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一万年に一人の美少女アイドルとダンジョン攻略2
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翔とミゾレはダンジョンを進んでいた。
「中々モンスターと遭遇しないな」
翔は拍子抜けしたようにつぶやく。
「遭遇しない方がいいですよ」
ミゾレは即座に反発した。
「いやいや、何を言っているんだ?ダンジョンが古代人の住居を占領されたと言う仮説が正しいのならば、アイテムだけを入手出来るだろうが、魔族が人間を誘き寄せる為にダンジョンが作られたと言う説が正しければ、避けては通れないだろう」
「う、それはそうですけど。。。」
まあ、俺なら出来るがな、と翔は思った。
「!」
翔は気配を察知する。
バサバサッ!!
ナイフコウモリが現れた。
「ぎゃ――!!」
ミゾレは悲鳴を上げる。
ナイフコウモリの大きさはフクロウ並、色は紫で緑色の斑点が有る。
目は金色に光、牙はサバイバルナイフ程度の大きさだ。
「ショウ・タイム(俺の時間)だ」
翔は抜刀する。
スパッ!
いとも容易くナイフコウモリは両断された。
ナイフコウモリの死体が地面に落下する。
翔は周囲を見渡す。
「どうやら、アイテムとモンスターはセットになっていないようだ。このモンスターを倒しても、アイテムは出現しないし、近くにもアイテムは見つからない」
「じゃ、じゃあ、アイテムだけを探し出す事も出来ますよね?」
「どうかな、フリーのモンスターがいるからと言って、フリーのアイテムがあるとは限らない」
「そ、そんな」
ミゾレは落胆する。
「大体、そんなに上手く事が運ぶのなら、オリバー共和国の人間だけでもアイテムを持ち帰る事が出来る筈だ。帰還の腕輪を量産できるのだからな」
翔は歩き出し、ミゾレも後に続く。
翔とミゾレはダンジョンを探索しながら進む。
「行き止まり、ですね」
歩いた先は行き止まりだった。
念の為、隠し扉などの仕掛けが無いかを試してから引き返す。
「あの、帰還の腕輪を発動させてしまえば良いんじゃないでしょうか?」
ミゾレは提案する。
「ミゾレの言いたい事は分かる。しかし、オリバー共和国はリターンをもたらさない召喚者を冷遇するだろうな。見せしめに殺されるかも知れない。
俺の国に連れて行っても良いが、俺はダンジョンを調べる為にやってきた。どちらにせよ、今回だけは付き合ってもらうぞ」
翔はミゾレの提案を却下する。
仮にオリバー共和国を支配するとしても、一度はダンジョンをオリバー共和国の運営下で探検するべきだと翔は考えていた。
二人は歩く。
「翔さん!」
ミゾレが声を上げる。
「下へ行く階段が有ります!!」
ミゾレの指差す先には、螺旋階段が有った。
「よくやった」
翔は手製の地図に階段の印を書き込み、次のページを開く。
翔とミゾレは螺旋階段を下る。
≪ダンジョン・地下2F≫
「さっきまでと、あまり変わりませんね」
ミゾレの言うとおり、地下2Fも内装は変わり映えしない。
「とにかく、この調子で進もう」
「はい」
二人は進む。
「止まって喋るな」
翔は声を潜めてミゾレに言った。
ミゾレは声も音も出さずに翔を見る。
声が聞こえた。
二人は忍び足で声に近付く。
「だからよー、ミゾレちゃんと一緒にいた男を殺しちまえば、ミゾレちゃんを好きに出来るだろ?この際よぉ、一体一じゃなくても良いだろ。な?」
ペアを組む時にミゾレを取り囲んでいた男達の何組かが遭遇して、話し合っていた。
その言葉を聞き、ミゾレの顔は青ざめて血色を失う。
ミゾレは翔の服を引っ張り、その場から離れる意思表示をする。
「今ここで決着をつけた方がいい。モンスターとの戦闘中、戦闘後に襲撃されるのは嫌だろう?仮に帰還の腕輪を発動させても、戻った後にもお前のファンが待ち構えているぞ。そうなったら、いよいよ逃げ場がなくなる」
翔には人間の集団など瞬殺できるが、ミゾレに腕輪を発動されては堪らない。
帰還の腕輪を発動すれば、次にダンジョンに入れるのは一カ月後だ。
「俺が今から、あの連中を無力化する。俺が殺されたら、腕輪を発動して帰還するんだ」
殺される積りなど皆目無いが、腕輪の発動に条件を付けておかねばならない。
「でも、そんな、、、、」
ミゾレは戸惑う。
「何が有っても、俺がミゾレを守ってやるよ」
実際には、ダンジョンの攻略を終えれば他人程度にしか思わないのだが、翔は演技をせざるを得ない。
「翔さん。。。。」
ミゾレは顔を赤くする。
「ショウ・タイム(俺の時間)だ」
翔は抜刀して飛び出す。
「おい!」
翔はミゾレ襲撃計画を企てる集団に声をかけた。
「あん?なんだ?お前も混ざりたいのか?」
一人の男が言う。
「い、いや、待て、こいつ、ミゾレちゃんとペアを組んだ男だ!」
他の男が言った。
「へへ、じゃあ、そばにミゾレちゃんもいるって訳か」
「やっちまえ!こいつをブッ殺せ!!」
男たちは翔に襲いかかる。
武器を取り出し、スキルを発動させる、が。
ズババッ!!
武器を構え終わる前、スキルが発動しきる前に、翔は男たちを斬り伏せた。
「ば、馬鹿な。。。。!!」
「強過ぎる。。。!!」
「化物。。。。。!!」
各々捨て台詞を吐き、地面に崩れ落ちる。
「す、すごい、、、、、すごすぎる。。。。。。。。!!!」
ミゾレは改めて翔の偉大さを認識した。
「これで理解しただろう?人間など、俺の敵では無い。帰還の腕輪を発動すれば、一ヶ月間もダンジョンに入れない。それは困る。勝手に腕輪を発動させるな。いいな?」
翔は曲がり角から顔を覗かせるミゾレに言う。
「はい。。。!」
ミゾレは頷く。
「さて、と」
翔は倒れた連中を起こす。
「下へ続く階段を知らないか?梯子でも何でもいいが、先へ進む道を聞きたい。腕輪を発動させるには五秒ほど時間がかかる。俺の質問に答えずに逃げようとすれば即座に切り捨てる。腕輪ごとな。そうすれば帰る手段を失い、お前達はダンジョンで死ぬことになる」
翔は首筋に剣を突き付けて語る。
「し、知らねえ」
「お、おれも」
「おれも知らねえ」
外れか、と翔が思った時。
「見たかも」
一人の男が言った。
「何処で?」
「向こうの方」
翔の問いに、男は指で方向を示す。
「螺旋階段みたいなのがあって、でもおれたちは下に行かなかった」
「そうか」
翔は情報を聞き出すと、手刀を一撃ずつ入れて気絶させる。
「行くぞ、ミゾレ」
「は、はい」
翔とミゾレは地下3Fを目指して歩き出す。
「本当に有ったな」
「ですね」
翔とミゾレは地下3Fへと降りる為の螺旋階段に辿り着いた。
「思ってたよりもモンスターが少なくて良かったです」
ミゾレは少し嬉しそうに言う。
「そうだな」
翔にとっても、想定よりも遥かにモンスターの数が少ない。
翔は地図に階段の印を書き込み、ページをめくる。
翔とミゾレは地下3Fへと降りる。
≪ダンジョン・地下3F≫
翔とミゾレは更に歩く。
「不自然だ」
「何がですか?」
「モンスターが少なすぎる」
「良いことじゃないですか」
「良い事なものか、オリバー共和国は、何度もこのダンジョンを探検しているんだぞ。
と言う事は、モンスターの数に付いても把握が進んでいる筈だ。
ミゾレ達のグループが、オリバー共和国に取っての最初の召喚で有るはずがない。
もしそうならば、帰還の腕輪が量産され、効果が確認されている説明がつかない。
そしてダンジョンに挑むにはスキルとそれの効果を倍増するための職を備えていなければ危うい。
つまり、俺達以前にも当然召喚者はいる。そして帰還の腕輪で何割かは帰還した。
そいつらが、モンスターの激減したダンジョンの攻略を新参者に譲るか?」
「それは、、、アイテムをあらかた回収したからでは?」
「それならば、オリバー共和国が今回のプロジェクトを推進する意味が無い。回収すべきアイテムが存在するのならば、ダンジョン経験者は放っておかないはずだ。
召喚された人間は、召喚を行った国ごとに役目が定められている。
次のダンジョンが見付かるのを待つのはおかしい。危険を冒さずとも、リターンを得る機会がここにあるのだから」
「、、、あらかたアイテムを回収したけれど、見落としが有るから、では?」
「それならば尚更、初心者では無く熟練者を抜擢する筈だ」
「それはそうですけど、翔さんは何が言いたいんですか!?」
「油断するな、と言う事だ。モンスターとの遭遇率も低いが、他のチャレンジャーとの遭遇率も低い。モンスターだけでは無く、人間にも警戒を怠るな。このダンジョン、何か有るぞ」
≪ダンジョン・入口≫
「へぇー、鋭い」
ガイドは円盤を使い、翔とミゾレの会話を盗聴している。
ガイドは円盤を操作し出す。
「通達、地下3Fにいる諸君。番号・17は地下3Fのエリア14にいる、接触して任務を遂行されたし。更に番号・17はモンスターとの遭遇率の低さ、他の召喚者との遭遇率の低さに疑念を抱いている。接触時には同一の過程を辿ってきた演技をするように」
≪ダンジョン・地下3F≫
「了解」
「了解」
「了解」
翔とミゾレが歩いていると、一組のチャレンジャーと遭遇した。
「おお、やっと他のチャレンジャーに出会えた!」
「皆、帰還の腕輪を発動したのかと思っていたよ!」
二人の男で構成されたペアだった。二人は馴れ馴れしく翔とミゾレに近づく。
「あの二人、見覚えあるか?」
翔はミゾレに耳打ちする。
少なくとも、ミゾレを取り囲んでいた男たちでは無い。
反応が違う。
そして、あの場にいた男は翔以外、ミゾレに殺到していた。
「えっと、わかりません」
ミゾレも小声で表情を崩さずに返す。
翔の警告が効いていた。
翔は二人の男を見据える。
すると、遠くから悲鳴が響く。
「キャ――――――――!!!助けて――――――――――!!!」
悲鳴を聞いて、ミゾレは顔を曇らせる。
「行くぞ」
翔はミゾレに言う。
「今の悲鳴、モンスターと遭遇したんでしょうか!?」
片方の男が言った。
「さあな、確かめない事には分からない。お前達も来るか?」
「「ええ、勿論!」」
翔の問いかけに、二人の男は声を揃えて答える。
「翔さん、、、」
ミゾレは声を震わせて、翔の手を握る。
翔の手を握る手も震えていた。
「心配するな、俺が付いている」
翔はミゾレの手を強く握り返す。
すると青ざめていたミゾレの顔に、赤みが戻る。
「行くぞ」
翔はミゾレの手を引き、悲鳴の上がった方角へ走り出す。
ショウ・タイム(翔の時間)は加速する。
「中々モンスターと遭遇しないな」
翔は拍子抜けしたようにつぶやく。
「遭遇しない方がいいですよ」
ミゾレは即座に反発した。
「いやいや、何を言っているんだ?ダンジョンが古代人の住居を占領されたと言う仮説が正しいのならば、アイテムだけを入手出来るだろうが、魔族が人間を誘き寄せる為にダンジョンが作られたと言う説が正しければ、避けては通れないだろう」
「う、それはそうですけど。。。」
まあ、俺なら出来るがな、と翔は思った。
「!」
翔は気配を察知する。
バサバサッ!!
ナイフコウモリが現れた。
「ぎゃ――!!」
ミゾレは悲鳴を上げる。
ナイフコウモリの大きさはフクロウ並、色は紫で緑色の斑点が有る。
目は金色に光、牙はサバイバルナイフ程度の大きさだ。
「ショウ・タイム(俺の時間)だ」
翔は抜刀する。
スパッ!
いとも容易くナイフコウモリは両断された。
ナイフコウモリの死体が地面に落下する。
翔は周囲を見渡す。
「どうやら、アイテムとモンスターはセットになっていないようだ。このモンスターを倒しても、アイテムは出現しないし、近くにもアイテムは見つからない」
「じゃ、じゃあ、アイテムだけを探し出す事も出来ますよね?」
「どうかな、フリーのモンスターがいるからと言って、フリーのアイテムがあるとは限らない」
「そ、そんな」
ミゾレは落胆する。
「大体、そんなに上手く事が運ぶのなら、オリバー共和国の人間だけでもアイテムを持ち帰る事が出来る筈だ。帰還の腕輪を量産できるのだからな」
翔は歩き出し、ミゾレも後に続く。
翔とミゾレはダンジョンを探索しながら進む。
「行き止まり、ですね」
歩いた先は行き止まりだった。
念の為、隠し扉などの仕掛けが無いかを試してから引き返す。
「あの、帰還の腕輪を発動させてしまえば良いんじゃないでしょうか?」
ミゾレは提案する。
「ミゾレの言いたい事は分かる。しかし、オリバー共和国はリターンをもたらさない召喚者を冷遇するだろうな。見せしめに殺されるかも知れない。
俺の国に連れて行っても良いが、俺はダンジョンを調べる為にやってきた。どちらにせよ、今回だけは付き合ってもらうぞ」
翔はミゾレの提案を却下する。
仮にオリバー共和国を支配するとしても、一度はダンジョンをオリバー共和国の運営下で探検するべきだと翔は考えていた。
二人は歩く。
「翔さん!」
ミゾレが声を上げる。
「下へ行く階段が有ります!!」
ミゾレの指差す先には、螺旋階段が有った。
「よくやった」
翔は手製の地図に階段の印を書き込み、次のページを開く。
翔とミゾレは螺旋階段を下る。
≪ダンジョン・地下2F≫
「さっきまでと、あまり変わりませんね」
ミゾレの言うとおり、地下2Fも内装は変わり映えしない。
「とにかく、この調子で進もう」
「はい」
二人は進む。
「止まって喋るな」
翔は声を潜めてミゾレに言った。
ミゾレは声も音も出さずに翔を見る。
声が聞こえた。
二人は忍び足で声に近付く。
「だからよー、ミゾレちゃんと一緒にいた男を殺しちまえば、ミゾレちゃんを好きに出来るだろ?この際よぉ、一体一じゃなくても良いだろ。な?」
ペアを組む時にミゾレを取り囲んでいた男達の何組かが遭遇して、話し合っていた。
その言葉を聞き、ミゾレの顔は青ざめて血色を失う。
ミゾレは翔の服を引っ張り、その場から離れる意思表示をする。
「今ここで決着をつけた方がいい。モンスターとの戦闘中、戦闘後に襲撃されるのは嫌だろう?仮に帰還の腕輪を発動させても、戻った後にもお前のファンが待ち構えているぞ。そうなったら、いよいよ逃げ場がなくなる」
翔には人間の集団など瞬殺できるが、ミゾレに腕輪を発動されては堪らない。
帰還の腕輪を発動すれば、次にダンジョンに入れるのは一カ月後だ。
「俺が今から、あの連中を無力化する。俺が殺されたら、腕輪を発動して帰還するんだ」
殺される積りなど皆目無いが、腕輪の発動に条件を付けておかねばならない。
「でも、そんな、、、、」
ミゾレは戸惑う。
「何が有っても、俺がミゾレを守ってやるよ」
実際には、ダンジョンの攻略を終えれば他人程度にしか思わないのだが、翔は演技をせざるを得ない。
「翔さん。。。。」
ミゾレは顔を赤くする。
「ショウ・タイム(俺の時間)だ」
翔は抜刀して飛び出す。
「おい!」
翔はミゾレ襲撃計画を企てる集団に声をかけた。
「あん?なんだ?お前も混ざりたいのか?」
一人の男が言う。
「い、いや、待て、こいつ、ミゾレちゃんとペアを組んだ男だ!」
他の男が言った。
「へへ、じゃあ、そばにミゾレちゃんもいるって訳か」
「やっちまえ!こいつをブッ殺せ!!」
男たちは翔に襲いかかる。
武器を取り出し、スキルを発動させる、が。
ズババッ!!
武器を構え終わる前、スキルが発動しきる前に、翔は男たちを斬り伏せた。
「ば、馬鹿な。。。。!!」
「強過ぎる。。。!!」
「化物。。。。。!!」
各々捨て台詞を吐き、地面に崩れ落ちる。
「す、すごい、、、、、すごすぎる。。。。。。。。!!!」
ミゾレは改めて翔の偉大さを認識した。
「これで理解しただろう?人間など、俺の敵では無い。帰還の腕輪を発動すれば、一ヶ月間もダンジョンに入れない。それは困る。勝手に腕輪を発動させるな。いいな?」
翔は曲がり角から顔を覗かせるミゾレに言う。
「はい。。。!」
ミゾレは頷く。
「さて、と」
翔は倒れた連中を起こす。
「下へ続く階段を知らないか?梯子でも何でもいいが、先へ進む道を聞きたい。腕輪を発動させるには五秒ほど時間がかかる。俺の質問に答えずに逃げようとすれば即座に切り捨てる。腕輪ごとな。そうすれば帰る手段を失い、お前達はダンジョンで死ぬことになる」
翔は首筋に剣を突き付けて語る。
「し、知らねえ」
「お、おれも」
「おれも知らねえ」
外れか、と翔が思った時。
「見たかも」
一人の男が言った。
「何処で?」
「向こうの方」
翔の問いに、男は指で方向を示す。
「螺旋階段みたいなのがあって、でもおれたちは下に行かなかった」
「そうか」
翔は情報を聞き出すと、手刀を一撃ずつ入れて気絶させる。
「行くぞ、ミゾレ」
「は、はい」
翔とミゾレは地下3Fを目指して歩き出す。
「本当に有ったな」
「ですね」
翔とミゾレは地下3Fへと降りる為の螺旋階段に辿り着いた。
「思ってたよりもモンスターが少なくて良かったです」
ミゾレは少し嬉しそうに言う。
「そうだな」
翔にとっても、想定よりも遥かにモンスターの数が少ない。
翔は地図に階段の印を書き込み、ページをめくる。
翔とミゾレは地下3Fへと降りる。
≪ダンジョン・地下3F≫
翔とミゾレは更に歩く。
「不自然だ」
「何がですか?」
「モンスターが少なすぎる」
「良いことじゃないですか」
「良い事なものか、オリバー共和国は、何度もこのダンジョンを探検しているんだぞ。
と言う事は、モンスターの数に付いても把握が進んでいる筈だ。
ミゾレ達のグループが、オリバー共和国に取っての最初の召喚で有るはずがない。
もしそうならば、帰還の腕輪が量産され、効果が確認されている説明がつかない。
そしてダンジョンに挑むにはスキルとそれの効果を倍増するための職を備えていなければ危うい。
つまり、俺達以前にも当然召喚者はいる。そして帰還の腕輪で何割かは帰還した。
そいつらが、モンスターの激減したダンジョンの攻略を新参者に譲るか?」
「それは、、、アイテムをあらかた回収したからでは?」
「それならば、オリバー共和国が今回のプロジェクトを推進する意味が無い。回収すべきアイテムが存在するのならば、ダンジョン経験者は放っておかないはずだ。
召喚された人間は、召喚を行った国ごとに役目が定められている。
次のダンジョンが見付かるのを待つのはおかしい。危険を冒さずとも、リターンを得る機会がここにあるのだから」
「、、、あらかたアイテムを回収したけれど、見落としが有るから、では?」
「それならば尚更、初心者では無く熟練者を抜擢する筈だ」
「それはそうですけど、翔さんは何が言いたいんですか!?」
「油断するな、と言う事だ。モンスターとの遭遇率も低いが、他のチャレンジャーとの遭遇率も低い。モンスターだけでは無く、人間にも警戒を怠るな。このダンジョン、何か有るぞ」
≪ダンジョン・入口≫
「へぇー、鋭い」
ガイドは円盤を使い、翔とミゾレの会話を盗聴している。
ガイドは円盤を操作し出す。
「通達、地下3Fにいる諸君。番号・17は地下3Fのエリア14にいる、接触して任務を遂行されたし。更に番号・17はモンスターとの遭遇率の低さ、他の召喚者との遭遇率の低さに疑念を抱いている。接触時には同一の過程を辿ってきた演技をするように」
≪ダンジョン・地下3F≫
「了解」
「了解」
「了解」
翔とミゾレが歩いていると、一組のチャレンジャーと遭遇した。
「おお、やっと他のチャレンジャーに出会えた!」
「皆、帰還の腕輪を発動したのかと思っていたよ!」
二人の男で構成されたペアだった。二人は馴れ馴れしく翔とミゾレに近づく。
「あの二人、見覚えあるか?」
翔はミゾレに耳打ちする。
少なくとも、ミゾレを取り囲んでいた男たちでは無い。
反応が違う。
そして、あの場にいた男は翔以外、ミゾレに殺到していた。
「えっと、わかりません」
ミゾレも小声で表情を崩さずに返す。
翔の警告が効いていた。
翔は二人の男を見据える。
すると、遠くから悲鳴が響く。
「キャ――――――――!!!助けて――――――――――!!!」
悲鳴を聞いて、ミゾレは顔を曇らせる。
「行くぞ」
翔はミゾレに言う。
「今の悲鳴、モンスターと遭遇したんでしょうか!?」
片方の男が言った。
「さあな、確かめない事には分からない。お前達も来るか?」
「「ええ、勿論!」」
翔の問いかけに、二人の男は声を揃えて答える。
「翔さん、、、」
ミゾレは声を震わせて、翔の手を握る。
翔の手を握る手も震えていた。
「心配するな、俺が付いている」
翔はミゾレの手を強く握り返す。
すると青ざめていたミゾレの顔に、赤みが戻る。
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