ギルドのミッションに失敗して、ギルドから追放された冒険者の主人公が、悪役令嬢の屋敷で下働きするが、お嬢様にこきを使われる。

小説好き和正

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1 はじまり

お嬢様の苦悶

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「他に話す人いなかったのか?」
「この屋敷からあまり出たこと無いのよ。この性格だし、嫌われると思って」
「なるほどなぁ。確かに寄り付きがたい性格してるな」
「ちょっと! 少しは慰めてよ!」
「寂しいのか?」

「バカにしないでよ!」
「悪い」
「ふんっ」
 ランシーは機嫌を悪くした。
「特別に許して上げるわ」
「そりゃどうも」

「この部屋片付けてくれる?」
「はいよ」
 部屋を片付け始めるが、散らかりすぎだ。
「少しはきれいにした方がいいんじゃないか?」
「掃除は苦手なのよ」
「なんだ、これ?」
 女性ものの下着だ。

「それは私のパンツよ! じろじろ見ないで!」
「片付けろよ。男がいるんだから。それにしても」
「見ないでって言ってるでしょ!」
 ランシーが取り上げる。

「あなたを連れてくるとは思わなかったから」
「それは悪かったな」
「違うの。そうじゃなくて。あなたを見たとき、助けなきゃって思ったの」
「・・・」
「冒険者は冒険をしないと生きていけない。でも、あなたは追い出された。助けるのが私の役目だと感じたから」
「ありがとう」
「勘違いしないでよね!」
(そこはツンデレなのね)

「あなたも大変だものね。この屋敷を助けてくれれば、いつまでもいて良いわよ」
「それって」
「深い意味はないわよ」
「助かるよ」

 ハロルドはランシーと話をして、関係が深まった。
 そんなある日、ハロルドはランシーにこんな質問をした。

「ランシーは冒険したことはないのか?」
「私は令嬢よ。あるわけ無いじゃない」
「だよな」
「けど、興味はあるわね。戦うのは好きじゃないけど」
「大変だからな」

 二人は話をして、日が暮れた。
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