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「精霊王!どうか、どうか!怒りを鎮めていただきたい!」
国王陛下は精霊王に向かって叫んだ。
精霊王は首を傾げる。
「怒り?俺は怒ってないよ。ただ決意表明しただけ」
奪われる。
恐怖に駆られた。
「そんな、そんな人間のために精霊王ともあろうお方がこの国の王になるなど……精霊王のお手を煩わせるほどのことではございません!ただこの国の飢饉さえ終わらせてさえいただければ……」
「誰が人間のためなんて言った?全てはアイシラのために決まってんじゃん」
精霊王はにんまりと不気味に笑う。
「本当はこの国を滅ぼして精霊の国にでもしようかと思ったけど、アイシラが国民を救いたいって思っちゃったからねぇ。余計なことを言ってくれたよ」
「お前のせいで」とクレイを指さす。
「でもまぁ、考えてみれば悪い話でもなさそうでさ。できる男はお嫁さんの親族からも好かれるものだろう?俺としてはアイシラの家族からも好かれたいわけ。精霊の王兼人間の王。一人娘を幸せにしてくれる旦那さんってことでアイシラの家族からも気に入ってもらえるんじゃないかな?」
本気で言っているのか、冗談なのか。
だが少なくとも『人間の国の王になる』ことは冗談には聞こえない。
陛下は考えた。
どうすればいい。
精霊王が相手では力で従わせることもできない。
反逆罪なんてもってのほかだ。
精霊王が納得できる提案をしなければ。
そうだ。精霊王をこの国の大臣として迎えるのはどうだ。
この国の大臣だぞ。
なんと名誉なことか。
誰もが喉から手が出るほど欲しいものだ。
さっそく提案しようとする。
だが、改めて精霊王の姿を見て、一気に現実に引き戻された。
何を馬鹿なことを考えているのか。
精霊王が人間の王の下に就き、大臣に?
ありえない。
夢物語にもほどがある。
『賢くない』
精霊王が言った言葉が思い出される。
その通りだ。
何か言わなければと思うのに、何も考えが浮かばない。
「一人娘だと!馬鹿なことを!アイシラにはアンナというできた義妹がいるはずだ!」
隣でリカ王子が叫んだ。
ハッと我に返り、リカ王子を制止しようとしたが、遅かった。
「アンナをどこにやった!どうせアイシラの仕業だろう!早く俺の元にアンナを戻せ!」
「えー……誰よ、アンナって……俺はアイシラ一筋なんだけど」
精霊王はうざったそうに言う。
しかしすぐに何か思い出したような顔をした。
「あっ……あー、なるほどね。記憶残してんの。あははっ。趣味わるー」
「何をわけの分からな……」
「そうそう。王子様、君に会ったら是非見せたいものがあったんだよ。アイシラとの毎日が幸せ過ぎて君の顔すら覚えてなかったんだけどさ」
精霊王は大量の湖の水を浮き上がらせ、ガラスの板のような姿に変えた。
そこに何かが映る。
はっきりと映像が映る前に子供のような声が聞こえてきた。
「アイシラ!はやく!はやくあそぼー!」
「きょうは、なにしてあそぶ?」
「はやくアイシラと遊ぶのー!」
複数の声。
「うん。私も早く遊びたいわ」
そして聞こえてきたアイシラの声。
でもそれはリカ王子が知る感情の籠っていないアイシラの声ではなかった。
楽しそうに、はしゃいでいる声。
水の板に映像が映る。
そこでリカ王子が目にしたのは困ったように眉根を下げながら、それでも幸せそうな笑うアイシラの姿だった。
「ねぇ、可愛いでしょ?俺のお嫁さん」
国王陛下は精霊王に向かって叫んだ。
精霊王は首を傾げる。
「怒り?俺は怒ってないよ。ただ決意表明しただけ」
奪われる。
恐怖に駆られた。
「そんな、そんな人間のために精霊王ともあろうお方がこの国の王になるなど……精霊王のお手を煩わせるほどのことではございません!ただこの国の飢饉さえ終わらせてさえいただければ……」
「誰が人間のためなんて言った?全てはアイシラのために決まってんじゃん」
精霊王はにんまりと不気味に笑う。
「本当はこの国を滅ぼして精霊の国にでもしようかと思ったけど、アイシラが国民を救いたいって思っちゃったからねぇ。余計なことを言ってくれたよ」
「お前のせいで」とクレイを指さす。
「でもまぁ、考えてみれば悪い話でもなさそうでさ。できる男はお嫁さんの親族からも好かれるものだろう?俺としてはアイシラの家族からも好かれたいわけ。精霊の王兼人間の王。一人娘を幸せにしてくれる旦那さんってことでアイシラの家族からも気に入ってもらえるんじゃないかな?」
本気で言っているのか、冗談なのか。
だが少なくとも『人間の国の王になる』ことは冗談には聞こえない。
陛下は考えた。
どうすればいい。
精霊王が相手では力で従わせることもできない。
反逆罪なんてもってのほかだ。
精霊王が納得できる提案をしなければ。
そうだ。精霊王をこの国の大臣として迎えるのはどうだ。
この国の大臣だぞ。
なんと名誉なことか。
誰もが喉から手が出るほど欲しいものだ。
さっそく提案しようとする。
だが、改めて精霊王の姿を見て、一気に現実に引き戻された。
何を馬鹿なことを考えているのか。
精霊王が人間の王の下に就き、大臣に?
ありえない。
夢物語にもほどがある。
『賢くない』
精霊王が言った言葉が思い出される。
その通りだ。
何か言わなければと思うのに、何も考えが浮かばない。
「一人娘だと!馬鹿なことを!アイシラにはアンナというできた義妹がいるはずだ!」
隣でリカ王子が叫んだ。
ハッと我に返り、リカ王子を制止しようとしたが、遅かった。
「アンナをどこにやった!どうせアイシラの仕業だろう!早く俺の元にアンナを戻せ!」
「えー……誰よ、アンナって……俺はアイシラ一筋なんだけど」
精霊王はうざったそうに言う。
しかしすぐに何か思い出したような顔をした。
「あっ……あー、なるほどね。記憶残してんの。あははっ。趣味わるー」
「何をわけの分からな……」
「そうそう。王子様、君に会ったら是非見せたいものがあったんだよ。アイシラとの毎日が幸せ過ぎて君の顔すら覚えてなかったんだけどさ」
精霊王は大量の湖の水を浮き上がらせ、ガラスの板のような姿に変えた。
そこに何かが映る。
はっきりと映像が映る前に子供のような声が聞こえてきた。
「アイシラ!はやく!はやくあそぼー!」
「きょうは、なにしてあそぶ?」
「はやくアイシラと遊ぶのー!」
複数の声。
「うん。私も早く遊びたいわ」
そして聞こえてきたアイシラの声。
でもそれはリカ王子が知る感情の籠っていないアイシラの声ではなかった。
楽しそうに、はしゃいでいる声。
水の板に映像が映る。
そこでリカ王子が目にしたのは困ったように眉根を下げながら、それでも幸せそうな笑うアイシラの姿だった。
「ねぇ、可愛いでしょ?俺のお嫁さん」
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