19 / 65
婚約者様襲来2
しおりを挟む「今すぐに逃げよう、エイミー!!!」
「は?」
廊下を歩いていたら突然現れた殿下に、手を掴まれたんですけど!?
「ででで、殿下ーー!!?いきなり現れないでください!周りに人がいたらどうするのですか!!」
「エイミー、今はそんな事言ってる場合じゃないんだ!」
「じゃあ、一体どんな場合なんですか?」
「とにかく急いで!?」
いやいや、殿下のこの焦りようはいったいなんなのよ!?
もしかして愛の逃避行にでも目覚めたとか?
「ええっと簡単に言うと、もうすぐここに婚約者が来るんだ!!」
「ええぇぇぇ!!?婚約者様が!?」
って、確かプラチナブロンドの美少女だったあの!……ちょっと変わった人。
なんだか私も逃げたくなって来たわ……。
「おーほっほっほっ!!殿下、ワタクシから逃げられるとおおもいでして?」
「でたなーー!あ、悪魔ーー!!」
いや、悪魔って!?あなたの婚約者じゃない!!
一体この二人の関係はどうなってるのかしら?
「ワタクシ華麗に参上致しましたわ!そう。ワタクシこそ、このポンコツの婚約者をイヤイヤやってあげているフィーリア・ブレイズですわ!!初めましてエイミーさま、……あらぁ?」
大袈裟に私に自己紹介したフィーリア様は、私の顔を見て首を傾げた。
「な、なんてことなの!!!?ワタクシすでにエイミー様と出会っていたわ!!か、感動的な出会いにする予定だったのに……ま、まさか、先に出会ってしまっていたなんて……そんな……」
何故かショックを受けているフィーリア様に、私みたいな地味女でごめんなさいと、頭を下げようと思ったその瞬間、フィーリア様に両肩をガシッと掴まれてしまった。
「えっと……フィーリア、様?」
「そんな、運命的な事あるー!!!?私とエイミー様はやはりソウルメイトとなるために生まれてきた存在なのだわ!!」
「へ?」
「何よりもとても可愛らしいくて、このアホにはとても勿体ないですわ~!!」
フィーリア様のテンションが高すぎて、全くついていけないのだけど……?
それに、1つだけ気になる事があるわ。
「あの、フィーリア様。私の事を様づけで呼ぶのはやめて頂けませんか?身分が余りにも違うものですから……」
「え?天使を様無しでは呼べないわ!!?」
「へ?」
フィーリア様は今、天使と言ったかしら?誰が?
……もしかして、私が……?
ないない、ありえない!!!!
「そうだろう、エイミーは天使だからな!悪魔であるお前が話しかけるんじゃない!」
「やめて、殿下!?話をややこしくしないで!!」
「そうですわ!アホアホな殿下が話していい相手ではありませんのよ?」
「アホに見えるのは、フィアのせいだろうが!」
「いえいえ、もとからですわ~」
なんなのかしらこの二人。
言い争いに全くついていけないわ……。
ポカンとしながら二人のやりとりを見ていたせいで、ついポロリと言ってしまったのよ。
「お二人は、仲がいいのですね……」
「「何処が!!?」」
まあ、こんなところも息ぴったりで……なんだか私がお邪魔虫みたいだわ。
あらやだ、何で殿下の事で私がモヤっとしないといけないのかしら?
「エイミー、こいつの話を聞いたらダメだ!きっとエイミーに悪影響がでてしまう!!」
「何を仰っているのかしら?どう考えても殿下と一緒にいた方が、エイミー様にはよくありませんわよ?」
「そんな!?エイミーはどっちと話がしたい?」
いやいや、私に話をふらないでよ!?
なんで殿下と殿下の婚約者様に私が挟まれないといけないのよ!!
でもフィーリア様はこうして話すと、なんだか私のツッコミも少なくて味方かもしれないわ!
「えっと、フィーリアさまの方がいいです」
「えええ!!!」
「ほら、見た事ですか!やはりエイミー様はわかっていらっしゃる方なんでわ!!」
喜ばれるフィーリア様には悪いけど、どっちがマシかレベルなんですけどね……!
「そんな、エイミー様にはワタクシからお話をしたい事がありますので、よろしければこちらの招待状をお渡し致しますわ!!」
「エイミー、ダメだ!!こんなやつの招待状を受け取ったら!」
「全く煩い男ですわね!さあ、エイミーさん招待状しっかりお渡しいたしましたからね!!」
そう言いながら、私の手に無理矢理招待状を握らせてくるのはやめて欲しいのですけど……!!?
そんな事を言う暇もなく、フィーリア様は殿下の腕を掴むと引き摺り出した。
「お騒がせ致しましたわ!この通り、殿下はワタクシが一緒に回収致しますので安心して下さいませ!!」
「は、はぁ……えっと、ありがとうございます?」
「な、なんで!エイミーは感謝してるんだい!?」
「では、ご機嫌よう。おーほっほっほっ!!!」
「あ、こら離せ、エイミーまたね!!」
引き摺られる殿下の叫び声が聞こえたのだけど、私はただ唖然とその光景を見つめるしかできなかったわ……。
フィーリア様、なんて嵐のようなお方。
わざわざ私にこんな手紙を用意するなんて、一体なんて書いてあるのかしら?
『親愛なるエイミー様へ。
殿下の婚約者としてあなたに話しておきたい事がございます。これは私にとってとても大事なことなのです。
つきましては、以下の場所にてお茶会を開催したく思います。是非ともご参加おお待ちしております』
フィーリア様、まさかこんな真面目な文で書いてくるなんて、行かないといけない気になるじゃないのよ!!?しかも大事な事って何……?
そう思って私はフィーリア様のお茶会に参加する事を決めたのでした。
0
あなたにおすすめの小説
魔法師団長の家政婦辞めたら溺愛されました
iru
恋愛
小説家になろうですでに完結済みの作品です。よければお気に入りブックマークなどお願いします。
両親と旅をしている途中、魔物に襲われているところを、魔法師団に助けられたティナ。
両親は亡くなってしまったが、両親が命をかけて守ってくれた自分の命を無駄にせず強く生きていこうと決めた。
しかし、肉親も家もないティナが途方に暮れていると、魔物から助けてくれ、怪我の入院まで面倒を見てくれた魔法師団の団長レオニスから彼の家政婦として住み込みで働かないと誘われた。
魔物から助けられた時から、ひどく憧れていたレオニスの誘いを、ティナはありがたく受ける事にした。
自分はただの家政婦だと強く言い聞かせて、日に日に膨らむ恋心を抑え込むティナだった。
一方、レオニスもティナにどんどん惹かれていっていた。
初めはなくなった妹のようで放っては置けないと家政婦として雇ったが、その健気な様子に強く惹かれていった。
恋人になりたいが、年上で雇い主。
もしティナも同じ気持ちでないなら仕事まで奪ってしまうのではないか。
そんな思いで一歩踏み出せないレオニスだった。
そんな中ある噂から、ティナはレオニスの家政婦を辞めて家を出る決意をする。
レオニスは思いを伝えてティナを引き止めることができるのか?
両片思いのすれ違いのお話です。
『処刑されるたびに12歳に戻る悪役令嬢、7回目の人生は「何もせず寝て過ごす」ことに決めたら、なぜか周囲が勝手に勘違いして聖女扱いされています
六角
恋愛
公爵令嬢リリアーナは、18歳の誕生日に必ず断罪・処刑されては12歳に戻るという地獄のループを6回も繰り返していた。 真面目に努力しても、剣を極めても、裏社会を支配しても、結局は殺される運命。 心折れた彼女は、7回目の人生でついに決意する。 「もう頑張らない。どうせ死ぬなら、今回はひたすら寝て過ごそう」と。
しかし、安眠を求めて「うるさい」と敵を黙らせれば『王者の覇気』と恐れられ、寝ぼけて放った魔法は『神の奇跡』と崇められ、枕への異常なこだわりは『深遠なる儀式』と誤解されてしまう。 気がつけば、ストーカー気味のヤンデレ王子、パン屋の元ヒロイン、狂犬の如きライバル令嬢、元部下の暗殺者、そして不眠症の魔王までもが彼女の信者となり、リリアーナは意図せずして国を、そして世界を救う「最強の聖女」へと祭り上げられていく。
「お願いだから、私を寝かせて!」 睡眠欲だけで運命(システム)さえもねじ伏せる、無気力悪役令嬢の痛快勘違いサクセス(?)ストーリー!
もう一度確かな温もりの中で君を溺愛する
恋文春奈
恋愛
前世で俺は君というすべてを無くした 今の俺は生まれた時から君を知っている また君を失いたくない 君を見つけてみせるから この奇跡叶えてみせるよ 今度こそ結ばれよう やっと出逢えた 君は最初で最後の運命の人 ヤンデレ国民的アイドル松平 朔夜(25)×平凡なオタク大学生佐山 琉梨(22)
あなたがいなくなった後 〜シングルマザーになった途端、義弟から愛され始めました〜
瀬崎由美
恋愛
石橋優香は夫大輝との子供を出産したばかりの二十七歳の専業主婦。三歳歳上の大輝とは大学時代のサークルの先輩後輩で、卒業後に再会したのがキッカケで付き合い始めて結婚した。
まだ生後一か月の息子を手探りで育てて、寝不足の日々。朝、いつもと同じように仕事へと送り出した夫は職場での事故で帰らぬ人となる。乳児を抱えシングルマザーとなってしまった優香のことを支えてくれたのは、夫の弟である宏樹だった。二歳年上で公認会計士である宏樹は優香に変わって葬儀やその他を取り仕切ってくれ、事あるごとに家の様子を見にきて、二人のことを気に掛けてくれていた。
息子の為にと自立を考えた優香は、働きに出ることを考える。それを知った宏樹は自分の経営する会計事務所に勤めることを勧めてくれる。陽太が保育園に入れることができる月齢になって義弟のオフィスで働き始めてしばらく、宏樹の不在時に彼の元カノだと名乗る女性が訪れて来、宏樹へと復縁を迫ってくる。宏樹から断られて逆切れした元カノによって、彼が優香のことをずっと想い続けていたことを暴露されてしまう。
あっさりと認めた宏樹は、「今は兄貴の代役でもいい」そういって、優香の傍にいたいと願った。
夫とは真逆のタイプの宏樹だったが、優しく支えてくれるところは同じで……
夫のことを想い続けるも、義弟のことも完全には拒絶することができない優香。
【R18】純粋無垢なプリンセスは、婚礼した冷徹と噂される美麗国王に三日三晩の初夜で蕩かされるほど溺愛される
奏音 美都
恋愛
数々の困難を乗り越えて、ようやく誓約の儀を交わしたグレートブルタン国のプリンセスであるルチアとシュタート王国、国王のクロード。
けれど、それぞれの執務に追われ、誓約の儀から二ヶ月経っても夫婦の時間を過ごせずにいた。
そんなある日、ルチアの元にクロードから別邸への招待状が届けられる。そこで三日三晩の甘い蕩かされるような初夜を過ごしながら、クロードの過去を知ることになる。
2人の出会いを描いた作品はこちら
「純粋無垢なプリンセスを野盗から助け出したのは、冷徹と噂される美麗国王でした」https://www.alphapolis.co.jp/novel/702276663/443443630
2人の誓約の儀を描いた作品はこちら
「純粋無垢なプリンセスは、冷徹と噂される美麗国王と誓約の儀を結ぶ」
https://www.alphapolis.co.jp/novel/702276663/183445041
学園では婚約者に冷遇されていますが、有能なので全く気になりません。〜学園でお山の大将されてても、王宮では私の方が有能ですから〜
織り子
恋愛
王都カラディナにある国立魔術学園では、満十六歳の生徒たちの社交界デビューを兼ねた盛大なパーティーが開かれていた。
侯爵令嬢タレイア・オルトランは、婚約者である第二王子アスラン・オグセリアの迎えを待つも、結局ひとりで会場へ向かうことになる。
学園では身分の差がないとはいえ、アスランが公然とタレイアを侮辱し続けてきたことで、彼女は生徒たちから冷笑と蔑視の的となっていた。しかしタレイアは、王城で政務を担ってきた聡明さと矜持を失わず、毅然と振る舞う。
転移先で日本語を読めるというだけで最強の男に囚われました
桜あずみ
恋愛
異世界に転移して2年。
言葉も話せなかったこの国で、必死に努力して、やっとこの世界に馴染んできた。
しかし、ただ一つ、抜けなかった癖がある。
──ふとした瞬間に、日本語でメモを取ってしまうこと。
その一行が、彼の目に留まった。
「この文字を書いたのは、あなたですか?」
美しく、完璧で、どこか現実離れした男。
日本語という未知の文字に強い関心を示した彼は、やがて、少しずつ距離を詰めてくる。
最初はただの好奇心だと思っていた。
けれど、気づけば私は彼の手の中にいた。
彼の正体も、本当の目的も知らないまま。すべてを知ったときには、もう逃げられなかった。
毎日19時に更新予定です。
最愛の番に殺された獣王妃
望月 或
恋愛
目の前には、最愛の人の憎しみと怒りに満ちた黄金色の瞳。
彼のすぐ後ろには、私の姿をした聖女が怯えた表情で口元に両手を当てこちらを見ている。
手で隠しているけれど、その唇が堪え切れず嘲笑っている事を私は知っている。
聖女の姿となった私の左胸を貫いた彼の愛剣が、ゆっくりと引き抜かれる。
哀しみと失意と諦めの中、私の身体は床に崩れ落ちて――
突然彼から放たれた、狂気と絶望が入り混じった慟哭を聞きながら、私の思考は止まり、意識は閉ざされ永遠の眠りについた――はずだったのだけれど……?
「憐れなアンタに“選択”を与える。このままあの世に逝くか、別の“誰か”になって新たな人生を歩むか」
謎の人物の言葉に、私が選択したのは――
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる