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大会当日
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一週間前、王都に傭兵団の精鋭を連れて現れたジュンは、王都の民から歓声と共に迎え入れられた。
今やレギ・フードルの悪評は貴族、平民を問わず浸透しており、分かりやすく対抗馬となったジュンには多くの期待が寄せられているようだった。
「……俺に何を期待しているんだ」
彼は興味もなさそうだったけど、議会は完全にレギ・フードルを敵視していて、今日の神明裁判の結果がそのままレギの未来を占うとまで言われている。
ジュンが神明裁判に勝利した場合、議会はジュンを取り込んで、王子叩きに回るはずだ。そうなれば、ゴタゴタでアルガス領へ戻るのは何か月か遅れるかもしれないなと思った。
議会の人たちは自分たちの利益を守ることしか頭にないから、こっちの都合なんてお構いなしなんだ。
ジュンは頭が回るから大丈夫だろうけど、キナ臭い政治情勢が今しばらく続きそうだなと思う。
「今日は顔色がいいな」
「ジュンを信じるって決めたから」
大会の運営委員会が宿を手配するって言ってくれたけど、信用できたものではないので、私たちはジュンが学生時代に購入した屋敷で寝泊りしている。
ジュンと私はもちろん同じ寝室に泊まっていて、二人の時間をいっぱい作れるようにしている。
正直に言うとまだ怖いけど、アレンやグライ、マルコさんたちも、ジュンに何かあれば参戦するって言ってくれている。
私には彼らを信じることしかできないけど、私の思いが少しでもジュンの力になるなら、それは疑うことじゃなくて信じることだと思うから……。
「リリナが信じてくれるから戦えそうだ」
「うん……。信じるから、絶対帰ってきてね。無事に帰ってきてくれたら、何でもしてあげ――」
「任せろ」
ジュンと出会ってから今日までで一番早い返事だった。
食い気味?
大会出場用の騎士服に着替えたジュンが、私をギュっと抱きしめる。
あまり暗いことは考えたくないけど、これが最後になるかもしれないと思うと、私はジュンの腕の中から離れることができなかった。
「俺を信じてくれてるんだろ? そんなに怖がるな」
「だって……」
「大丈夫だから。それより、君の熱と共に戦いたい。抱かせてくれないか」
「え? でも、もう着替えちゃったのに」
「まだ時間はある」
うーん……。
「でも、ちゃんと勝ってきてくれたら好きにさせてあげるって約束したばかりだし、今ここでするのは違う気がするの」
「それは一理あるけど、試合の最中に集中力が途切れるかもしれない」
「試合に勝つことよりもピンク色の妄想を優先するの?」
「リリナ、俺としたくないのか?」
「何でそういう話になるの? 私は……願掛けしたいから」
微妙な空気が流れる。
「……分かった。もういい」
ジュンが拗ねてる。
私は……。
「願掛けしたかったのに……」
「わ、悪かった」
私がウルっとすると、ジュンはあっさり折れてくれた。
頭を撫でて頬にキスをしてくれる。
最近、私の扱いが子供に対するみたいな感じになってるのが気になるんだけど、試合前だし、やっぱり少し不安はあるから、仕方ないと思うんだ。
「ジュン……。試合中に頭がピンクになったら困るから、こっちでしてみる?」
「え!?」
かくして、戦いが始まる。
屋敷で英気を養ったジュンは、凛々しい顔で試合会場へ入った。
彼の自信に満ちた表情に、もう迷いはない。
(ジュン……。勝って。勝って、続きを……)
ついに闘技大会が始まった――
今やレギ・フードルの悪評は貴族、平民を問わず浸透しており、分かりやすく対抗馬となったジュンには多くの期待が寄せられているようだった。
「……俺に何を期待しているんだ」
彼は興味もなさそうだったけど、議会は完全にレギ・フードルを敵視していて、今日の神明裁判の結果がそのままレギの未来を占うとまで言われている。
ジュンが神明裁判に勝利した場合、議会はジュンを取り込んで、王子叩きに回るはずだ。そうなれば、ゴタゴタでアルガス領へ戻るのは何か月か遅れるかもしれないなと思った。
議会の人たちは自分たちの利益を守ることしか頭にないから、こっちの都合なんてお構いなしなんだ。
ジュンは頭が回るから大丈夫だろうけど、キナ臭い政治情勢が今しばらく続きそうだなと思う。
「今日は顔色がいいな」
「ジュンを信じるって決めたから」
大会の運営委員会が宿を手配するって言ってくれたけど、信用できたものではないので、私たちはジュンが学生時代に購入した屋敷で寝泊りしている。
ジュンと私はもちろん同じ寝室に泊まっていて、二人の時間をいっぱい作れるようにしている。
正直に言うとまだ怖いけど、アレンやグライ、マルコさんたちも、ジュンに何かあれば参戦するって言ってくれている。
私には彼らを信じることしかできないけど、私の思いが少しでもジュンの力になるなら、それは疑うことじゃなくて信じることだと思うから……。
「リリナが信じてくれるから戦えそうだ」
「うん……。信じるから、絶対帰ってきてね。無事に帰ってきてくれたら、何でもしてあげ――」
「任せろ」
ジュンと出会ってから今日までで一番早い返事だった。
食い気味?
大会出場用の騎士服に着替えたジュンが、私をギュっと抱きしめる。
あまり暗いことは考えたくないけど、これが最後になるかもしれないと思うと、私はジュンの腕の中から離れることができなかった。
「俺を信じてくれてるんだろ? そんなに怖がるな」
「だって……」
「大丈夫だから。それより、君の熱と共に戦いたい。抱かせてくれないか」
「え? でも、もう着替えちゃったのに」
「まだ時間はある」
うーん……。
「でも、ちゃんと勝ってきてくれたら好きにさせてあげるって約束したばかりだし、今ここでするのは違う気がするの」
「それは一理あるけど、試合の最中に集中力が途切れるかもしれない」
「試合に勝つことよりもピンク色の妄想を優先するの?」
「リリナ、俺としたくないのか?」
「何でそういう話になるの? 私は……願掛けしたいから」
微妙な空気が流れる。
「……分かった。もういい」
ジュンが拗ねてる。
私は……。
「願掛けしたかったのに……」
「わ、悪かった」
私がウルっとすると、ジュンはあっさり折れてくれた。
頭を撫でて頬にキスをしてくれる。
最近、私の扱いが子供に対するみたいな感じになってるのが気になるんだけど、試合前だし、やっぱり少し不安はあるから、仕方ないと思うんだ。
「ジュン……。試合中に頭がピンクになったら困るから、こっちでしてみる?」
「え!?」
かくして、戦いが始まる。
屋敷で英気を養ったジュンは、凛々しい顔で試合会場へ入った。
彼の自信に満ちた表情に、もう迷いはない。
(ジュン……。勝って。勝って、続きを……)
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