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第2章
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「確かにあの子、私のことを嫌ってるみたいだけど、さすがに学校で何があったかまでは知らないと思うのよね」
智也はあらためてブタ男の書き込みに目を通してみた。
乃愛に関しての発言もそうだが、それ以外のメンバーに対してもかなり横柄な態度を取っていることが分かる。
「ブタ男か……」
いったいどういうタイプなんだろう?
智也は眉間にしわをよせた。
自分で自分をブタなどと卑下した呼び方をする割には、他人を見下すようなコメントを平気でしている。自尊心は高いけれどその割に世間からの評価は低く、一方で自分を評価できない世間を見下げてもいるといったところだろうか。
「どうしたの、智也君? 難しい顔して」
亜紀が心配そうに覗き込んでくる。
「まさか智也、またプロファイリングとか難しいことやってたんじゃないろうな?」
誠が苦笑いしながら聞いてくる。
「うん、まあ……ブタ男の正体が分かれば、対処の仕様もあるかと思ってさ」
プロファイリングという言葉が分からなかったのか、亜紀と乃愛がポカンとした顔をしているなか、誠だけは真剣な顔立ちになって眉をぴくりと動かした。
「確かにな。正体が分からないから怖いのであって、相手の正体さえ分かれば警察への通報だって簡単だもんな」
誠は画面の、ブタ男の書き込みを指さした。
「こいつ、他の奴が書き込みをすると、1分以内に書き込んでるんだよな。しかも全然関係ない話をして、前の奴の書き込みを完全に無視してる」
「自分に注意を引きつけたがってるよね? まああんまり上手くいってないみたいだけどさ」
「自意識過剰なタイプだな。ただし歪んだ形でだけど」
「ひょっとしたら、ブタ男の名前でSNSをやってるかも?」
だが智也の発言に乃愛は首を振った。
「私もそう思って調べたの。もっとも私は公式アカウントを持ってないから、名前だけ登録して検索してみたんんだけど」
「どうだったの?」
「世の中には私に興味のある豚人間が十人もいるのね」
乃愛は画像投稿型のSNSとして最もメジャーな世界的アプリを起ち上げた。
「あらら、ブタ男さんがこんなに」
画面には、乃愛の写真や記事を少しでも投稿したことのある者で、名前、もしくはアカウント名に、ブタ男あるいはpigmenなどの言葉が入るアカウントが十人以上はあった。
「大丈夫だよ、乃愛。勝負はここからさ」
そう言って智也は不敵な笑みを見せた。
智也はあらためてブタ男の書き込みに目を通してみた。
乃愛に関しての発言もそうだが、それ以外のメンバーに対してもかなり横柄な態度を取っていることが分かる。
「ブタ男か……」
いったいどういうタイプなんだろう?
智也は眉間にしわをよせた。
自分で自分をブタなどと卑下した呼び方をする割には、他人を見下すようなコメントを平気でしている。自尊心は高いけれどその割に世間からの評価は低く、一方で自分を評価できない世間を見下げてもいるといったところだろうか。
「どうしたの、智也君? 難しい顔して」
亜紀が心配そうに覗き込んでくる。
「まさか智也、またプロファイリングとか難しいことやってたんじゃないろうな?」
誠が苦笑いしながら聞いてくる。
「うん、まあ……ブタ男の正体が分かれば、対処の仕様もあるかと思ってさ」
プロファイリングという言葉が分からなかったのか、亜紀と乃愛がポカンとした顔をしているなか、誠だけは真剣な顔立ちになって眉をぴくりと動かした。
「確かにな。正体が分からないから怖いのであって、相手の正体さえ分かれば警察への通報だって簡単だもんな」
誠は画面の、ブタ男の書き込みを指さした。
「こいつ、他の奴が書き込みをすると、1分以内に書き込んでるんだよな。しかも全然関係ない話をして、前の奴の書き込みを完全に無視してる」
「自分に注意を引きつけたがってるよね? まああんまり上手くいってないみたいだけどさ」
「自意識過剰なタイプだな。ただし歪んだ形でだけど」
「ひょっとしたら、ブタ男の名前でSNSをやってるかも?」
だが智也の発言に乃愛は首を振った。
「私もそう思って調べたの。もっとも私は公式アカウントを持ってないから、名前だけ登録して検索してみたんんだけど」
「どうだったの?」
「世の中には私に興味のある豚人間が十人もいるのね」
乃愛は画像投稿型のSNSとして最もメジャーな世界的アプリを起ち上げた。
「あらら、ブタ男さんがこんなに」
画面には、乃愛の写真や記事を少しでも投稿したことのある者で、名前、もしくはアカウント名に、ブタ男あるいはpigmenなどの言葉が入るアカウントが十人以上はあった。
「大丈夫だよ、乃愛。勝負はここからさ」
そう言って智也は不敵な笑みを見せた。
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