『転生した以上、幼馴染+αと美少女ハーレムをつくってイチャラブ学園生活を送ると決心したオレ』

姜維信繁

文字の大きさ
43 / 65

第43話 『12脳と51脳の性欲の狭間と町内4校合同音楽祭』

しおりを挟む
 1985年(昭和60年)12月1日(日) <風間悠真>

 1年の2学期最後のテスト、期末テストが週末に終わった。

 毎度毎度面倒くさいが、こればっかりは仕方がない。
 
 テストそのものは51脳の経験と転生時のギフト? のおかげで余裕だったんだが、美咲や凪咲なぎさ純美あやみに礼子、それに今回から菜々子と恵美も加わった勉強会は、なかなかに楽しかった。

 はじめは6人の女と一緒に試験勉強をすることになった時、正直不安だったんだ。

 前にテスト勉強を純美の家で、美咲や凪咲と一緒にやったことがある。

 それが一気に6人になるのだ。変な気を遣わせないよう、みんなの扱いは平等にしなきゃならない。しかもこの状況を維持しつつ、関係を深めていく必要がある。


 

「悠真、この問題わからないんだけど……」

 美咲が隣の席からオレの腕に体を寄せてくる。胸が当たる。今まで何度となくあったシチュエーションだし、胸もんだことはあるんだが、2人っきりの時だ。

 それぞれの状況で、ちょっとした違いでドキッとする。問題集を指差しながら、美咲はオレの顔をちらちら見上げてくる。

「お、おう……」

 美咲はオレの腕に胸を押しつけたまま、上目遣いに見上げてくる。

「悠真?」

 その仕草が妙に色っぽくて、思わずドキっとする……。おいおい、本当に中1かよ。いや待て、これは12脳か? 51脳か?

「あ、あのさ……私も、その問題がわからなくて」

 凪咲が反対側から近づいてきた。こちらも胸が当たる。
  
 右が美咲で左が凪咲。ヤバい。12脳が暴走しそうだ。特に凪咲はこの前の事があってから、妙に余裕をチラつかせているような気がするのはオレだけか?

 他の女に対して一歩リードしているという気持ちが自然と表れているのか?

「あひゃ!」

「どうしたの悠真?」

「いや、なんでもない」

 教科書とノートに目が行っている隙に、凪咲がオレの股間を触ってきたのだ。『どうしたの悠真?』というセリフを美咲と一緒に言ってはいるが、内心は何を考えているんだ?

「あ、うん、じゃあ一緒に解説しようか」

 オレは冷静を装いながら、2人の間に座り直す。

「えっと、この方程式はね……」

「あ、私もその問題、聞いていい?」

 今度は純美が前からのぞき込んできた。あの胸が目の前にある。オレは必死で問題に目を向ける。集中、集中! しかし純美の胸の谷間が……。

「純美……その、ん、んん……」

 オレは目で純美の胸を指し示す。
 
「うん?  あ!」
 
 純美は後ずさって自然を装いながら自分の胸元を手で隠し、顔を赤くしている。おいおい、本当にこの女は小悪魔だぞ?  おっとり小悪魔? 無意識小悪魔?

 オレは冷静を装いながら問題の解説をする。

 ずいぶん前から考えていたんだが、状況が許せばセックスまでイケたんじゃないか? という場面が何度もある。その一歩手前で、いや、0.5歩か0.1歩かわからんが、ブレーキをかけている。

 それはオレが根性なしで踏み出す勇気がないからか? 
  
 物事には順序があって、きちんとしたルールにのっとって……。中1でセックスなんてという道義的理由か?

 いやいやオレは一体何を考えているんだ? まあとにかく、いろんなシチュエーションを考えて、万全を期す事に全力を傾けよう。突発的な事が多すぎたんだよな、今まで。

「私も聞きたい」

 礼子が横から加わり、オレを中心に女の子たちが輪になって密着度合いが増していく。
 
「あの、私もわからないところがあるんだけど」

 菜々子と恵美も加わってきた。


 

 ……この勉強会を定期的に開催できたら、みんなとの仲を深められるんじゃないか。

「じゃあ次のテストの時も、みんなで勉強会しようよ」

 オレが提案すると、全員が賛成の声を上げた。

「うん!」
「いいね!」
「私も賛成!」

 よし、これで定期的に会える口実ができた。

 オレのハーレム計画は順調に進んでいる。ただし、欲望に任せすぎるのは良くない。51脳が警告を発する。一気に関係を進展させようとすれば、今の良好な関係が壊れかねない。

 ゆっくりと、でも着実に。それが大事なんだ。

「あ、もうこんな時間!」

 美咲が時計を指さす。もう日が暮れ始めている。

「お、やばい。みんな、バスの時間大丈夫?」

「うん、まだ間に合う」
 
「私も大丈夫」

 それぞれ荷物をまとめ始める。その時、凪咲がオレの耳元でささやいた。

「ねえ、次はもっと……ゆっくり教えてね♡」

 オレは思わずゴクリと唾を飲み込んだ。
  
 12脳が完全にオーバーヒートしそうだ。いや、落ち着け落ち着け。距離を置いていたと思ったらこの前の件もあるし、うーん、女の考えはわからん。




 ■合同音楽祭

「ねえ、南中の……なんだっけ? NICKEY&YUMA? そーいう名前のバンドがあるみたいだよ」

「バンド? 吹奏楽のこと? ブラスバンドはお姉ちゃんが高校でやってるけど……」

「違う違う、BOØWYとかBARBEE BOYSなんかと同じバンドで、でも、洋楽やってるみたいだよ」

「えー、洋楽? すごいねぇ。聴いたことあるの?」

「私の従姉妹が南中なんだけど、前の学祭で見たって。ハー……なんとかロックスとか、モト……なんとかとかいうバンドの曲らしいよ」
 
「え? 聞いたことないよ。有名なバンドなの?」

 北中の女子たちの会話だ。

「知らないけどね、すっごくかっこいいんだって! なんかハードロックとかヘヴィメタルって言うんだって」
 
「えー、なんかこわーい!」
 
「そうなんだけどさ、めっちゃかっこいいらしいよ!」


 

 体育館はどんどん人が増えていく。各校から二組ずつ、計八組の出演。プログラムの最後を飾るのが、オレたちNICKEY&YUMAだ。

「悠真、そろそろ準備だぞ」

 祐介が声をかけてきた。今日もMÖTLEY CRÜEのTシャツを着ている。

「うしっ! じゃあいくか!」


 

「Hey guys! How's it going? Last but not least, we're Nicky and Yuma!」

 ハノイ・ロックスやモトリー・クルーの曲というのは同じだが、『Shout At The Devil』を『Use It Or Lose It』に変更しての演奏だ。




 合同音楽祭は大盛況の内に終わった。

 でもオレ達には早急に解決しなくちゃいけない問題があったんだ。

 メンバー。

 いつまでも悟くんや健二くんの世話になっている訳にもいかない。仕事もあるだろうし、これ以上は迷惑だろう。

「なあ祐介、いい加減オレ達……」

「メンバーだろ? オレもそれは考えてた。練習ばっかりで、そっちまで頭が回らなかったってのがまずいな。このままじゃ上のステージにいけやしない」

「上のステージ?」

「ああ、やるんだったら長崎、そしてまずは福岡に出ることを考えないと。プロはそっからだろ?」

「え? (プロ?)」

「そうだ。だからまずは町内の他の学校に声をかけよう。それから下五峰市の中学にも声をかけて、ギターの経験者。このままのギターボーカルならせめて悠真よりうまいヤツな。それからドラム。悟さんや健二さんと同じレベルは正直難しいと思うけど、今やらないと、どんどん難しくなるぞ。最悪は興味のあるヤツ勧誘してやらせよう」

「お、おう、そうだな」

 オレはオレの、モテモテいちゃいちゃハーレムやりやり計画のためのバンドだったんだが、祐介はプロまで目指しているのか……。

 いずれにしても、早急に集めないといけない。




 次回 第44話 (仮)『オレファンクラブと祐介ファンクラブ』
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――

のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」 高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。 そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。 でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。 昼間は生徒会長、夜は…ご主人様? しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。 「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」 手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。 なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。 怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。 だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって―― 「…ほんとは、ずっと前から、私…」 ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。 恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

俺を振ったはずの腐れ縁幼馴染が、俺に告白してきました。

true177
恋愛
一年前、伊藤 健介(いとう けんすけ)は幼馴染の多田 悠奈(ただ ゆうな)に振られた。それも、心無い手紙を下駄箱に入れられて。 それ以来悠奈を避けるようになっていた健介だが、二年生に進級した春になって悠奈がいきなり告白を仕掛けてきた。 これはハニートラップか、一年前の出来事を忘れてしまっているのか……。ともかく、健介は断った。 日常が一変したのは、それからである。やたらと悠奈が絡んでくるようになったのだ。 彼女の狙いは、いったい何なのだろうか……。 ※小説家になろう、ハーメルンにも同一作品を投稿しています。 ※内部進行完結済みです。毎日連載です。

あるフィギュアスケーターの性事情

蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。 しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。 何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。 この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。 そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。 この物語はフィクションです。 実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。

ちょっと大人な体験談はこちらです

神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない ちょっと大人な体験談です。 日常に突然訪れる刺激的な体験。 少し非日常を覗いてみませんか? あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ? ※本作品ではGemini PRO、Pixai.artで作成した生成AI画像ならびに  Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。 ※不定期更新です。 ※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。

美人四天王の妹とシテいるけど、僕は学校を卒業するまでモブに徹する、はずだった

ぐうのすけ
恋愛
【カクヨムでラブコメ週間2位】ありがとうございます! 僕【山田集】は高校3年生のモブとして何事もなく高校を卒業するはずだった。でも、義理の妹である【山田芽以】とシテいる現場をお母さんに目撃され、家族会議が開かれた。家族会議の結果隠蔽し、何事も無く高校を卒業する事が決まる。ある時学校の美人四天王の一角である【夏空日葵】に僕と芽以がベッドでシテいる所を目撃されたところからドタバタが始まる。僕の完璧なモブメッキは剥がれ、ヒマリに観察され、他の美人四天王にもメッキを剥され、何かを嗅ぎつけられていく。僕は、平穏無事に学校を卒業できるのだろうか? 『この物語は、法律・法令に反する行為を容認・推奨するものではありません』

自習室の机の下で。

カゲ
恋愛
とある自習室の机の下での話。

小さい頃「お嫁さんになる!」と妹系の幼馴染みに言われて、彼女は今もその気でいる!

竜ヶ崎彰
恋愛
「いい加減大人の階段上ってくれ!!」 俺、天道涼太には1つ年下の可愛い幼馴染みがいる。 彼女の名前は下野ルカ。 幼少の頃から俺にベッタリでかつては将来"俺のお嫁さんになる!"なんて事も言っていた。 俺ももう高校生になったと同時にルカは中学3年生。 だけど、ルカはまだ俺のお嫁さんになる!と言っている! 堅物真面目少年と妹系ゆるふわ天然少女による拗らせ系ラブコメ開幕!!

処理中です...