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第1章
【番外】魔王side
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その少女を見たのは10年も前の事。
バンリウ帝国の《武神》が代替わりをしたのは耳に挟んでいた。
バンリウ帝国は人間がはるか昔に魔族から取り上げた土地だ。
それ故に魔物達はその土地に執着し帝国を滅ぼそうとする。
もう1度自分たちの居場所を取り戻すために。
それに対して障害になったのが《聖女》と《武神》の存在だった。
《聖女》が結界を張り魔物の侵入を防ぐ。
《武神》が聖女の結界では防ぎきれない魔族を屠る。
そうやってバンリウ帝国は現在まで繁栄し続けて来た。
そのバンリウ帝国の《武神》が代替わりして3年が経っていた。
《武神》が代替わりしてから魔族も魔物も死ぬ事がなくなった。
興味をそそられて魔王は魔力の1部を猫へと変化させ意識をリンクさせる。
そのまま【ゲート】を開き猫をバンリウ帝国の結界の傍へ転移する。
其処で見たものを魔王は一生忘れる事が無いだろうと思った。
真紅の髪。
真紅の瞳。
緋色の衣。
幼いながらに絶世と言えるその美貌。
赤の幼子は全身を真っ赤に染めてとんでもない数の魔物を退けていた。
そう、退けていたのだ。
殺すことなく。
今代の聖女は相当に力が弱いらしい。
今の聖女の結界は中級魔物でも突破できるだろう。
だが赤の幼子が全ての魔物を蹴散らしていた。
表情も変えずに淡々と。
ただ決められた作業をこなすが如く。
それでいて決して命は奪わない。
これが”血染めの戦姫”の名を冠する者だとすぐに理解させられた。
魔物達を退け一息ついた赤の幼子は魔王の1部である黒猫を抱き上げた。
「聖女の結界なら怪我で済むけどその上から私が雷属性の魔物に対してのみ有効な結界を張っています。それ以上近づいたら命が危ないです。離れていてくださいね黒猫さん」
黒猫を抱きしめ赤の幼子が微笑んだ。
頭を優しく撫でられる。
魔王は混乱した。
《武神》は魔族の敵ではないのかと。
しかし魔族の敵と言うにはあまりにも赤の幼子は優しすぎた。
こんな戦い方をしていたら何時か赤の幼子自身が死んでしまう。
そんな事は止めさせなければならないと思った。
次の瞬間、魔王は自分の思考に驚いた。
何故魔族の頂点に立つ自分が敵である《武神》の身を案じたのかと。
だが赤の幼子の優し気な微笑みと、撫でられている気持ちの良い感触にそんな事はどうでも良くなる。
この赤の幼子は《武神》であるが自分の敵にはなりえないのだと気付いたからだ。
赤の幼子は魔族の敵ではない。
魔王はそう判断した。
赤の幼子の腕から飛び降りる。
猫が気に入っていたのか腕から温かい感触が失せて赤の幼子が少し残念そうな表情を浮かべた。
「ばいばい猫さん。もうこの辺りに近づいたらいけませんよ?」
その言葉を後に猫は本体の魔王の処に戻り再び1つとなった。
面白い存在だと思った。
もしもこのまま赤の幼子が死ぬ事なく大人になったのなら自分の手元に置いておくのも面白いと考えた。
以降、魔王の日課に《武神》の観察が加わった。
時が経ち、赤の幼子は絶世の美貌の少女へと孵化した。
純魔族は力と比例するように美しい外見を持つ。
そんな純魔族の高位の者たちと比べても劣らぬほどに赤の幼子は美しい少女へと成長を遂げた。
その頃には魔族たちの中で”血染めの戦姫”を知らぬものは居なくなった。
決して命を奪わない《武神》。
それだけでも話題に事欠かないのに、あの絶世の美貌と戦闘能力。
何時の間にか高位魔族の中で誰が”血染めの戦姫”を倒すことが出来るかが話題となっていた。
魔王の直属の部下たちも例外ではない。
それどころか腹心までもがその”ゲーム”を楽しんでいた。
おそらく《武神》が負けても魔族に命を取られる事は無いだろう。
それ程に今代の《武神》は魔族から気に入られていた。
しかし命は取られなくともその魔族の所有物になる事は考えるまでもなく伺い知れた。
瞬間、ブワリと肌が泡立つ。
あの赤の少女が他者の物になる。
考えただけで魔王は苛立ちを覚えた。
そして自覚した。
自分はあの時から赤の少女に心奪われていたのだと。
:::
「今日は何か嬉しそうですね魔王?」
「夢を見た。少し昔を思い出してな」
「幸せな夢ですか?」
「あぁ幸せな夢だ。ところでリコリス、お前は猫は好きか?」
「猫は大好きです!」
ベッドの中で魔王に抱きしめられていたリコリスはガバリ、と身を乗り出した。
「ずっと猫を飼いたかったのですが《武神》の仕事があるから飼えなかったんです。子供のころに1度だけ猫を抱っこした事があります!魔獣でしたが夜色の毛並みと月色の目の綺麗な猫でした!」
リコリスが覚えていたことに魔王は驚いた。
ほんの一時の出会いを今まで覚えてくれていたのだと。
「今でも猫が飼いたいか?」
「今は魔王が居るから寂しくありません。それに魔王が猫に夢中になって私に構ってくれなくなるのは寂しいから猫が居なくても大丈夫です!」
「そうか」
何時までたっても無垢で純粋なリコリスを愛おしいと感じながらその紅の髪を梳く。
そうするとリコリスは薄っすらと目を細めて気持ちよさそうな顔をするのだ。
まるで猫の様だ。
ベッドの中でリコリスを抱きしめながら、今は昔と逆だなと魔王は優しい目をリコリスに向けるのだった。
そんなとあるお昼寝風景のお話し。
邪魔したら命の保証がないことは、現在魔族で知らぬものは居ない。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
11話と公開順番替えました。
どうも10話から11話への話の方向転換がいきなりすぎたので。
読みにくくてすみません( TДT)ゴメンナサイー
バンリウ帝国の《武神》が代替わりをしたのは耳に挟んでいた。
バンリウ帝国は人間がはるか昔に魔族から取り上げた土地だ。
それ故に魔物達はその土地に執着し帝国を滅ぼそうとする。
もう1度自分たちの居場所を取り戻すために。
それに対して障害になったのが《聖女》と《武神》の存在だった。
《聖女》が結界を張り魔物の侵入を防ぐ。
《武神》が聖女の結界では防ぎきれない魔族を屠る。
そうやってバンリウ帝国は現在まで繁栄し続けて来た。
そのバンリウ帝国の《武神》が代替わりして3年が経っていた。
《武神》が代替わりしてから魔族も魔物も死ぬ事がなくなった。
興味をそそられて魔王は魔力の1部を猫へと変化させ意識をリンクさせる。
そのまま【ゲート】を開き猫をバンリウ帝国の結界の傍へ転移する。
其処で見たものを魔王は一生忘れる事が無いだろうと思った。
真紅の髪。
真紅の瞳。
緋色の衣。
幼いながらに絶世と言えるその美貌。
赤の幼子は全身を真っ赤に染めてとんでもない数の魔物を退けていた。
そう、退けていたのだ。
殺すことなく。
今代の聖女は相当に力が弱いらしい。
今の聖女の結界は中級魔物でも突破できるだろう。
だが赤の幼子が全ての魔物を蹴散らしていた。
表情も変えずに淡々と。
ただ決められた作業をこなすが如く。
それでいて決して命は奪わない。
これが”血染めの戦姫”の名を冠する者だとすぐに理解させられた。
魔物達を退け一息ついた赤の幼子は魔王の1部である黒猫を抱き上げた。
「聖女の結界なら怪我で済むけどその上から私が雷属性の魔物に対してのみ有効な結界を張っています。それ以上近づいたら命が危ないです。離れていてくださいね黒猫さん」
黒猫を抱きしめ赤の幼子が微笑んだ。
頭を優しく撫でられる。
魔王は混乱した。
《武神》は魔族の敵ではないのかと。
しかし魔族の敵と言うにはあまりにも赤の幼子は優しすぎた。
こんな戦い方をしていたら何時か赤の幼子自身が死んでしまう。
そんな事は止めさせなければならないと思った。
次の瞬間、魔王は自分の思考に驚いた。
何故魔族の頂点に立つ自分が敵である《武神》の身を案じたのかと。
だが赤の幼子の優し気な微笑みと、撫でられている気持ちの良い感触にそんな事はどうでも良くなる。
この赤の幼子は《武神》であるが自分の敵にはなりえないのだと気付いたからだ。
赤の幼子は魔族の敵ではない。
魔王はそう判断した。
赤の幼子の腕から飛び降りる。
猫が気に入っていたのか腕から温かい感触が失せて赤の幼子が少し残念そうな表情を浮かべた。
「ばいばい猫さん。もうこの辺りに近づいたらいけませんよ?」
その言葉を後に猫は本体の魔王の処に戻り再び1つとなった。
面白い存在だと思った。
もしもこのまま赤の幼子が死ぬ事なく大人になったのなら自分の手元に置いておくのも面白いと考えた。
以降、魔王の日課に《武神》の観察が加わった。
時が経ち、赤の幼子は絶世の美貌の少女へと孵化した。
純魔族は力と比例するように美しい外見を持つ。
そんな純魔族の高位の者たちと比べても劣らぬほどに赤の幼子は美しい少女へと成長を遂げた。
その頃には魔族たちの中で”血染めの戦姫”を知らぬものは居なくなった。
決して命を奪わない《武神》。
それだけでも話題に事欠かないのに、あの絶世の美貌と戦闘能力。
何時の間にか高位魔族の中で誰が”血染めの戦姫”を倒すことが出来るかが話題となっていた。
魔王の直属の部下たちも例外ではない。
それどころか腹心までもがその”ゲーム”を楽しんでいた。
おそらく《武神》が負けても魔族に命を取られる事は無いだろう。
それ程に今代の《武神》は魔族から気に入られていた。
しかし命は取られなくともその魔族の所有物になる事は考えるまでもなく伺い知れた。
瞬間、ブワリと肌が泡立つ。
あの赤の少女が他者の物になる。
考えただけで魔王は苛立ちを覚えた。
そして自覚した。
自分はあの時から赤の少女に心奪われていたのだと。
:::
「今日は何か嬉しそうですね魔王?」
「夢を見た。少し昔を思い出してな」
「幸せな夢ですか?」
「あぁ幸せな夢だ。ところでリコリス、お前は猫は好きか?」
「猫は大好きです!」
ベッドの中で魔王に抱きしめられていたリコリスはガバリ、と身を乗り出した。
「ずっと猫を飼いたかったのですが《武神》の仕事があるから飼えなかったんです。子供のころに1度だけ猫を抱っこした事があります!魔獣でしたが夜色の毛並みと月色の目の綺麗な猫でした!」
リコリスが覚えていたことに魔王は驚いた。
ほんの一時の出会いを今まで覚えてくれていたのだと。
「今でも猫が飼いたいか?」
「今は魔王が居るから寂しくありません。それに魔王が猫に夢中になって私に構ってくれなくなるのは寂しいから猫が居なくても大丈夫です!」
「そうか」
何時までたっても無垢で純粋なリコリスを愛おしいと感じながらその紅の髪を梳く。
そうするとリコリスは薄っすらと目を細めて気持ちよさそうな顔をするのだ。
まるで猫の様だ。
ベッドの中でリコリスを抱きしめながら、今は昔と逆だなと魔王は優しい目をリコリスに向けるのだった。
そんなとあるお昼寝風景のお話し。
邪魔したら命の保証がないことは、現在魔族で知らぬものは居ない。
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11話と公開順番替えました。
どうも10話から11話への話の方向転換がいきなりすぎたので。
読みにくくてすみません( TДT)ゴメンナサイー
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