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自滅王子はやり直しでも自滅したようです
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「あなたには国王陛下の血が流れている。どうか、この手紙にありますよう玉座を継いでくだされ。レギ・フードルは王の器ではなかった」
「……引き受けよう」
「ジュン、いいの?」
「構わない。レギ・フードルを玉座から引きずり下ろす為なら何でもする。奴が玉座に居座る限り、この国に未来はない」
ジュンが意思を固めると、お父様も賛同してくれた。
「いきなりの話で驚いたが、私もあの無能に玉座を委ねるのは危険だろうと思う。彼が玉座を奪うなら、義理の父として後見人になりましょう」
「各々、ご協力に感謝します」
「それで、現国王との交代はいつ、どのタイミングで行うつもりですか?」
お父様が確認すると、宰相は瞠目した。
「宰相、どうされました」
「……陛下の息のかかったものが、ジュン様の事務所の壁紙に毒を盛って暗殺を企てているという情報があります。裏付けが取れ次第、レギの罪を暴いて王権を譲渡させます」
「なんと愚かな企てを……。娘を奪う為に実力行使に出ようとしていた、ということですか。しかし、よりによって毒殺とは」
「そんな卑劣な男に娘をやらなくて正解だったわ」
次々とレギに非難の声が上がるなか、宰相は深々と頭を下げた。
「王となるべく必要な教育を施したつもりでしたが、あやつは楽をすること、他人を陥れれることしか覚えなかった。玉座を退かせたあとは、軟禁状態において政には関わらぬよう、厳重に監視いたします」
「これからは俺も力になろう」
「ありがとうございます。ジュン様」
極秘裏の会談があった一か月後、レギの命令で暗殺を企てていたエレブーが捕えられ、レギは王の資格なしとしてその座を追われることになった。
「あ、ありえないよ! これは罠だ! 宰相が、僕を陥れようとしている!」
玉座の間にて、大勢の臣下や騎士たち、今日の為に集められた議会の面々が勢ぞろいした中、レギは絶叫していた。
突然、玉座に踏み込まれた彼は、情けなく狼狽し、張り詰めた声で同情を誘おうとしていた。
「こんなこと女神ルナリアが許さない! 正当な王は兄である僕の方なんだ!」
「兄上、情けなく喚くのはやめて玉座をお譲りください。ルナリアが許さないのは、兄上の所業でしょう。身体中に巻かれた包帯。それを取ってここに集まった方々へお見せになりますか? 神明裁判など行うまでもなく、彼の神はあなたを断罪しました」
「う……認めない! たまたま病に掛かった兄を卑劣にも狙い撃つお前たちのやり方、見られたものではないぞ!」
往生際が悪い。
レギは玉座にしがみついて離れようとしなかった。
だけど、そんな抵抗は初めから無意味だった。
ジュンの真上に、白い羽根が散り始める。
「こ、この羽根は何だ!」
狼狽するレギ・フードル。
群衆が見上げる位置に、白い羽根を生やした少女が降臨する。
そうしてジュンの真横に降りた美しい女神は、名を「グローディア」と名乗った。
「おお、女神様が降臨なされた!」
「ジュン・アルガスこそ誠の王なのだ!」
群衆にどよめきが生まれ、レギは蒼白な顔になった。
「私は女神ルナリアから頼みを受け、この地に降臨した。ルナリアは悪しき暗黒の王、レギ・フードルの退位を望んでいる。レギ・フードル。大人しく己の罪を認め、玉座を譲るなら良し。そうでなくば、ここで永遠の裁きを与える」
「適当なことを抜かすな! 何かトリックがあるに決まってる!」
「そう。罪を認めないのね。ならば、ここで罰を与える」
グローディアが手のひらをかざすと、レギのしていた包帯が腐食して床に落ち、表面が灰化しきったレギの身体を露わにした。彼の纏っていた衣服すら腐食し、すぐさま全裸となる。
「なんだぁぁぁぁ!」
「神罰を下した。お前は罪を悔い改めるまで、一切、己を着飾ることを禁ずる。また、お前は神の許しを得なければ何一つ行うことはできない」
「…………!!!!」
レギが叫ぼうとするが、声が出ない。
「悔い改め、ルナリアに祈れ。そうして初めて、お前は意志の疎通が可能になるだろう」
「……!!! ……!」
「お前はルナリアの許可がなければ寿命を終えることすら許されない。永劫に時の中を彷徨い続けよ。従者たちと共に」
見れば、レオンとエレブーが窒息したようにもがき、祈る仕草をしている。
「これが他者の心を蔑ろにし続けたモノたちの末路か。己の意思さえ無視され、許しを得るだけの人生に転落するとはな」
こうして、レギにまつわる一切の混乱は収束へ向かうこととなる。
誰にも手を差し伸べてこなかった彼らに、救いの手がもたらされることは最後までなかった。
「……引き受けよう」
「ジュン、いいの?」
「構わない。レギ・フードルを玉座から引きずり下ろす為なら何でもする。奴が玉座に居座る限り、この国に未来はない」
ジュンが意思を固めると、お父様も賛同してくれた。
「いきなりの話で驚いたが、私もあの無能に玉座を委ねるのは危険だろうと思う。彼が玉座を奪うなら、義理の父として後見人になりましょう」
「各々、ご協力に感謝します」
「それで、現国王との交代はいつ、どのタイミングで行うつもりですか?」
お父様が確認すると、宰相は瞠目した。
「宰相、どうされました」
「……陛下の息のかかったものが、ジュン様の事務所の壁紙に毒を盛って暗殺を企てているという情報があります。裏付けが取れ次第、レギの罪を暴いて王権を譲渡させます」
「なんと愚かな企てを……。娘を奪う為に実力行使に出ようとしていた、ということですか。しかし、よりによって毒殺とは」
「そんな卑劣な男に娘をやらなくて正解だったわ」
次々とレギに非難の声が上がるなか、宰相は深々と頭を下げた。
「王となるべく必要な教育を施したつもりでしたが、あやつは楽をすること、他人を陥れれることしか覚えなかった。玉座を退かせたあとは、軟禁状態において政には関わらぬよう、厳重に監視いたします」
「これからは俺も力になろう」
「ありがとうございます。ジュン様」
極秘裏の会談があった一か月後、レギの命令で暗殺を企てていたエレブーが捕えられ、レギは王の資格なしとしてその座を追われることになった。
「あ、ありえないよ! これは罠だ! 宰相が、僕を陥れようとしている!」
玉座の間にて、大勢の臣下や騎士たち、今日の為に集められた議会の面々が勢ぞろいした中、レギは絶叫していた。
突然、玉座に踏み込まれた彼は、情けなく狼狽し、張り詰めた声で同情を誘おうとしていた。
「こんなこと女神ルナリアが許さない! 正当な王は兄である僕の方なんだ!」
「兄上、情けなく喚くのはやめて玉座をお譲りください。ルナリアが許さないのは、兄上の所業でしょう。身体中に巻かれた包帯。それを取ってここに集まった方々へお見せになりますか? 神明裁判など行うまでもなく、彼の神はあなたを断罪しました」
「う……認めない! たまたま病に掛かった兄を卑劣にも狙い撃つお前たちのやり方、見られたものではないぞ!」
往生際が悪い。
レギは玉座にしがみついて離れようとしなかった。
だけど、そんな抵抗は初めから無意味だった。
ジュンの真上に、白い羽根が散り始める。
「こ、この羽根は何だ!」
狼狽するレギ・フードル。
群衆が見上げる位置に、白い羽根を生やした少女が降臨する。
そうしてジュンの真横に降りた美しい女神は、名を「グローディア」と名乗った。
「おお、女神様が降臨なされた!」
「ジュン・アルガスこそ誠の王なのだ!」
群衆にどよめきが生まれ、レギは蒼白な顔になった。
「私は女神ルナリアから頼みを受け、この地に降臨した。ルナリアは悪しき暗黒の王、レギ・フードルの退位を望んでいる。レギ・フードル。大人しく己の罪を認め、玉座を譲るなら良し。そうでなくば、ここで永遠の裁きを与える」
「適当なことを抜かすな! 何かトリックがあるに決まってる!」
「そう。罪を認めないのね。ならば、ここで罰を与える」
グローディアが手のひらをかざすと、レギのしていた包帯が腐食して床に落ち、表面が灰化しきったレギの身体を露わにした。彼の纏っていた衣服すら腐食し、すぐさま全裸となる。
「なんだぁぁぁぁ!」
「神罰を下した。お前は罪を悔い改めるまで、一切、己を着飾ることを禁ずる。また、お前は神の許しを得なければ何一つ行うことはできない」
「…………!!!!」
レギが叫ぼうとするが、声が出ない。
「悔い改め、ルナリアに祈れ。そうして初めて、お前は意志の疎通が可能になるだろう」
「……!!! ……!」
「お前はルナリアの許可がなければ寿命を終えることすら許されない。永劫に時の中を彷徨い続けよ。従者たちと共に」
見れば、レオンとエレブーが窒息したようにもがき、祈る仕草をしている。
「これが他者の心を蔑ろにし続けたモノたちの末路か。己の意思さえ無視され、許しを得るだけの人生に転落するとはな」
こうして、レギにまつわる一切の混乱は収束へ向かうこととなる。
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