
当初予測されてたボスとの戦闘は回避しちゃったから護衛らしいことは全くしてないけどね。
「お嬢ちゃん、聖術が使えるのかい!?」
「えっへん」
「入街料は10Rだ。重体の者は街の中心部にある組合にいる。急いでくれ」
「分かった。アイ、ショ……マヨイ、ありがとう」
「気にしないで」
「どういたしまして」
そのまま3人でソプラの組合へと向かう。
ワイバーンが暴れた跡だろう。破壊された住宅、元は舗装されていただろう舗装が剥がされた道、瓦礫を撤去するのを手伝っているプレイヤー、はっきり言って想像以上に酷い。
「─────」
「───────!」
組合に着くと中から聞こえてくる会話というには穏やかじゃなさそうな雰囲気の怒鳴り声が聞こえてきた。もう"流星群"との契約は終えたし帰っていいかな?
「アイ、マヨイ、着いてきて。お願い」
───────────────
お読みいただきありがとうございます。
除草の次は伐採です。
今回も赤になっていないのは前回と同じ理由ですね。
52
あなたにおすすめの小説
癒し目的で始めたVRMMO、なぜか最強になっていた。
branche_noir
SF
<カクヨムSFジャンル週間1位>
<カクヨム週間総合ランキング最高3位>
<小説家になろうVRゲーム日間・週間1位>
現実に疲れたサラリーマン・ユウが始めたのは、超自由度の高いVRMMO《Everdawn Online》。
目的は“癒し”ただそれだけ。焚き火をし、魚を焼き、草の上で昼寝する。
モンスター討伐? レベル上げ? 知らん。俺はキャンプがしたいんだ。
ところが偶然懐いた“仔竜ルゥ”との出会いが、運命を変える。
テイムスキルなし、戦闘ログ0。それでもルゥは俺から離れない。
そして気づけば、森で焚き火してただけの俺が――
「魔物の軍勢を率いた魔王」と呼ばれていた……!?
癒し系VRMMO生活、誤認されながら進行中!
本人その気なし、でも周囲は大騒ぎ!
▶モフモフと焚き火と、ちょっとの冒険。
▶のんびり系異色VRMMOファンタジー、ここに開幕!
カクヨムで先行配信してます!
ネグレクトされていた四歳の末娘は、前世の経理知識で実家の横領を見抜き追放されました。これからはもふもふ聖獣と美食巡りの旅に出ます。
旅する書斎(☆ほしい)
ファンタジー
アークライト子爵家の四歳の末娘リリアは、家族から存在しないものとして扱われていた。食事は厨房の残飯、衣服は兄姉のお下がりを更に継ぎ接ぎしたもの。冷たい床で眠る日々の中、彼女は高熱を出したことをきっかけに前世の記憶を取り戻す。
前世の彼女は、ブラック企業で過労死した経理担当のOLだった。
ある日、父の書斎に忍び込んだリリアは、ずさんな管理の家計簿を発見する。前世の知識でそれを読み解くと、父による悪質な横領と、家の財産がすでに破綻寸前であることが判明した。
「この家は、もうすぐ潰れます」
家族会議の場で、リリアはたった四歳とは思えぬ明瞭な口調で破産の事実を突きつける。激昂した父に「疫病神め!」と罵られ家を追い出されたリリアだったが、それは彼女の望むところだった。
手切れ金代わりの銅貨数枚を握りしめ、自由を手に入れたリリア。これからは誰にも縛られず、前世で夢見た美味しいものをたくさん食べる生活を目指す。
異世界召喚でクラスの勇者達よりも強い俺は無能として追放処刑されたので自由に旅をします
Dakurai
ファンタジー
クラスで授業していた不動無限は突如と教室が光に包み込まれ気がつくと異世界に召喚されてしまった。神による儀式でとある神によってのスキルを得たがスキルが強すぎてスキル無しと勘違いされ更にはクラスメイトと王女による思惑で追放処刑に会ってしまうしかし最強スキルと聖獣のカワウソによって難を逃れと思ったらクラスの女子中野蒼花がついてきた。
相棒のカワウソとクラスの中野蒼花そして異世界の仲間と共にこの世界を自由に旅をします。
現在、第四章フェレスト王国ドワーフ編
異世界転生した俺は、産まれながらに最強だった。
桜花龍炎舞
ファンタジー
主人公ミツルはある日、不慮の事故にあい死んでしまった。
だが目がさめると見知らぬ美形の男と見知らぬ美女が目の前にいて、ミツル自身の身体も見知らぬ美形の子供に変わっていた。
そして更に、恐らく転生したであろうこの場所は剣や魔法が行き交うゲームの世界とも思える異世界だったのである。
異世界転生 × 最強 × ギャグ × 仲間。
チートすぎる俺が、神様より自由に世界をぶっ壊す!?
“真面目な展開ゼロ”の爽快異世界バカ旅、始動!
あなたは異世界に行ったら何をします?~良いことしてポイント稼いで気ままに生きていこう~
深楽朱夜
ファンタジー
13人の神がいる異世界《アタラクシア》にこの世界を治癒する為の魔術、異界人召喚によって呼ばれた主人公
じゃ、この世界を治せばいいの?そうじゃない、この魔法そのものが治療なので後は好きに生きていって下さい
…この世界でも生きていける術は用意している
責任はとります、《アタラクシア》に来てくれてありがとう
という訳で異世界暮らし始めちゃいます?
※誤字 脱字 矛盾 作者承知の上です 寛容な心で読んで頂けると幸いです
※表紙イラストはAIイラスト自動作成で作っています
【完結】兄の事を皆が期待していたので僕は離れます
まりぃべる
ファンタジー
一つ年上の兄は、国の為にと言われて意気揚々と村を離れた。お伽話にある、奇跡の聖人だと幼き頃より誰からも言われていた為、それは必然だと。
貧しい村で育った弟は、小さな頃より家の事を兄の分までせねばならず、兄は素晴らしい人物で対して自分は凡人であると思い込まされ、自分は必要ないのだからと弟は村を離れる事にした。
そんな弟が、自分を必要としてくれる人に会い、幸せを掴むお話。
☆まりぃべるの世界観です。緩い設定で、現実世界とは違う部分も多々ありますがそこをあえて楽しんでいただけると幸いです。
☆現実世界にも同じような名前、地名、言葉などがありますが、関係ありません。
異世界転生目立ちたく無いから冒険者を目指します
桂崇
ファンタジー
小さな町で酒場の手伝いをする母親と2人で住む少年イールスに転生覚醒する、チートする方法も無く、母親の死により、実の父親の家に引き取られる。イールスは、冒険者になろうと目指すが、周囲はその才能を惜しんでいる
【完結】VRMMOでチュートリアルを2回やった生産職のボクは最強になりました
鳥山正人
ファンタジー
フルダイブ型VRMMOゲームの『スペードのクイーン』のオープンベータ版が終わり、正式リリースされる事になったので早速やってみたら、いきなりのサーバーダウン。
だけどボクだけ知らずにそのままチュートリアルをやっていた。
チュートリアルが終わってさぁ冒険の始まり。と思ったらもう一度チュートリアルから開始。
2度目のチュートリアルでも同じようにクリアしたら隠し要素を発見。
そこから怒涛の快進撃で最強になりました。
鍛冶、錬金で主人公がまったり最強になるお話です。
※この作品は「DADAN WEB小説コンテスト」1次選考通過した【第1章完結】デスペナのないVRMMOで〜をブラッシュアップして、続きの物語を描いた作品です。
その事を理解していただきお読みいただければ幸いです。
───────
自筆です。
アルファポリス、第18回ファンタジー小説大賞、奨励賞受賞
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる