毎秒告白したい溺愛王子と、悪女になりたくないエイミーの激おこツッコミ劇場

ゆきぶた

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婚約者様襲来1

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 ああ、何で在校生代表として入学式に参加しないといけないのかしら……そんなわけで今日は新入生の入学式があるのよ。
 今年は殿下の婚約者様が入学するからと、見物人が多いのよね。

 それよりもなによりも、今日1番大事なのは殿下の婚約者様よ!!
 私の存在を何故か肯定していると言う変な人だし、前に一度偶然会ってしまったときもだいぶ変だったもの。
 もし私がエイミーだとバレたら、一体何を言われるのかわかったもんじゃないわ!?
 なるべくバレないようにコソコソしないと……。


 そういえば、婚約者様は成績も優秀らしくて新入生代表として話すみたいなのよね。
 やっぱり私と比べたら天と地ぐらい差があるし、殿下は何の不満があるのかしら?
 そうね、性格……以外何も思い浮かばないのだけど!?

 あ、丁度婚約者様が出てきたわ。相変わらず、美しいプラチナブロンド。今日は特に縦ロールがきまっているわ。それに何て力強い茜色の瞳なの。
 きっと何かを決意されているんだわ。
 一体何を仰るのかしら……?

「おーっほっほっほっ!!!皆様、ワタクシの為に集まって頂きありがとうございます。皆様もご存知であるワタクシこそ、第一王子クレス・グレフィアス王太子殿下の婚約者である、フィーリア・ブレイズですわ!!」

 えっ、すでに挨拶として色々とおかしくない!?
 私の周りも同じ事を思ったのか、ポカンと口を開けてフィーリア様を見ている人しかいないわ……。

「そして皆様にひとつ知っておいて欲しい事がございますのよ?実はワタクシ、殿下の事が大キライなのですわ」

 えええぇぇええぇえええええ!!!?
 ちょっと待って、今の言葉で全ての人が凍りついたわよ!!?

「ですから、ワタクシの前で殿下を持ち上げるような事は無さらなくて結構!ただ不愉快ですわ!それからワタクシは殿下とこのまま婚姻を結ぶつもりもございませんので、もし殿下を狙っている方がいるのでしたら、皆様こぞって奪いに来てくださいませ!おーほっほっほっ!!!!」

 もう内容がおかし過ぎて固まっていた人達はすぐに復活したみたいね。でもその人達がザワザワし始めたせいで、婚約者様のお言葉は途中からよく聞こえなかったわ。
 ただ殿下を奪っても良いわよ的なニュアンスだけ耳に入った気がするのだけど!?
 そのせいなのか前の方では令嬢達が、歓喜の叫び声を上げてるように見えるわね……。
 一体フィーリア様は何を考えているのよ!?
 私には全くわからないし、とても恐怖を感じるのだけど!??


 そしてこの後も、フィーリア様のせいで入学式は滅茶苦茶で、全く進行通りに進まないまま入学式は無事?終了したようで、私は先生方が少し可哀想に思えてきたのだったわ……。
 そして今の私は在校生として、新入生を教室へと案内する役目がまだあるのよね。
 ……本当、早く帰りたいわ。

「エイミー!!」

 ほら、帰れないからこうやって殿下と偶然鉢合わせしたり……え?殿下!???

「ででで、殿下っ!?なんでここに?」

 つい周りに誰もいないか、確認してしまったわ。
 よし、誰もいないからセーフ!!

「僕も入学式の手伝いだよ?ずっと探していたのだけど会えてよかった」
「いや、私は良くないです」

 ここは、キッパリ言っておかないとね!

「ははは、また照れちゃって~」
「照れ隠しじゃないですから!!!!」
「ふふふ、そんな照れてるエイミーも好きだよ」

 いや、照れてないし告白すんな!!!
 しかも殿下も何でか照れ始めたし……照れるなら言わないでよ!?
 何か私まで恥ずかしくなってきたじゃない……ダメよエイミー!イケメンの照れ顔に絆されるなんて!!相手はあの殿下のなのよ、気をしっかり持って!!

 頭ではわかってるのに、瞳を逸らすことができないわ……それに殿下に手を取られてしまって、なんだか殿下の顔が近づいているような……。
 だ、ダメよエイミー!魅惑に負けないで!!
 だ、ダメーーーー!!!!


「殿下~!!」
「どちらにいらっしゃるのですかー?」
「私達と少しお話しませんか~?」

 令嬢達が殿下を探している声がする!!?
 その声で我に帰った私は、咄嗟に殿下の手を振り解いたわ!
 一瞬残念そうな顔をした殿下は、私に微笑むと更に顔を近づけてきたのですけど?

 ひゃっ!何でさらに近づいてくるの??
 これ以上は……だ、ダメなのに!!!
 ひぃっ!!

 な、何なに?な、なんかオデコに柔らかい感触が……って、ででで、殿下の唇が私のオデコについてない??それは完全にキスじゃない???
 混乱する頭の中、ようやく離れてくれた殿下の顔を私が見れるわけなくて、俯いてしまったわ。
 きっと顔は真っ赤で、酷い顔をしているもの。
 
「エイミー、また後で会いにいくからね?」

 そう言って去っていく殿下を見送りながら私は思ったのよ。
 え?また来るの??もう来なくていいわよ。
 だって殿下があんなことしてくるから、私の心臓がもう持たないじゃない!!??


 その後も、殿下がいつ現れるのかとハラハラしながら作業をしていたせいで、先生に体調がわるいんじゃないかと疑われたじゃない!!
 そのせいで保健室送りになった私は、保健室の先生に何処が悪いのかと聞かれて、それは心です!なんて言えなくてとても恥をかいてしまったわ……。

 もう、何もかも全部殿下のせいなんですから、絶対に許しませんからね!
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