木漏れ日の中で

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㉖ セドリックside

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朝、アベルの部屋にできたての野菜をじっくり煮込んだスープを持っていき、起こして食べさせる。
アベルはお腹がすいていたのか持ってきた分は全部食べてしまった。
「アベル、おいしかった?」
「はい。おいしかったです」
そう言えば日記には朝昼晩まともに食べていないと書いていた。ならもう少し持ってこればよかった。と若干後悔しつつ、アベルを起こしてお風呂場へ連れて行く。
「あ、あの、セドリック様?」
「アベル、熱も下がったさお風呂入ろうか。汗流したらスッキリするよ。」
一人で入れるかな?と付け加えるとアベルはうつむいてから「はい」と答える。
アベルが入っている間、勝手だけど荷物をまとめておこう。と思いアベルの部屋に向かう。
今日明日は学園は休みだし、アベルはここに居ても休めない。だからちゃんとアベルの面倒を見れる公爵家に一度帰ろうと思っているのだ。
「セドリック様、お風呂出ました。」
アベルがそう言って部屋に入ってくる。
「うん。じゃあ髪を・・・」
「セドリック様?」
「アベル、どうしてこんなに体が冷えているの?」
「え?」
「これでは風邪を悪化させてしまうよ。」
「で、でもセドリック様。僕魔法使えないので・・・仕方ないですよ」
その言葉にアベルを引き寄せようとしていた手が固まる。そうだ、失念していた。
水の温度を調整するのも、火力を調整するのも、部屋の温度を調整するのも、服を洗うのも全部魔法が必要なんだ。当たり前すぎて忘れていた。
じゃあ今まで一体・・・と考えてすっかり冷えたアベルを抱きしめる。
そのまま暖かくなるように魔法を使う。
アベルは初めは抱きしめられることにアワアワしていたが暖かくなってくるとホッとしたのか俺の体に体重を預けている。
暫くアベルを温めた後、部屋の温度も魔法で調整する。
「アベル、気づかなくてごめん。」
「大丈夫ですよ!セドリック様は寒くなくてよかったです。あの、それよりその荷物は?」
アベルは部屋に積み上げられ箱の山と床が見えるくらいには片付いた部屋に驚いていた。
「あぁ、勝手な判断だとは思ったけどアベルも連れて一度公爵家に戻ろうと思って。そこならアベルの体調ももっと良くなるし。それにここにいても良くなることはないだろう?暫く学園事態も通えなくなるからね。」
「え、あの僕が行っても迷惑では?」
「迷惑じゃないよ。むしろ言ったでしょう?大歓迎だって。」
「あ、あのじゃあ、学園に通えないって?」
「うん。これからね少しだけ学園もバタつくんだ。あ、これはリークした内容だから内緒ね?通えないなら暫くは一緒に過ごそう?」
そう言うとアベルは納得したのか僕の荷物なので僕がやります。と一生懸命荷造りを始める。
そんなアベルは可愛くて尚更学園側と貴族社会の怠惰な現状を変えなければと思う。
昨日のうちに、家には手紙を送ったしむしろ母親からアベルを連れてこいと連絡があったのだから準備は整っているだろう。今日の夕方頃に出発できそうだし、そうなれば夜には着ける。
アベルには病み上がりから移動なんて負担をかけてしまうが、アベルは初めて外に行けると喜んでいたので、まぁいいのだろう。

若干の不安とワクワクを隠せないアベルを撫でるとアベルは可愛らしい顔でこちらを見上げてきた。
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