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第2章
28話
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カモミールティーとクッキーのお陰で私の緊張はだいぶ取れました。
エーデルに感謝です。
教皇様とお話しするのは魔王がメインです。
そりゃ私は結婚式のプラン全然知りませんから。
お話の中でしか見たこともありません。
おのずと会話は魔王が中心になります。
「では大聖堂にご案内いたしましょう」
教皇様に促されて私たちは神殿の中心である大聖堂に向かいました。
そして大聖堂。
何と言うか凄いです。
大きなステンドグラスが太陽の光を受けて、内側から見てもキラキラと光っています。
ドーム状の天井に描かれた宗教画のような芸術的な絵。
人族と違って天使となどが描かれている訳ではないのですが、魔族の神とその御使いでしょうか。
美しい人(?)や子供が描かれています。
「綺麗です…」
「この大聖堂は建国からずっと変わらずにある。我々魔族には馴染み深い聖堂だ。よほどの行事が無い限り使用されないがな。歴代の魔王も結婚式はここの聖堂で挙げている」
「素敵ですね」
うっとりと大聖堂を見まわします。
こんな綺麗なところで私が魔王と結婚式を挙げれるなんて。
なんて幸せなことでしょうか。
「あぁ、花嫁姿のリコリスは綺麗だろうな」
うっとりとした目で見ないで下さい。
恥ずかしい事この上ないです。
と言うか自分で言うのも何ですが、魔王の目には私に対してフィルターがかかっているのでは無いですか?
後、あんまり甘いテノールボイスで囁かないで欲しいです。
何と言うか、凄く腰にクルので…。
でもこんな広いところで挙式を挙げるなんて参列者は何人くらいになるのでしょうか?
疑問に思ったので魔王に尋ねます。
「貴族たちや王宮で上役に就いている者は皆呼ばなければならないだろうな。ざっと200人くらいか?同盟国である隣国のアポシタリアの王族と貴族も呼ぶことを考えたら更に100人は追加か?」
「そんな大勢の方が来るのですか?魔王と釣り合わない冴えない花嫁と思われたりしないでしょうか…?ガッカリさせそうで気が気じゃないです……」
魔王がきょとんとした顔をしてます。
初めて見ましたよそんな顔。
可愛いじゃないですか…。
「リコリスほどの美しい者を冴えないと言うものは存在しないと思うぞ?見とれるならともかくな。リコリスはもう少し自分の魅力に自覚を持った方が良い」
あんまり褒められると恥ずかしいです。
本当に大丈夫なんでしょうか?
でも魔王の言葉に皆うんうん、と首を縦に振って頷いてます。
「きっと大聖堂を歩かれるドレス姿のリコリス様は美しいですわ。もっと自信をお持ちになって下さい!」
エーデルに励まされてしまいました。
最近思うのですが私付の侍女たちは私の事好きすぎませんか?
下手したら魔王敵に回してでも私を味方する、と言ってくれたのはシーナでしたっけ?
他の侍女たちも賛同していました。
私そこまで大切にして貰うような事しましたっけ?
だけど嬉しいのは本音です。
「有難うございますエーデル」
「皆リコリス様の花嫁姿楽しみにしているのですよ。最近のメイド内での話のブームと言えばリコリス様がどんなドレスを着られるのかなんですから」
「そこまで期待されると若干恥ずかしいです…」
シーナが嬉しそうにドレスの形を話してくれます。
スレンダーライン
Aライン
プリンセスライン
マーメイドライン
エンパイア
どれも形が違ってそれぞれの美しさがあるそうです。
やはり女性と言うのはウェディングドレスに興味があるのですね。
ちなみにエーデルのお勧めはAラインらしいです。
1番私の魅力が引き出せるとか?
私はどのドレスがどんな形なのかも知りませんが、こうして私の事を真剣に考えてくれる侍女たちが居て幸せ者だと思いました。
今だってエーデルが話してくれているお陰で無駄に緊張せずにすんでいます。
エーデルが居てくれて良かったです。
神殿の同行者としてエーデルを推薦してくれた魔王にも感謝ですね。
それにしてもこの広い大聖堂。
直線距離だけでもかなりあります。
何せ300人収容可能ですからね。
こんな長い距離ちゃんとヒールで歩けるでしょうか?
恥ずかしい事ですが私はドレスにもヒールにも慣れておりません。
魔国の王宮では正装は魔法衣を着ていますので。
《武神》の頃もドレスを着る機会はありませんでしたから。
そう言えば私、デビュタントもして無かったですね…。
何せあの頃は少しでも時間があれば睡眠を取りたかったですから。
でもコレは間違いなく先生をつけられます。
私は最低限のマナーしか身に着けていませんから。
それも魔国に来てから先生をつけられて、ようやく最低限のマナーは分かるようになった程度ですし。
ヒールで歩く特訓
ドレスのすそ裁き
美しい食事の取り方
上品な笑い方
教えて貰わなければいけないことが山ほどあります。
魔王に結婚式で恥をかかせたくないですから。
立派な花嫁を務めあげたいです。
苦手な勉強だって魔王の事を思えば頑張れます!
私付の侍女たちにだって自慢できる主で居たいですしね。
気合が入ろうと言うものです。
その後、式の進行を教皇様から説明されました。
うぅ、間違えないよう気を付けなければ…。
でも挙式自体は30分もかからず終わるようです。
その後にパレードの獣車にのり王都の民たちに姿を見せるそうです。
分かりました、パンダの気持ちを忘れずにですね。
そうして王宮で披露宴。
ここでもパンダをしていれば良いらしいです。
挨拶さえ出来れば十分だとか。
後は魔王が対処してくれるそうです。
大変有り難い。
でも挙式だけで300人。
披露宴になると何人が集まるのでしょうか?
考えると少しゾッとします。
いえ、パンダ頑張りますけどね!
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
ドレスどんなのが良いですかね?
今1番の悩みどころです(;^ω^)
エーデルに感謝です。
教皇様とお話しするのは魔王がメインです。
そりゃ私は結婚式のプラン全然知りませんから。
お話の中でしか見たこともありません。
おのずと会話は魔王が中心になります。
「では大聖堂にご案内いたしましょう」
教皇様に促されて私たちは神殿の中心である大聖堂に向かいました。
そして大聖堂。
何と言うか凄いです。
大きなステンドグラスが太陽の光を受けて、内側から見てもキラキラと光っています。
ドーム状の天井に描かれた宗教画のような芸術的な絵。
人族と違って天使となどが描かれている訳ではないのですが、魔族の神とその御使いでしょうか。
美しい人(?)や子供が描かれています。
「綺麗です…」
「この大聖堂は建国からずっと変わらずにある。我々魔族には馴染み深い聖堂だ。よほどの行事が無い限り使用されないがな。歴代の魔王も結婚式はここの聖堂で挙げている」
「素敵ですね」
うっとりと大聖堂を見まわします。
こんな綺麗なところで私が魔王と結婚式を挙げれるなんて。
なんて幸せなことでしょうか。
「あぁ、花嫁姿のリコリスは綺麗だろうな」
うっとりとした目で見ないで下さい。
恥ずかしい事この上ないです。
と言うか自分で言うのも何ですが、魔王の目には私に対してフィルターがかかっているのでは無いですか?
後、あんまり甘いテノールボイスで囁かないで欲しいです。
何と言うか、凄く腰にクルので…。
でもこんな広いところで挙式を挙げるなんて参列者は何人くらいになるのでしょうか?
疑問に思ったので魔王に尋ねます。
「貴族たちや王宮で上役に就いている者は皆呼ばなければならないだろうな。ざっと200人くらいか?同盟国である隣国のアポシタリアの王族と貴族も呼ぶことを考えたら更に100人は追加か?」
「そんな大勢の方が来るのですか?魔王と釣り合わない冴えない花嫁と思われたりしないでしょうか…?ガッカリさせそうで気が気じゃないです……」
魔王がきょとんとした顔をしてます。
初めて見ましたよそんな顔。
可愛いじゃないですか…。
「リコリスほどの美しい者を冴えないと言うものは存在しないと思うぞ?見とれるならともかくな。リコリスはもう少し自分の魅力に自覚を持った方が良い」
あんまり褒められると恥ずかしいです。
本当に大丈夫なんでしょうか?
でも魔王の言葉に皆うんうん、と首を縦に振って頷いてます。
「きっと大聖堂を歩かれるドレス姿のリコリス様は美しいですわ。もっと自信をお持ちになって下さい!」
エーデルに励まされてしまいました。
最近思うのですが私付の侍女たちは私の事好きすぎませんか?
下手したら魔王敵に回してでも私を味方する、と言ってくれたのはシーナでしたっけ?
他の侍女たちも賛同していました。
私そこまで大切にして貰うような事しましたっけ?
だけど嬉しいのは本音です。
「有難うございますエーデル」
「皆リコリス様の花嫁姿楽しみにしているのですよ。最近のメイド内での話のブームと言えばリコリス様がどんなドレスを着られるのかなんですから」
「そこまで期待されると若干恥ずかしいです…」
シーナが嬉しそうにドレスの形を話してくれます。
スレンダーライン
Aライン
プリンセスライン
マーメイドライン
エンパイア
どれも形が違ってそれぞれの美しさがあるそうです。
やはり女性と言うのはウェディングドレスに興味があるのですね。
ちなみにエーデルのお勧めはAラインらしいです。
1番私の魅力が引き出せるとか?
私はどのドレスがどんな形なのかも知りませんが、こうして私の事を真剣に考えてくれる侍女たちが居て幸せ者だと思いました。
今だってエーデルが話してくれているお陰で無駄に緊張せずにすんでいます。
エーデルが居てくれて良かったです。
神殿の同行者としてエーデルを推薦してくれた魔王にも感謝ですね。
それにしてもこの広い大聖堂。
直線距離だけでもかなりあります。
何せ300人収容可能ですからね。
こんな長い距離ちゃんとヒールで歩けるでしょうか?
恥ずかしい事ですが私はドレスにもヒールにも慣れておりません。
魔国の王宮では正装は魔法衣を着ていますので。
《武神》の頃もドレスを着る機会はありませんでしたから。
そう言えば私、デビュタントもして無かったですね…。
何せあの頃は少しでも時間があれば睡眠を取りたかったですから。
でもコレは間違いなく先生をつけられます。
私は最低限のマナーしか身に着けていませんから。
それも魔国に来てから先生をつけられて、ようやく最低限のマナーは分かるようになった程度ですし。
ヒールで歩く特訓
ドレスのすそ裁き
美しい食事の取り方
上品な笑い方
教えて貰わなければいけないことが山ほどあります。
魔王に結婚式で恥をかかせたくないですから。
立派な花嫁を務めあげたいです。
苦手な勉強だって魔王の事を思えば頑張れます!
私付の侍女たちにだって自慢できる主で居たいですしね。
気合が入ろうと言うものです。
その後、式の進行を教皇様から説明されました。
うぅ、間違えないよう気を付けなければ…。
でも挙式自体は30分もかからず終わるようです。
その後にパレードの獣車にのり王都の民たちに姿を見せるそうです。
分かりました、パンダの気持ちを忘れずにですね。
そうして王宮で披露宴。
ここでもパンダをしていれば良いらしいです。
挨拶さえ出来れば十分だとか。
後は魔王が対処してくれるそうです。
大変有り難い。
でも挙式だけで300人。
披露宴になると何人が集まるのでしょうか?
考えると少しゾッとします。
いえ、パンダ頑張りますけどね!
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ドレスどんなのが良いですかね?
今1番の悩みどころです(;^ω^)
応援ありがとうございます!
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