4 / 6
4
しおりを挟む
しかし改めて決意したのはいいが、俺にできることは本当に少ない。
ゲームの流れを知っている俺としては、できればお嬢様に王子を諦めてもらいたいところだが……。
ゲームの中のお嬢様を思い出す。
ヒロインに嫌がらせ三昧を繰り返したお嬢様。
地位や名誉のためというのもあったかもしれないが、ゲームの中のお嬢様は本当に王子のことを愛しているように見えた。
愛しているが故に、王子が他の女性に心を奪われることが我慢ならなかったのだ。
できればお嬢様が望む方と幸せになってもらいたい。
大丈夫。
お嬢様はとても優しく、可憐なお方。
王子だってお嬢様がヒロインにいじめや嫌がらせさえしなければ、きっとお嬢様と幸せになる道を選んでくださる。
そうと決まれば……。
「お嬢様」
「なに、オリオン」
「シンデレラという物語をご存知ですか?」
「しんでれら?」
屋敷の庭で本を読まれていたお嬢様に俺は唐突に問かけた。
お嬢様が本から目を離し、俺を見る。
急に何を言い出すんだと思われたのだろう。
お嬢様はこてんと首を傾げた。
「きいたことないわ」
なるほど、この世界には前世で有名な物語たちは存在しないのか。
お嬢様に恋愛というものを指南したくとも、前世では『彼女いない歴=年齢』の俺。
そんな上級レベルなことできるわけがない。
そして本を読まれているお嬢様を見て思いついた。
世界観が似ている『シンデレラ』なら参考になるのではないかと。
だって、あれは確か王子様と幸せになれる話だったはず。
俺は物語を頑張って思い出そうとした。
読書の邪魔をした俺を咎めることなく、その様子を見ていたお嬢様はくすりと笑った。
「そのものがたりきかせて」
興味をもってくださった!
「えっとですね、昔々シンデレラは意地悪な継母と義姉たちと一緒に暮らしていました」
えっと、それからなんだっけ……。
あれ?シンデレラってどうやって王子様と出会うんだっけ?
「とにかくシンデレラは継母と義姉たちからすごく苛められていたんです」
「どうして?」
「それは……シンデレラがすごく美人だったからです。継母たちはそれに嫉妬したんです」
あ、なんか思い出してきた。
そうだ、確か若さと美しさに嫉妬して……。
「シンデレラは継母たちに毒リンゴを食べさせられてしまいます」
「どくりんご?」
そう、確か「鏡よ、鏡」っていうセリフが……。
あれ?
ゲームの流れを知っている俺としては、できればお嬢様に王子を諦めてもらいたいところだが……。
ゲームの中のお嬢様を思い出す。
ヒロインに嫌がらせ三昧を繰り返したお嬢様。
地位や名誉のためというのもあったかもしれないが、ゲームの中のお嬢様は本当に王子のことを愛しているように見えた。
愛しているが故に、王子が他の女性に心を奪われることが我慢ならなかったのだ。
できればお嬢様が望む方と幸せになってもらいたい。
大丈夫。
お嬢様はとても優しく、可憐なお方。
王子だってお嬢様がヒロインにいじめや嫌がらせさえしなければ、きっとお嬢様と幸せになる道を選んでくださる。
そうと決まれば……。
「お嬢様」
「なに、オリオン」
「シンデレラという物語をご存知ですか?」
「しんでれら?」
屋敷の庭で本を読まれていたお嬢様に俺は唐突に問かけた。
お嬢様が本から目を離し、俺を見る。
急に何を言い出すんだと思われたのだろう。
お嬢様はこてんと首を傾げた。
「きいたことないわ」
なるほど、この世界には前世で有名な物語たちは存在しないのか。
お嬢様に恋愛というものを指南したくとも、前世では『彼女いない歴=年齢』の俺。
そんな上級レベルなことできるわけがない。
そして本を読まれているお嬢様を見て思いついた。
世界観が似ている『シンデレラ』なら参考になるのではないかと。
だって、あれは確か王子様と幸せになれる話だったはず。
俺は物語を頑張って思い出そうとした。
読書の邪魔をした俺を咎めることなく、その様子を見ていたお嬢様はくすりと笑った。
「そのものがたりきかせて」
興味をもってくださった!
「えっとですね、昔々シンデレラは意地悪な継母と義姉たちと一緒に暮らしていました」
えっと、それからなんだっけ……。
あれ?シンデレラってどうやって王子様と出会うんだっけ?
「とにかくシンデレラは継母と義姉たちからすごく苛められていたんです」
「どうして?」
「それは……シンデレラがすごく美人だったからです。継母たちはそれに嫉妬したんです」
あ、なんか思い出してきた。
そうだ、確か若さと美しさに嫉妬して……。
「シンデレラは継母たちに毒リンゴを食べさせられてしまいます」
「どくりんご?」
そう、確か「鏡よ、鏡」っていうセリフが……。
あれ?
20
あなたにおすすめの小説
私はざまぁされた悪役令嬢。……ってなんだか違う!
杵島 灯
恋愛
王子様から「お前と婚約破棄する!」と言われちゃいました。
彼の隣には幼馴染がちゃっかりおさまっています。
さあ、私どうしよう?
とにかく処刑を避けるためにとっさの行動に出たら、なんか変なことになっちゃった……。
小説家になろう、カクヨムにも投稿中。
【完結】モブ令嬢としてひっそり生きたいのに、腹黒公爵に気に入られました
22時完結
恋愛
貴族の家に生まれたものの、特別な才能もなく、家の中でも空気のような存在だったセシリア。
華やかな社交界には興味もないし、政略結婚の道具にされるのも嫌。だからこそ、目立たず、慎ましく生きるのが一番——。
そう思っていたのに、なぜか冷酷無比と名高いディートハルト公爵に目をつけられてしまった!?
「……なぜ私なんですか?」
「君は実に興味深い。そんなふうにおとなしくしていると、余計に手を伸ばしたくなる」
ーーそんなこと言われても困ります!
目立たずモブとして生きたいのに、公爵様はなぜか私を執拗に追いかけてくる。
しかも、いつの間にか甘やかされ、独占欲丸出しで迫られる日々……!?
「君は俺のものだ。他の誰にも渡すつもりはない」
逃げても逃げても追いかけてくる腹黒公爵様から、私は無事にモブ人生を送れるのでしょうか……!?
悪役令嬢だったので、身の振り方を考えたい。
しぎ
恋愛
カーティア・メラーニはある日、自分が悪役令嬢であることに気づいた。
断罪イベントまではあと数ヶ月、ヒロインへのざまぁ返しを計画…せずに、カーティアは大好きな読書を楽しみながら、修道院のパンフレットを取り寄せるのだった。悪役令嬢としての日々をカーティアがのんびり過ごしていると、不仲だったはずの婚約者との距離がだんだんおかしくなってきて…。
悪役令嬢だとわかったので身を引こうとしたところ、何故か溺愛されました。
香取鞠里
恋愛
公爵令嬢のマリエッタは、皇太子妃候補として育てられてきた。
皇太子殿下との仲はまずまずだったが、ある日、伝説の女神として現れたサクラに皇太子妃の座を奪われてしまう。
さらには、サクラの陰謀により、マリエッタは反逆罪により国外追放されて、のたれ死んでしまう。
しかし、死んだと思っていたのに、気づけばサクラが現れる二年前の16歳のある日の朝に戻っていた。
それは避けなければと別の行き方を探るが、なぜか殿下に一度目の人生の時以上に溺愛されてしまい……!?
転生した元悪役令嬢は地味な人生を望んでいる
花見 有
恋愛
前世、悪役令嬢だったカーラはその罪を償う為、処刑され人生を終えた。転生して中流貴族家の令嬢として生まれ変わったカーラは、今度は地味で穏やかな人生を過ごそうと思っているのに、そんなカーラの元に自国の王子、アーロンのお妃候補の話が来てしまった。
悪役令嬢に転生しましたが、全部諦めて弟を愛でることにしました
下菊みこと
恋愛
悪役令嬢に転生したものの、知識チートとかないし回避方法も思いつかないため全部諦めて弟を愛でることにしたら…何故か教養を身につけてしまったお話。
なお理由は悪役令嬢の「脳」と「身体」のスペックが前世と違いめちゃくちゃ高いため。
超ご都合主義のハッピーエンド。
誰も不幸にならない大団円です。
少しでも楽しんでいただければ幸いです。
小説家になろう様でも投稿しています。
「そうだ、結婚しよう!」悪役令嬢は断罪を回避した。
ミズメ
恋愛
ブラック企業で過労死(?)して目覚めると、そこはかつて熱中した乙女ゲームの世界だった。
しかも、自分は断罪エンドまっしぐらの悪役令嬢ロズニーヌ。そしてゲームもややこしい。
こんな謎運命、回避するしかない!
「そうだ、結婚しよう」
断罪回避のために動き出す悪役令嬢ロズニーヌと兄の友人である幼なじみの筋肉騎士のあれやこれや
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる