119 / 167
御使い様が誑しに進化しました
【御使い様は学びたい23】
しおりを挟む
最初に温泉に入るのはルナトーだ。
銭湯じゃないけどカッポーンの効果音を付けたくなる。
それ程に良い湯である。
動物が入れるだけあって人間にもその温度は心地良く感じられる。
「ん~~~~最高っ♡」
温泉の方からルナトーの気持ちよさそうな声が聞こえてくる。
美少女は声まで可愛い。
待機している見張り役が深海とフィルドでなければ思わず一目、と覗きに行っていたことであろう。
しかし深海は同性に興味がないし、フィルドは女の子は皆好きだが今は隣の存在に夢中なのだ。
覗く気など1㎜も起きなかった。
「気持ち良いみたいですね、俺も早く入りたいです。もう一緒に入っちゃいません?」
「駄目駄目駄目!フカミちゃんまだ成人もしていない女の子なんだから、成人男性と一緒にお風呂なんか入ったら駄目です絶対!!」
「俺は誰でも良い訳じゃ無いんですけど、フィルド様なら気にならないだけで」
「お願いだから気にして!俺の色んなものが持たないから!!」
「だって俺今臭いですもん、アイテムで誤魔化しているとはいえ。早く清潔になりたいです」
「フカミちゃんは臭くないよ?」
「アイテム持ってるからですって」
「朝方は持ってないでしょ?俺の目を見に来るときに臭いなんて思ったこと無いよ………逆ならあるけど(ボソッ)」
最後は深海に聞こえない小さな声でフィルドは呟いた。
そう深海は臭くない。
ちゃんと毎日出来る限りの手段で清潔にしているからもあるだろうが、深海の体臭は臭いどころかフィルドには好ましく感じられる。
おそらく遺伝子情報が真反対なのだろう。
人間は自分と遺伝子が離れている者ほど好意を抱く。
異性なら尚更だ。
優秀な遺伝子を残すため、男と女は己と真反対の遺伝子の持ち主に惹かれるように作り上げられている。
ソレを知っていたらフィルドはもう少し深海に積極的になれたかもしれない。
だが世の中惚れた者の負け。
遺伝子がどうこう言う前にフィルドは深海が自分の目を好きだと言ってくれたあの瞬間から、心の全てが深海の物になったのだ。
今だって匂いを感じなくてもドキドキして心臓が破裂しそうだ。
ぴったりと寄り添った肩。
深海の体温が伝わる。
その体温が心地よい。
そして柔らかな感触、いくら鍛えていても、筋肉質でもやはり女である深海は柔らかい。
二の腕の柔らかさがフィルドの心臓の動きを大きくさせる。
これは早くルナトーに上がって貰わないとフィルドが精神的に持たないかも知れない。
(ルナトーちゃん早く上がって来て―――――っ!!)
フィルドは初めて心の中でだがルナトーに祈ったのだった。
そして気付いてしまったことがある。
子羊ちゃんのフィルドにとって深海はオオカミだが、ルナトーにとっては深海がウサギちゃんでルナトーがオオカミさんである。
こちらから温泉が見えないように、温泉からも見張り番の姿は見えない。
次に温泉に入るのはフィルドの番。
その間、この場所に深海とルナトーが取り残される。
ウサギちゃんとオオカミさん。
深海の身の危険である。
何せあのオオカミ、「最終的に気持ちよくなったら和姦でしょ♡」な考えの持ち主にして、あまたの女を喰らったテクニシャンである。
いくら深海が強いとは言っても流石にルナトーは殴らないだろう。
その隙を間違いなくルナトーはつく。
テクニシャンのルナトーはその隙だけで十分だ。
深海に快楽を仕込むくらい一瞬でやってのける。
(ふ、フカミちゃんがルナトーちゃんに食べられちゃう!駄目絶対!!)
「フィルド様、どうしました?」
特にフィルドに変わった様子を表したわけでは無い。
でも何故か深海はフィルドのそんな些細な変化にも気付くのだ。
今もフィルドが焦っていることに気付いている。
原因までも分かるわけでは無いのだが。
それでも、深海のフィルドの様子にすぐ察してくれるような柔らかい所がフィルドは大好きなのである。
この優しくて大好きな少女を雌オオカミの魔の手から守らないといけない。
だからフィルドは気力を振り絞り言った。
「フカミちゃん、やっぱり一緒に温泉入ろーか?」
背中に冷や汗が伝う。
ドラゴンの群れを前にしてもこんなに緊張をしたことが無い。
「はい、背中流してあげますねフィルド様」
笑顔で深海は承諾したのだった。
銭湯じゃないけどカッポーンの効果音を付けたくなる。
それ程に良い湯である。
動物が入れるだけあって人間にもその温度は心地良く感じられる。
「ん~~~~最高っ♡」
温泉の方からルナトーの気持ちよさそうな声が聞こえてくる。
美少女は声まで可愛い。
待機している見張り役が深海とフィルドでなければ思わず一目、と覗きに行っていたことであろう。
しかし深海は同性に興味がないし、フィルドは女の子は皆好きだが今は隣の存在に夢中なのだ。
覗く気など1㎜も起きなかった。
「気持ち良いみたいですね、俺も早く入りたいです。もう一緒に入っちゃいません?」
「駄目駄目駄目!フカミちゃんまだ成人もしていない女の子なんだから、成人男性と一緒にお風呂なんか入ったら駄目です絶対!!」
「俺は誰でも良い訳じゃ無いんですけど、フィルド様なら気にならないだけで」
「お願いだから気にして!俺の色んなものが持たないから!!」
「だって俺今臭いですもん、アイテムで誤魔化しているとはいえ。早く清潔になりたいです」
「フカミちゃんは臭くないよ?」
「アイテム持ってるからですって」
「朝方は持ってないでしょ?俺の目を見に来るときに臭いなんて思ったこと無いよ………逆ならあるけど(ボソッ)」
最後は深海に聞こえない小さな声でフィルドは呟いた。
そう深海は臭くない。
ちゃんと毎日出来る限りの手段で清潔にしているからもあるだろうが、深海の体臭は臭いどころかフィルドには好ましく感じられる。
おそらく遺伝子情報が真反対なのだろう。
人間は自分と遺伝子が離れている者ほど好意を抱く。
異性なら尚更だ。
優秀な遺伝子を残すため、男と女は己と真反対の遺伝子の持ち主に惹かれるように作り上げられている。
ソレを知っていたらフィルドはもう少し深海に積極的になれたかもしれない。
だが世の中惚れた者の負け。
遺伝子がどうこう言う前にフィルドは深海が自分の目を好きだと言ってくれたあの瞬間から、心の全てが深海の物になったのだ。
今だって匂いを感じなくてもドキドキして心臓が破裂しそうだ。
ぴったりと寄り添った肩。
深海の体温が伝わる。
その体温が心地よい。
そして柔らかな感触、いくら鍛えていても、筋肉質でもやはり女である深海は柔らかい。
二の腕の柔らかさがフィルドの心臓の動きを大きくさせる。
これは早くルナトーに上がって貰わないとフィルドが精神的に持たないかも知れない。
(ルナトーちゃん早く上がって来て―――――っ!!)
フィルドは初めて心の中でだがルナトーに祈ったのだった。
そして気付いてしまったことがある。
子羊ちゃんのフィルドにとって深海はオオカミだが、ルナトーにとっては深海がウサギちゃんでルナトーがオオカミさんである。
こちらから温泉が見えないように、温泉からも見張り番の姿は見えない。
次に温泉に入るのはフィルドの番。
その間、この場所に深海とルナトーが取り残される。
ウサギちゃんとオオカミさん。
深海の身の危険である。
何せあのオオカミ、「最終的に気持ちよくなったら和姦でしょ♡」な考えの持ち主にして、あまたの女を喰らったテクニシャンである。
いくら深海が強いとは言っても流石にルナトーは殴らないだろう。
その隙を間違いなくルナトーはつく。
テクニシャンのルナトーはその隙だけで十分だ。
深海に快楽を仕込むくらい一瞬でやってのける。
(ふ、フカミちゃんがルナトーちゃんに食べられちゃう!駄目絶対!!)
「フィルド様、どうしました?」
特にフィルドに変わった様子を表したわけでは無い。
でも何故か深海はフィルドのそんな些細な変化にも気付くのだ。
今もフィルドが焦っていることに気付いている。
原因までも分かるわけでは無いのだが。
それでも、深海のフィルドの様子にすぐ察してくれるような柔らかい所がフィルドは大好きなのである。
この優しくて大好きな少女を雌オオカミの魔の手から守らないといけない。
だからフィルドは気力を振り絞り言った。
「フカミちゃん、やっぱり一緒に温泉入ろーか?」
背中に冷や汗が伝う。
ドラゴンの群れを前にしてもこんなに緊張をしたことが無い。
「はい、背中流してあげますねフィルド様」
笑顔で深海は承諾したのだった。
0
あなたにおすすめの小説
存在感のない聖女が姿を消した後 [完]
風龍佳乃
恋愛
聖女であるディアターナは
永く仕えた国を捨てた。
何故って?
それは新たに現れた聖女が
ヒロインだったから。
ディアターナは
いつの日からか新聖女と比べられ
人々の心が離れていった事を悟った。
もう私の役目は終わったわ…
神託を受けたディアターナは
手紙を残して消えた。
残された国は天災に見舞われ
てしまった。
しかし聖女は戻る事はなかった。
ディアターナは西帝国にて
初代聖女のコリーアンナに出会い
運命を切り開いて
自分自身の幸せをみつけるのだった。
タダ働きなので待遇改善を求めて抗議したら、精霊達から『破壊神』と怖れられています。
渡里あずま
ファンタジー
出来損ないの聖女・アガタ。
しかし、精霊の加護を持つ新たな聖女が現れて、王子から婚約破棄された時――彼女は、前世(現代)の記憶を取り戻した。
「それなら、今までの報酬を払って貰えますか?」
※※※
虐げられていた子が、モフモフしながらやりたいことを探す旅に出る話です。
※重複投稿作品※
表紙の使用画像は、AdobeStockのものです。
召喚失敗!?いや、私聖女みたいなんですけど・・・まぁいっか。
SaToo
ファンタジー
聖女を召喚しておいてお前は聖女じゃないって、それはなくない?
その魔道具、私の力量りきれてないよ?まぁ聖女じゃないっていうならそれでもいいけど。
ってなんで地下牢に閉じ込められてるんだろ…。
せっかく異世界に来たんだから、世界中を旅したいよ。
こんなところさっさと抜け出して、旅に出ますか。
「魔道具の燃料でしかない」と言われた聖女が追い出されたので、結界は消えます
七辻ゆゆ
ファンタジー
聖女ミュゼの仕事は魔道具に力を注ぐだけだ。そうして国を覆う大結界が発動している。
「ルーチェは魔道具に力を注げる上、癒やしの力まで持っている、まさに聖女だ。燃料でしかない平民のおまえとは比べようもない」
そう言われて、ミュゼは城を追い出された。
しかし城から出たことのなかったミュゼが外の世界に恐怖した結果、自力で結界を張れるようになっていた。
そしてミュゼが力を注がなくなった大結界は力を失い……
私はもう必要ないらしいので、国を護る秘術を解くことにした〜気づいた頃には、もう遅いですよ?〜
AK
ファンタジー
ランドロール公爵家は、数百年前に王国を大地震の脅威から護った『要の巫女』の子孫として王国に名を残している。
そして15歳になったリシア・ランドロールも一族の慣しに従って『要の巫女』の座を受け継ぐこととなる。
さらに王太子がリシアを婚約者に選んだことで二人は婚約を結ぶことが決定した。
しかし本物の巫女としての力を持っていたのは初代のみで、それ以降はただ形式上の祈りを捧げる名ばかりの巫女ばかりであった。
それ故に時代とともにランドロール公爵家を敬う者は減っていき、遂に王太子アストラはリシアとの婚約破棄を宣言すると共にランドロール家の爵位を剥奪する事を決定してしまう。
だが彼らは知らなかった。リシアこそが初代『要の巫女』の生まれ変わりであり、これから王国で発生する大地震を予兆し鎮めていたと言う事実を。
そして「もう私は必要ないんですよね?」と、そっと術を解き、リシアは国を後にする決意をするのだった。
※小説家になろう・カクヨムにも同タイトルで投稿しています。
聖女の力を隠して塩対応していたら追放されたので冒険者になろうと思います
登龍乃月
ファンタジー
「フィリア! お前のような卑怯な女はいらん! 即刻国から出てゆくがいい!」
「え? いいんですか?」
聖女候補の一人である私、フィリアは王国の皇太子の嫁候補の一人でもあった。
聖女となった者が皇太子の妻となる。
そんな話が持ち上がり、私が嫁兼聖女候補に入ったと知らされた時は絶望だった。
皇太子はデブだし臭いし歯磨きもしない見てくれ最悪のニキビ顔、性格は傲慢でわがまま厚顔無恥の最悪を極める、そのくせプライド高いナルシスト。
私の一番嫌いなタイプだった。
ある日聖女の力に目覚めてしまった私、しかし皇太子の嫁になるなんて死んでも嫌だったので一生懸命その力を隠し、皇太子から嫌われるよう塩対応を続けていた。
そんなある日、冤罪をかけられた私はなんと国外追放。
やった!
これで最悪な責務から解放された!
隣の国に流れ着いた私はたまたま出会った冒険者バルトにスカウトされ、冒険者として新たな人生のスタートを切る事になった。
そして真の聖女たるフィリアが消えたことにより、彼女が無自覚に張っていた退魔の結界が消え、皇太子や城に様々な災厄が降りかかっていくのであった。
2025/9/29
追記開始しました。毎日更新は難しいですが気長にお待ちください。
魔物が棲む森に捨てられた私を拾ったのは、私を捨てた王子がいる国の騎士様だった件について。
imu
ファンタジー
病院の帰り道、歩くのもやっとな状態の私、花宮 凛羽 21歳。
今にも倒れそうな体に鞭を打ち、家まで15分の道を歩いていた。
あぁ、タクシーにすればよかったと、後悔し始めた時。
「—っ⁉︎」
私の体は、眩い光に包まれた。
次に目覚めた時、そこは、
「どこ…、ここ……。」
何故かずぶ濡れな私と、きらびやかな人達がいる世界でした。
【完結】人々に魔女と呼ばれていた私が実は聖女でした。聖女様治療して下さい?誰がんな事すっかバーカ!
隣のカキ
ファンタジー
私は魔法が使える。そのせいで故郷の村では魔女と迫害され、悲しい思いをたくさんした。でも、村を出てからは聖女となり活躍しています。私の唯一の味方であったお母さん。またすぐに会いに行きますからね。あと村人、テメぇらはブッ叩く。
※三章からバトル多めです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる