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今日もまた彼はくる3
しおりを挟む今日は、一日中殿下を避けることに成功したわ!
私だってやればできるのよ。
後は馬車に乗って家に帰るだけね。
馬車乗り場まで数メートル、エイミーここで気を抜いちゃダメなのよ!
私の家の馬車はすでに到着しているみたいだし、そろーっとそろーっと、やったわ!馬車にのれ、た……。
「エイミー!!会いたかったよ!」
「ででででーーー殿下!!!なんで馬車に!!?」
どうして、私が乗る前にすでに待機しているの!?
私のお家で働いてる、御者のブラウお爺さんはどこ行ったの!?
「御者さんには僕が代わりに見ているからと、僕の従者と出かけたよ?」
「なんてことをしてくれるのですか!?」
「だって、エイミーが悪いよ?」
私が?確かに殿下から逃げ回っていたけど、元を正せば悪いのは殿下の方ですよね?
「だって、今日の僕はエイミーに愛を伝えたりないんだよ!!もっと愛を囁く時間をくれてもいいんじゃないかい?」
「殿下が何をいっているのか、私には全くわかりません」
「よし、なら何度でも言うよ……」
別に言わなくてもいいのに、何なのかしら?殿下の中で告白ノルマでもあるの?
それはそれで嫌だわ……。なんだか、作業みたいじゃない。
「エイミー、僕は君のことが好きだ。」
「殿下、私も何度だっていいますが、婚約者がいる方はお断り致します」
「待って、婚約者については聞いて欲しいことがあるから!」
「聞きたくありません!!さあ、早く馬車から出てください!」
早く殿下を馬車からださないと、また馬車に人が集まって来ても困るわよ!
それにしてもさっきから殿下を押してるのに、全く動かないわ!!
「わかったよ……そこまで言うなら仕方がない」
「きゃっ!!」
いっ痛いわよ……いったいなんなのよ、いきなり殿下に押されたせいで、椅子に寝転んでいるような体勢になっちゃったわ。
「ひっ!で、殿下……?」
顔を上げたら、私の上に殿下の顔があるんですけど??いったいこれはどう言うことなのかしら?
それにしても、この体勢はまずいわ!ぱっと見押し倒されているようにしか見えないもの!!
こんな姿誰かに見られたら私の人生が終わっちゃうわよ……。
「もう僕にはあまり時間がないのに……エイミーが僕の話を、今まで聞いてくれないからいけないんだよ?」
「ひゃい?」
そんな綺麗なお顔で、ニタリと笑わないでくださいます?怖さが2倍なのよ!やめてよね……。
それに私は何にも悪くないわよ!
「ねぇ、エイミー。僕の話をちゃんと聞くか、ここで今すぐ既成事実を作るか。どっちが良い??」
はぃいいいいいいぃいいいい!!!???
殿下、いまなんと????
「で、殿下……もう一度」
「エイミー、何度聞いても同じことだけどもう一回だけ言ってあげるよ?」
で、殿下のお顔が近い!近すぎる!!耳元で話さないで!?やめてーーー!!!
「エイミー、僕の話を今からちゃんと聞いてくれる?それが嫌ならエイミーとここで既成事実作っちゃうよ?」
「ここここ、ここで?!????」
「大丈夫、エイミーの口を塞げば誰にも気づかれないよ?それに、御者の人は僕の従者が足止めしてるから戻って来ない……」
そ、そんな……。とか言ってる間に、殿下の手が私の服を脱がせようとしてるのだけどーー!!
「まままま、待って下さい!!聞きます、話を、聞くからこれ以上はだめぇぇーーーーー!!」
「え、本当!!?」
なんなのよ!私が話を聞くと言った瞬間に殿下ったら、ヒョイっと私の上から離れたのよ!
もう!私が話を聞くって言うのわかっててからかったんだわ!何なのよこの殿下は!!
「じゃあ、改めて話すけど……僕が君のことを妃として迎え入れたいということ自体は父上も、そして婚約者であるフィアも知っていて寧ろ賛成なんだ」
「いやいやいや、その時点でおかしいわよ!!」
「何故だい?僕は王太子だから妃は一人じゃなくてもいいからね」
「それも嫌な理由なんです!!!私はただ私だけを愛してくれる人と結婚したいんです!」
婚約者がどうとかは本当はどうでもいいの!そんなの全部言い訳だわ!
本当は私は私一人を愛してくれる人と、ただ平凡な生活を送りたいだけなのよ。
だから殿下は絶対にダメなの!!
「でもエイミーは、伯爵令嬢だよ?そんな我儘はいつか通らなくなる。そして貴族の勤めとして好きでもない相手のところに嫁に出されてもいいの?」
「そのことでしたら大丈夫です。父は結婚しなくても、相手が貴族じゃなくてもいいといってくれてますし、弟はずっと家にいて欲しいとまで言ってくれてますから……政略結婚はありえません!」
正直な話、弟のその言葉はただのシスコンだからな気がするけど、考えたら負けよエイミー!!
「そうは言っても、上手くいかないのが貴族社会だよ?エイミーはもう少し考えた方がいい」
「そんなこと殿下には関係ありません!」
「仕方がない、エイミーさっきの言葉に嘘はないね?」
「さっきの?」
なんだかたくさん話した気がして、どれのことかわからないわよ……えっとシスコンの弟の事かしら?
「エイミー、もし僕が君一人だけを愛せる存在になれたら、そのときは僕を受け入れてくれるんだよね?」
「へ?」
全然違ったわ、恥ずかしい!!
というか、殿下は一体何を言い出すのかしら……。
「それは婚約者様と婚約破棄して、私を婚約者にってことですよね?だからそれだと私が悪役に……」
「それも全て僕がどうにかする!」
「どうにかって……」
「だからエイミー、僕と勝負をしないか?」
待って殿下!何言ってるのか理解できないのに、手を握らないで!!
「卒業するまでに、婚約者との事は丸く解決させてみせる。そして、そのときまでにエイミーが僕を好きになってくれたのなら、僕と婚約してくれ!!」
いや、そんなこと無理無理無理無理!
ありえないわ!
「そして僕がエイミーを嫌いになるか、さっき言った事が卒業までにどれか一つでも守れなかったら、僕はキッパリ君のことを諦めるから!」
こんな必死な殿下は初めて見たわ……。
もしかして、もうすぐ2年生になるから殿下は焦ってこんなことを……?
「僕にチャンスをくれ、エイミー!!」
「……そうですね。そこまで言われたら仕方ありません。どうせ私は殿下のことを好きになるわけがないのですから!」
「エイミーありがとう!!!大好きだ!!」
まってまって、なんで勢いで抱きついてきてるのこの人!!?
余りの驚きで声が出なかったじゃない!!
もう、殿下のバカーーー!!!!
こうして私、エイミー・ミューシアスは殿下と勝負をすることになったのです。
正直この勝負、どう頑張っても私が負けるわけ無いですよね?
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