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2章
【237話】ミヤハルSide
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駐屯地の施設の中に入る。
頑丈そうな作りだ。
流石に兵器を管理している場所なだけある。
総合病院が使えなくなったらこちらに皆を引っ越しさせるのもアリだとミヤハルは思った。
だが軍隊が使う生活の場は日常が感じにくい。
何処か施設の中も無機質なのである。
病身の柔らかなベッドに、温かい食事が提供できる食堂を手放して迄来たいところではない。
「武器とバッテリー系だけ持って帰ってサヨナラかな?まぁ簡単に返してくれそうにあらへんけど」
ミヤハルの目の前には人影。
自分とほぼ同じくらいの体系だ。
性別は男。
己とほぼ同じ体形で男なら年下の可能性が高い。
ここはお姉さんぽく接するべきだろうか?
1人子のミヤハルには何気にソレはハードルが高い。
それにこの少年は間違いなく鈴蘭を狙った狙撃手である。
それに警戒の気を示さないミヤハルもどこか神経がいかれている。
人外の力を持つ者は何処か神経がいかれているらしい。
鈴蘭やマオも同じ部類だ。
常人では思いつかない考え方をする。
ソレをチームの皆は恐れるのだが、ユラの存在がソレを中和する。
ミヤハル達にとって、ユラの存在はそれほど大きなものなのだ。
本人は意識していないが、ミヤハルや鈴蘭とマオはそれを良く知っている。
だからユラを大切に扱うのだ。
「自分みたいな子供が良く生き残れたなぁ?」
「誰が子供だ餓鬼が!私はもう18歳だ!」
どうやらミヤハルが年下と思った相手は体格に恵まれなかった少年だったらしい。
身長は150cmに届くか届かないか。
体に厚みが無くて細い。
綺麗な顔をしている。
鈴蘭やマオのような人外の如き美貌では無いが、職人が丹精込めて作りだしたビスクドールの様な外見だ。
少年の白い髪と白い肌、そして赤い目がそう思わせる一環でもあるのだろう。
「アルビノは初めて見たわ」
「そうか、それでは今日が最初で最後だな」
言うが早いか少年が銃を構える。
が、闘気を扱うミヤハルの反射速度はソレを遥かに超えている。
少年が構えた瞬間にはミヤハルは少年の背後に回り込み、腕の関節を極めた。
「ぐぅっ!」
「鈴蘭さんが殺さん方がええ言うとったし、このまま一緒に来て貰おか」
結束バンドで後ろ手の親指を縛る。
古臭い手だが、人の動きを奪うのこの手段は今でも効果的である。
人間らしい体の構造をしてることが肝心だが。
流石に魔獣に結束バンドは役に立たない。
そんな対人に向けての拘束道具を持ち歩いている辺り、ミヤハルは人と争う事を常に念頭に置いているからだ。
今は鈴蘭とマオと言う絶対的な強者が居るからチームが成り立つ。
だが絶対的な強者が居ない場でもチームの和は保たれるであろうか?
答えは否だ。
ミヤハルはその時に人同士で起きるであろう争いを常に想定している。
だから人相手に通じる物資も服にうまく隠し込んでいるのだ。
まぁ鈴蘭には気付かれいるみたいだが。
その上で鈴蘭はミヤハルに対人対策の戦い方なんて教えるのだから質が悪い。
まるで「お前の想像は今に現実になるぞ」と言われているみたいだ。
それでもミヤハルにとって、自分とユラを護るのが最優先だ。
鈴蘭が居なくなった後も、己とユラの2人だけに戻っても生きていける手段を手に入れなければいけない。
神を殺すまで、まだまだミヤハルは実力が足りない。
何かが足りないのだ。
ソレを鈴蘭とマオは持っている気がする。
自分が持っていない何か。
ソレを欲してミヤハルは『神狩り』に入ったのだ。
プツッ
何かが切れる音がした。
「暗器か!?」
結束バンドを少年が外したのだ。
どうやら剃刀か何かを袖に仕込んでいたらしい。
そのまま少年は逃げていく。
催涙弾をお土産に。
「げほっ、アイツ、難敵やっ!」
ミヤハルはハンカチで鼻と口を覆いながら煙から距離を取る。
まさか拘束を解いたうえで攻撃に出ず逃げの一手を取られると思わなかった。
だからミヤハルは対処に遅れた。
攻撃されたなら無視程の殺気でも感じ取って防御が出来ただろう。
もう随分と距離を取られたみたいだ。
気配も上手く隠してある。
戦闘能力はミヤハルの方が圧倒的であったが、相手の方が1枚も2枚も戦闘慣れをしていた。
「鈴蘭さんに何て報告しよかぁ…」
はぁ、と溜息をついて、ミヤハルは久しぶりの惨敗に少しばかり凹むのであった。
頑丈そうな作りだ。
流石に兵器を管理している場所なだけある。
総合病院が使えなくなったらこちらに皆を引っ越しさせるのもアリだとミヤハルは思った。
だが軍隊が使う生活の場は日常が感じにくい。
何処か施設の中も無機質なのである。
病身の柔らかなベッドに、温かい食事が提供できる食堂を手放して迄来たいところではない。
「武器とバッテリー系だけ持って帰ってサヨナラかな?まぁ簡単に返してくれそうにあらへんけど」
ミヤハルの目の前には人影。
自分とほぼ同じくらいの体系だ。
性別は男。
己とほぼ同じ体形で男なら年下の可能性が高い。
ここはお姉さんぽく接するべきだろうか?
1人子のミヤハルには何気にソレはハードルが高い。
それにこの少年は間違いなく鈴蘭を狙った狙撃手である。
それに警戒の気を示さないミヤハルもどこか神経がいかれている。
人外の力を持つ者は何処か神経がいかれているらしい。
鈴蘭やマオも同じ部類だ。
常人では思いつかない考え方をする。
ソレをチームの皆は恐れるのだが、ユラの存在がソレを中和する。
ミヤハル達にとって、ユラの存在はそれほど大きなものなのだ。
本人は意識していないが、ミヤハルや鈴蘭とマオはそれを良く知っている。
だからユラを大切に扱うのだ。
「自分みたいな子供が良く生き残れたなぁ?」
「誰が子供だ餓鬼が!私はもう18歳だ!」
どうやらミヤハルが年下と思った相手は体格に恵まれなかった少年だったらしい。
身長は150cmに届くか届かないか。
体に厚みが無くて細い。
綺麗な顔をしている。
鈴蘭やマオのような人外の如き美貌では無いが、職人が丹精込めて作りだしたビスクドールの様な外見だ。
少年の白い髪と白い肌、そして赤い目がそう思わせる一環でもあるのだろう。
「アルビノは初めて見たわ」
「そうか、それでは今日が最初で最後だな」
言うが早いか少年が銃を構える。
が、闘気を扱うミヤハルの反射速度はソレを遥かに超えている。
少年が構えた瞬間にはミヤハルは少年の背後に回り込み、腕の関節を極めた。
「ぐぅっ!」
「鈴蘭さんが殺さん方がええ言うとったし、このまま一緒に来て貰おか」
結束バンドで後ろ手の親指を縛る。
古臭い手だが、人の動きを奪うのこの手段は今でも効果的である。
人間らしい体の構造をしてることが肝心だが。
流石に魔獣に結束バンドは役に立たない。
そんな対人に向けての拘束道具を持ち歩いている辺り、ミヤハルは人と争う事を常に念頭に置いているからだ。
今は鈴蘭とマオと言う絶対的な強者が居るからチームが成り立つ。
だが絶対的な強者が居ない場でもチームの和は保たれるであろうか?
答えは否だ。
ミヤハルはその時に人同士で起きるであろう争いを常に想定している。
だから人相手に通じる物資も服にうまく隠し込んでいるのだ。
まぁ鈴蘭には気付かれいるみたいだが。
その上で鈴蘭はミヤハルに対人対策の戦い方なんて教えるのだから質が悪い。
まるで「お前の想像は今に現実になるぞ」と言われているみたいだ。
それでもミヤハルにとって、自分とユラを護るのが最優先だ。
鈴蘭が居なくなった後も、己とユラの2人だけに戻っても生きていける手段を手に入れなければいけない。
神を殺すまで、まだまだミヤハルは実力が足りない。
何かが足りないのだ。
ソレを鈴蘭とマオは持っている気がする。
自分が持っていない何か。
ソレを欲してミヤハルは『神狩り』に入ったのだ。
プツッ
何かが切れる音がした。
「暗器か!?」
結束バンドを少年が外したのだ。
どうやら剃刀か何かを袖に仕込んでいたらしい。
そのまま少年は逃げていく。
催涙弾をお土産に。
「げほっ、アイツ、難敵やっ!」
ミヤハルはハンカチで鼻と口を覆いながら煙から距離を取る。
まさか拘束を解いたうえで攻撃に出ず逃げの一手を取られると思わなかった。
だからミヤハルは対処に遅れた。
攻撃されたなら無視程の殺気でも感じ取って防御が出来ただろう。
もう随分と距離を取られたみたいだ。
気配も上手く隠してある。
戦闘能力はミヤハルの方が圧倒的であったが、相手の方が1枚も2枚も戦闘慣れをしていた。
「鈴蘭さんに何て報告しよかぁ…」
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