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成瀬君との休日
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「きゃああああああーーーーっ」
そうして数時間後、私は成瀬君とテーマパークで絶叫マシンに乗っていた。
・
・
・
「はあああーーーっ、めちゃくちゃ怖かったぁぁぁ」
生まれたての小鹿のように足をがくがくさせている私を成瀬君が笑いながら見ている。成瀬君の頭にはふわふわのキャラクター帽子。手にはジェットコースターを降りた後に買った山盛りのポップコーン。
……この人テーマパーク楽しみすぎじゃない? ガチ勢か?
「やっぱりさ、失恋したら遊園地っしょ? 絶叫マシンっしょ? あ、ポップコーン食べる?」
私は成瀬君に差し出されたポップコーンをぼりぼりと貪り食う。
「ワンナイトとか絶対ダメだって。こうやってお日様の下でバリバリ遊んだほうが超楽しいじゃん?」
そう言って成瀬君もポップコーンをぼりぼり食べた。
着替えて合流した成瀬君はスポーティなフーディに細身のパンツにスニーカーという服装。いつもイケメンだけど今日はさらにイケメンかつ若々しく見える。大学生って言われても納得しちゃう。
季節は11月。天気も超良くて絶好の行楽日和。
たしかに落ち込んだ気持ちが大気に溶けていくみたいに最高に気持ちがいい。
成瀬君、もしかして私を励ますためにわざわざ今日一日付き合ってくれたのかな? え、なにこれ、成瀬君、めちゃくちゃいい人じゃん。
その日は夜まで2人でテーマパークで遊びまくった。
帰り際、成瀬君は言った。
「じゃーね。神木先輩のこと、忘れろとは言わないけど元気出せよ?」
私は成瀬君のおかげでだいぶ元気が出たけれど、成瀬君はどうなんだろう? 松本さんに『俺じゃダメですか?』なんていうくらいの切ない失恋をしたっていうのにちゃんと立ち直れているのかな?
もう少し話を聞きだすようにしたらよかったかな? とも思ったけれど、噂で聞いたなんて言われたら嫌だよね、きっと。
まあ成瀬君のことだから女の子には不自由もしていなさそうだし、私以外にも慰めてくれたり励ましてくれたりする子はきっといっぱいいるんだろうし。なんならもう彼女できちゃってるのかもしれないし。いやいや彼女いるならテーマパークに私と二人では行かないか? うーん……。
気がつけば神木先輩のことよりも成瀬君のことばかり考えてしまっている。私って結構単純だな。
まあ今回のことはいい思い出で、成瀬君とはまた普通の同期としてやっていくんだろうってこの時は思っていた。
まさかこの数週間後、予期せぬ修羅場に遭遇することになるなんてこのときの私は想像すらしていなかった。
そうして数時間後、私は成瀬君とテーマパークで絶叫マシンに乗っていた。
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「はあああーーーっ、めちゃくちゃ怖かったぁぁぁ」
生まれたての小鹿のように足をがくがくさせている私を成瀬君が笑いながら見ている。成瀬君の頭にはふわふわのキャラクター帽子。手にはジェットコースターを降りた後に買った山盛りのポップコーン。
……この人テーマパーク楽しみすぎじゃない? ガチ勢か?
「やっぱりさ、失恋したら遊園地っしょ? 絶叫マシンっしょ? あ、ポップコーン食べる?」
私は成瀬君に差し出されたポップコーンをぼりぼりと貪り食う。
「ワンナイトとか絶対ダメだって。こうやってお日様の下でバリバリ遊んだほうが超楽しいじゃん?」
そう言って成瀬君もポップコーンをぼりぼり食べた。
着替えて合流した成瀬君はスポーティなフーディに細身のパンツにスニーカーという服装。いつもイケメンだけど今日はさらにイケメンかつ若々しく見える。大学生って言われても納得しちゃう。
季節は11月。天気も超良くて絶好の行楽日和。
たしかに落ち込んだ気持ちが大気に溶けていくみたいに最高に気持ちがいい。
成瀬君、もしかして私を励ますためにわざわざ今日一日付き合ってくれたのかな? え、なにこれ、成瀬君、めちゃくちゃいい人じゃん。
その日は夜まで2人でテーマパークで遊びまくった。
帰り際、成瀬君は言った。
「じゃーね。神木先輩のこと、忘れろとは言わないけど元気出せよ?」
私は成瀬君のおかげでだいぶ元気が出たけれど、成瀬君はどうなんだろう? 松本さんに『俺じゃダメですか?』なんていうくらいの切ない失恋をしたっていうのにちゃんと立ち直れているのかな?
もう少し話を聞きだすようにしたらよかったかな? とも思ったけれど、噂で聞いたなんて言われたら嫌だよね、きっと。
まあ成瀬君のことだから女の子には不自由もしていなさそうだし、私以外にも慰めてくれたり励ましてくれたりする子はきっといっぱいいるんだろうし。なんならもう彼女できちゃってるのかもしれないし。いやいや彼女いるならテーマパークに私と二人では行かないか? うーん……。
気がつけば神木先輩のことよりも成瀬君のことばかり考えてしまっている。私って結構単純だな。
まあ今回のことはいい思い出で、成瀬君とはまた普通の同期としてやっていくんだろうってこの時は思っていた。
まさかこの数週間後、予期せぬ修羅場に遭遇することになるなんてこのときの私は想像すらしていなかった。
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