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中編
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ウトウトしていたルイーザは、微かな物音を聞きとると意識を集中させた。
何者かがこの部屋に近づいてきている。
足音を隠す気はないようだ。
階段を上る音。
紙袋のようなものを置く音。
ドサリと雑に何かを置いた音。
そして、足音はルイーザのいる部屋の前で止まった。
ガチャガチャと鍵――音の感じから錠前だろう――を外す音が続く。
(1…2…3…。おいおい、何個鍵をつけてんだよ…)
音から察するに、鍵は6個付けられていたようだ。
これではドアノブを壊したところで出られなかっただろう。
ガチャリ――。
ドアノブが回され、ゆっくりと扉が開いた。
ベッドに寝そべったまま、ルイーザは部屋の入り口を見ていた。
目が合った。
「…まさかアンタが誘拐犯とは思わなかったよ…」
入り口には、ルイーザがよく知っている男が立っていた。
彼はルイーザがベッドに寝そべっている様子を見て、どこかホッとした様子を見せた。
「起きていたか…」
「ああ。時計がないから正確な時間はわからないけど、体感では1時間くらい前だ。
――私を殺すのが目的じゃないのなら、その手に持ってる物騒なもんを仕舞って欲しいんだけど」
男の手には拳銃が握られていた。
「…君が大人しくしていればこれを使わずに済むさ」
「あぁ、そうかい。じゃあ私が、アンタにそれを使わせずに済むように、うまくやりなよ」
今すぐに銃弾が撃ち込まれることはないようだ。
男は入り口から動くこと無く、ルイーザを観察している。
「それで、私をこんな所に連れ込んで何をするつもり? 若くして政府の治安部隊の高官に上り詰めたエリートであらせられる、クラウス・Fさんはさぁ?」
クラウス・Fはルイーザの同期であり、その中の出世頭である。
新人の頃からつい最近まで、顔を合わせる度に必ず絡んでくるのがこの男だった。
衣服で隠れている彼の肉体は、ムダなく筋肉に覆われている。
見た目を裏切らずに戦闘能力が高い彼には、閑職に追いやられ筋力が落ちてきたルイーザでは到底叶わないだろう。
(まあクラウスが犯人なら、私があっさり拉致られたのも納得だわ…悔しいけど…)
この男ならば、ターゲットに気づかれることも周囲に知られることなく連れ去ることが出来ただろう。
そういう点では、ルイーザは彼を信頼していた。
彼のスキルは高い。
二十代までは2歳年下の彼に負けるものかと意気込んで、必死に食らいついたものだった。
だが彼はルイーザをどんどん引き離し、無能な上官共を蹴散らしてそのポストに納まっていった。
さすがに大佐より上の階級となると、実力の他にコネも必要になってくるらしい。
ルイーザ同様に貧しい出身のクラウスは現在、大佐としての在任期間を更新中だ。
ルイーザなど、十年前から少尉のまま昇級できていない。
「ルイーザ・D…」
「…」
「君は…もうここから出ることはできない」
「へぇ…」
どうやらルイーザは一生をここで終えなければならないようだ。
「もし、君が拒否をするのなら…」
クラウスは銃口をルイーザに向けた。
彼の瞳には、ほの暗い光が宿っている。
「なに、拒否したら殺すって? へぇ~…。それで、受け入れたらどうすんの? 衣食住の面倒を一生みてくれるってわけ?」
茶化すつもりはないが、やや投げやりな言い方になってしまう。
「そうだ」
「ふーん、そう。…え、そうなの?」
思わずガバッと身を起こす。
だが銃口がこちらを向いていることを瞬時に思い出すと、ルイーザは身を起こした体勢のまま動きを止めた。
ルイーザは真偽を確かめるためにクラウスを見つめた。
クラウスはルイーザが部屋から出ない様に警戒している。
2人はしばし見つめ合った。
やがてクラウスが口を開いた。
「君の首には『拘束の首輪』を装着した。この家の敷地内から出たら、拘束の首輪が爆破するように設定してある。命が惜しければ大人しくしていろ」
「マジか…」
そっと首輪に触れた。
予想通りの代物だったようだ。
「一生ここで暮らすとして、そもそもここはどこなんだ?」
ルイーザは自分でも驚くほど冷静だった。
彼女も治安部隊に所属する人間の端くれだ。
今は裏方に回って備品整理に勤しんでいるが、二十代の頃は戦場を駆け回ったり、敵地に潜入して情報収集に当たったりもした。
なるべく相手から多くの情報を引き出すため、積極的に話しかけることにした。
まあこの男が相手では、肉弾戦も頭脳戦も勝率は低いのだが、やらないよりはマシだ。
「俺の家だ」
「へぇ。賃貸?」
「いや…」
(私が敷地内から出たら爆発するんだから、近所迷惑も考えて郊外にでも家を建てたか?)
「持ち家なわけか…家を買えるだけの金があるなんて、羨ましい限りだわ。せっかくのマイホームを、同期の四十路近い女を監禁するために使っていいのか?
――もしかして、もう一軒家を持ってて、アンタが寝泊まりするのはそっちだったり?」
「いや。俺の家はここだけだ。――君と暮らすために購入した」
「ふぅん…」
『君と暮らすために購入した』。
これだけ聞けば、プロポーズといえなくもないのだが…。
物騒な首輪を装着されたあげく、銃口を向けられてはトキメクわけがなかった。
「私を攫ったのは5日の15時以降だよな? 今日は何日で、今は何時だ?」
「6日の1時29分だ」
「半日も経ってないのか…」
意識を失わせた方法はわからないが、薬品だとしたら目を覚ますのに妥当な経過時間だ。
「私の退勤記録はどうしたんだ?」
「早退届を出してある。今日から3日間は有給休暇を申請している」
「おい、勝手に人の有休を消費すんなよ…」
無断欠勤は避けられたようだ。
「有休が3日間ってことは、その後はどうするつもり?」
「退職届を書いて貰う」
「あー、そういうことね…。予想通りの回答ありがとう」
勤怠届は代理での提出が可能だが、退職届に関しては本人の意思が重要となるため、直筆で書類を作成する必要がある。
そうでなければ、邪魔な相手を勝手に退職に追い込む輩が続出するからだ。
クラウスは3日間の間にルイーザに退職届を書くよう要請するつもりだったのだろう。
「じゃあ、はい」
「…なんだ?」
ルイーザはクラウスに向けて右手を差し出した。
「退職届書くから、必要なもんよこしな。面倒なことはさっさと終わらせるに限るからな」
ルイーザは前向きにこの監禁生活を受け入れようとしていた。
そんな彼女の態度に、クラウスは目を丸くした。
(『まさか受け入れられるなんて…。いや、油断させておいて逃げ出す算段を立てるのか』――とでも思ってるんだろうな、あの顔は…)
「い、いいのか…?」
「は? アンタが書けっていったんだろ?」
「まあ、そうだが…」
クラウスは銃を構える右手を降ろした。
ルイーザから視線を外さず、ゆっくりと後退していった。
クラウスが動いたことで扉の外が見えた。
ソファが見えるので、どうやらリビングのようだ。
クラウスは目線をルイーザに向けたままでソファ横に置かれた黒い鞄を漁ると、ファイルとペンケースを手にして戻ってきた。
そっとベッドの上に放ると、クラウスは逃げ道を塞ぐように部屋の入り口に立った。
銃は腰のホルスターにしまったようだ。
ルイーザはファイルとペンケースに手を伸ばした。
ファイルには見本を含め10枚の用紙が入っている。
テーブルランプの位置をずらし、サイドテーブルで用紙の必要事項を記入していった。
(退職理由は…『一身上の都合』でいいか)
同期に監禁されて退職するよう迫られたため――だなんて書けるわけないのだから。
二十年以上勤めた職場を離れることに抵抗はなかった。
(長いこと勤めたんだから、ちゃんと退職金は払って貰えるんだろうな…?)
そこでふと、ルイーザは気づいた。
「退職金…というか、私の貯金はどうなるんだ? …まさか、処分したなんて言わないだろうな…?」
「そんなわけないだろう。貴重品はもちろん、私物も既に下のガレージに運び込んである」
「…家の解約もしたのか?」
「帰ることのない家の家賃を支払い続ける必要など無いだろう?」
「…」
考えるのが面倒になったルイーザは、黙って書類を書く手を動かした。
何者かがこの部屋に近づいてきている。
足音を隠す気はないようだ。
階段を上る音。
紙袋のようなものを置く音。
ドサリと雑に何かを置いた音。
そして、足音はルイーザのいる部屋の前で止まった。
ガチャガチャと鍵――音の感じから錠前だろう――を外す音が続く。
(1…2…3…。おいおい、何個鍵をつけてんだよ…)
音から察するに、鍵は6個付けられていたようだ。
これではドアノブを壊したところで出られなかっただろう。
ガチャリ――。
ドアノブが回され、ゆっくりと扉が開いた。
ベッドに寝そべったまま、ルイーザは部屋の入り口を見ていた。
目が合った。
「…まさかアンタが誘拐犯とは思わなかったよ…」
入り口には、ルイーザがよく知っている男が立っていた。
彼はルイーザがベッドに寝そべっている様子を見て、どこかホッとした様子を見せた。
「起きていたか…」
「ああ。時計がないから正確な時間はわからないけど、体感では1時間くらい前だ。
――私を殺すのが目的じゃないのなら、その手に持ってる物騒なもんを仕舞って欲しいんだけど」
男の手には拳銃が握られていた。
「…君が大人しくしていればこれを使わずに済むさ」
「あぁ、そうかい。じゃあ私が、アンタにそれを使わせずに済むように、うまくやりなよ」
今すぐに銃弾が撃ち込まれることはないようだ。
男は入り口から動くこと無く、ルイーザを観察している。
「それで、私をこんな所に連れ込んで何をするつもり? 若くして政府の治安部隊の高官に上り詰めたエリートであらせられる、クラウス・Fさんはさぁ?」
クラウス・Fはルイーザの同期であり、その中の出世頭である。
新人の頃からつい最近まで、顔を合わせる度に必ず絡んでくるのがこの男だった。
衣服で隠れている彼の肉体は、ムダなく筋肉に覆われている。
見た目を裏切らずに戦闘能力が高い彼には、閑職に追いやられ筋力が落ちてきたルイーザでは到底叶わないだろう。
(まあクラウスが犯人なら、私があっさり拉致られたのも納得だわ…悔しいけど…)
この男ならば、ターゲットに気づかれることも周囲に知られることなく連れ去ることが出来ただろう。
そういう点では、ルイーザは彼を信頼していた。
彼のスキルは高い。
二十代までは2歳年下の彼に負けるものかと意気込んで、必死に食らいついたものだった。
だが彼はルイーザをどんどん引き離し、無能な上官共を蹴散らしてそのポストに納まっていった。
さすがに大佐より上の階級となると、実力の他にコネも必要になってくるらしい。
ルイーザ同様に貧しい出身のクラウスは現在、大佐としての在任期間を更新中だ。
ルイーザなど、十年前から少尉のまま昇級できていない。
「ルイーザ・D…」
「…」
「君は…もうここから出ることはできない」
「へぇ…」
どうやらルイーザは一生をここで終えなければならないようだ。
「もし、君が拒否をするのなら…」
クラウスは銃口をルイーザに向けた。
彼の瞳には、ほの暗い光が宿っている。
「なに、拒否したら殺すって? へぇ~…。それで、受け入れたらどうすんの? 衣食住の面倒を一生みてくれるってわけ?」
茶化すつもりはないが、やや投げやりな言い方になってしまう。
「そうだ」
「ふーん、そう。…え、そうなの?」
思わずガバッと身を起こす。
だが銃口がこちらを向いていることを瞬時に思い出すと、ルイーザは身を起こした体勢のまま動きを止めた。
ルイーザは真偽を確かめるためにクラウスを見つめた。
クラウスはルイーザが部屋から出ない様に警戒している。
2人はしばし見つめ合った。
やがてクラウスが口を開いた。
「君の首には『拘束の首輪』を装着した。この家の敷地内から出たら、拘束の首輪が爆破するように設定してある。命が惜しければ大人しくしていろ」
「マジか…」
そっと首輪に触れた。
予想通りの代物だったようだ。
「一生ここで暮らすとして、そもそもここはどこなんだ?」
ルイーザは自分でも驚くほど冷静だった。
彼女も治安部隊に所属する人間の端くれだ。
今は裏方に回って備品整理に勤しんでいるが、二十代の頃は戦場を駆け回ったり、敵地に潜入して情報収集に当たったりもした。
なるべく相手から多くの情報を引き出すため、積極的に話しかけることにした。
まあこの男が相手では、肉弾戦も頭脳戦も勝率は低いのだが、やらないよりはマシだ。
「俺の家だ」
「へぇ。賃貸?」
「いや…」
(私が敷地内から出たら爆発するんだから、近所迷惑も考えて郊外にでも家を建てたか?)
「持ち家なわけか…家を買えるだけの金があるなんて、羨ましい限りだわ。せっかくのマイホームを、同期の四十路近い女を監禁するために使っていいのか?
――もしかして、もう一軒家を持ってて、アンタが寝泊まりするのはそっちだったり?」
「いや。俺の家はここだけだ。――君と暮らすために購入した」
「ふぅん…」
『君と暮らすために購入した』。
これだけ聞けば、プロポーズといえなくもないのだが…。
物騒な首輪を装着されたあげく、銃口を向けられてはトキメクわけがなかった。
「私を攫ったのは5日の15時以降だよな? 今日は何日で、今は何時だ?」
「6日の1時29分だ」
「半日も経ってないのか…」
意識を失わせた方法はわからないが、薬品だとしたら目を覚ますのに妥当な経過時間だ。
「私の退勤記録はどうしたんだ?」
「早退届を出してある。今日から3日間は有給休暇を申請している」
「おい、勝手に人の有休を消費すんなよ…」
無断欠勤は避けられたようだ。
「有休が3日間ってことは、その後はどうするつもり?」
「退職届を書いて貰う」
「あー、そういうことね…。予想通りの回答ありがとう」
勤怠届は代理での提出が可能だが、退職届に関しては本人の意思が重要となるため、直筆で書類を作成する必要がある。
そうでなければ、邪魔な相手を勝手に退職に追い込む輩が続出するからだ。
クラウスは3日間の間にルイーザに退職届を書くよう要請するつもりだったのだろう。
「じゃあ、はい」
「…なんだ?」
ルイーザはクラウスに向けて右手を差し出した。
「退職届書くから、必要なもんよこしな。面倒なことはさっさと終わらせるに限るからな」
ルイーザは前向きにこの監禁生活を受け入れようとしていた。
そんな彼女の態度に、クラウスは目を丸くした。
(『まさか受け入れられるなんて…。いや、油断させておいて逃げ出す算段を立てるのか』――とでも思ってるんだろうな、あの顔は…)
「い、いいのか…?」
「は? アンタが書けっていったんだろ?」
「まあ、そうだが…」
クラウスは銃を構える右手を降ろした。
ルイーザから視線を外さず、ゆっくりと後退していった。
クラウスが動いたことで扉の外が見えた。
ソファが見えるので、どうやらリビングのようだ。
クラウスは目線をルイーザに向けたままでソファ横に置かれた黒い鞄を漁ると、ファイルとペンケースを手にして戻ってきた。
そっとベッドの上に放ると、クラウスは逃げ道を塞ぐように部屋の入り口に立った。
銃は腰のホルスターにしまったようだ。
ルイーザはファイルとペンケースに手を伸ばした。
ファイルには見本を含め10枚の用紙が入っている。
テーブルランプの位置をずらし、サイドテーブルで用紙の必要事項を記入していった。
(退職理由は…『一身上の都合』でいいか)
同期に監禁されて退職するよう迫られたため――だなんて書けるわけないのだから。
二十年以上勤めた職場を離れることに抵抗はなかった。
(長いこと勤めたんだから、ちゃんと退職金は払って貰えるんだろうな…?)
そこでふと、ルイーザは気づいた。
「退職金…というか、私の貯金はどうなるんだ? …まさか、処分したなんて言わないだろうな…?」
「そんなわけないだろう。貴重品はもちろん、私物も既に下のガレージに運び込んである」
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