皇太子から婚約破棄を言い渡されたので国の果ての塔で隠居生活を楽しもうと思っていたのですが…どうして私は魔王に口説かれているのでしょうか?

高井繭来

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その後

チビリコリスと一緒11

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 魔王が目を覚ますと隣に天使が眠っていた。
 綺麗な夕日色の髪。
 魔は閉じられているが、その瞼の下には深紅の瞳が隠されている。
 まだ少しふっくらした頬の幼さを感じる寝顔。

 だが幼さを感じる、なのだ。
 
 幼い子供の寝顔ではない。
 帰って来た。
 大人のリコリスが帰って来た!

 魔王は喜びで羽が生えて空も飛べるんじゃないかと思った。
 まぁ普通に魔術で飛べるので羽の必要はないが。

 しかも、帰って来たリコリスには猫耳尻尾がオプションで付いていた。

 有難う姉上!
 ロリババァとか言ってすみませんでしたっ!!

 今の魔王ならミヤハルにスライディング土下座しそうな勢いでテンションが高い。

 取り合えず目の前の可愛い猫を起こして、美味しく頂こう。
 魔王は眠るリコリスにその美しい顔を近づけた。
 久しぶりに重ねる唇の温かさと柔らかさは、初めてリコリスと口づけを交わした時と同じくらいに感動するほど刺激的であった。

 :::

「ユラ姉ちゃん優しいな~オプション迄付けたるなんて」

「1週間血涙で枕を濡らされたらこっちが辛いのよ!」

 ユラの言葉は真実半分だ。
 本音はリコリスにお母さん扱いされるのが苦しかった、が正しい。

 まだキスすらしたこと無いのに…。
 何故に1児の母親にならなければならないのか?
 血涙で枕を濡らしていたのは魔王だけじゃない。
 ユラもその1人だった。

 それも漸く終わりが来たのだ。

 ユラは安堵から感激の涙が流れそうだった。
 血は目から流すものじゃない。
 心からユラはそう思ったのだ。
 隣の愉快犯に乗せられて人に悪戯を仕掛けるのはもう止めよう。
 そうユラは決心した。

 数億年の間で何千万回以上もした決心であった。

 :::

「チビ王妃さん終わりか~残念~」

「オウマは随分王妃様の幼児化を楽しんでいたな」

「まぁねぇ~。アムカさんも楽しんでいたじゃん?」

「子供と言うのは可愛らしいからな。純粋に愛でたいと思う」

 図書室で飲茶をしながらオウマとアムカが駄弁っていた。
 意外と仲の良い2人なのだ。
 それにしてもアムカ。
 子供じゃない愛らしいものはどう愛でたいのか?
 聞きたくても聞いちゃいけない。
 オウマはその辺りの危機感は優秀だった。

「さて、次はお姉様方は何をなされるんだろうねん?」

「私は自分に被害がないなら何でも良いがな」

「あっはは~、アムカさんそれフラグって言うやつよん♪」

 そんな呑気に話していられるのも、ユラが決心を挫くまでの束の間の間の話なのである。
 そして見事にアムカはフラグを回収する事になるのだった。
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