毎秒告白したい溺愛王子と、悪女になりたくないエイミーの激おこツッコミ劇場

ゆきぶた

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今日もまた彼は来る2

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「エイミー。どんな君でも、僕は君が好きだ!」

 薄暗いその場所で殿下は、とてもかっこよく言ってくれた。
 でも……。

「そんな馬の被り物して言われても……」

 馬に告白されても全くときめかないわよ?

 なんやかんやあって私達は今、薄暗い空き教室で殿下を探す女の子たちから隠れているのだけど。
 そうなったのは、全部このおバカな殿下のせいなのよ!私は怒っているのだから。

「そんな!僕は馬の被り物を被っているエイミーさえも、愛おしいと思えるのに何故だい!?」
「何故って聞きたいのはこっちですけど?いい加減馬同士で話す必要ないので、取ってもらえますか?」
「そんなぁ、結構気に入ってたのに!」

 気に入ってたの!?

「しょうがない、脱ぐか……」

 そんないきなり被り物とったら、殿下の美しいお顔が……。
 あら?ぐじゃっとなると思ったのに、なんで!
 ファサァ~ってかっこよく、それも金色に輝く髪のせいで神々しくみえてしまうのよ!!
 イケメンはずるいわ……少し見惚れちゃったじゃない。

「あれ?エイミーぼーっとしてどうしたの?もしかして、僕に見惚れちゃったのかな?」

 そんなことない!って言いたいのに、まだ私の頭はイケメンの空気に当てられて何も言えないわ!!
 それなのに、ちょっと殿下近づいてこないで!
 
「……ねえ、エイミー?」
「ふゃいぃ!!!?」

 殿下のせいで噛んだわ!
 しかもそんな顔をして、私の肩に手を置かないで!!一体何をするつもりなの!?

「脱がせてもいいかな?」

 な、ななな何をですかーーーーーー!!!!
 え?服を?服なの!?
 さすがにそれはダメですよ、犯罪です殿下!!!

「……馬の被り物を」
「馬?」
「そう。馬の被り物、僕がとってもいいよね?」

 馬ぁああああーーーーーーー!!
 私の頭の中にお馬さんがかけていったわ。
 
「あれ?エイミー、プルプルしちゃってどうしたの?」
「言い方がややこしいのよ、馬鹿王子!!!!」

 とんだ恥をかくところだったじゃないの!
 馬の被り物をしてなかったら、真っ赤になった顔を見られるところだったわ。危ない危ない。

「え?じゃあ、エイミーは首まで赤くして何を考えてたのかな?」
「ああああぁああぁぁぁあぁ!!!!」

 全然誤魔化せてない!誤魔化せてないわよ!!

「聞かないで!!!馬ぐらいなら脱がせてもいいですから!お願いします!!」

 さっきの事を聞かれるなら私は馬をとるわ!
 たまにこうやって、わかってるかのように意地悪してくるのはなんなのよ!!
 ただのアホアホ王子じゃないじゃない!絶対策士なんだから。ずるいわ!!


「じゃあ、エイミー。馬取るからねー」
「は、はい」

 ちょっと待ってエイミー、今がチャンスよ!
 被り物取られる瞬間なんてすっごい不細工に決まってるんだから!
 あまりの不細工さにドン引きさせて嫌われればいいのよ!

「はいっ、とれた」
「どうですか?余りの不細工さにビックリしたんじゃないですか?」
「え!?エイミー何を言ってるんだい?君の顔が見えた瞬間、余りの可愛さに昇天するかと思ったよ!!」
「なんで!!!!!?」

 殿下、目が腐ってるんじゃないですか?
 そう言いたいけど、我慢よエイミー!
 
「それにここは薄暗いからエイミーの肌が、まるでミズタマハゼのように白く透き通っていて、とても魅力的だよ」

 まって、なんで例えが魚なの!!!???

「それに、その赤い唇はウサギの目のように素敵だ」

 まって、なんで唇の色ををウサギの瞳であらわすの!?怖いわよ!
 いやいや、肌が白いのを褒めるのがウサギでいいじゃない……。ホラーよ、ホラー。

 あぁ、そうだったわ。殿下は褒め上手だけど、褒めるときの例えがたまにおかしいのよ!!!
 早くその口を閉じさせないと、私がツッコミ疲れで死んじゃうわ!

「で、殿下!よくわかりましたから、これ以上意味のわからない事を話さないで下さいませんか!?」
「む、そうか……でも、エイミーが僕の言ったことを理解してくれたことはとても嬉しいよ」

 全く理解できなかったわよ!!?

「これで、僕がどれほどエイミーのことが好きなのかわかってくれたかな?」
「わならないので、もうやめて下さい」
「なんで!?」
「なんでって言いたいのはこっちです!!」

 はぁ、何もかも完璧なはずなのにこんなところだけ抜けてるのよ……。
 きっと他の女子なら、殿下にこんなお茶目な一面があるなんて……ステキ!ってなるんだわ。
 私には、そんなの効かないんですからね!


「エイミー、あの少し話が……」
「あっ!そろそろ予鈴ですよ!急がないと!!」

 こんな話をしている間に、時間が経ちすぎてしまったわ。予鈴ギリギリだから、もう殿下を探している人もいないはずよね?
 それにこのまま殿下の横にいたら、変なこと言われちゃうもの、急いで教室に行かないと。
 そう思って立ち上がったのに、殿下に手を掴まれてしまったわ。

「待って、エイミー!」
「殿下!?もう教室に行かないと間に合わなくなっちゃうので、手を掴まないで下さい」
「お願いだから、僕の話を……!」

 なんだか今日の殿下はいつもよりしつこいわ!
 私、もう頭にきたんだから!!
 今日こそハッキリというのよエイミー!

「殿下、いい加減私に付き纏うのをやめて下さい。私はただ平穏な日々を過ごしただけなのです。殿下のせいで私は日々ビクビクしながら生活しているのですよ?その恐怖がお分かり頂けないのですか?私を好きだと言うのなら、私のこともっと考えて行動して下さい!」
「エイミー……」
「まあ、それをなおしても婚約者のいる殿下に惚れるなんてことありませんから!今後いっさい私に付き纏わないで下さいね!!」

 ふ、ふん。ついにいってやったわ……。
 少し言い方がキツかったかもしれないけど、これで殿下もわかってくれたわよね?
 教室を出る前にチラッとだけ落ち込んだ殿下を見てやるんだから!
 チラッと……。

「エイミー、またね!!」
「無傷!!!!!!」

 何でニッコリ笑顔で手を振ってるの?
 全然落ち込んでないじゃない!?
 殿下のメンタルはどうなってるのよ!!!


 そのことにショックを受けて、私はとりあえず教室に向かったの。
 私の平穏のためには、自分から会わないようにするしかないわ!!
 そう心に決めて……。
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