木漏れ日の中で

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荒々しい足音で目が覚める。
寝起きの頭でも分かる。
ここに来るのはご飯を持って来てくれるメイドか、鬱憤晴らしに暴力をふるいに来る家族しかいない。
今はきっと、イライラを募らせた家族の誰かが来るのだろう。
でも緊張からか体が中々動かせない。足音が近づくにつれて視線は扉に吸い寄せられる。

バタン!!

古い扉が取れてしまいそうなほど勢いをつけて開かれる。
「っ!」
思わず驚き目をつむり身をすくませる。
すると前髪を握ぎり上へ引っ張られる。
「いっっ、」
痛いと言おうとして顎を思い切り掴まれ、言葉を封じ込まれる。
「黙れ。誰が話していいと言った。昼寝か?いい御身分だな。」
語気が強まり、壁に投げられるようにして手を離される。受け身を取れず壁に背中と頭をぶつける。
痛みと恐怖にパニックになりそうなのをなんとか耐え俯く。
「ご、ごめんなさい。兄上。」
震える声でなんとか謝罪をしこれ以上暴力を振るわないよう祈る。まぁ、結局意味はないけどね。今日もきっといつものように兄に相当好き勝手されるのだろう。明日は起きられるかな。
頭の隅でそんな事を考える。

ふと、視界に兄以外の足元が目に入る。
見上げるとそこには父の姿が。
父とバッチリ目が合うがその目は恐ろしいほど冷たく、慌ててそらす。
頭の上からは鼻で笑う音が。
今日は父にも暴力を振るわれるのかな?母と兄はストレス発散も兼ねてよくそうする。父は特に干渉してこない。一体、どうしたのか。
ぐるぐると考えているとドサドサと部屋にたくさんの本が置かれた。
困惑してもう一度父を見上げると兄に足を思い切り踏まれる。
「っっっっ!」
痛みに声にならない悲鳴をあげて部屋の隅へ体をずらし、目線をまた下に戻す。
兄は満足したのか父の隣に立った。

「・・・お前を学園に入れる。いくらお前が役立たずでも学園に行かないのは体裁が悪い。それまでにここにあるテキストを全て終わらせろ。学園で我が家に泥を塗るようなことをするな。いいか?期間は1年だ。もう一度言うぞ。けして我が家に泥を塗るな。兄に迷惑をかけるな。・・・わかったな。」
「・・・はい」
父の言う「我が家」に僕は含まれていない。嫌でも実感させられる言い方は心に傷をつける。

父は僕の返事を聞くと何も言わずに部屋の出口へ向かう。兄は俯く僕の髪を掴み無理矢理目線を合わせると、「俺に、迷惑かけんなよ。」と言って空いている手で首を絞めてくる。
「っう、、は、、、い」
なんとか言えた言葉に兄は予告もなく手を離し今度は床に落ちる。
そして床に倒れた僕を満足そうに見下ろし父の跡を追いかけて部屋を出ていった。
僕はそれを見届けてまた目を瞑った。
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