毎秒告白したい溺愛王子と、悪女になりたくないエイミーの激おこツッコミ劇場

ゆきぶた

文字の大きさ
30 / 65

報告1

しおりを挟む

「聞いてくださいユリア様!私好きな人ができたんですよ!!」

 最高の気分で言う私はどう見ても浮かれていたと思うのよね。
 でも、好きな人が出来たのは事実だから仕方がないと思うの!!

「まあまあ!!ついにエイミーちゃんにも春が来たのね?それでお相手は?どこのご令息なのかしら~!!」
「そ、それが……フィア様のお家に使えている護衛さんなのです」
「はい?今なんて仰ったのかしら?」
「ガーデンパーティーの日に、私を護衛し下さった方なんです!!」

 一瞬ユリア様の目が点になったように見えたけど、きっと気のせいよね?
 私そこまでおかしな事、言ってないはずよ!

「あ、あらそうなの~、一体どんな方なのかしら~?」
「凄く優しくて無口な方で、だから私の話もちゃんと聞いてくれて……それに同じ歳ぐらいで若いのに凄く強いんです!昨日、アストル様という方と戦う姿を見たいんですけど……」
「アストル様ですって!?」

 え?気になるのそっち!!?

「エイミーちゃんは大丈夫だったの?アストル様と言えば、ラミュー侯爵家の子息のことだと思うのだけど、あそこは代々宮廷魔術師の家系だもの物凄く物騒な人が多いのよ~?」

 待って!私そんな危険人物にナイフ突きつけられてたの!?こわっ!!!

「じ、実は危なかったんですけど、それを助けてくださったのがその護衛さんなのです!」
「あらまぁ……おかしいわね?あれ程強いアストル様に勝てるような護衛は、ブレイズ侯爵家にいたかしら~」

 流石ユリア様の情報網は凄いわ。侯爵家なら使用人の名前も全て入っていそうだもの……。
 でも実際に護衛さんが勝っていたところを私は見ているから、もしかしたらユリア様の情報は古いのかもしれないわね。

「きっと最近入った方なのではないです?若かったですし」
「んー、そうかもしれないわねぇ……」
「それにしてもアストル様は普通の護衛じゃ勝てないぐらい強いのですね……」
「噂で聞く限り、一度怒ると家族ぐらいしか止められないなんて言われてるのよ?」

 そんな狂犬を野に放っちゃだめじゃない!!?

「それから、唯一言う事を聞くのはフィーリア様だけだという噂もあるわね~」
「成る程、フィア様は躾役……」

 確かに昨日のあの2人の関係は、ペットと主人のようにも見えた。
 いや、その例えは流石に失礼かもしれないけど。

「そうかもしれないわね~。フィーリア様、人を躾けるの得意そうよね!」
「いや、きっとユリア様には言われたくないですよ!!!?」

 どうみてもユリア様も婚約者様を躾けてるようにしか見えないから、フィア様と同族だもの絶対に。

「そんなことりよも、エイミーちゃんの好きな人の話をもっと聞きたいわ~!」
「ええ!?」
「そういえば顔はどんな方なのかしら?カッコいい?でもエイミーちゃんは、顔で相手を選ぶようには見えないわよね~」

 顔……。
 思い出そうとしても、つるりと顔面を覆い隠すシルバーしかでなこないわよね。

「実は全身鎧のせいで顔まで覆われていて、全く見えてないのですよね……」
「え、見てないの~!!?そんなのありえないわよ!!!」

 そ、そんな!?ユリア様にツッコまれるほど、ありえない事なの!!!?

「エイミーちゃん、それってあとから顔を見ても同じこといえるのかしら~?」
「だ、大丈夫です。もし近衛さんがどんなに不細工でも、酷い顔をしていても受け入れられる自信がありますから!」
「どれほど自信があっても、それは顔を見てから言わないと駄目よ~。だからまずは顔を見せてもらえるほど仲良くなる事から初めて見てはどうかしら?」

 そんなに顔が大事だとは思えないけど、やっぱり駄目な顔とかってあるのかもしれないものね……。
 それにユリア様の言う通り、護衛さんが顔を見せてくれるようになったときには、私との仲も大接近しているかもしれないわよね!?

「そうですね、ではそのための作戦会議を……」
「それも大事だけど、エイミーちゃんは殿下に何と言うつもりなのかしら?」
「あー!あーーー!!殿下の事なんて聞こえない!今は聞きたくないですよ!!!?」

 護衛さんの事を考えるだけで幸せなのに、いつも脳裏では同時に殿下の姿がチラつくのだ。
 私は殿下の事好きじゃないはずだし、言い寄られているだけなのになんでこんなに後ろめたい気持ちになるのかしら?

「エイミーちゃん……まだ何も決めてないのね?駄目よ、ここはキッパリと言わないと」
「そ、そうですよね!ユリア様の言う通りです。私、殿下にガツンと言ってやります!!」
「ええ、その勢いよ。エイミーちゃん!」

 そ、そうよ。
 流石に好きな人が出来たと言えば、殿下だって引いてくれるかもしれないわよね?
 ただ殿下は私を脅して勝負を仕掛けてくるような最低男なんだったわ……ちゃんとすぐに逃げれるように準備をしないと行けないわよね?

「そうだ、ユリア様。殿下が私に変な事をしないか見張って貰うために、隠れて見ていて貰えませんか?」
「あら、そんな楽しそうな場面私が覗き見てもいいのかしら~?でもいきなりエイミーちゃんが殿下にチョメチョメされたらどうしましょう~!!ドキドキしちゃうわ!!」
「いや、何で不安になる言い方するんです!!?襲われる前に助けてくださいよ!!!」
「冗談よ、冗談。安心してエイミーちゃん、殿下が何かしそうになったらすぐに助けてあげるわ。でもその場合、殿下には社会的に死んでもらうかもしれないけど……」

 噂を武器にするユリア様らしい発言に、頼もしいけど少しドン引きしてしまったわ!?
 殿下も何もしてこなければいいけど……。
 そう思い、今日一日中憂鬱に過ごす事になったのです。
しおりを挟む
感想 3

あなたにおすすめの小説

魔法師団長の家政婦辞めたら溺愛されました

iru
恋愛
小説家になろうですでに完結済みの作品です。よければお気に入りブックマークなどお願いします。 両親と旅をしている途中、魔物に襲われているところを、魔法師団に助けられたティナ。 両親は亡くなってしまったが、両親が命をかけて守ってくれた自分の命を無駄にせず強く生きていこうと決めた。 しかし、肉親も家もないティナが途方に暮れていると、魔物から助けてくれ、怪我の入院まで面倒を見てくれた魔法師団の団長レオニスから彼の家政婦として住み込みで働かないと誘われた。 魔物から助けられた時から、ひどく憧れていたレオニスの誘いを、ティナはありがたく受ける事にした。 自分はただの家政婦だと強く言い聞かせて、日に日に膨らむ恋心を抑え込むティナだった。 一方、レオニスもティナにどんどん惹かれていっていた。 初めはなくなった妹のようで放っては置けないと家政婦として雇ったが、その健気な様子に強く惹かれていった。 恋人になりたいが、年上で雇い主。 もしティナも同じ気持ちでないなら仕事まで奪ってしまうのではないか。 そんな思いで一歩踏み出せないレオニスだった。 そんな中ある噂から、ティナはレオニスの家政婦を辞めて家を出る決意をする。 レオニスは思いを伝えてティナを引き止めることができるのか? 両片思いのすれ違いのお話です。

『処刑されるたびに12歳に戻る悪役令嬢、7回目の人生は「何もせず寝て過ごす」ことに決めたら、なぜか周囲が勝手に勘違いして聖女扱いされています

六角
恋愛
公爵令嬢リリアーナは、18歳の誕生日に必ず断罪・処刑されては12歳に戻るという地獄のループを6回も繰り返していた。 真面目に努力しても、剣を極めても、裏社会を支配しても、結局は殺される運命。 心折れた彼女は、7回目の人生でついに決意する。 「もう頑張らない。どうせ死ぬなら、今回はひたすら寝て過ごそう」と。 しかし、安眠を求めて「うるさい」と敵を黙らせれば『王者の覇気』と恐れられ、寝ぼけて放った魔法は『神の奇跡』と崇められ、枕への異常なこだわりは『深遠なる儀式』と誤解されてしまう。 気がつけば、ストーカー気味のヤンデレ王子、パン屋の元ヒロイン、狂犬の如きライバル令嬢、元部下の暗殺者、そして不眠症の魔王までもが彼女の信者となり、リリアーナは意図せずして国を、そして世界を救う「最強の聖女」へと祭り上げられていく。 「お願いだから、私を寝かせて!」 睡眠欲だけで運命(システム)さえもねじ伏せる、無気力悪役令嬢の痛快勘違いサクセス(?)ストーリー!

もう一度確かな温もりの中で君を溺愛する

恋文春奈
恋愛
前世で俺は君というすべてを無くした 今の俺は生まれた時から君を知っている また君を失いたくない 君を見つけてみせるから この奇跡叶えてみせるよ 今度こそ結ばれよう やっと出逢えた 君は最初で最後の運命の人 ヤンデレ国民的アイドル松平 朔夜(25)×平凡なオタク大学生佐山 琉梨(22)

あなたがいなくなった後 〜シングルマザーになった途端、義弟から愛され始めました〜

瀬崎由美
恋愛
石橋優香は夫大輝との子供を出産したばかりの二十七歳の専業主婦。三歳歳上の大輝とは大学時代のサークルの先輩後輩で、卒業後に再会したのがキッカケで付き合い始めて結婚した。 まだ生後一か月の息子を手探りで育てて、寝不足の日々。朝、いつもと同じように仕事へと送り出した夫は職場での事故で帰らぬ人となる。乳児を抱えシングルマザーとなってしまった優香のことを支えてくれたのは、夫の弟である宏樹だった。二歳年上で公認会計士である宏樹は優香に変わって葬儀やその他を取り仕切ってくれ、事あるごとに家の様子を見にきて、二人のことを気に掛けてくれていた。 息子の為にと自立を考えた優香は、働きに出ることを考える。それを知った宏樹は自分の経営する会計事務所に勤めることを勧めてくれる。陽太が保育園に入れることができる月齢になって義弟のオフィスで働き始めてしばらく、宏樹の不在時に彼の元カノだと名乗る女性が訪れて来、宏樹へと復縁を迫ってくる。宏樹から断られて逆切れした元カノによって、彼が優香のことをずっと想い続けていたことを暴露されてしまう。 あっさりと認めた宏樹は、「今は兄貴の代役でもいい」そういって、優香の傍にいたいと願った。 夫とは真逆のタイプの宏樹だったが、優しく支えてくれるところは同じで…… 夫のことを想い続けるも、義弟のことも完全には拒絶することができない優香。

【R18】純粋無垢なプリンセスは、婚礼した冷徹と噂される美麗国王に三日三晩の初夜で蕩かされるほど溺愛される

奏音 美都
恋愛
数々の困難を乗り越えて、ようやく誓約の儀を交わしたグレートブルタン国のプリンセスであるルチアとシュタート王国、国王のクロード。 けれど、それぞれの執務に追われ、誓約の儀から二ヶ月経っても夫婦の時間を過ごせずにいた。 そんなある日、ルチアの元にクロードから別邸への招待状が届けられる。そこで三日三晩の甘い蕩かされるような初夜を過ごしながら、クロードの過去を知ることになる。 2人の出会いを描いた作品はこちら 「純粋無垢なプリンセスを野盗から助け出したのは、冷徹と噂される美麗国王でした」https://www.alphapolis.co.jp/novel/702276663/443443630 2人の誓約の儀を描いた作品はこちら 「純粋無垢なプリンセスは、冷徹と噂される美麗国王と誓約の儀を結ぶ」 https://www.alphapolis.co.jp/novel/702276663/183445041

学園では婚約者に冷遇されていますが、有能なので全く気になりません。〜学園でお山の大将されてても、王宮では私の方が有能ですから〜

織り子
恋愛
王都カラディナにある国立魔術学園では、満十六歳の生徒たちの社交界デビューを兼ねた盛大なパーティーが開かれていた。 侯爵令嬢タレイア・オルトランは、婚約者である第二王子アスラン・オグセリアの迎えを待つも、結局ひとりで会場へ向かうことになる。 学園では身分の差がないとはいえ、アスランが公然とタレイアを侮辱し続けてきたことで、彼女は生徒たちから冷笑と蔑視の的となっていた。しかしタレイアは、王城で政務を担ってきた聡明さと矜持を失わず、毅然と振る舞う。

転移先で日本語を読めるというだけで最強の男に囚われました

桜あずみ
恋愛
異世界に転移して2年。 言葉も話せなかったこの国で、必死に努力して、やっとこの世界に馴染んできた。 しかし、ただ一つ、抜けなかった癖がある。 ──ふとした瞬間に、日本語でメモを取ってしまうこと。 その一行が、彼の目に留まった。 「この文字を書いたのは、あなたですか?」 美しく、完璧で、どこか現実離れした男。 日本語という未知の文字に強い関心を示した彼は、やがて、少しずつ距離を詰めてくる。 最初はただの好奇心だと思っていた。 けれど、気づけば私は彼の手の中にいた。 彼の正体も、本当の目的も知らないまま。すべてを知ったときには、もう逃げられなかった。 毎日19時に更新予定です。

最愛の番に殺された獣王妃

望月 或
恋愛
目の前には、最愛の人の憎しみと怒りに満ちた黄金色の瞳。 彼のすぐ後ろには、私の姿をした聖女が怯えた表情で口元に両手を当てこちらを見ている。 手で隠しているけれど、その唇が堪え切れず嘲笑っている事を私は知っている。 聖女の姿となった私の左胸を貫いた彼の愛剣が、ゆっくりと引き抜かれる。 哀しみと失意と諦めの中、私の身体は床に崩れ落ちて―― 突然彼から放たれた、狂気と絶望が入り混じった慟哭を聞きながら、私の思考は止まり、意識は閉ざされ永遠の眠りについた――はずだったのだけれど……? 「憐れなアンタに“選択”を与える。このままあの世に逝くか、別の“誰か”になって新たな人生を歩むか」 謎の人物の言葉に、私が選択したのは――

処理中です...