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⑱ セドリックside
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それからお昼休みにはアベルと過ごすことが当たり前になった。
と言っても、お昼休みが終わる20分前ほどに彼が来て少しお話をしてクラスに戻るという感じ。
でも廊下ですれ違えばアベルは俯いていた顔をあげて少し嬉しそうな顔をする。俺と目が合えば慌ててそらし駆け足になる。
完全に距離が縮まったわけではないし、心を許されたわけではないとは分かるが、それでもその行動だけでうれしくなる。
まぁアベルは俺に対して何も思ってなさそうだけど。強いて言うなら俺が噂の対象になることを怖がってる感じ。
そしてその心配は見事に当たるんだよね。
アベルとお昼休み似合うようになってから2ヶ月。
学園で聞く噂といえばアベルに関する尾ひれ背びれのつきまくった噂と俺に関すること。
俺への見る目が悪い意味で変わったと言う人もいれば、同情で一緒にいてくれるなんて優しいと勝手にアベルを下げて俺を上げるものがほとんど。
この噂はアベルの耳にも入っているようで、会う度に顔色は悪く、「もう会うのは辞めよう」と本当は言いたいことに気付いていた。
そして、あの日アベルに聞かれてしまったのだ。
あの日は授業で使う備品を取りに歩いているところで、この友人は唯一素で話せる相手。
彼にはアベルへの気持ちやここ最近の話を聞かせていたので、実際はどうなのかという話をしていた。
彼が「アベルに熱心だけどまさか?」と含みを持たせて聞いてくる。
これはどういうことかと言うと、スクール時代に性欲の発散として何名か関係を持っていた事を指している。
「あれは違う。やめろ」
とすぐ否定すると彼もあれは無理だよなと同意する。
あんなに可愛らしいアベルにセフレのような関係をさせるわけがない。彼にもアベルの可愛さについては耳にタコができるほど力説しているので、2人でアベルを思い出しながらウンウンと頷く。そして改めて冗談でもそんな事言うのはやめろ。と釘を刺す。
そこでカタンと物音が鳴る。
2人で顔を見合わせ音の方を向くと階段の踊り場から出ている柱が目に入る。
音を出した主の靴が引っ込むところを確認して近づく。
あの靴、アベルのかもしれない。
もしかして聞かれていた?とヒヤヒヤしながら覗き込むと口を押さえて座り込み俯き目を瞑るアベルがいた。
「アベル?」
誤解をときたくて怖がらせないように声を掛ける。話し掛けながらアベルの柔らかい髪を撫でる。と、パシッと振りほどかれる。
俺の後ろで友人も固まる気配を感じた。
アベルは大きな目に涙をためて凄く悲しそうな顔をしていた。
アベルはずっとごめんなさいと言い、自分のせいで評判が下がったこともやはり気にしていたようだ。それから、俺のことを公爵様と言い直して走り去っていった。
ショックすぎてフリーズしていると、友人の手が肩に置かれる。
「お前、やったな。」
「やったわ。これ、どうしたらいい?」
「・・・知らね」
「お前も考えろ」
薄情な友人に助けを求めつつ人生で一番頭を抱える。
それから以前のようにアベルに話し掛けるチャンスをうかがった。教室へ行きアベルがいるか尋ねると、アベルは決まって一番後ろの席に座っているものの、俺と目が合うと泣きそうな顔をして俯く。それでも俺が粘れば教室から出ていってしまう。
そんな俺をアベルのクラスメイト達が囲みアベルを非難し俺を慰めてくる。
廊下ですれ違い、少し近寄ればビクっと体をそらし距離をとる。俺が粘ればアベルは少し立ち止まって諦めたかのように来た道を引き返す。
そんな攻防戦を見ていた友人には一旦、引け。と怒られる。
俺とアベルのこのやり取りはもう何日も続いていて、アベルが徹底的に俺を避けるとアベルの悪評はさらにひどくなり、俺の噂は称賛される内容が多くなっていく。完全に悪循環かもしれない。
じゃあどうやって誤解を解けばいいのか。
いつの間にかアベルと話せなくなってから1ヶ月過ぎていた。
と言っても、お昼休みが終わる20分前ほどに彼が来て少しお話をしてクラスに戻るという感じ。
でも廊下ですれ違えばアベルは俯いていた顔をあげて少し嬉しそうな顔をする。俺と目が合えば慌ててそらし駆け足になる。
完全に距離が縮まったわけではないし、心を許されたわけではないとは分かるが、それでもその行動だけでうれしくなる。
まぁアベルは俺に対して何も思ってなさそうだけど。強いて言うなら俺が噂の対象になることを怖がってる感じ。
そしてその心配は見事に当たるんだよね。
アベルとお昼休み似合うようになってから2ヶ月。
学園で聞く噂といえばアベルに関する尾ひれ背びれのつきまくった噂と俺に関すること。
俺への見る目が悪い意味で変わったと言う人もいれば、同情で一緒にいてくれるなんて優しいと勝手にアベルを下げて俺を上げるものがほとんど。
この噂はアベルの耳にも入っているようで、会う度に顔色は悪く、「もう会うのは辞めよう」と本当は言いたいことに気付いていた。
そして、あの日アベルに聞かれてしまったのだ。
あの日は授業で使う備品を取りに歩いているところで、この友人は唯一素で話せる相手。
彼にはアベルへの気持ちやここ最近の話を聞かせていたので、実際はどうなのかという話をしていた。
彼が「アベルに熱心だけどまさか?」と含みを持たせて聞いてくる。
これはどういうことかと言うと、スクール時代に性欲の発散として何名か関係を持っていた事を指している。
「あれは違う。やめろ」
とすぐ否定すると彼もあれは無理だよなと同意する。
あんなに可愛らしいアベルにセフレのような関係をさせるわけがない。彼にもアベルの可愛さについては耳にタコができるほど力説しているので、2人でアベルを思い出しながらウンウンと頷く。そして改めて冗談でもそんな事言うのはやめろ。と釘を刺す。
そこでカタンと物音が鳴る。
2人で顔を見合わせ音の方を向くと階段の踊り場から出ている柱が目に入る。
音を出した主の靴が引っ込むところを確認して近づく。
あの靴、アベルのかもしれない。
もしかして聞かれていた?とヒヤヒヤしながら覗き込むと口を押さえて座り込み俯き目を瞑るアベルがいた。
「アベル?」
誤解をときたくて怖がらせないように声を掛ける。話し掛けながらアベルの柔らかい髪を撫でる。と、パシッと振りほどかれる。
俺の後ろで友人も固まる気配を感じた。
アベルは大きな目に涙をためて凄く悲しそうな顔をしていた。
アベルはずっとごめんなさいと言い、自分のせいで評判が下がったこともやはり気にしていたようだ。それから、俺のことを公爵様と言い直して走り去っていった。
ショックすぎてフリーズしていると、友人の手が肩に置かれる。
「お前、やったな。」
「やったわ。これ、どうしたらいい?」
「・・・知らね」
「お前も考えろ」
薄情な友人に助けを求めつつ人生で一番頭を抱える。
それから以前のようにアベルに話し掛けるチャンスをうかがった。教室へ行きアベルがいるか尋ねると、アベルは決まって一番後ろの席に座っているものの、俺と目が合うと泣きそうな顔をして俯く。それでも俺が粘れば教室から出ていってしまう。
そんな俺をアベルのクラスメイト達が囲みアベルを非難し俺を慰めてくる。
廊下ですれ違い、少し近寄ればビクっと体をそらし距離をとる。俺が粘ればアベルは少し立ち止まって諦めたかのように来た道を引き返す。
そんな攻防戦を見ていた友人には一旦、引け。と怒られる。
俺とアベルのこのやり取りはもう何日も続いていて、アベルが徹底的に俺を避けるとアベルの悪評はさらにひどくなり、俺の噂は称賛される内容が多くなっていく。完全に悪循環かもしれない。
じゃあどうやって誤解を解けばいいのか。
いつの間にかアベルと話せなくなってから1ヶ月過ぎていた。
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