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オマケは御使い様になりました
【野営と気温と清潔問題】
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令和の日本はキャンプが流行っていた。
ユーチュー〇ではソロキャンの動画がバズったり。
消えた芸人が焚火の映像で何万回も再生数を上げていたり。
まぁ何となくキャンプ=楽しい物と言うのが深海の頭にはあった。
知識はあれど所詮は現代っ子。
道具と環境が揃っての楽しいキャンプ。
深海は格闘技こそ嗜んでいるが所詮はオタクだ。
外で焚火をするより、クーラーの利いた家の中で本を読む方が良い。
格闘技とパルクールは趣味で始めたが性に合っていたので続いたが。
お陰で身体能力だけは半端ない。
この世界の一般兵士なら1対3でも負けないくらいには。
1対4になると互角。
1体5で負けるレベルだ。
令和っ子にしては破格の運動能力だろう。
ちなみに鳴海のブーストがかけられると1対1個軍隊を相手取れるようになる。
鳴海の【ブースト】の魔術も、深海の【戦略能力】も普通ではない。
深海は頭が回る分戦闘における立ち回りも上手い。
その為体力が許すなら1対多数になっても崩すべきところから崩していき、最終的には大将首を取れるだけの戦略が練れる。
戦闘は肉体だけが優れていれば良いと言う訳では無いのだ。
まぁ世の中にはチートと呼ばれる連中も居るが。
そのチートの1人が現在深海と行動を共にしているネオレである。
宮廷魔術師副団長の1人。
4人いる副団長の中でも主にリーダーシップを取ることが多い。
周りに恵まれていないとも言う。
天然いぬ科猫目のライジュ…騒がしい事この上ない。
褐色の肌と鍛え抜かれた筋肉のビルダー…筋トレフェチが半端ない。
影薄オタク錬金術師マヒロ…薄い本さえ与えておけば優秀な協力者に早変わり(深海にしか使えない裏技だ)。
扱いに困る他3人の副魔術師長を纏めるのは消去法でネオレしかいない。
ましてや上司も快楽主義者の愉快犯なので仕事をろくにしてくれない。
上司…フィルドは魔術だけは大陸でも5本の指には入ろう天才であるのだが。
そんな濃い面子に囲まれているのでネオレが宮廷魔術師団を纏める役目が多い。
端から見たら美形のオネェのネオレも十分色物であるのだが。
本人的には無個性らしい。
自称と他称が違うのはよくある事なのである。
そんなネオレと深海は一緒に馬車の中に2人きりである。
本日は野営でカグウとコキョウ。
深海とネオレが馬車での野営組だ。
その他の兵士は野宿である。
カカンからスティルグマ迄は道路が舗装されてある。
コレは晩餐会でスティルグマ女王がカカンを”同等の同盟国”とみなし、国から国へ道路が作られることになった。
舗装された道路と言ってもアスファルトが道路の世代の深海には十分荒い道だが。
そのせいで馬車酔いもしたりした。
道路の舗装のお陰でかなりの大きさの馬車も通れるようになった。
王族が中で泊まれるくらいの大きさの馬車の通れる道になったのだ。
それ故の馬車での野営である。
だが馬車の中は。
「暑い…気分悪い……」
「大丈夫フカミちゃん?はいお水」
ネオレが氷の入ったコップにレモン水を注いでくれた。
ソレを一気に飲み干す。
良く冷えたクエン酸とビタミンCとミネラルが身に染みる。
「ん~美味しいです」
「良かったわ。上着脱いだら?暑いでしょう?」
確かにネオレの言う通り上着を脱いだら涼しいだろう。
しかし性別がバレる可能性も高くなる。
「カグウ様も同じくらい着込んでいるのに…」
「そりゃあっちの馬車にはウチの上司が張った【適温】の結界が張ってあるから」
「え、何ですかソレ!ズルいです!!」
「あー見えてウチの上司優秀だからね~」
部下から酷い言われようであるフィルド宮廷魔術師長。
きっと何時も執務から逃げている普段の行いが悪いからであろう。
「じゃぁカグウ様汗もかいてないんじゃ?羨ましい…汗気持ち悪い……」
「着替えちゃう?」
「え、いや、その…」
(ネオレさんにはまだ性別言ってなかったよな…素直に言った方が良いのか、隠した方が良いのか……?)
カグウに聞きに行くタイミングを逃してしまった。
親衛隊とルナト―とクロナとミラーは深海の性別を知っているが、その他は誰が知っているのか深海も認知できていない。
「フカミちゃんは恥ずかしがり屋さん?じゃぁコレ貸してあげる♡」
ネオレからピンポン玉ほどの青みがかった水晶を握らされた。
「で、オドを込めて…」
ふわぁ
水晶から発せられた心地良い蒸気が深海を包んだ。
瞬間、風呂上がりの様な爽快さを深海は感じた。
「気持ちイイでしょ?」
「服まで洗い立てみたいです…」
「ウチの上司が作った『シャボンミストボール』ですって。お手軽に清潔が手に入れられます♡」
ネオレの言い方に思わず「でもお高いんでしょう?」と深海は続けそうになった。
「コレは、良いですね。あとは暑ささえ何とかなれば…」
「じゃぁこの馬車も結界張っちゃいましょうか。【適温調整】と」
キン、と糸が張るような音がして馬車の中が冷えた空気に包まれた。
「汗が引いたら温度もう少し上げるわね。寝る時も寒いままだと風邪ひいちゃうから」
「気持ちイイ、ですが…コレ昼間も張っていてくれたら馬車酔いも少なくて済んだんじゃ……?」
「エヘッ、うっかり思いつかなかったの♡フカミちゃんが魘されているとこ見てムラムラなんてして無いから安心してね♡」
「今の言葉で一気に安心出来なくなりましたよ!」
「はいはい、怒らない怒らない。お水のおかわりどーぞー♡」
「ぐぅ、餌付けされている気がする」
冷えたレモン水を口に含み、その美味しさに何だかんだとネオレに絆されて深海は初めての野営を体験するのであった。
ユーチュー〇ではソロキャンの動画がバズったり。
消えた芸人が焚火の映像で何万回も再生数を上げていたり。
まぁ何となくキャンプ=楽しい物と言うのが深海の頭にはあった。
知識はあれど所詮は現代っ子。
道具と環境が揃っての楽しいキャンプ。
深海は格闘技こそ嗜んでいるが所詮はオタクだ。
外で焚火をするより、クーラーの利いた家の中で本を読む方が良い。
格闘技とパルクールは趣味で始めたが性に合っていたので続いたが。
お陰で身体能力だけは半端ない。
この世界の一般兵士なら1対3でも負けないくらいには。
1対4になると互角。
1体5で負けるレベルだ。
令和っ子にしては破格の運動能力だろう。
ちなみに鳴海のブーストがかけられると1対1個軍隊を相手取れるようになる。
鳴海の【ブースト】の魔術も、深海の【戦略能力】も普通ではない。
深海は頭が回る分戦闘における立ち回りも上手い。
その為体力が許すなら1対多数になっても崩すべきところから崩していき、最終的には大将首を取れるだけの戦略が練れる。
戦闘は肉体だけが優れていれば良いと言う訳では無いのだ。
まぁ世の中にはチートと呼ばれる連中も居るが。
そのチートの1人が現在深海と行動を共にしているネオレである。
宮廷魔術師副団長の1人。
4人いる副団長の中でも主にリーダーシップを取ることが多い。
周りに恵まれていないとも言う。
天然いぬ科猫目のライジュ…騒がしい事この上ない。
褐色の肌と鍛え抜かれた筋肉のビルダー…筋トレフェチが半端ない。
影薄オタク錬金術師マヒロ…薄い本さえ与えておけば優秀な協力者に早変わり(深海にしか使えない裏技だ)。
扱いに困る他3人の副魔術師長を纏めるのは消去法でネオレしかいない。
ましてや上司も快楽主義者の愉快犯なので仕事をろくにしてくれない。
上司…フィルドは魔術だけは大陸でも5本の指には入ろう天才であるのだが。
そんな濃い面子に囲まれているのでネオレが宮廷魔術師団を纏める役目が多い。
端から見たら美形のオネェのネオレも十分色物であるのだが。
本人的には無個性らしい。
自称と他称が違うのはよくある事なのである。
そんなネオレと深海は一緒に馬車の中に2人きりである。
本日は野営でカグウとコキョウ。
深海とネオレが馬車での野営組だ。
その他の兵士は野宿である。
カカンからスティルグマ迄は道路が舗装されてある。
コレは晩餐会でスティルグマ女王がカカンを”同等の同盟国”とみなし、国から国へ道路が作られることになった。
舗装された道路と言ってもアスファルトが道路の世代の深海には十分荒い道だが。
そのせいで馬車酔いもしたりした。
道路の舗装のお陰でかなりの大きさの馬車も通れるようになった。
王族が中で泊まれるくらいの大きさの馬車の通れる道になったのだ。
それ故の馬車での野営である。
だが馬車の中は。
「暑い…気分悪い……」
「大丈夫フカミちゃん?はいお水」
ネオレが氷の入ったコップにレモン水を注いでくれた。
ソレを一気に飲み干す。
良く冷えたクエン酸とビタミンCとミネラルが身に染みる。
「ん~美味しいです」
「良かったわ。上着脱いだら?暑いでしょう?」
確かにネオレの言う通り上着を脱いだら涼しいだろう。
しかし性別がバレる可能性も高くなる。
「カグウ様も同じくらい着込んでいるのに…」
「そりゃあっちの馬車にはウチの上司が張った【適温】の結界が張ってあるから」
「え、何ですかソレ!ズルいです!!」
「あー見えてウチの上司優秀だからね~」
部下から酷い言われようであるフィルド宮廷魔術師長。
きっと何時も執務から逃げている普段の行いが悪いからであろう。
「じゃぁカグウ様汗もかいてないんじゃ?羨ましい…汗気持ち悪い……」
「着替えちゃう?」
「え、いや、その…」
(ネオレさんにはまだ性別言ってなかったよな…素直に言った方が良いのか、隠した方が良いのか……?)
カグウに聞きに行くタイミングを逃してしまった。
親衛隊とルナト―とクロナとミラーは深海の性別を知っているが、その他は誰が知っているのか深海も認知できていない。
「フカミちゃんは恥ずかしがり屋さん?じゃぁコレ貸してあげる♡」
ネオレからピンポン玉ほどの青みがかった水晶を握らされた。
「で、オドを込めて…」
ふわぁ
水晶から発せられた心地良い蒸気が深海を包んだ。
瞬間、風呂上がりの様な爽快さを深海は感じた。
「気持ちイイでしょ?」
「服まで洗い立てみたいです…」
「ウチの上司が作った『シャボンミストボール』ですって。お手軽に清潔が手に入れられます♡」
ネオレの言い方に思わず「でもお高いんでしょう?」と深海は続けそうになった。
「コレは、良いですね。あとは暑ささえ何とかなれば…」
「じゃぁこの馬車も結界張っちゃいましょうか。【適温調整】と」
キン、と糸が張るような音がして馬車の中が冷えた空気に包まれた。
「汗が引いたら温度もう少し上げるわね。寝る時も寒いままだと風邪ひいちゃうから」
「気持ちイイ、ですが…コレ昼間も張っていてくれたら馬車酔いも少なくて済んだんじゃ……?」
「エヘッ、うっかり思いつかなかったの♡フカミちゃんが魘されているとこ見てムラムラなんてして無いから安心してね♡」
「今の言葉で一気に安心出来なくなりましたよ!」
「はいはい、怒らない怒らない。お水のおかわりどーぞー♡」
「ぐぅ、餌付けされている気がする」
冷えたレモン水を口に含み、その美味しさに何だかんだとネオレに絆されて深海は初めての野営を体験するのであった。
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