聖女として召喚されたのは双子の兄妹でしたー聖女である妹のオマケとされた片割れは国王の小姓となって王都復興を目指しますー

高井繭来

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オマケは御使い様になりました

【魔術師長様の恋煩い事情7】

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「あ~今日は幸せだったなぁ~♪」

 入浴も済ませキングサイズのベッドに転がってフィルドは嬉しそうに言葉を吐いた。

 深海をジャクタル王国迄連れていってデートを楽しんだ。
 珍しい深海のスカート姿。
 嬉しそうな笑顔。
 密着した時に感じる体の柔らかさ。
 女の子特有の良い匂い。
 頬にキスされた時の唇の温かさ。

 どれもフィルドのツボをついていた。
 鳴海には感謝してもし足りない。

 あの後、イチゴを堪能し、皆のお土産にイチゴを購入し行きと同じ経路で帰って来た。

「フカミちゃん竜車喜んでたな…今度お姫様抱っこでアクロバット飛行してみようかな?喜ぶかな?」

 眠気がやって来ない。
 興奮して脳が眠りを拒否するのだ。
 考えるのは深海の事ばかり。
 産まれて初めての経験だ。

 女と付き合ったことがない訳ではない。
 だが恋愛感情を抱くのはこれが初めてだった。

 つまりは初恋だ。

「フカミちゃんて男と付き合った事あるのかなぁ…多分隠れファンは結構いたと思うんだよねぇ~」

 フィルドの言う通り、深海は前の世界でもそれなりに男人気が高かった。
 自分が女だと言う事を意識しないから、異性でも距離感が近いのだ。
 それでいてコミュ力も低くない。
 運動が得意だから男子とのスポーツにも混じったりするし、サブカル好きでもあるからオタクにも優しかったりする。

 ”俺だけが知っているあの子の可愛さ”

 そう言ったものを深海は男に抱かせる。
 本人は無意識だ。
 しかも警戒心0。
 鳴海が防波堤になっていたから今まで変な輩に絡まれずにすんだのだろう。
 鳴海が深海に過保護なのも時間がたてばその理由がこうして分かって来る。

 本当にフィルドは鳴海に感謝してもし足りない。

 深海を男から遠ざけてくれて有難う、だ。
 まぁ深海を堕とすうえで最大の障害も鳴海であるのだが。
 自分はデートが許されるくらいには信頼されているようである。

「次はお泊り行きたいけどまだ駄目だよねー、ナルミちゃんその辺厳しそうだし?服買うとかセーフかな?」

 男の必殺プレゼント。
 女の子に服を買う。
 もれなく脱がせたいですの意味が付いてくる。
 深海はそんな意味しらないだろうが。
 鳴海は気付くだろう。
 これはアウトすれすれのセーフか、セーフすれすれのアウトか判断が悩むところである。

 それに男装がニュートラルな深海の服を選ぶのは大変だろう。
 おそらく男物コーナーに行かれる事間違いない。
 どうせ脱がすなら可愛い服が良い。
 どうせ見るなら可愛い下着が良い。

「う~ん可愛い下着?フカミちゃん胸あるから可愛いよりセクシー系の方が似合いそう、美人さんだし。でも若いから上品なデザインの純白の下着とかも良い!うん、凄く良い!!」

 服よりも難易度の高い下着を考える辺り、フィルドの脳内はお花畑全開である。
 仕方ない、初恋なのだから。

 実際の所フィルドは深海が相手なら、スポーツブラにボクサーパンツの深海でも十分興奮する事だろう。
 20代半ば、まだ十分に若いのだ。
 並大抵の性欲ではない。

「でも性別不詳気味の相手にこんだけ入れ込むって、俺ご先祖様の血が濃いからかなぁ…?」

 フィルドの先祖は年齢不詳の少女を愛し込んでいた。
 偶に夢で見るのだ。
 先祖視点の過去の夢。
 男はフィルドと同じ色の目。
 少女はフィルドと同じ愉快犯。
 お互いがどれだけ愛し合っていたかなんて、その夢でどれだけ思い知らされているか。

 そして先祖の過去の夢を見ている為、フィルドは恋人には先祖たちと同じ熱量の愛情を求める。
 そしてソレが自分に還ってくることはこれまで無かった。

 皆最初は若くして能力のあるフィルドを愛してると言うのだ。
 だがフィルドの魔術を見ると、皆恐れだす。
 自分たちとは規格外の魔力の量に、フィルドをバケモノを見るような目で見てくるのだ。
 そうしてフィルドは何時もそこで熱が冷める。

 怯える相手に愛情を注いで何になる?

 きっと隠されたフィルドの目を見たら、皆はもっと怯えるだろう。
 だからフィルドは頑なに目を見せない。
 ベッドの中でなら、本命なら見せると言うのは嘘ではない。
 そうなる前に、皆フィルドの前から立ち去るのだ。

 だが深海はフィルドを恐れない。
 大概能力は見せつけていると思う。
 国家復興を短期間で行うにはフィルドの魔術が欠かせなかったから。
 そのフィルドの魔術を深海は便利な道具、くらいの認識しかないのだ。

 深海なら、フィルドの本気の魔力を見ても恐れないかも知れない。
 人間と違う瞳の色も恐れないかも知れない。

 その時が来るのを期待と恐怖半分で、フィルドは今はこの初恋を存分に楽しむことにしているのだった。
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