『転生した以上、幼馴染+αと美少女ハーレムをつくってイチャラブ学園生活を送ると決心したオレ』

姜維信繁

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第20話 『スクール水着と先生との交渉』

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 1985年(昭和60年)7月1日(月)<風間悠真>

 先週の木・金で期末テストが終わり、オレは日曜日に佐世保まで行って学診テストを受けに行った。

 5教科ともにまだこの時期は、小学校の復習が含まれるから余裕だ。

 それに社会や国語は好きだから、普通に問題が解けた。だんだん難しくなっていくんだろうな、と思いつつ、例によって川下楽器によって四ヶ町をブラブラして帰った。

 もちろん、帰ってから練習したよ。




 ■五峰南中学校 併設プール

「おお、いいねいいねいいね~」

 同じクラスの康介が女子のスクール水着を見ながら、隣のクラスメートと女子に聞こえないように話をしている。今は廃止された絶滅危惧種(絶滅した?)の、正式名称は知らないがレオタードもどきの水着だ。

 中学男子の12脳には刺激が強い。だって体にぴったりとくっついて胸のラインは強調されるし、下は太ももの根元まで露出してるんだから、半分裸のようなものだ。

 こうなってしまえば、誰のオッパイが大きいとか、スタイルが云々うんぬんという話はあまり重要ではなくなる。露出して半裸がキモなのだ。そういう意味では令和の中学生諸君は残念だと思う。

 康介は、いや、そこにいた健全な男子全員が、五感をフル活動して女子の水着姿に集中する。
  
 例えば視界に気になる子がいれば、直視をすればバレるから、見てないふりしてギリギリ視界の中に入れておき、ガン見する。視界の右側なら、右全身の神経を集中するのだ。

 わかるかな?




 オレが気になっているのは卓球部の高遠菜々子と近松恵美だ。2人とも可愛い。なんだろう、みんな違ったかわいさがあるんだよな。水泳の授業があるので髪をまとめてはいるが、普段はポニーテールだ。

 ポニーテールが嫌いな男子がこの世にいるだろうか? もしいるとすればガッツリフラれた女がポニーテールで思い出してしまう、とかそんな理由だろう。

 目の前にポニーテールがあれば、男子なら触りたいと思うだろうし、ふぁさふぁさしたいと思うはずだ(キッパリ)。同じポニーテールでも高遠は長めで、恵美は今でいうゆるふわ? な感じだ。

 うん、オレはこの2人の水着が見られるだけで、水泳を休まないというモチベーションが保てる。

「おい、康介。見すぎだ」
 
「あ、ああ。悪い悪い。ついな」
 
「まったく。お前ってホント胸と尻が好きだよなー」
 
「いや~それほどでも」
 
 康介は鼻の下を伸ばしてデレデレしている。まあ、気持ちはわかる。女子の水着姿なんて水泳の授業じゃなきゃそうそう見られるもんじゃないからな。

 しかも、それが可愛い子ならなおさらだ。でもほどほどにしておかないと、バレたらこっちまでとばっちりを食うからたまったもんじゃない。
 
 オレはというと、美咲や凪咲なぎさ、純美に礼子の水着を見たいが、残念ながら全員1組なのだ!

 ああ神様! なんでこんな罰をオレに与えるのですか!

 純美のあのぷるんゆっさおっぱいは、間違いなくトップクラスじゃないか? 

 少なくとも2組にはいない。ブラジャーしてないから……先端も……。

 美咲のあの張りのあるおっぱいも、凪咲のツンと膨らんだおっぱいも、礼子のあのふんわり柔らかおっぱいも、その水着姿が拝めない! 残酷な仕打ちだ!

  大きさは純美>凪咲>美咲=礼子って感じだろうか。(※注 凪咲は触っていないから見た目!)




 やばい! 下半身が! 12歳のオレは、やはり12歳の体であった。




  ■昼休み 職員室

「……という訳で今年の文化発表会から、グルーブでの演奏発表を追加してほしいんです」

 オレは職員室に入り、美佐子ちゃんから言われたように、教頭であり数学の教師でも鵜飼うかい先生の説得に当たっている。

 本来ならこういう学校行事の事を決めるなら、先生全員の意見と可決が必要なのだが、美佐子ちゃんいわく、教頭先生を説得できたら何とかなるらしい。

 鵜飼先生はどうにもバンド=不良というイメージを強く持っている。それをなんとか覆さないと、バンド演奏は実現しない。

「バンドだと? ……ふう。風間君、君もわかっていると思うが、そういうのは不良がやることだ。学校でそんなものを発表するのは、規律を乱すことになりかねん」

 やっぱりそう来たか。一応の想定問答集だ。

「なるほど。では先生、いくつか伺いたいんですけどいいですか?」

「なんだね?」

「先生が言うバンドは、オレ達がやっているものも含めて、ジャズバンドやオーケストラも不良がやるものなんですか?」

 鵜飼先生は一瞬言葉に詰まり、眉をひそめた。

「いや、そういうわけではない。ジャズバンドやオーケストラは伝統があり、教育的な価値もある。君たちがやろうとしているのは……」

 オレは冷静に、しかし熱意を込めて話を続けた。

「ロックバンドですね。実は、ロックにも長い歴史があるんです。1950年代のエルヴィス・プレスリーから始まって、今や世界中で愛されている音楽です」

 先生は腕を組んだまま、オレの話を聞いていた。

「それに、ビートルズやクイーンなど、今や誰もが知っている有名なロックバンドもあります。彼らの音楽は芸術性も高く、社会に大きな影響を与えています」

 オレは息を整えて、さらに続ける。

「オレたちがやりたいのは、そういう素晴らしい音楽を学び、表現することなんです。不良になりたいわけじゃありません」

 鵜飼先生はしばらく沈黙していたが、やがてゆっくりと口を開いた。

「確かに、世の中に出ている音楽でロックでも認められている物は多々ある。しかし、何が言いたいかと言うと、彼等はみな大人だと言う事だ。学生は学生の本分があるだろう?」

 確かにその通りだ。オレはうなずいた。わかっている。これが普通の反応だ。でも、ちゃんと反論は用意してある。

「では2つお伺いします。最初に戻りますが、先生のお考えでは、バンドをやるから不良になるのですか? それとも不良がバンドをやるのですか? もう1つは学生の本分である勉強ですが、その学業が疎かにならなければ良いのですか?」

 鵜飼先生は椅子に深く腰掛け、オレの質問を聞いてしばらく考え込んだ。
 
「ふむ……。君の質問は鋭いな。確かに、バンド活動と不良行為は必ずしも直結するものではない。しかし、往々にしてバンド活動に熱中するあまり、本分である学業がおろそかになる傾向があるのも事実だ」

 先生はゆっくりと口を開き、オレはそれを真剣な表情で聞く。
 
「そして、君の2つ目の質問だが……」

 鵜飼先生は眼鏡を直しながら続けた。

「学業が疎かにならなければいい、というのは少し単純すぎるな。学生時代は人格形成の重要な時期だ。単に成績が下がらなければいいというものではない」

 オレは頭の中で整理をし、完全に論破するための論陣を張る。

「ではまとめますと、必ずではないが、バンドをすると学業が疎かになり、不良になる場合が往々にしてある、という事ですね。それから人格形成に重要な時期というのは理解できますが、バンドをすることで人格形成に支障があるという理論は横暴ではありませんか?」

 鵜飼先生は眉をひそめ、オレの言葉を慎重に聞いていた。一瞬の沈黙の後、ゆっくりと口を開いた。

「風間君、君の言い方は少し強すぎるな。『横暴』というのは適切な表現ではないだろう」

 先生は椅子に深く腰かけ直すと、続けた。

「しかし、君の指摘には一理ある。確かに、バンド活動が必ずしも人格形成に悪影響を及ぼすわけではない。むしろ、適切に行えば良い影響を与える可能性もあるだろう」

 オレは身を乗り出して聞いていた。

「ただし、問題は『適切に行う』ということだ。君たちはまだ中学生だ。自制心や時間管理能力がまだ十分に発達していない年齢だ。そこで心配しているんだよ」

 バカか! なめんなよ! こっちは51年人生の荒波に揉まれてんだ。普通の中学生と同じように丸め込めると思うなよ!

「時間管理能力については、学校の部活動と同じ時間練習するのですから、問題ないのではありませんか?」

 鵜飼先生は眉をひそめ、オレの言葉を聞いて少し考え込んだ様子だった。
 
「確かに、部活動と同じ時間帯に練習するのであれば、時間管理の面では問題ないかもしれんな」
 
 先生は腕を組みながら続けた。

「しかし、風間君。部活動には顧問の先生がついて、きちんと管理・指導している。バンド活動の場合はどうなるんだ?」

 いや、先生……とオレはもうバカバカしくなった。

「いや、先生、今話しているのは時間管理の事ですよね。6時間目が終わって、ホームルームが終わってからの練習です。それから部活動終了までの時間です。それが過ぎたら鍵を返して帰ります。論点のすり替えをして貰っては困ります」

 オレはできるだけ冷静を保ちつつ、しっかりとした口調で返した。鵜飼先生は少し驚いたようにこちらを見ていたが、すぐに表情を引き締めた。

「……確かに君の言う通りだ。時間管理に関しては、学校の規則に従って行うのであれば問題はないだろう。だが、指導者がいないことは依然として不安材料だ。君たちが自主的に活動を行うことが、果たしてどこまで規律を守ってできるのか、それが心配なんだ」

 ため息が出そうになった。鵜飼先生はムキになっているようにも思える。

「自主的な活動と規律を守ることの相関関係を教えてください。規律を守って自主的に活動とは、具体的にはどのような活動ですか? あ、これは時間に関する事ですよ。念のため。それ以外に懸念事項はないんでしょう?」

「う、うむ……つまりは……」

「サボらずにやるかって事ですか? サボるやつがわざわざこんなに手間暇かけて先生に話したりしませんよ」

 鵜飼先生は言葉につまり、困惑した表情を浮かべた。オレの鋭い指摘に、明らかに動揺している様子だった。

「そ、そうだな……」

 先生は眼鏡を外し、額の汗を拭った。

「確かに、君の言う通りだ。ここまで熱心に話し合いに来る生徒が、サボるとは考えにくいな」

 オレは内心で勝ち誇りながらも、表情は真剣さを保った。

「先生」

 オレは落ち着いた声で話し始めた。

「オレたちは本気でこの活動に取り組みたいんです。だからこそ、学校の規則を守り、他の生徒の迷惑にならないよう細心の注意を払います」

 鵜飼先生はじっとオレを見つめた。その目には、驚きと敬意が混ざったような感情が浮かんでいた。

「わかった、風間君。君たちの真剣さは十分に伝わってきた。しかし、私が担当しているからと言って、即決はできない。次回の職員会議で議題にあげて、多数決で賛成でなければならない」

 オレは身を乗り出して聞いた。

「ありがとうございます! では、他に具体的な懸念事項はありますか?」

 鵜飼先生は少し考え込んだ後、ゆっくりと口を開いた。

「他にはないが……まずは学業との両立だ。できるか?」

「はい、必ずやってみせます!」




 翌日の実力テストを経て、水曜日の定例職員会議でめでたく可決され、軽音楽クラブの活動が正式に認められた。




 次回 第20話 (仮)『夜のプールの幽霊』
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