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「レールディア。君に……これを渡したい」
夜、ベッドへ向かう前にユージンから呼び止められる。
ユージンが差し出した指輪には高価な魔石が嵌められていた。
それは持ち主の魔力を肩代わりして魔法を使う際の負担を失くし、更にはその才能を極限まで引き出すと言われる究極の魔石、賢者の石であった。
「これはとても高価なものですか? 私には受け取る資格がありません」
満足に持参金すら持ってこれなかったことを、今日まで引きずっているレールディアである。しかし、ユージンは強引に手を取ると、薬指にそれを嵌めてしまった。
「俺が渡したいんだ。その、お前は田舎の領主に過ぎない俺のことを馬鹿にせず支えてくれている。レールディア……。初日の俺はどうかしていた。君を傷つけてしまったことを深く後悔している。俺の愛など不要だろうか」
「ユージン様……。ユージン様っ」
レールディアに飛びつかれる。
幼い少女のように喜ぶレールディアを抱きしめる。
レールディアの髪を撫でながら、ユージンは心に思っていたことを吐き出した。
「一日一ステップは、今日で終わりにしよう」
「そうなのですか? でも、残るは……」
処女を捧げるだけである。
まだ不安を残すレールディアの身体を、ユージンは守るように抱きしめた。
「これからは俺達のペースで進んでいこう。今日まで俺の我儘に付き合ってくれたことには感謝している」
「私は、ユージン様が望むなら、いつでも」
「怖いんだろう? 昔、何かあったのか」
「その、お酒に酔ったお父様から、暴行されそうになったことがあって」
「野郎……」
「妹が気持ち悪いって言って激怒したから、何もなかったけど。それ以来、怖くなってしまったの。でも、ユージン様に抱かれたいという気持ちは本当だわ。私、ユージン様となら乗り越えていけると思うの」
ユージンは自分の愚かさを呪いたくなった。
父親から性的暴行を受けかけた娘に、自分は何と残酷な仕打ちをしたのだろう。
「ユージン様は持参金もなく、魔法も一種類しかない私を愛してると言ってくださったんだもの。私、ユージン様の為なら死ぬことだって平気だわ」
「そんなことを言うな!」
思わず声を荒げてしまう。
「俺はもう、君がいないと生きていけない」
「私も……私も本当はユージン様と離れたくない。こんなに愛されたの初めてなの。馬鹿だし、魔法も一個だけだし、そんな私でもいいって言ってくれたユージン様から離れたくない!」
「俺だって辺境伯だし、人間不信で、ロクでもない奴だ。レールディアに愛される資格なんてないと思ってる。でも、お前を手放したくない。たとえ王族が相手でもお前を手放したくない」
「ユージン様、好き! 好き、好き……」
レールディアとユージンは舌を絡めてキスをする。
「ずっと一緒にいよう。たとえこの先、何が待ち受けていようとも」
「はい。ずっとお傍に居させてください」
二人は切ないほど愛し合っていたが、このあと王都が切ないことになるなど、この時の二人は想像もしていなかった。
夜、ベッドへ向かう前にユージンから呼び止められる。
ユージンが差し出した指輪には高価な魔石が嵌められていた。
それは持ち主の魔力を肩代わりして魔法を使う際の負担を失くし、更にはその才能を極限まで引き出すと言われる究極の魔石、賢者の石であった。
「これはとても高価なものですか? 私には受け取る資格がありません」
満足に持参金すら持ってこれなかったことを、今日まで引きずっているレールディアである。しかし、ユージンは強引に手を取ると、薬指にそれを嵌めてしまった。
「俺が渡したいんだ。その、お前は田舎の領主に過ぎない俺のことを馬鹿にせず支えてくれている。レールディア……。初日の俺はどうかしていた。君を傷つけてしまったことを深く後悔している。俺の愛など不要だろうか」
「ユージン様……。ユージン様っ」
レールディアに飛びつかれる。
幼い少女のように喜ぶレールディアを抱きしめる。
レールディアの髪を撫でながら、ユージンは心に思っていたことを吐き出した。
「一日一ステップは、今日で終わりにしよう」
「そうなのですか? でも、残るは……」
処女を捧げるだけである。
まだ不安を残すレールディアの身体を、ユージンは守るように抱きしめた。
「これからは俺達のペースで進んでいこう。今日まで俺の我儘に付き合ってくれたことには感謝している」
「私は、ユージン様が望むなら、いつでも」
「怖いんだろう? 昔、何かあったのか」
「その、お酒に酔ったお父様から、暴行されそうになったことがあって」
「野郎……」
「妹が気持ち悪いって言って激怒したから、何もなかったけど。それ以来、怖くなってしまったの。でも、ユージン様に抱かれたいという気持ちは本当だわ。私、ユージン様となら乗り越えていけると思うの」
ユージンは自分の愚かさを呪いたくなった。
父親から性的暴行を受けかけた娘に、自分は何と残酷な仕打ちをしたのだろう。
「ユージン様は持参金もなく、魔法も一種類しかない私を愛してると言ってくださったんだもの。私、ユージン様の為なら死ぬことだって平気だわ」
「そんなことを言うな!」
思わず声を荒げてしまう。
「俺はもう、君がいないと生きていけない」
「私も……私も本当はユージン様と離れたくない。こんなに愛されたの初めてなの。馬鹿だし、魔法も一個だけだし、そんな私でもいいって言ってくれたユージン様から離れたくない!」
「俺だって辺境伯だし、人間不信で、ロクでもない奴だ。レールディアに愛される資格なんてないと思ってる。でも、お前を手放したくない。たとえ王族が相手でもお前を手放したくない」
「ユージン様、好き! 好き、好き……」
レールディアとユージンは舌を絡めてキスをする。
「ずっと一緒にいよう。たとえこの先、何が待ち受けていようとも」
「はい。ずっとお傍に居させてください」
二人は切ないほど愛し合っていたが、このあと王都が切ないことになるなど、この時の二人は想像もしていなかった。
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