聖女として召喚されたのは双子の兄妹でしたー聖女である妹のオマケとされた片割れは国王の小姓となって王都復興を目指しますー

高井繭来

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オマケは御使い様になりました

【御使い様の情緒事情】

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「ふーちゃん、デート楽しかった?」

「デート?」

「フィルド様とデートして来たんでしょ?」

「男同士でもデートと言うのか普通?」

「もう、ふ―ちゃんは女の子でしょう!」

「!?」

 深海の目が大きく見開かれた。
 鳩が豆鉄砲を食ったよう、と言うのはこういう時に使う言葉だろう。
 本気で自分が女である事を忘れていたらしい。
 今日はスカートも履いたのに…。
 胸に強力な武器を膨らませているのに……。

「フィルド様カワウソ……」

「いや、フィルド様はカワウソと言うより大型犬だぞ?」

「うん、そう返ってくると思ってた。ではやり直して、フィルド様可哀想………」

「何でフィルド様が可哀想なんだよ?」

「デートを認識して貰えてないなんて男としては屈辱だよ?」

「あれ、デートなのか……?」

 目を瞑り、顎に手を当て深海は考え始めた。

 帝国で串焼きを食べたり。
 横抱きで抱えられフライトを楽しんだり。
 竜車に乗って刺激を味わったり。
 ケモ耳に興奮したり。
 頬が落ちそうな程美味しいイチゴに喜んだり。

 男女でやるなら、確かにデートと言えるかもしれない……。

「でも俺とフィルド様だぞ?あんないい男の大人のフィルド様が俺みたいなガキ相手にする訳がないだろ?」

「ふーちゃん!恋に年齢は関係ないよ!それにふ―ちゃんはちゃんと可愛い女の子だから自覚して!!」

「可愛いのはお前だろナル?」

「うん、私も凄く可愛いけどね、ふ―ちゃんだって可愛い女の子なの!寧ろふーちゃんは美人さんて言った方が正確かも知れないの!それくらい魅力あるんだよ!!」

 鳴海が熱弁する。
 自分の性別すら忘れている妹に、ちゃんと自分は女の子なのだと自覚して欲しいのだ。
 だって余りにも勿体ない。
 深海は磨けば光る原石なのだから。
 そしてフィルドはソレを分かった上で、深海に接しているように鳴海には見える。

 だがやはりシックリこないのか、深海は首を捻っている。

「じゃぁフィルド様が恋愛感情抱いていないとしても、ふ―ちゃんはフィルド様をどう思っているの?」

「うーん、手のかかる大きな子供で魔術で何でも解決してくれる便利な人で一緒に居て楽しい人だな」

「つまり好き?」

「うん、好きだぞ」

 ライクかラブかは置いておいて、フィルドに好意があるのに間違いはないらしい。
 情緒が育ったらラブの方に転ぶ可能性も十分にある。

(う~ん、どうしよ?私の言葉次第ではふーちゃん十分にフィルド様の事好きになりそうなんだよね。今のライクの感情をラブの方に導いちゃって良いのかな?フィルド様が悪い物件て事は無いんだけど、ううん寧ろ優良物件なんだうよね。でも他にもイイ男の人いるから今すぐ決めなくても、て思うんだけど……)

 瞼を閉じて顎に手を当てて鳴海は考え出した。
 仕草が深海にそっくりだ。
 さすがは双子である。

(う~ん、俺、フィルド様の事好きなのかな?恋愛の意味合いで?一緒に居て確かに楽しいけど、ドキドキとかキュンだとか胸が高鳴るみたいな現象が無いんだよなぁ…好きなのは好きなんだけど、これ友情じゃないか?)

 その夜、深海と鳴海は恋愛について考えすぎてよく寝れなかった。
 眼の下のクマが酷いのをルナト―に治して貰いに行って、寝不足の原因を聞かれて、藪を突いて蛇を出す事になるのだった。
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