VRMMOで神様の使徒、始めました。

一 八重

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本編

第110話 マヨイは頓死する。

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タイトルからの盛大なネタバレですが胸糞展開ではないのでお許しください。他に良さそうなタイトルを思いつかなかったんです……
───────────────

⚫︎マヨイ

「こんにちは、今日は何の御用でしょうか」

「アルテラ大迷宮に入る許可証が欲しいのですが、発行してもらうための条件などはありますか?」

「アルテラ大迷宮に入るためには組合からの戦闘能力評価が一定以上であることなどの条件がございます。組合証はお持ちですか?」

「はい」

「成績を確認するので少々お待ちください」

 僕が組合証──正式名称は組合員証明証だったはず──を受付の女性に渡すと彼女はカウンターの下から家にあるデジタル計量器みたいな機械を取り出した。

「すいません、それは何ですか?」

「これですか?これは組合員の討伐記録を閲覧するための魔道具ですよ。組合証には登録された人物が討伐したモンスターや公的な功罪が記録されるようになっているんで……ふぁっ!?」

「どうしました?」

「い、いえ、なんでもありますん。マヨイ様の戦闘能力評価は基準を満たしています。ただダンジョンに挑戦した記録がない方に発行できるのは第3種までとなります」

「第3種ですか?」

「はい。第3種許可証で入ることの出来るダンジョンは近隣にはなく、最も近いのはテコ北東部の通称"蜂の巣"になります。エイトまで行けば他にもありますがアルテラ支部では案内できません」

「アルテラ大迷宮に入るにはどうすればいいですか?」

「アルテラ大迷宮に入るには第1種許可証が必要になります。第1種許可証を取得するためには──」

 まず発行される第3種許可証で3級のダンジョンを複数攻略することで第2級許可証が発行されるらしい。3級のダンジョンはアルテラ近くにはなく、テコやエイトに行かなければならないようだ。
 そしてアルテラ大迷宮に挑戦するのに必要な第1種許可証はというと、第2種許可証を取得することで挑戦可能になる2級ダンジョンを複数攻略しなければならないそうだ。

「アルテラ大迷宮前にいた騎士の話に出た領主から許可証を発行してもらうと聞きましたけど、第1種許可証を取得するのに領主からの許可は必要ないんですか?」

「それは特例措置のことですね。このエイト領の領主様であらせられるウォルター様もそうですが、領内で組合に頼らずダンジョンを管理している貴族様は該当のダンジョンの探索を許可する権限をお持ちです。その許可を貰いたい組合員に対して組合から領主様に対して推薦状を出すことがあるんですよ」

 あのフランクな騎士の説明は合ってるようで微妙に間違っていたらしい。嘘を教えられたというよりは彼も詳しくは知らなかったのかもしれない。

「もし組合を通さずに領主様から許可証を貰った場合、何かペナルティなどはありますか?」

「その場合、組合の顔に泥を塗ったという理由で組合員資格剥奪になりますね。お気をつけください」

 ウォルターに会いに言って「許可証ちょうだい」はよくないらしい。試す前に聞けてよかった。

 その他にいくつか注意事項を聞いた僕は第3種許可証を受け取って受付をあとにした。ちなみに挑戦可能なダンジョンの中で最も近くにあるらしいテコの"蜂の巣"に関する情報はテコの組合で聞いて欲しいとのことだ。

「お待たせ」

「結構時間かかったな。まぁいい。こっちだ」

 エントランスに戻った僕はクズノハ合流し、クズノハの案内で組合から出る。どうやら密談するのに適した場所があるようだ。僕としてはフレンド登録してフレンドコールで話せばいいだけだと思うのだけど、やっぱり異性とフレンド登録するのは躊躇われるのかな。


…………………………………


……………………………


………………………


「何処まで行くの?」

「アルテラ大森林にある洞窟だ。あそこならプレイヤーも少ないから密談するにはもってこいだ」

 これは間違いなく複数の犯罪者プレイヤーが待ち伏せしている場所まで誘導されているパターンだよね。クズノハは犯罪者プレイヤーだし、獲得している素質や覚醒の物騒さからして警戒して損はないだろう。
 録画……いや、僕も藍香みたいにサイレントで生配信しようかな。でも昨日の藍香の配信は多くのプレイヤーが見ているようだし、昨日の今日で引っ掛かるプレイヤーは余程の間抜けな気がする。リスナーにも「またかよ」と思われてしまうだろう。それなら録画だけで十分だ。

「念のために録画するからね。もちろん、素直に教えてくれれば公開しないと誓うよ?」

「……仕方ないとはいえ、少しは信用して欲しいな」

「してるさ。だから裏切らないでね」

 それから割とどうでもいい会話をしながらアルテラ大森林に入っていく。クズノハは僕を先導しながら誰かと連絡を取り合っているようだ。
 探索を使って周囲を窺うと僕らの200mくらい後ろをピッタリと尾行している集団がいる。更にクズノハの先導する先にもプレイヤーらしき反応が複数ある。もしかしたら左右を同じ方向に進んでいる集団もグルかもしれない。そうなれば最低でも50人を超える大集団ということになる。
 もはや僕の中でクズノハは完成に黒だった。

「そろそろいいんじゃない?」

「……そうだな」

「それで僕が知りたいことは教えてくれるのかな?」

「これは犯罪者レッドプレイヤー専用のスキルだ」

「……その技能を取った後に犯罪者プレイヤーから足を洗うと技能はどうなるの?」

「なんでそんなこと?」

「いや、その技能めちゃくちゃ欲しいんだよね。それなら一時的に犯罪者プレイヤーになってもいいかなって」

 もちろん嘘だ。ダンジョンに挑戦するために組合から除名されるわけにはいかないからね。それに暁やクレアちゃんのことを考えれば選択肢にも入らない。

ぶっ飛んでるね」

「ははっ、ありがと。で、知ってる?」

 そう言いながら彼ら全員に高位鑑定を使って彼らが犯罪者プレイヤーかどうか確認する。もし戦闘になった場合、犯罪者プレイヤーではないプレイヤーを殺してしまうのは避けたいからだ。

「使用条件がカルマ値がマイナスであることだから普通は無理だね」

「あらら、残念」

 高位鑑定を使った結果、僕を取り囲んでいるプレイヤーは全員が犯罪者プレイヤーだと確認することが出来た。これなら周囲一帯を吹き飛ばしても僕が犯罪者プレイヤーになることはない。
 最も位階が高いプレイヤーが目の前のクズノハだったのは意外だけど、クズノハ以外にも覚醒を獲得しているプレイヤーが6人いる。いちいち相手にするのも面倒くさいし、聞きたいことは聞けたので僕は攻撃されるやられる前に殺すやることにした。

「(攻撃威力調整+100%魔力弾×100000)」

 そして僕は死んだ。

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お読みいただきありがとうございます。

マヨイの死因については次話にて。
冒頭にも書きましたが鬱展開ではありません。
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