手足を鎖で縛られる

和泉奏

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吐き気と、暴力と、

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「ぁ゛ぐ、ぅっ!…ッ、ひは、は…っ、ァァア゛ッ!」


ズチュズチュッ!ズリュ!ゴボッ…

何度かナカに出されたらしい。

熱い…液体の感触。

肚の中に注がれた熱い温度の体液が、柔らかく蕩けた肉壁が、男がグチャグチャ押し込んでくる性器によって掻き混ぜられていた。

首にかかる手の力は緩められなくて、むしろより大きな快楽を求める為かどんどん強く締め上げてくる。

びくびくと痙攣する身体は、もっともっと収縮を激しくして、抜き差しされる穴や、内股をヒクヒク痙攣させていた。

このままだと、本当に絞め殺される。


……それも、いいかもしれない。



「ほんと…っ、前は君に触れただけで怒っちゃった蒼君にあんな場所に放り込まれちゃったけど、出てこれてよかった…っ。この感触、さいこー…っ」

「…ぁ゛、ぐ…っ!…ぁ゛ン゛ン゛…っ」

「あー、良すぎて小便も出そうっ!良いよね!出しても良いよね?あんまりにも気持ち良さそうに俺のちんこをぎゅうぎゅう締め付けてくる君が悪いんだもんねっ??」


上に跨り、パンパンパンッ!ズチュッ!と角度を変えて打ち付けてくる男が、はぁはぁ息を荒げている。


「っ、ぁ、う゛…っ、!ぅ、…ぇ…っ、?」


(……小…便…?)


淫音にまざり、耳に届いた言葉に、怯え、首を横に振ろうとする。


「…っ!や、だ、…っ!…ッ、だす、のだ…っ、」


喉を締め付けられているから、ほとんど声はでない。

それでも、涙を流しながら嫌だと訴えた。


けど、


「じゃ、じゃあまずは、君の、トロマン…ッ、に、新鮮な、精子を、…っ、ぃ゛ぐ、…っ、ぉ゛オ゛…っ、出…っ、…出る、…う゛…ッ!」

「……っ、ぅ゛、ッ、ぐ…っ、ん゛、ん゛ぅ…ッ、……ぁ゛、っ?」


……律動が、動きが、止まる。
ぶる、と震えて、密着した身体越しに相手が痙攣する。

びゅるっ、びゅっと、奥に感じる体液。
…汗に濡れた腰をくっつけて白濁液を、中に出された。


…その後、


「…ッ、…ひ、」

「……――は、ぁっ、」

「…………ぁ、……あ、」


今までにないほど、大量の、精液とは違う……すごく熱い液体が肚のなかに注がれている。

じょろじょろじょろーと肚を熱くする尿が、ただでさえ性器で埋められ、ぱんぱんのお腹のナカを更に押し広げて、一気に苦しくなる。


「…ぅ、あ…」


(…っ、おしっこ、出され…っ?)

青ざめる。既に引いている血の気が異常なほど引く。

精液とは別の、尿の匂いが、…部屋に広がる。

股の間で俺のナカに性器を根元まで埋めている男が、顎を上げて気持ち良さそうにぶるぶると身体を震わせている。


「……っ、ォ゛っ、……やっばあー……超良かったー…。ナカに出してるの小便なのに、いっぱい搾り出そうと締め付けてくれるんだから、さすが便器だよね」

「っ、ぁ、…やぁ…っ、おしっ、やだ…っ、…ひ、ぐ…やだ、ぁ…っ」

「…う゛っ、…はー…求められてるみたいだし、期待に応えて、再開…しちゃおっかな」


生理的な恐怖と嫌悪感に思わず肉棒を締め付けて扱いてしまい、勘違いされる。


ヌチュっ、ブチュ…


奥の奥まで挿入していた性器をずるずる引き抜かれる。

ナカに溜まっているおしっこと精液をごぽごぽこぼしながら、抜かれた。
腹圧でごぼ、ごぼっと尻穴から汚い音を鳴らして尻に零れていく二つの体液。


「…っ゛!?ぁ゛っ、ぃ゛あア゛っ!」


少し体位を変えて、ぶちゅんっと下から突き上げられた。
肚のナカを性器の圧迫感に擦られ、そこからはまた再び性器の抜き差しの速度をあげてくる。


「小便まで受け入れちゃうなんて、最高級の名器はなんでもできるんだ、ね!」

「ぃ゛あぅっ!は、…ぁン…ぅ、…やだ…っ、や…っぅ…」

「ま、…これがあったから、彼は君に夢中だったんだろうけど」


ゴリゴリッ!ヌチャ!


「…っ、…ひ、ん゛ぅ!」

「ぉ゛、ぉっ、…っ、ぢゅるっ、ぢゅるっ、絞られる…ッ、」

「ぅ゛っ、ぇ…っ、」

「はぁーっ、……でも、さ、…そんな君のせいで何人あのおっさんたちの獲物になったかわかる?蒼君が気まぐれに君を特別扱いするから、そのせいで、何人傷ついたか、わかる?…っ、その犠牲の分はきっちりと君の身体で支払ってもらわないね…っ」


ピストンに合わせて身体を揺さぶられる。
ビクンと震えた性器は、また俺の奥に欲を吐き出した。
それでも、呼吸を整える間もなく、とまらない律動。

大量の白く濁った液体が孔から零れ、尻に垂れ、体勢によってはひくひくと痙攣する太腿の内側を次々に濡らしていった。

ドクドクと激しく流れる血液と同じく、脳内が酸欠で麻痺して、快感に似たものが体内を駆け巡る。


「驚いた顔、しないでよ…ッ、……ほんとうに、きみの立場が羨ましい人は吐いて捨てるほどいるんだ」

「…っぁ゛…!ン゛ン゛っ!う…っ」

「皆、蒼くんに大切にされる君のことが、殺したいほど憎い。君は蒼君にお姫様みたいに大切にされて守られてるくせに、それに全く気付いてないんだから。」

「……はぁ…はぁ…っ…はぁ…え…?」

「全く知らないって顔だね…ムカつくなぁ…っ、自覚してよ。全部君のせいで、ずっと前から蒼くんは色んな人を監禁して、レイプさせて苦しませてたんだってことくらい」

「…ぃ゛っ、」

「はは…っ君の血と俺の精液でピンク色のものが零れてきた…」


もうすでに痛いという感覚がない。
痛いはずなのに、どこか現実が遠い。


……そんなことよりも俺は今耳にした言葉に意識を奪われていた。


おれのせいで、あおいがかんきん…して、れいぷしてた…?

不意に思い出す。

…そういえば俺と蒼が会った時期ぐらいから…いなくなる人の数が増え続けてたって…板本君が言ってたっけ…。


(…もしかして…そう…なのかな…)

なんとなく、なんとなく、だけど…、分かったような気がした。

俺と蒼の周りにいる人がいなくなっていったこと。

御主人様に見せられた物の中で、蒼が屋敷に閉じ込めていた人の中に、俺を襲った不良のひとたちもいたこと。

他の閉じ込められた人たちが殴られたり蹴られたりしてたのに、俺はあの写真に写っていた部屋に蒼と入ったことがなかったこと。

あの声は男たちの声に混じって蒼の声も入っていたけど、あんなに冷たい声で蒼が俺に接したことなんかなかったこと。

俺が一度だって他の男の人に犯されるのを蒼が許した記憶はないということ。


つまり、

…今までの事、全部


(……もしかして、全部蒼が俺を”守る”ために……?)


俺だって、…自分が他の人より大切にされてるって、分かってた。
ああ、蒼は他の人より俺のことを大切にしてくれてるんだなって、思ってた。

だけど、それにずっと気づかないふりをして、知らないふりをして、


…だからだと思う。

御主人様のいってたように

……今、蒼に他の女の人がいるんだとしたら


(…きっとそれは俺に愛想が尽きたからだ)


蒼が、疲れたからだ。

俺が勝手に蒼に約束させたことを、彼は守ろうとしてくれてただけなのに。
…その約束をさせたはずの俺がそれをいやだやめてくれって言うんだから。

そんなの、嫌われるに決まってる。

もっと早く、思い出せばよかった。

よく俺の記憶の中に出てくる、顔の見えない女の人。


…あれが、多分俺の母親なんだろう。


俺の記憶の中ではいつも、母さんは優しく笑ってて、俺を膝の上に乗せて本を読んでくれていた。
とてもあたたかな記憶。


…だったはずなのに、他の人が言うとおり、おれのかあさんについての記憶は間違っているみたいだ。

母さんについての記憶はほとんど思い出せていないけど、でも、なんとなくその口癖は思い出してしまった。

冷たい声。


”あんたが悪い子だから、私は幸せになれないのよ”


…その通りだ。


俺が悪い子じゃなかったら。
俺が蒼に、あんなことを言わなければ。
助けたかわりに俺を守ってなんて蒼に言わなければ。


全部、全部泣きたくなるほど、後悔しかない。

俺は…周りを不幸にしかできない。

男の言うことが本当だとして、蒼の行動が全部俺の言った言葉のせいだと仮定して考えたら、全部合う。

蒼があんなに俺を優先してたのも、俺以外を敵視してたのも、俺以外をどうでもいいって言ってたのも…俺を守るって言ってたことも、…なんとなく全部辻褄があってしまう。

やっぱり、俺なんかに価値なんかなかった。

蒼は俺のことが好きなんじゃなくて、俺が縛った鎖のせいで俺に囚われていただけだった。

俺のことが、好きなわけじゃなかった。

だから、蒼がよく「まーくんとの約束だから」と言ってたのは。

時々酷く悲しそうな顔をして、俺が理由を聞いても教えてくれなかったのは。


…蒼が、離れていってしまったのは。


(…全部、俺のせい…)


そう思った瞬間に、すべてがどうでもよくなった。

そもそもなんで今こんなに生きることに執着してるんだろう。
俺が死んだって、誰も困らないのに。


……もう、いいや。


そんな思いで、目を閉じて完全に相手に身を預けた瞬間、首にかかる力が緩んだ。
もう死にたいと思ってたのに、それを受け入れようとしてたのに、空気が肺の中に入り込んでくる。
 


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